瞼が熱くなって目を開けて体を起こして窓の外を見ると朝日が昇ってきて窓から光が差し込み部屋の床に格子の影ができる。
ベッドから降りて床に足をつくが寝不足だから足がふらついてベッドに座ってしまう。
寝ころんだまま顔だけ机の方に向けるとそこには山積みになった本とビリビリに破かれた紙の破片が散らばっている。
どれだけ勉強積み重ねても俺は2位だ。それ以上にはなれない。
アイツや周りの人間は俺が1位以外を取ることは認めない、その癖何かアドバイスする訳でもなくサポートがある訳でもない。
ただ放置するだけ。しかも放置するだけ放置して俺が結果を出せなかったらまた罵倒する。まるで人形の様に扱われている。
放置してたら勝手に成長するとでも思ってるのか?頭の中身入ってるのか?
ふらつく体を起こして部屋を出て食卓に向かう。正直最近は食欲も落ちてきてるから朝食もいらない。
「また夜更かしされたのですか?」
「だったらなに?」
「お2人が心配されます、ですから...」
「心配?何の冗談だよ」
あの2人が心配?笑える冗談だ。
「サディス、そういう慰めはいらないよ。期待されてない事は身に染みてる」
「慰めなんかじゃありません!!」
「どこがだよ、誰も俺のことなんて望んでないし気にもかけないし見もしない。見てるのは『勇者の息子』とかいうふざけた偶像だ」
「そんなこと....」
何も言えないんだろ。
家の倉庫には色んな物がある。
使わないけど捨てられない物、使うけど邪魔な物、思い出がある物。
そんな物の中にそれはある。
「こんなのの何がいいんだ」
床に描かれた魔方陣の真ん中に刺さっている勇者の剣。
こんな物があるから、こんな物のせいで俺は
「坊ちゃま!」
「あ、ああ、ごめん」
「やはり体調が...」
「大丈夫、どうって事はない」
「でも」
「大丈夫」
倉庫から出る時にもう一度見るが気に入らない。
こんな鉄の棒切れのせいで人生を踏みにじられるなんて。
キに入ラない。
「...きろ」
五月蠅いな、寝かせろ。疲れてるんだ。
「起きろ」
ウるさイ、今更何のようだ。散々放置してきた癖にまだ文句があるのか。
「起きんか!たわけ!」
「ウルさい、こっちは疲れ...お前誰だよ?」
起きたら半透明の魔族が宙に浮いていた。
誰だよこいつ。
「余が誰かだと?教えてやろう!我は大魔王トレイナ!全知全能であり最強の....」
「なんだ夢か」
「聞かんか貴様!」
夢に魔王が出てくるなんて遂に頭が可笑しくなったらしい。
妄想力が強くなったと開き直るべきか。
「妄想ではない本物だ!わざとか!?貴様わざとやっているのか!?」
やっぱり疲れてんのかな、もう無理かもしれない。
「10数年眠っておったが随分腑抜けた奴じゃな。これがわしを倒した者の息子とはな」
なんだこいつも同類か。
「わしがあやつらと同類だと!?取り消せ小僧!!そもそも貴様の父親は王と向き合ったなら一騎討ちするべき場面で集団で襲い掛かってくるような男だぞ!我は向かってくるのであれば正々堂々と戦ったのにあの男は!」
こいつなに言ってんだ?
殺し合いに正々堂々なんてある訳ないじゃん。
知識、経験、持てる手段全てを使って戦うんだ、相手を卑怯と罵る方が卑怯だろう。魔王の理論でいくならどんな形であれ全力で戦うなら正々堂々と言えるって事にならないか?
てか死んでる時点で全知でもないし全能でもない、ほんとに全知全能ならばそもそもあんな奴に負けたりしない。全知なら未来も過去も全て見通せる筈だ、なのにこいつの反応はまるでこんな男がいるなんて知らないという反応だった。
夢の中とはいえこんな痛々しい妄想をするなんて医者に掛かった方がいいのかもしれない。
「我は全知全能だ!!馬鹿にするなよ小僧!!」
昔、本で読んだけどそもそも自分が全能である事の証明はできなかった筈だ。
全能のパラドックス?だったかな、証明はほぼ不可能だった。今までに全能だった生物なんていなかったから証明できていないし、例えこの夢の中の魔王が全能を騙っても『自分が死ぬ』未来を変えられなかった時点で全能とは言えない。
「....グゥの音もでん」
この程度で論破されるとかホントに魔王かこいつ?街のガキ大将レベルじゃないか。
.....いや。夢の中とはいえこんな事を考える俺も大差ないか。
「ふ、ふん!とにかくこれは夢の中ではなく現実だ!いい加減に信じろ!」
こんな夢見るなんてどうかしてしまったらしい。暫くちゃんと眠るようにしよう。
「いいか!!これは夢ではないげ・ん・じ・つだ!!何故信じないんだお前は!あの親にしてこの子アリとはよく....」
「黙れ」
不愉快極まりない。夢の中でも不快な気持ちを味合わないといけないのか?
