ガンダムSEED 〜守るための戦い〜   作:てこの原理こそ最強

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第二十話

 

 

太平洋を進んでいたアークエンジェル。海に出て早々敵の襲撃を受け、失踪したカガリの捜索など問題もあった。そしてまたも敵からの襲撃に見舞われていた

 

『回避!』

 

『バリアント!ウォンバット!撃てー!』

 

アークエンジェルは現在イージス、バスター、デュエル、ブリッツの4機から攻撃を受けていた

 

『こっちは無視かい!?うぉーらっ!!』

 

敵はアークエンジェルに攻撃を集中している。ムウがイージスに向けて発砲するも軽々回避されてしまう

 

「キラもだけど成長が早くて嫌んなるな。さすがは赤服ってところかっ!」

 

レオはアークエンジェルに向けて放たれたバスターのミサイルを打ち落とし近づこうとしているブリッツに迫る

 

「こっちにもあれほしいな。あの土台みたいなやつ。なぁキラ?」

 

『言ってる場合じゃないよ!』

 

『レオ!集中して!』

 

「もちろんだ」

 

ミリアリアに怒られるレオ。すっかり彼女はレオの手綱握りを任されてしまっているようだ

 

『グゥルを狙ってって!バジルール中尉が!』

 

「了解」

 

アークエンジェルの左側から攻撃しようとしているブリッツにビームライフルを連射。回避させるとその上空にいたバスターに2連装レールガンを放った

 

『イーゲルシュテルン4番5番被弾!』

 

『損害率30%を超えました!』

 

レールガンを放ったレオだったがバスターの攻撃に一歩間に合わずアークエンジェルが被弾してしまう

 

『デュエル接近!』

 

『クッ!』

 

弾幕が薄くなったところにデュエルがアークエンジェルに、というより甲板にいるストライクに接近する。キラは冷静にこれを迎撃。デュエルが乗るグゥルを撃破した。しかしデュエルはそのままの状態のまま降下していく

 

『まさか!あのまま取り付く気か!?』

 

「任せろっ!」

 

アークエンジェル底部からブリッツを追って出てきたレオが方向を変え空中でビームサーベルを手にレールガンを放ちながらただ落下しているデュエルに接近した

 

「空中戦を知らないやつの攻撃に当たるものかっ!」

 

レオはレールガンを巧みに避けながらデュエルの足を切断し海へ蹴り落とした

 

「もちろんこっちを狙ってくるよな。キラ!」

 

『うん!』

 

デュエルを落としたレオの元にブリッツが迫る。しかしそのブリッツにもまたキラがブースターを吹かし接近。体当たりでグゥルから突き出しついでのようにグゥルを破壊した

 

「来てるぞキラ!」

 

『ッ!』

 

そこへイージスがビームライフルを撃ちながら接近してくる。キラはシールドで防ぎながら姿勢制御を完璧に操りアークエンジェルの甲板へ戻った

 

『なんだ?艦長、あれは...』

 

『ッ!』

 

サイが報告したのはこちらに接近してくるとある水上艦隊

 

『あれは!領海線上にオーブ軍!』

 

『なに!?』

 

『た、助けにきてくれたの?』

 

『領海に寄りすぎてるわ!面舵15!』

 

『えっ!?』

 

『これ以上近づいたら撃たれるわよ...!』

 

『そんな!』

 

一瞬安堵の表情を浮かべるカズイに対して無情な現実を突きつけるマリュー

 

『オーブ軍は友軍ではないのよ!平時ならまだしもこの状況では...』

 

『構うな!このまま領海へ突っ込め!』

 

「またあいつは...勝手にブリッジに上がって...」

 

通信から聞こえてくるのはカガリの声。その声にレオはまた機嫌が悪くなる

 

『オーブには私が話す!早く!』

 

『カガリさん...?』

 

『展開中のオーブ艦隊より入電!』

 

マリューにも状況が理解できないところにオーブ軍から全体に向けて通信が入った

 

