東方現想郷 〜True or Phantasmagoria of Another Dream… 作:しゃきしゃきれたす。
さて、方針は決まったものの、これから何をしようか。
一人畳に座って外を眺める。太陽がちょうど真上にきて、気温もやや上がってきた。
魔理沙は用事がある、と言って帰ってしまった。いやほんとに何しにきたんだあいつ。
まだ彼女がこの神社に来てから30分も経っていない。
霊夢曰くこれが日常らしい。週の半分くらいは神社に通っているとのこと。
その霊夢も買い出しに行ってしまった。荷物持ちでもしようかと言ったが、そんなに量はないと断られてしまった。
16歳で毎日自炊して暮らしてるらしい。すごいな、俺はほぼコンビニ弁当で済ませちゃうな。といってもこの世界にコンビニはなさそうだが。
そういうわけで俺はここで留守番となってしまったのだ。特にすることもないためこうしているのだが。
そういえば朝起きてから何も食べてない。久々の運動もしたし腹が減ったなぁ。
先ほどの会話を思い出す。
家の中の構造やルールなども聞いたが、なんと居候の間は霊夢が俺の飯も作ると言ってくれた。
…女の子の手料理とか役得だな!異世界も悪くないぞ〜〜
が、流石にタダ飯は申し訳ないので、協議の結果俺には洗濯と建物内の掃除が割り当てられた。
まかせろ、これでも一人暮らし経験者だ。それくらいなら余裕である。
今日の掃除洗濯はもう終わってしまったようなので明日からということになった。
早く帰ってこないかなーー。楽しみすぎる。
と、俺がぼーっとしていると外から足音が聞こえた。階段を登ってきてるようだ。
つまり…この神社に用がある人物が来たということである。
これって俺が出なきゃいけないよな?
不安がよぎる。霊夢や魔理沙は優しい人間だったからいいものの、
この世界にはそうじゃないものが沢山いると聞かされた。
来たのが妖怪だったら?
当然俺では太刀打ちできない。
この世界の住人は何らかの能力を持っていることが多いらしい。
当然だが俺には能力もそれを防ぐ術もない。 強力な能力を持った敵が現れたら早くも俺の異世界生活は終了のお知らせだ。
外で霊夢を呼ぶ声が聞こえる。女性の声だ。
全身に力が入る。俺は気配に気づかれないよう、なるべく静かに縁側から外に出て声がした玄関へ回り込んだ。
これならいきなり襲われることはないし、相手の姿を先に認識できる。
「霊夢さ〜ん?頼まれてたお酒持ってきましたよ〜〜 すいませーーーん」
いた。玄関の戸を少し開けて中を覗き込んでいる。珍しい緑髪の女性で、霊夢とはちょっと違う系統の服だがこちらも巫女のように見える。恐ろしい感じはあまりしない。
よかった。敵襲ではなさそうだ。
ただそれでも一応の警戒を保ったまま近づいて話しかけた。
「あの、何か霊夢に用事ですか?」
「霊夢さーーーーん? 、? へ?男の人?」
「あっ、ごめんな後ろから急に。べべべ別に怪しい者じゃないっす、ちょっとここに居させてもらってるだけというか、、」
これでは思いっきり不審者ですと自己紹介しているものだ。いやもうほんと、誰か俺に会話スキルを。
「えーっと? は、初めてお会いする方ですね。一体何をしていらっしゃるので…?
はっ、!ま、まさか霊夢さんの……ストーカー?」
「待て待て!なんでそうなるんだ、! 違うから、霊夢のご好意でしばらく泊めてもらってるだけなんだ!」
「霊夢さんの…好意? えっ!? 同棲ってことですか!?彼氏、男がいたんですね霊夢さん!私に相談も無しに〜〜〜〜〜」
顔を真っ赤にして一人で暴走?した女性。すると俺が何か答える前に半泣きで走っていってしまった。
待ってくれ〜〜〜 変な誤解したまま行かないでくれー!
が、走るスピードが速すぎてすでに朝足を酷使した俺では追いつけなかった。
あぁ、霊夢になんて説明しようか。怒られるだろうなぁ…
などと思いながら、俺は呆然と走り去った女性のあとを見て立ち尽くすのだった。