Grand Theft Archive:Kivotos 作:火焔茸
解釈違いかもしれませんが、拙作のトレバーはこんな感じです。
「ここがシャーレのメインロビーです。
長い間空っぽでしたけど、ようやく主人を迎える事になりましたね。」
私はドアに貼り付けられた『空室 近々始業予定』の張り紙を剥がすと、先生を中へと招き入れました。
「ここが、シャーレの部室です。」
「"良いね…良い部屋だ、気に入った。冷蔵庫がデカいのが何より良い。"」
「お気に召したようで幸いです、ここで先生のお仕事を始めると良いでしょう。」
「"ああ、それで…シャーレってのは一体何をすりゃ良いんだ?"」
「…シャーレは、権限だけはありますが目標の無い組織なので、特に何かをやらなきゃいけない…という強制力は存在しません。
キヴォトスのどんな学園の自治区にも自由に出入りでき、所属に関係なく、先生が希望する生徒たちを部員として加入させることも可能です。」
そうお伝えしている間に、みるみると先生の目の色が変わるのが分かりました。
「"…冗談にしては回りくどいな。"」
「いえ、信じがたいかもしれませんが事実です。」
「"それは有り得ねえ。いや、あっちゃならねえ。"」
「あってはならない…ですか?」
先生の言わんとする所を理解できず、私はつい聞き返しました。
「"権力はいつだって義務とセットだ、それを切り離すことは社会をぶっ壊す事に他ならねえ。"」
「…。」
「"だがお前の言う事が本当なら、連邦生徒会長は俺に権力だけを置いていったことになる。"」
「…はい。」
「"それは腐り切った警察とか、頭の足りねえ政治屋どもの仕事だ。俺はそんな生き方をする趣味はねえ。"」
先生の言葉は私の抱えていた違和感をあっさりと、しかし端的に言葉にしていました。
黙って先生の言葉に聞き入ります。
「"行動には責任が付きまとう。奪えば、奪われる。殺せば、殺される。持てば、失う。
…信頼されれば、手を組める。"」
先ほどまでの暴れっぷりが嘘のように先生はスラスラと言葉を並べていきます。
この時ばかりは、先ほどの戦闘でヨレて煤けたシャツ一枚の先生が少し頼もしく見えました。
「"今のままじゃ、顔も知らねえ会長サンに後で何を要求されるか分かったもんじゃねえ。
首輪をつけられてたまるかってんだ…デカい事をするなら、報復を覚悟でやらなきゃな。"」
最後のセリフで全て台無しでしたが。
ですが先生の懸念も理解できます、そこで私は1つの提案をしました。
「…でしたら、我々連邦生徒会からの依頼という形で権限をお預けします。」
「"へえ…そう来るか。仕事の内容は?"」
「まず、私たちは会長を探すのに全力を尽くしているため、キヴォトスのあちこちで起きる問題に対応するだけの余力がありません。
今も連邦生徒会に寄せられてくるあらゆる苦情…支援物資の要請、環境改善、落第生徒への特別授業、部の支援要請など…
それらの対処を、先生にお願いしたいのです。」
「"完璧な人選だな、企業経営なら経験がある。"」
「本当ですか!?でしたら尚更、お願いしたします。
関連する書類を机にまとめておきました、順番や方法は先生にお任せします。」
「"報酬は?"」
「月額の基本給と、解決手当てがあります。経費についてはこちらを。」
懐に準備しておいた雇用条件書を提示すると、先生はそれを読みながら何度か、物価や細かい条件や休暇などの質問をしたのち、顔を上げました。
「…いかがでしょうか。」
「"契約成立だ。"」
そういって先生の差し出した右手を、私も握り返しました。
破天荒な方ではありますが、彼なりの方法で力を貸してくれると信じることにしましょう。
小難しい書き方をしたので、すごい雑なまとめ
・無用な責任を負いたくない
・それはそれとして、金が入るなら仕事として責任を負う
(いきなり権限だけくれるとか、その手の美味しいシチュエーションに警戒心MAXです)
・抗争は好きだが、権力で人を従わせるのは趣味じゃない
(彼の中でマトモな手段とは、カリスマ/財力/暴力 で従わせるの3択です)
また今回の話にはありませんが彼は
・過去の(ホッケーのコーチに掘られた)トラウマから『生徒に手を出す大人は死ぬべきクズだ』と考えている
・子供を殺すのは気が引けるが、死なないなら遠慮なく撃てる
の二点が精神の根底にあるため今後も恋愛に発展することはありませんし、前線にも出ます。