東方現想郷 〜True or Phantasmagoria of Another Dream…   作:しゃきしゃきれたす。

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第7話 わくわくクッキング

 

あれから数刻。そのまま立っているわけにもいかず、ひとまず居間に戻ってきた。

 

もはや冷め切ってしまった、正確に言えば気温自体が高いのでぬるい程度になったお茶の残りを飲み切った。

茶葉と急須が台所に置かれたままになっていたので、自分で二杯目をついだ。

 

勝手にやるのはいかがなものかとも思ったが、これからしばらくお世話になるのだし、そんなに気にすることでもないかと考えた。

 

茶葉の入った筒を棚に戻しておいたのだが、どの棚も非常に整頓されていてきれいだった。

性格が表れているんだな、と思った。と同時に、魔理沙ならこうはならないんだろうなぁとも思ってしまった。ごめんよ、この世界での知り合いは他にいないんだ。

 

まぁそれは置いといて。

もちろん俺も後者である。片付けなど面倒極まりない。自宅はゴミ屋敷ほどにならないレベルの汚さをキープしてきた。もちろん綺麗にしてた方がいいと言うのはわかるのだが、綺麗にしまった後またそれを取り出すという作業が無駄に思えて仕方ないんだ。

 

ただ流石にここでは居候の身のため、なるべく綺麗に使うよう気をつけよう、うん。

 

 

 

 

二杯目のお茶がちょうど半分になったころ。本日2度目の緊張が走った。また足音が聞こえたのだ。

間違いなく参道の階段を上がってきている。

 

「勘弁してくれ〜…」

 

小さな声で呟きながら、先ほどと同様に縁側から外に出た。

 

訪れた人物を見ようと玄関の方を覗き込んだ。が、そこには誰もいない。

 

 

あれ? 間違いなく足音はしてたんだけどなぁ

 

「ん? アンタ何してんのよ」

 

すると予期していなかった声が別の方向からした。そこには裏口から顔を出している人物が。

 

「えあっ!? れ、霊夢?」

 

「何よ、私の家なんだからいて当然でしょ? 

 

 ほら、色々買ってきたからご飯にしましょ」

 

 

「お、おう…」

 

そうか、そういえばそうだ。足音の正体は家主の帰宅だった。

もうそんな時間が経っていたんだな。色々あったもんでそれを失念していた。

 

というわけで俺のお留守番はちょっと気の抜けた感じで終わった。

 

 

台所では、霊夢がもう料理の準備をしていた。野菜類から魚、米まで本当に色々買ってきたようだ。

その場で俺はさりげなく話しかけた。

 

「あの、霊夢」

 

「なに?」

 

「実はさっきな、なんか緑髪の人が来てさ…」

 

「緑? うーん、幽香とか? でも何の用で…?」

 

「えっと、なんかその人も巫女っぽい服だった」

 

「あーっ、早苗ね。そう言えばお酒を頼んでたんだわ。守谷が珍しく新商品出すなんて言うから気になったのよね」

 

「うん、それでその早苗さん?が霊夢のこと呼んでたから俺出たんだけどさ、何故か不審者か霊夢の彼氏って誤解されてそのままどっか行っちゃったんだよね… いやほんと、すいませんっした。お酒っぽいのも持ってたんだけど受け取れなかった、ごめん」

 

なるべく端的に、一連のことを話した。どうせこういうのはすぐバレるし、隠すのは悪いと思ったからだ。俺の持論でもある。

霊夢は手を止めずに聞いててくれたが、どうだろう。霊夢が答えるまでのコンマ数秒を待った。

 

「ん、そうねぇ、早苗は昔っからそういうとこあるわね、ふふ。いいわよそんなことで怒ったりしないから。また今度取りに行けばいいし、早苗のすぐ思い込んじゃう性格はみんな知ってるからそんな噂にもならないわ」

 

「そっか、、うん、ありがとう」

 

「感謝されるようなこと言った? そんなに気使わなくてもいいのよ、これからここで生活するんだし。

 

 

 ねぇ、アンタって料理も一応できるって言ってたわよね、もうお昼過ぎちゃいそうだし、手伝ってくれない?」

 

「うん、ほんとに一応だけどな。何すればいい?」

 

霊夢が優しくて助かった。綺麗で几帳面で優しいとか、完璧すぎないだろうか?

本人は否定していたが、彼氏がいても何ら不思議じゃない。16歳だ。そういう時期というものだろう。ただ話を聞く限り、彼女は生まれ持ったその務めのために年相応のことはあまりする時間がないんじゃないかとも思う。

 

いや、そんなこと出会って初日の俺が考えることじゃないか。

 

まぁ、とにかく霊夢はいいお嫁さんになるんだろうなぁ…と若干きもいことを考えながら料理の手伝いをした。

テキパキと作業を進める彼女の横で、手伝いなんて不要じゃないかと思えるほどだったが。

 

流れるように時間が過ぎ、その後は一緒に遅めの昼食をとった。

特筆すべきこともないので、感想だけ言うことにしよう。

 

 

めちゃくちゃ美味かった。いやまじで。和食を作ったのだが、味付けから何もかも素晴らしかった。

向こうの世界だったら店出せるな。とても16とは思えない。

 

まだここにきてわずかだが、霊夢のこの生活力というか何というか、そう言うスキルには脱帽だ。

しかもこれがこの世界ではそんな珍しくはないらしい。

 

俺もそろそろ頑張らなきゃなぁ。いつまでも怠惰なわけにもいかんな。

 




いやなんか、霊夢ヒロイン一直線って感じがしてきてますが、まだそういうアレじゃないです。ヒロインはいっぱいの予定なので、まぁ気長に見ててくださいな。
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