Grand Theft Archive:Kivotos 作:火焔茸
苦手な方は黄色い背景の部分を読み飛ばして頂けるとよろしいかと思います。
偵察を済ませ、カイザーバンクを離れた俺たちは
「折角ここまで遠出したんだし、色々見て回ろうよ~」
というホシノの提案により、アビドスへ帰る前に軽く観光していくことにした。
アヤネとノノミも普段なら反対するところだが、ブラックマーケットの地理や情勢に詳しい俺がついてるなら安心ということだった。
「"…と言っても、見る場所なんてあるか?観光地じゃねえんだぞ。"」
「何でもいいよぉ。可愛い後輩たちに、アビドスじゃ見れないものを見せたいんだよね。」
「"んじゃ『ガラクタ通り』に行くか。"」
『ガラクタ通り』―――
T.P.I.本社ビルから程近い、大通りから一本逸れた廃墟街だ。
だが廃墟は修復されて明かりが灯り、空き地にも廃材で組まれたバラックやテントが所狭しと立ち並ぶ賑やかな場所だ。
そんな内容を、行き先を案内すべく先頭を歩きながら生徒たちに話していた。
「"違法取引の温床ではあるんだが…一部の例外を除いて見逃してるのが現状だな。"」
「例外…?」
コテンと首を傾げるシロコに俺は答える。
「"ヤクと人身売買だけは見つけ次第片っ端から潰してる。"」
「…なぜその2つだけなんですか?」
「"生徒が巻き込まれたとき、命に関わるからな。"」
納得した様子のアヤネとは対照的に、今度はセリカが声を上げる。
「そもそも見逃す理由はなんなのよ?全部捕まえればいいじゃない。」
「"若い、若いなセリカ…"」
「な、何よ急に…?」
「"あえて『やりやすい場所』を作ってんだよ。そうすりゃ裏社会の情報が入ってきやすくなって、情勢や動向が掴めるようになる。事件が起きても捜査の糸口にアクセスしやすい…管理された犯罪って奴だ。"」
「そ、そんな事が許されるの…?」
「"許されはしねえさ、だが先に裁くべき大悪党がいる…処刑台の列のケツに追いやってんだよ。"」
「…そう。」
セリカはまだ釈然としない様子だったが、一旦受け入れることにしたようだ。
そうこう言っているうちにガラクタ通りの入り口が見えた。
闇の世界を覆い隠すように光輝くコンビニと、後ろめたさをかき消すようにBGMと呼び込み文句を喚きたてる家電量販店、その狭間にぽっかり空いたそっけないコンクリートの路地。
「"中の連中はそれなりに顔覚えてるからな、俺から離れんなよ。"」
そう言って俺は、見慣れた外壁を横目にその先へと踏み込んだ。
ガラクタ通りに並ぶ店はいつも通り、ワケ有りな品々を並べていた。
生産数も少ないままメーカーが倒産した希少品の銃。
最近ミレニアムで違法化したせいか、他の自治区でも販売が自粛されはじめたJHP弾頭。
羞恥心による戦意喪失効果を謳った、標的へのダメージよりも衣服を破壊する能力に特化したグレネード。
何に使うのか分からん回路基盤。
『米連邦保管庫』の刻印が入った金塊…おいレスター、まさかお前が売りさばいたルートって…
あと変なツラをした鳥のぬいぐるみとか…まぁとにかく色々あったし、皆もそれぞれ興味を惹かれる品はあったらしい。
「おっちゃん、これいくら?」
「ドラゴンブレスか…一発600円だな。」
「んー…10発買うから500円ほどまけてくれない?」
「…5700、それ以上は下げない。」
