Grand Theft Archive:Kivotos   作:火焔茸

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ア!ニ!メ! ア!ニ!メ!
記念すべき初回放送、楽しみですね。

それはそれとして、更新でございます。
ついに対策委員会のメインミッションが先生にも打ち明けられます。


アビドスの借金

ヘルメット団の前線基地を破壊した俺たちは無事アビドスに帰って来た。

アビドスの皆も運転の仕方を知ってると聞いたんで、追加で奪った車両にも奪った物資を満載してきた。

しばらくはシャーレに追加の物資を要請しなくても戦えそうだ。

 

「うへ~、大収穫だねぇ。戦車まで手に入っちゃうなんて。」

「"まさかホシノが戦車も運転できたとはな、どこで訓練を受けた?"」

「昔、ちょ~っと…破天荒な先輩が居てね。」

「"先輩呼びって事は生徒か、随分ぶっ飛んだお嬢さんだな。"」

「そうだね…本当に変な人だったよ。」

「"…そうか。"」

 

ホシノの声にいつもの緩さが無かった。

過去形なのも、たぶん卒業とは違う別れ方をしたような含みがある。

…これ以上突っ込むのはやめて話題を変えちまおう。

 

「"さて、これで当面の間は襲撃の心配も減ったワケだ。"」

「やりましたね☆」

「やっと借金返済に集中できますね!」

「"…借金だと?"」

「…あっ」

 

急に空気が凍った、静まり返った教室にアヤネの鳴き声(?)がよく響く。

というか今なんつった?借金だと?

 

「"…ここまで協力してきたんだ、いまさら隠し事は無しだよな?"」

「うへ…」

「ん、先生なら信じても良いと思う。」

「まぁ…私たちの話を聞いてくれた大人なんて先生ぐらいですからね~」

「私はべつに期待しないから。先生だって結局は部外者だし、私たちを助けてくれるとは限らないでしょ。」

 

概ね俺を信用する方向で話がまとまりかけたが、ただ一人セリカだけは反対の声を上げる。

まぁ気持ちは分かる…何度も見捨てられ、裏切られた後ってのはそう簡単に人を信じられなくなる。

何年も死を嘆き続けた親友が、遠くの街で生きてた時とか…その親友と弟子入りした若造に殺された時とかな…

次会ったらマジでぶっ殺してやるからなアイツら…っとイカン、思考が脇に逸れた。

 

「それじゃ私はもう行くわよ、バイトあるから。」

 

結局セリカはバイトに行くと言い残して出て行っちまった。

アヤネはしばらく迷う素振りを見せたが、ホシノがその肩に手を置いて首を縦に振った。

改めて他の2人にもアイコンタクトを投げるが、一様に何も言わず頷く。

 

「先生。」

「"おう"」

「先ほど話にあった通り、我々アビドスはもう一つ大きな問題…多額の借金を抱えています。」

 

ここにきて知らされたもう一つの問題、だが俺が…ひいてはシャーレが介入すべき問題かどうかはまだ判断できない。

とりあえずアヤネが話を続けるのを見守る。

 

「額はざっと9億円(900万ドル)。毎月の利子を払うだけで精一杯で、正直に言うと返済額はほとんど減っていません。」

「"トンデモねえ額だな、そんな大金何に使ったんだ?"」

「すこし昔の話から始まるのですが、もともとアビドスは大きな学園で———

 


 

要約すると、砂漠化で街が砂に沈み、借金してまでそれを食い止めようと対策を打ち、結局しくじったと。

そして住人が逃げ、生徒が逃げ、それでもアビドスに残ったコイツらと、借金だけが残った…と。

 

「"しかしよ…利率おかしくねえか?明らかに連邦生徒会の制定した協定に違反してんだろ。"」

「その…災害で衰退していく街に融資してくれる銀行が中々なくて…」

「"闇金に手出したのか?"」

「はい…」

「先生、闇銀行の融資に踏み切ったのは当時の生徒会で対策委員会じゃないんだ。だから…責めるなら私にしてくれない?正式な生徒会に所属してるのは私だけだからさ。」

「"ああ悪い、別に責めるつもりは無かったんだ。ただ思ったより厄介な状況だと思ってな…"」

「うへ…まぁそうだねー、おじさんも何度か連邦生徒会に相談はしたんだけど、真っ当に支援しに来てくれたのは先生が初めてなんだよね。」

 

大体状況は分かった、ある意味では幸運かもしれねえ。

相手がアウトローなら、俺にとってもホームグラウンドと言える。

汚いやり方が通用する相手…それに腐敗した一部のコネならまだしも、大っぴらには公権力を頼れない相手だ。

 

「"銀行名は?"」

「カイザーローンです。」

「"なるほど…"」

 

確かT.P.I.設立前にやった市場調査で名前を見た覚えがあんな、カイザーPMCにカイザーコンストラクション。

複数分野に手広く展開するブラックマーケットの筆頭企業だ。

 

「"よし…俺も調べたい事ができたし一旦帰る、また襲撃喰らっても大丈夫そうだな?"」

「うへへへへ、今度は戦車砲をお見舞いするよー」

「"最高にゴキゲンなサプライズって奴だな。"」

「そんじゃ気を付けてねー、先生。」

 

俺はホシノに手をヒラヒラと振って校舎のエントランスへと降りて行った。

さて、帰ったらトランクに詰めといたアレを使うか。アビドスの皆にはちょいとお見せできねえからな…

俺はここに乗って来たトラック(カニス・ボーディ)のエンジンをかけ、正門から抜けていった。

行き先はシャーレビル…ではなくブラックマーケット、T.P.I.キヴォトス支社だ。




ここから本格的に、キヴォトスの透明感が血と硝煙に濁ったGTAに染まります。
次回もお楽しみに。
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