『接近中の地球軍及びザフト軍に告ぐ。貴艦らはオーブ連合首長国の領域に接近中である。速やかに進路を変更されたい。我が国は武装した船舶及び航空機、モビルスーツなどの事前協議なしに領域への侵入を一切認めていない。速やかに転進せよ。繰り返す。直ちに転進せよ。これは最後通告である。本艦隊は転進が認められない場合、貴艦らに対して発砲する権限を有している。』

 

『この状況でよくそんなことが言えるな!アークエンジェルはこのまま領海に入る!だが攻撃はするな!』

 

オーブ軍の警告に対しアークエンジェルからカガリが拒否の進言をする

 

『な、なんだお前は!』

 

『お前こそなんだ!お前では判断できんと言うなら行政府へ繋げ!父を...ウズミ・ナラ・アスハを呼べ!』

 

『なっ!』

 

『私は...カガリ・ユラ・アスハだ!!』

 

その名前にオーブ軍のみならず今まで行動を共にしてきたマリューやナタル、キラも驚く

 

『何をバカな!姫様がそんな艦に乗っておられるはずがなかろう!』

 

『なんだと!?』

 

『仮に事実であったとしても何の確証もなしにそんな言葉に従うこともできん!』

 

『あっ!こらっ!』

 

カガリの本名を出したが通信は切られてしまった。そして通告があったにもかかわらず戦闘を止めないバスター。ビームライフルを撃ちながらアークエンジェルに接近する

 

「う~ん...なんだか敵の援護するようで気が引けるが、仕方ない」

 

レオは攻撃を止めないバスターに接近。バスターも接近してくるレオに気づき迎撃する。しかし急に目の前からノワールの姿がなくなる

 

「重力下でやるもんじゃないな!」

 

バスターへの接近する途中でレオはバスターの下へ潜り込むように移動。急な方向転換にレオ自身にかかる重力も相当なものだった。しかし移動は成功。下からバスターの乗るグゥルを破壊

 

「もういっちょ!」

 

それだけでは終わらずバスターをアークエンジェルの後方に蹴り飛ばした。しかしバスターは最期の悪あがきとでも言いたげにガンランチャーを前面に向け収束火線ライフルを後に連結した対装甲散弾砲でアークエンジェルのスラスター部分を撃ち抜いた

 

『うぉっ!!』

 

『1番2番エンジン被弾!44から55ブロックまで隔壁閉鎖!』

 

『推力落ちます!高度維持できません!』

 

『これでは領海に落ちても仕方ないな』

 

『えっ...』

 

『心配はいらん。第2護衛艦群の砲手は優秀だ。上手くやるさ』

 

『...。わかりました』

 

マリューはカガリと共にいた男の言葉の意図を理解したのか特に反論することなく受け入れた。そしてアークエンジェルはオーブ領海内に着水した

 

『警告を無視し領海に侵入した貴艦に我が国はこれより自衛権を行使するものとする』

 

通告に従わなかったとしてオーブ軍からの宣言と共に艦隊からアークエンジェルへ砲撃が始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<オーブ領オノゴロ島>。領土侵入通告を行った艦隊が帰還する中にアークエンジェルの姿があった

 

実は先ほどの砲撃はザフト軍を欺くためのものだった。現にオーブ軍からの砲撃は一発たりともアークエンジェルには当たってはいなかった

 

『指示に従い艦をドックに入れよ』

 

「オノゴロ島は軍とモルゲンレーテの島だ。衛星からでもここを伺うことはできない」

 

「そろそろ、あなたの正体も明かしていただけるのかしら?」

 

「失礼した」

 

カガリに付いていた男はマリューに向かって敬礼をする

 

「オーブ陸軍第21特殊空挺部隊、レドニル・キサカ一佐だ。これでも護衛役でね」

 

「そうですか。我々はこの措置をどう受け止めればよいのでしょうか?」

 

「それはこれから会われる人物に直接聞かれるのがよかろう。オーブの獅子、ウズミ・ナラ・アスハ様にな」

 

なぜあんなレジスタンスに一国の姫とその護衛がいたのかなど知る由もない。しかし彼女が乗っていてくれたおかげで助かった、そう思えても仕方ないこと。ボロボロとなったアークエンジェルはオーブ軍の指示通り島のドックに入港した

 

入港後すぐに会合の場が設けられ、マリュー、ナタル、ムウの3人は通された部屋にてオーブ国代表、ウズミ・ナラ・アスハと対面することとなった

 