「うへ…良いよぉ、買った。」
「毎度。」
ホシノなんかは値切り交渉をやってのける強かさも見せた。
…そういやキヴォトス人って物理攻撃には強くても窒息とか熱は苦手っぽいんだよな、確かにドラゴンブレス*1は有効かも知れねえ。
一通り見て回ると、当然だが通りの反対側に出る。
ビルの間を抜けて少し表通りを歩けば、T.P.I.本社の目の前にたどり着ける。
実際うちの社員も裏道として利用することが結構あるらしい、治安維持にパトロールを派遣しなくても済むからありがてえ話だ。
「"少し早いが、帰るか?"」
「…だね」
と、そこでグゥ~~~とマヌケな音が響く。
「"…"」
「「「「「…」」」」」
俺の胃袋だった。
皆の視線が刺さる。
「"何か食うか"」
「「「「「先生の奢りですか?」」」」」
「"急にハモるな!…まぁ良いけどよ。"」
近くの広場に出店してるキッチンカーを見てみることにした。
大通りに出てしまえば割と普通に過ごせるし、真っ当な店はだいたいこっち側に集まってる。
T.P.I.のお膝元だけあって、表向きの治安は比較的マシってワケだ。
何を食うかで軽く相談してた皆だったが、どうやらたい焼きを食う事にしたらしい。
餡入りとカスタード入りを注文し、焼き上がりを待つ。
「"そういや、たい焼き食うのも始めてだな。"」
「あら、そうなんですね~…先生って普段何食べてるんですか?」
「ハンバーガーとか、ステーキとかでしょうか?」
「ん、確かにボリュームある方が好きそう。」
「"確かにそういうモンばっか食ってるな。"」
「うへ~…元気だねぇ…おじさん胃もたれしちゃうよ…」
「"何言ってんだ、明らかに俺のほうが『おじさん』だろが"」
「あ、そういえばそうか~!あははは!」
「"HAHAHAHA!"」
とか言ってるうちにブツが出来上がった。
受け取ったたい焼きを1つ手に取り、齧る。
「"…うめえなコレ"」
モチモチの生地に包まれた餡は、確か豆が原料と言ってたか…甘い割にはしっかりと食いごたえがあってメシとデザートの中間みてえな感じだ。
カスタードの方も美味い、熱い生地に保温されたトロトロの食感だ。
「でしょー?先生もたまには普段食べないものとか食べてみなよ。」
「"あぁ、そうだな。"」
俺は頷きながら、袋がカラになるまで皆とたい焼きを味わった。
ヤクと違って禁断症状を気にしなくて良いのが最高だな、甘い物は。
スッカラカンの紙袋をポケットに突っ込み、帰ろうと立ち上がった時。
「な、なんで追いかけてくるんですかっ!?」
悲鳴を上げて広場へと走ってくる生徒がいた。
低く結ばれた二束の茶髪を振り乱し、金色の瞳に焦りと困惑を浮かべた白い制服の娘。
頭にはヘイロー…見て見ぬフリはできねえな、今の俺は先生だしよ。
「"おいおい、いったい何から逃げてんだ、そこのお嬢さん?"」
「へっ?あっいやその…!」
返答は銃声に遮られた、俺と彼女の頭のちょうど中間を弾丸が抜けていく。
銃声のした方を見れば、いかにもガラの悪そうなスケバンが複数人。
「なんだ、爺さん?アタシらはそこのお嬢さんに用があんだけど。」
「"…へぇ、そうかい。"」
そこでアヤネから通信が入る、いつの間にやら修羅場の気配を察知して離れたみてえだな。
≪その制服、キヴォトスでも指折りのマンモス校『トリニティ総合学園』のものです。≫