フザけるナ。
「消えろ」
「確かに今のは我が悪かったが、そもそもお前が我の話を聞か...」
「うるさい、消えろ」
「少し落ち着かんか。みっともないぞ、そんなにイライラしていては...」
「消えろ」
「だから落ち着けと...な、なんだこれは!!」
魔王(自称)の半透明の体にヒビが入り広がっていく。
「消えろ」
「まて!止めろ!このままでは我が消滅してしまう!!」
「消エろ」
「っ!!こ、これが1人の人間が持つ憎悪だというのか?だとすれば余は..我は...一体」
「キエろ」
「落ち着け!我が..我の所為だというのか!?我らの戦いがお前にそこまでの....」
「キエロ」
「ヤメローーーーーーーーー!」
断末魔を残して魔王の体は粉々に砕け散り光の粒になって消え去った。
これで不快な夢も終わりだ。
後は眠るだけ...違うか?夢だから起きるの方が正しいな。
明日からまた最低な日常が始まるのか。起きたくないなぁ。
この日彼は本物の『勇者』になった。
それも父親やその仲間の様な紛い物ではなく本物の勇者、たった1人で全てを覆す事がのできる文字通り『勇者』となったのだ。
しかも周りからの抑圧や誹謗中傷、人格否定などによって押し潰されていた伸びしろが『勇者』としての成長の伸びしろに変わった事により誰も想像できないような力を持つことになる。
これだけでは終わらない。
憎しみだけで魔王の濃密な魔力で構成された魂を破壊するという常軌を逸した偉業を成し遂げた。
そして運悪く彼の魔力と魔王の魔力は波長が合ってしまい僅かではあるが彼の魔力の中に取り込まれた。
ここから先は不運としか言いようがない。
吸収してしまった魔力は魂を構成していたのでその中には当然魔王の記憶の一部が記録されている、不運としか言えないが戦闘の記憶を吸収しの戦闘能力を継承してしまった。
本人は笑えないがもう笑うしかない。
魔眼の一部も吸収してしまい彼の気付かないうちに魔眼を取得してしまった。
『■■眼』、その能力は平凡に尽きた。
解析、制御、改変、この3つしか持たなかった。大したことのない平凡な能力、魅了したり幻覚を見せる訳ではない。制御と改変は自分にしか使えず、解析は力が及ばないものに通用しない。
しかし自覚のないうちに目覚めた魔眼は宿主の「強くなりたい」という願いを汲み取った。
吸収した魔王の魔力、その中に含まれている戦闘の記憶を基に体を作り替えた。
より強く、より速く、より強固にそして
誰も追い付く事のできない存在へと成長できる体へと変えていく。
長くお待たせ....もしかしたら待ってないかもしれませんがお待たせしました。
更新に時間がかかった理由は3つあります。
1つ目は、当然というか文章力皆無の奴が同時連載できるわけないっていう話です。
3000~5000書くのに1日かかってるのに同時連載なんてしたら頭爆発するって話ですよ(笑)
2つ目は僕の想像力が圧倒的に足りていないが原因です。
陰実はアニメ、マンガは『絵』で見る事ができるので基となるキャラクター像がしっかりとしているから書けますが、禁断師弟はマンガが僅か4巻で終わったのでキャラクター像がしっかりと固まらない内に終わってしまい構成が難しいんです。
後原作の話数が多い分纏めるのが難しくて。
責任転嫁だと思いましたよね?
その通りです(wwwwwwww)
想像力が足りない僕をク〇野郎と罵って下さい!
3つ目なんですけどこれを言ったら「じゃあなんで書くんだよ」と言われかねないですけど言います。
原作が全然スカッとしないんです。
個人的な解釈ですがムカつき7割スカッと3割ぐらいの割合なんで1話読むことにムカつきが強くなっていくんですよ。
これも個人的な話ですが嫌いなキャラ多過ぎるんですよ。出てくるキャラの半分は嫌いですね。
話の構成を立てる上で登場させないと話が成立しないキャラがいます、そいつら全員があ嫌いなんです。
かと言って出さなければ話が成立しない、成立させるためには出さないといけない嫌いなキャラの台詞を考えてるだけでイライラしてしまい全然書けないんです。
嫌いななんです、父親とか母親とか婚約者擬にストーカーくノ一、勘違いク〇ババア....etc
割と結構いるんです。
書こうとしたらイライラしていまい何度モニターを叩き割ろうとした事か。
別に原作が嫌いなんじゃないんです。
こればっかりは僕の想像力に問題があるんです。
ここから先はネタバレになります。
後で「なんか思ってたのと違う」とか「ク〇やな」とか言われたくないので今作のアースについて説明させていただきます。
ネタバレが嫌な方なら読まないでください。
僕の表現力が低いので分かる人なら分かる表現になりますがお許しください。
まず戦闘能力ですがドラ〇ンボール超に出てくるブ〇リーが一番いい表現だと思います。
潜在能力が異常なまでに高いもののそれを活かせる機会がなかった事で中途半端でしたが覚醒すると最初とは比較にならない強さになりましたよね。
あれと同じです。
覚醒イベントは終わったので後はもうブ〇リーみたく滅茶苦茶強くなっていきます。
次に性格ですがこれも僕の中で一番いい表現があるんです。
分からなかったらごめんね。
一番近いのがガン〇ム、鉄血のオルフェ〇ズに出てくる三〇月君が一番近いです。
一見狂っている様に見えますが実際は達観しているだけで割り切った性格、あれが一番近いです。
この性格に近づけるので、原作よりドライになります。
以上で言い訳と解説を終わります。
今後ともよろしくお願いいたします。