ガンダムSEED 〜守るための戦い〜 作:てこの原理こそ最強
地球に降りるためのシャトルに民間人が続々と搭乗していく。その列にキラも並んでいた
「あっ!」
「ちょっと!戻りなさい!」
するととある小さな女の子がキラに近づいた
「どうしたの?」
「いままでまもってくれてありがとう!」
「ッ!」
女の子は持っていたカバンから折り紙で作った花を感謝の言葉を添えて手渡した
「ありがとう」
「うん!」
女の子は列の前の方で手を広げて待っている母親の元に戻り、振り向いてキラに手を振る。母親も何度も頭を下げている
「キラ!」
「トール!」
列が進むのを待っているキラの元にトール達がやってきた
「みんないないから心配したんだ。でも、なんでまだ軍服?」
「残ることにしたんだ、俺達」
「えっ!?」
「ここ人手不足らしいしさ」
「このまま降りても寝覚めが悪そうだし」
「これ。キラの分の除隊許可書。持ってけってさ」
「残る!?なんで!」
「フレイがさ、志願したんだ。軍に」
「フレイが!?」
「うん。だから俺達も」
「え...えっ!?」
『総員第一戦闘配備!』
友達が地球へ降りずこのまま軍へ入ったとなって驚きのあまり固まってしまっているキラ。そんな中アークエンジェル内で警報が鳴り響く
「おいそこの!もう出すぞ!」
「あっ!待ってください!こいつも乗ります!」
「トール!」
「これも運命だ。お前は無事に地球に降りろ」
「ちょっ!レオくんは!?」
「レオ?そういえばあいついなかったな」
「ここにいないってことは、レオも残るんじゃない?」
「えっ...でも、さっきは降りるって...」
「キラに気を遣ったんじゃない?レオが残るって言ったら、キラも残るって言い出しかねないし」
「ッ!」
「じゃあなキラ!」
「元気でな!」
「何があってもザフトにだけは入らないでくれよな!」
「平和になったらまた会いましょ!みんなで!」
トール達はキラが思っていた方とは別に道に。アークエンジェルの中へ戻っていった
「...」
「おい、早くしろ」
キラは果たして...
「何してる?」
「ッ!?」
警報が鳴り始めた頃今回はパイロットスーツを借りに更衣室に来たレオはキラが着ていたパイロットスーツを持っているフレイと出会った
「まさかとは思うが、キラの代わりに...なんて考えてないよな」
「ッ!な、んで...」
「本当に考えてたとはな」
レオはわかっていたとは言え頭を抱えた
「悪いがお前には無理だ」
「でも...!」
「あれはお前にわからせるつもりでやったことだ。少しでも理解してくれたならそれでいい」
「...」
「いい機会だフレイ・アルスター。俺はお前の本心を聞きたい」
「本心...?」
「本当は俺やキラを恨んでいて、戦争を終わらせるためにキラを利用し、最終的にキラや俺に復讐しようって考えがあるんじゃないのか?」
「ッ!馬鹿なこと言わないで!」
フレイはレオの言葉を聞いてすごい剣幕で近寄りレオの頬を叩いた
「確かにパパは死んじゃった!でも殺したのはキラやあなたなの!?違うでしょ!」
「...」
「確かにすぐ心の整理がつけられなくてあなた達を恨んだわ!でも気づかせてくれたのはあなたでしょ!?」
「...」
「だから私も何かしなきゃって思った!少しでもいいから死ぬ人が少なくなればって!でも、わかってる...私が何かしたところで、この戦争が終わるわけじゃないって...」
「...」
「結局あなた達に頼らないといけない...でもキラはもう...」
「レオくん!フレイ!?」
「キ、ラ...」
民間人と一緒に地球へ降りたはずのキラがなんとフレイの目の前に現れた
「フレイがなんでこんなところに...」
「私...キラ、行っちゃったと思って...」
「キラの代わりに戦闘に出ようと思ってたらしい」
「えっ!そんな無茶な!フレイみたいな女の子が、無理だよ!」
「でも...私...」
「ストライクには僕が乗る。フレイの分も僕が戦うから」
「キラ。できたのか?お前の意志は」
「うん。僕決めたよ。誰も死なないように、この戦争を終わらせる」
「ッ!」
「そうか」
偶然にもキラの意志はフレイと同じものとなった
「フレイ・アルスター」
「なに...?」
「先ほどは悪かった。それとキラのこと、よろしく頼む」
「は?」
「レオくん!よろしくって!?」
「キラはずっと1人で戦ってきたんだ。友達を守るため。その一心で。キラには拠り所が必要なんだ。守るべき場所であり、還るべき場所になってほしい」
「レオくん...」
「もちろんよ」
「ありがとう」
「あなたも」
「ん?」
「あなたも、その...ちゃんと還って来なさいよ...」
「ッ!?あぁ。わかった」
レオはこの次の展開の邪魔をしないようパイロットスーツを持って先に部屋を出た
(まさかフレイに引っ叩かれるとは思わなかった...おー痛てぇ...)