「"ほう、トリニティの制服…ねぇ。"」
俺の呟きに、調子こいた口調でスケバンが返す。
「そしてキヴォトスで一番金を持ってる学校でもある!」
「だから拉致って身代金をたんまり頂こうって訳さ!」
「どーよ、アタシらの財テク?天才的だろ?」
黙って聞いてりゃ、調子よくベラベラと喋り続けるモンだな。
「爺さんも興味あるなら乗るか?分け前は…」
「"知らねえよ"」
「…あ?」
あぁクソ、そろそろ限界だ。
「"お前らが何を企んでようが知らねえし、それで痛え目にあっても俺は怒らねえ…先生だからな。"」
「は…先生?」
「おい待てヤベエぞ、もしかしたらこの爺さん…」
また爺さんっつったなこのクソガキども、いくら先生とはいえ、いくらヤクが抜けて精神が落ち着いたとはいえ、流石にキレた。
「"いいかテメエら…よく覚えとけ…"」
スケバンを倒せ。
背負っていたショットガンの安全装置を解除し、そのまま目の前のガトリングを持った奴の顔面に全弾発射。
マスクの×印が良い目印になる、狙いやすくて助かるぜクソッタレが。
「な、テメエこの野郎…!」
不意討ちで仲間をブチ抜かれて黙っているワケもなく、SMGを持った奴が俺に発砲してくる。
俺はそれを―――特に避けるでもなく正面から受けた。
「「「「先生!」」」」
目の前で9ミリを
俺はそれを聞き流しながら、弾切れのポニテ女に言った。
「"…それでしまいか?"」
「嘘だろ…おい…なんで効いてねえんだよ…」
そう、俺の昔からの特異体質だ。
本気でブチギレると視界が黄色く染まって、いつもより筋力やら身体能力が上がる。
そのついでに、この通り銃弾すらほぼ効かなくなる…原理は分からんが。
「"こっちの番だな。"」
先ほど沈めたスケバンからガトリングを拾い上げ、銃身を回す。
「ひっ…!」
慌ててリロードしようとするが、もう遅い。
圧倒的な連射力から放たれるノコギリじみた銃声が響き渡り、ブチ撒けた鉛の嵐が後ろに数人いた残りのスケバンすら巻き込んでいく。
…が、肝心のメインターゲットがまだ無事だ。未だにリロードを試みているが、今度は手が震えてマガジンを取り落した。
俺は悠然と残り数歩の距離を詰め、持っていたSMGを蹴り飛ばす。
「"ちょいとお灸を据えておこうな…T.P.I.のお膝元で調子コいたらどうなるか、身をもって教えてやる。"」
「ひ…ひぃッぃい、い…」
腰を抜かしてなお逃れようとケツを引きずって後ずさるスケバン。
俺はぶっ放した直後で赤く鈍い光を放つ銃身を持ち上げ、無駄に丈の短いセーラーから覗く腹にそれを突きつけた。
「ごッ、ごめんなさい!許してください!調子乗ってました!爺さんとか言ってすみませんでした!お願いしますそれだけはやめてください、お願いしm」
□で根性焼きを入れる
「あ”っ”…あ”つ”っ”!ぃぎッ…ひ”ぎ”ゃ”ぁ”ぁ”あ”あ”ああアアア―――!!!!!」
こうして俺はスケバンどもを鎮圧した。
後で聞いた話だが、この光景を見せられたセリカは一瞬気絶してたらしい。
「助けていただいてありがとうございました!」
「"いや…8割ぐらい俺の八つ当たりだし気にすんなって。"」
「それでも助けられたのは事実ですから!」
例のトリニティ生徒はそう言って俺たちに頭を下げた。
「そうだ、助けていただいたのに名乗りもしてませんでした!
