Grand Theft Archive:Kivotos 作:火焔茸
シャーレの先生として仕事を始めてから2週間が経った。
リンの依頼通り、俺は連邦生徒会を通してシャーレに届いた依頼を片付けまくった。
内容は実にバラエティ豊かだ…不良生徒の鎮圧、ブラックマーケットに流れた違法武器の市場調査、失踪した猫探しなどなど…
正直言って、お行儀が良すぎる仕事ばかりで退屈だった。
俺が出る必要ねえぐらい簡単な仕事も多かった。
ということで、作ってやったぜ
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シャーレからの依頼解決手当てを元手に、違法武器の調査で集めた情報を利用して市場に食い込んでやった。
俺自ら不良生徒の鎮圧に出て、目ぼしいセンスを持った生徒をスカウトして回ったから人手も十分だ。
そして何より、アロナが役に立ってくれた。
ありとあらゆる情報を整理して、必要ならハッキングまでやってのける実力がある。
しかも重要そうな情報を自分で判断して優先的に回してくれる…まさに至れり尽くせりだな。
レスターより有能なハッカー兼ブレインがいるとはな、世の中広いもんだ。
【数日前…】
「い、一体なんなんだね君は!」
部下から「銃を持った男がたった一人で襲撃してきて、現在進行形でオートマタをなぎ倒しながら進撃中」という報せを聞き、私は机の引き出しから護身用に忍ばせている拳銃を引っ張り出した。
ブラックマーケットで商売する以上、襲撃くらいは想定の上だが、ヘイローも無しに1人でここまで来るとなれば相当の猛者だ。
私はドアに照準を定め、ドアを蹴り破った男に発砲しながら叫ぶ。
「"おたくの市場に介入するんで、ご挨拶に伺っただけだ。"」
「な…っ、護衛を全員蹴散らして、銃口を向けるのが挨拶だと!?」
だが男は気にする素振りも見せず、銃弾を腹で正面から受けた。
見ればボディアーマーを着込んでいるが、それでもバットでフルスイングを喰らうのと大差ない衝撃と痛みが襲うはず。それだというのに苦悶の表情を見せない…どころか笑っていた。
狂っている、目の前のコイツは痛みを恐れない、話の通じるタイプではない。
そう確信した私は引き金に力を籠める…が、相手の方が僅かに早かった。
乾いた破裂音と共に飛び出したバックショットが機械の体を殴りつけ、天地が逆転し、頭に衝撃が走る。
「"わが社へ商談にきた客を脅しつけた事は分かってんだ、そっちのやり方を見習っただけだぞ。"」
「なにをデタラメな、ぐあっ!」
奴は私の取り落した銃を部屋の隅へ蹴り飛ばすと、その足で顔を踏みつけてきやがった。
「"本当ならこのままブチ殺して、靴底にこびりついた脳みそをお前の家族に食わせるところだがな…お行儀よく商売するなら今後は見逃してやる。
あいにく今は『先生』なんでね、生徒の教育に悪い事はできねえ。"」
「ぐ…おのれ…」
「"あ、もう一個言い忘れてたな。"」
「…」
なにが先生だ、言動がメチャクチャすぎる。
これだけ暴れ散らかしておいて、まだ飽き足らぬというのか。
「"ヤクは駄目だ、生徒の健康に悪いからな。もし次に俺がブラックマーケットに来てもヤクを売ってる奴がいたら、とっ捕まえて生徒の目につかない場所でオモチャにしてやる。
同業者にもそう伝えろ、お前の持っていた在庫も全部焼いておいたからな。"」
もはや言葉が出なかった。
いきなり闇の武器市場に介入したと思えば、健康に悪いからと薬物市場の撲滅を宣言する。
そもそも、この話が広まったが最後、カルテルがこぞって命を狙うのは火を見るより明らかだ。
コイツは一体何がしたいんだ?
「"お騒がせしたな。ヤクの件、ちゃんと伝えとけよ…そんじゃ。"」
本当に意味が分からない。
…しかし、マーケットガードとかいう連中は手ごわかった。
久しぶりに
まぁ、お陰でブラックマーケットの治安維持組織の需要に空白ができたんだけどな。
社員たちの提案で手を広げたPMC産業を軌道に乗せたから良しとするか。
原作との相違点まとめ
・先生が既にブラックマーケットに詳しい
・先生の財布がそこそこ潤っている
・違法薬物関連の産業が急激に衰退
・一部地域のマーケットガードが壊滅、代わりに『T.P.マーセナリーズ』が台頭
原作と変わってそうで変わってない所
・先生はカイテンジャー好きだし超合金カイテンFXもデスクに飾っている
(インポマンのくだりからヒーロー好きなのは判明している)
・生徒に手は出さないし一線は越えない。
・生徒の前では行儀よく過ごすことを心掛けている
(実は「パトリシアとの約束を未だに守っている」という理由がある)