「マードックさん。準備できてますか?」
「当たり前だ!って坊主!?」
「はい」
「お前...地球に降りたんじゃ...」
「見ての通り残りましたよ」
「はぁ!?」
マードックの驚きのでかい声が響く中、レオはノワールに乗り込みブリッジに通信を繋いだ
「艦長。出撃します」
『レオくん!?え!なんで!?』
「皆さんが心配で残りました。それより出撃許可を」
レオとキラは地球に降りたと思っていたマリューは予想通り驚いていた
『アークエンジェルはこのまま地球へ降下します。許可できないわ』
「このままでは第8艦隊は全滅しますよ」
『...』
『そういうことなら俺も出るぞ艦長!』
『フラガ大尉!』
『敵さんもこのまま降ろさせちゃくれないでしょ。少しでも戦力を削る!』
「そういうことです。それにあのハルバートン提督、みすみす殺させたくないでしょう?ラミアス艦長!」
『ッ!』
マリューは口に出さなかった核心をつかれ動揺する
「艦長!」
『...。わかりました。各機出撃!』
『そうこなくっちゃ!ムウ・ラ・フラガ出撃る!』
既に準備を整えていたムウが先に発進する
『レオ!』
「よぉミリアリア。キミも残ったのか」
『トール達もね!』
「みんな勇敢なのか無謀なのか」
『それはレオも一緒でしょ?』
「違いない」
『こんなところで言うことじゃないかもしれないけど、これからもよろしくね』
「こちらこそな。ミリアリアは全力で守るから」
『ッ!』
「もちろん他の奴らもな。行ってくる」
『気をつけて』
続いてレオも発進。戦場は既に大混戦となっていた
『坊主!あの4機がいるぞ!』
「みたいですね。俺が引き受けます。フラガ大尉はジンを中心にお願いします」
『ジンの方が数が多いってのに無茶言ってくれるね〜』
「なら交代しますか?」
『ほざけ!やってやらぁ!』
ムウはレオの挑発に火がついてしまったのかブースターを点火させ加速、レオもそれに続くようにブースターを吹かし前方に出てきたジンのバスーカ目がけて発砲した
『うおっ!今俺狙っただろ!』
「そんなわけないじゃないですか」
ちょうどムウが通った後に砲撃をしたためムウ自身自分が狙われたかのように思ってしまったが、メビウス・ゼロが目線を誘導してくれたことでレオは余裕で狙いを定めることができた。狙ってはいないが連携プレイになってはいる
「来たな...」
ムウと共に2機目のジンの頭部を破壊すると、レーダーに高速で接近してくる4機の反応があった。それはもちろんデュエル、バスター、ブリッツ、そしてイージスだ
「フラガ大尉。一旦別れます」
『あぁ。死ぬなよ坊主!』
「はい」
ムウはその場を離れレオのみが4機を迎え撃つ形に
いつもながらにして接敵一番バスターが長距離攻撃で牽制しブリッツと追加装備<アサルトシュラウド>を装備したデュエルが接近してくるもバスターの攻撃を躱しながらブリッツとビームサーベル片手に新しく追加された右肩にあるレールガンを打ちながら接近してくるデュエルに片方ずつビームライフルを連射。ブリッツはそれをシールドで防ぎ一旦距離を取る。しかしデュエルの方は構わずなおも接近して横からビームサーベルで斬りつける。レオは左手にあるビームライフルショーティを後方へ投げビームブレイドを手に取りデュエルからの攻撃を相殺し蹴り飛ばす。その反動で後方に距離を取り、ビームブレイドをしまって再びビームライフルを手に取った