私は『阿慈谷ヒフミ』と申します!」
「アビドス高校の小鳥遊ホシノだよ、よろしく~」
「同じくアビドスの十六夜ノノミです☆」
「砂狼シロコ、よろしく。」
「黒見セリカよ、無事で良かったわ。」
「同じく、奥空アヤネと申します。」
「"連邦捜査部顧問のトレバー・フィリップスだ、よろしくなヒフミ。"」
そんな感じで自己紹介ついでにモモトークの連絡先を交換した。
それから俺は少し気になった事を聞こうとしたが、ホシノに先を越された。
「でもさぁ、トリニティって言ったらお嬢様学校じゃん。それがなんでブラックマーケットに居るのさ?」
「あ、それはですね…これです!」
そう言ってヒフミはスマホの画面に映る一枚の画像を見せてくる。
…口にアイスクリームをネジ込まれて、あらぬ方向に目を泳がせ、ダラリと舌を放り出した鳥のぬいぐるみだった。
「"…『アイス』でキマった鳥か?ずいぶん前衛的なモチーフだな。"」
「ペロロ様のグッズなんです!限定生産で100体しか存在しない希少品なんですが、ブラックマーケットに流れているという噂を耳にしまして。」
「"ペロ…なんだって?"」
その名前を聞いてノノミが反応した。
「わぁ☆モモフレンズですね!可愛いですよね~、ペロロちゃん!」
「わわ、ノノミさんもご存じですか!?」
「はい~私はミスター・ニコライが好きなんです!」
「分かります!哲学的なところがカッコよくて…最近出た『善悪の彼方』も買いましたよ、もちろん初版で!」
すげえ盛り上がりだな、流行ってんのか?この変なツラの鳥。
「いや~、何の話だかおじさんにはさっぱりだなぁ。」
「"奇遇だな、俺もだ…"」
「そもそも2人はこういうファンシー系に興味ないでしょ。」
「ふむ、「"最近の若い奴にはついていけん」な…"」
セリカのツッコミにおじさん2人でボケつつハモりつつ、同好の士を見つけてはしゃぐ2人をしばし見守った。
数分間にわたってマニアトークを繰り広げた後、本題が置き去りな事に気がついたヒフミがやっと話題を戻してくれた。
「あっ…ともかく、そのグッズを探す最中に先ほどの人たちに絡まれてしまいまして…」
「"なるほどな、まだ見つかってねえのか?"」
「はい、残念ながら手がかりさえ…」
…そういやガラクタ通りに似たようなぬいぐるみを扱ってる奴がいたな?
「"ところでヒフミ、ガラクタ通りには行ったか?"」
「え?そんな場所があるんですか?」
「"ああ、似たようなぬいぐるみを扱ってる奴が居た覚えがある…ああ安心しろ、違法取引の温床だが人身売買とヤクはない。"」
「えーと…何だかアンバランスな場所ですね?都合が良すぎるような…」
「"そうだな、都合が良いように整備してんのさ。地元企業の力でな。"」
「なるほど、そうなんですね…あはは…」
「"ヒフミさえ良けりゃ案内してやろうか?お前らも良いよな?"」
「そうだねぇ、乗りかかった船だし。」
「お出かけ延長、ですね!」
「ん、あそこは見てて楽しいから好き。」
「シロコ先輩ブレないわね…まぁ私も異論はないけど」
「では決まりですね、どうでしょうヒフミさん?」
そう提案すると
「ありがとうございます!よろしくお願いします!」
輝くような笑顔でそう言った。
そして
「ペロロ様のためならスラムだろうとマフィアの事務所だろうとなんのそのです!」
ちょっとコイツの将来が心配になった。
場所は戻ってガラクタ通り、雑貨を取り扱う露店の一角に件の『モモフレンズ』とやらを並べた店にたどり着いた。
…が、お目当てのぬいぐるみは無かった。
「"悪ぃな、アテが外れちまった…"」
頭を突き合わせてそう悩む俺たちに、店主が声をかけてきた。
「お嬢ちゃんたち、もしかしてアレ探してんのかい?限定品だとかいうアイスの…」
「知ってるんですか!?」
「そりゃな、ブラックマーケットの同業はライバルであると同時に仲間だ。情報網があんのさ。」
「そっ、それでペロロ様はどこに!?!?」
ヒフミに詰め寄られた店主は小傷だらけの画面にピクセルの欠けた困り顔を表示しながら、ペンを取り出す。
「嬢ちゃん、適当な紙持ってねえか?住所と地図書いといてやるよ。」
「そ、そこまで親切にしていただけるなんて…ありがとうございます!」
「良いってことよ、それに…社長の客だろ?」
「へ?社長?」
「"俺のことだな、
「先生なのにブラックマーケットでビジネスまでしてらっしゃるんですか!?」
「"ああ、そうだ。だから多少の土地勘もあんだよ"」
「なるほど、そうだったんですね…」
そんな会話をしているうちに店主の地図が描きあがったようで、受け取ったヒフミと共に礼を告げた俺たちは教えてもらった店へと向かうことにした。
歩くこと十数分、T.P.I.の縄張りを抜けてカイザー影響下の地域にソレはあった。
「"気を付けろよヒフミ、ここら辺はウチの縄張りじゃねえからな…俺の顔や評判はクソの役にも立たねえぞ。"」
「は、はい!」
意を決して、ヒフミは戸を開けて店内に踏み込んだ。
やけに無愛想な猫人の店主がカウンター越しに、こちらを一瞥もくれずに出迎えた。
「…いらっしゃい」
「あの、ペロロ様のぬいぐるみを置いてるとお聞きしたのですが…限定生産品で、こういうアイスを咥えたデザインの…」
「…あぁ、あるよ。」
「本当ですか!?」
「欲しいのか?」
「はい!」
「ふん……そうだな…」
ジロジロと無遠慮にヒフミの身なりを見た後、店主は平然とした様子でこう言った。
「100万だ、払えるのか?」
「え…?」
「聞こえなかったか?アレは100万円だよ。」
「えと…その…」
そう来たか…仕方ねえ。
見かねた俺はヒフミの肩を掴んだ。
「"ちょっと来い"」
「えっ?でもペロロ様が…」
「"いいから来いって"」
店主と少し距離を取ってから、俺は小声で話し始める。
「"あのぬいぐるみは100万が相場なのか?"」
「いえ…明らかに高いですけど、希少品ですし仕方ないんじゃ…」
「"バカ言え、吹っ掛けられてんだよ。トリニティの制服着てるからな。"」
「え…?」
「"トリニティってのは金持ちがウヨウヨ居るお嬢様学校なんだろ?"」
「あっ…確かに。」
「"…俺に考えがある"」
そう言って俺はポケットに突っ込んであった紙袋を取り出して、側面を破いて穴を空けた。
「"いいかヒフミ、俺が喋るからその場の雰囲気で口裏合わせろ。"」
「えっ、え…?どういう事ですか!?」
「"ほら行け"」
俺はヒフミの背を押して、半ば無理やりに店主の前に出した。
「…まだ何か?」
「"店主…コイツは親切で言ってやることだがな。"」
「…?」
「"このお方をただの世間知らずな箱入りお嬢様だと思っちゃいねえか?"」
「…なんだい急に、因縁つけようったってそうはいかないよ。」
俺はヒフミの背後から、手に持った紙袋を頭にかぶせた。
「ひゃぁ!?」
「"このお方は…ブラックマーケットでも指折りのアウトローでな。"」
なんて適当ブッこきながら目線を巡らせて店内を見渡す。
「"ホームグラウンドはガラクタ通りだし、ここらじゃ『ファウスト』の名を知らねえのも無理ねえだろうけどな…"」
「な、何が言いたい…」
「"物の相場って奴は分かってんだよ。アンタもブラックマーケットで商売してる身だ、吹っ掛けんなとは言わねえ…だが相手は選んだ方が幸せな人生が送れるんじゃねえか?なぁ?"」
もはやヒフミは無言で棒立ちだが、逆に余裕そうに見えたのか店主は目に見えて狼狽え始めた。
やっぱ素人は表情を隠しちまうに限るな。
「"さてもう一度聞こうか…ソイツをいくらで売る?"」
「…………~~~~~クソッ、3万で良い!とっとと持ってけ!」
「あはは、ありがとうございます…」
ヒフミに差し出された金を受け取った店主は、案外大人しくブツを渡した。
あの口惜しげなツラと来たら…しばらく笑い話のタネに困らんな。
目当てのブツを手に入れたヒフミは、俺達に深々と、そして何度も礼を告げた。
そして別れ際
「もし手伝えることがあればいつでも連絡くださいね!」
と言って去っていった。
強盗メンバー「ファウスト」が解除された。