これまでならここまでで一旦攻撃の連鎖は止まっていたのだが、今回は4機目にイージスがいる。いつの間にかレオの側面を取り射撃してくる
「さすがアスラン、正確な射撃だ。だが却って軌道が読みやすい!」
イージスからのビームライフル3連射を左に回転しながら避けるとその動きのままお返しと言わんばかりに両ビームライフル計8連射をイージスにお見舞いした
『レオくん!』
「来たかキラ」
イージスが一旦距離を取り再びデュエルが接近してきたのだが、そのデュエルに対してビームライフルを射撃しながら近づいてくるストライク、キラの姿があった
ストライクの出現にデュエルはレオへの接近を中止。方向転換して一直線にキラの方へ向かっていった。それにイージスも続く
「2機そっち行ったぞキラ」
『わかってる!』
「大丈夫か?」
『うん!僕も戦うんだ!』
「わかった。じゅあそっちは任せた」
『レオ!ジンが!』
「わかった」
キラと合流したのも束の間、アークエンジェルから通信が入りジンから攻撃を受けているとのこと。レオはすぐさま救援に向かった。ただバスターとブリッツもキラの方に向かうのはマズいと思って2機に背を向けながら当てずっぽうに射撃をする。敵からしてみればおちょくられていると思われてもおかしくない行動だった
『チッ!この数じゃ!』
「フラガ大尉」
『レオ!?』
ジン2機に追われていたムウにレオが合流。ムウに当てないよう背後からジンに向けて発砲。2機共の両腕を打ち抜いた
「苦戦してるみたいですね」
『なんでそんな余裕そうなんだお前は!』
「焦っても視野が狭くなるだけですので」
『羨ましいねぇまったく!』
「上です」
『うぉっ!?』
さらにジンを撃退しようと動こうとした瞬間、上部からレオを追いかけてきたバスターからのガンランチャーを前に収束火線ライフルを後に連結した散弾砲が襲い掛かった。しかしレオの発生のおかげで間一髪これを回避できた
『連れてきてどうすんのよ!』
「そう言われましても...」
『フラガ大尉!レオ!』
バスター、ブリッツの接近を確認したところにアークエンジェルから通信が入った
『2人とも帰還してください!アークエンジェルはこれより降下シークエンスを開始します!』
『降下!?この状況でか!』
『艦長が判断し司令官から命令が下りました!』
「ただそれだと第8艦隊は...」
『メネラオスより各艦コントロール、そして全てのクルーへ。ハルバートンだ。これより我が艦隊は限界までのアークエンジェル降下支援防衛戦に移行する。厳しい戦況ではあるが、かの艦は明日の戦局のために決して失ってはならぬ艦である。陣形を立て直せ!第8艦隊の誇りに懸けて1機たりとも我らの後ろに通すな!地球軍の底力を見せてやれ!』
「失ってはならない。それはあなたもですよ、ハルバートン提督閣下」
レオは地球軍艦に迫るジンからのミサイル計8発をビームライフルショーティの射撃ですべて撃ち落とした