「周知の通り我が国は中立である。公式には貴艦は軍に追われ領海から離脱したということになっている」

 

「はい」

 

「助けていただいたのは御息女がいらっしゃったから、でしょうか...?」

 

「ふん。国の未来と身勝手なバカ娘、天秤にかけれるとお思いかな?」

 

「いえ、失礼致しました!」

 

「そうであったならいっそ分かりやすくてよいのだがな。ヘリオポリスの件、巻き込まれ志願兵となったこの国の子供達。聞きしに及ぶXナンバーの活躍。人命のみ救い、あの艦とモビルスーツは沈めてしまった方がよいのではないかと迷った。今でもこの選択が本当に正しかったのかわからん」

 

「申し訳ありません。ヘリオポリスのことも子供達のことも。私ごときから言えることではありませんが心の底から謝罪するものだと思っております」

 

「よい。その件に関してはこちらにも責任はある。内部の問題でもあるのでな」

 

ヘリオポリスの崩壊。民間人であった子供達を戦争に巻き込んでしまったこと。そしてそんな子供達に降りていいと言えなかった自分自身の不甲斐なさを言葉にするマリュー

 

「我々が中立なのはナチュラルもコーディネイターも、どちらも敵対したくないからだ。が、力なくばその意志を押し通すことができず...かと言って力を持ち過ぎればそれもまた狙われる...軍人である君達にしてみればいらぬ話だろうがな」

 

「ウズミ様のお話もわかります!しかし...」

 

マリューはウズミの話を聞きつつも恩師であるハルバートンの意志を思い出す

 

「ともあれ、こちらも貴艦を沈めなかった最大の理由をお話しせねばならん。ストライク、及びノワールのこれまでの戦闘データとパイロットであるコーディネイター、キラ・ヤマト、レオ・シュヴァルグランによるモルゲンレーテへの技術協力を希望する」

 

「なっ...!」

 

「叶えられるのであればこちらもかなりの便宜を貴艦に計れるだろう」

 

「ウズミ様!それは...!」

 

簡単に言えばアークエンジェルの修繕、武器弾薬の補充をしてほしいなら技術提供しろ。そうウズミが言っているのだ。ウズミは"希望する"という言葉を使った。しかし実際には既にアークエンジェルはオーブに恩という名の借りができてしまっている。そしてこのままボロボロの状態でアラスカ本部にまで辿り着けないことも3人は容易に想像できているはずだ。つまりこれは"希望"とは言われているものの拒否のできないような"脅し"に近いことを3人は突きつけられているのだ

 

さすがにその場で答えを出すわけにもいかず3人は一旦答えを持ち帰りアークエンジェルへ戻った。保留と言ってももうほとんど答えは決まっているようなものだが...

 

「私は反対です!この国は危険すぎる!」

 

戻って早々ナタルが先ほどのウズミからの提案に反対の意思を示した

 

「そう言ったってじゃあどうすんの?ここで艦を降りてアラスカまでみんなで泳ぐか?」

 

「そういうことを言っているのではありません!修理に対しては代価をと!」

 

「わかっちゃいるんだけどね」

 

「それで済むものかしら...なにもおっしゃられなかったけどザフトからの圧力も当然あるはずよ」

 

「...」

 

ザフト軍だってバカではない。いくら公式に領海を離脱したと言われても信じられるわけもない。むしろ疑われて当然。そんなことはナタルもわかっている

 

「それでも庇ってくれてるってことは...わかるでしょ?」

 

「...。艦長がそうおっしゃるなら私には否定する権限はありません。しかし今回のことはアラスカに着いた際に問題に上げさせていただきます!」

 

ナタルは口ではそう言いつつも納得できないといった態度で部屋を出ていった

 

「今回のこと()だろ?」

 

「そうですね...」

 

「また坊主共には悪いけどな...」

 

「えぇ...あ〜もぅ...」

 

「ふっ」

 

マリューあまりのしんどさに机にふっ伏してします。そんな彼女を労うようにムウが背中をポンポンと叩いた

 

「やめてください少佐...セクハラです」

 

「え〜...」

 

まさかの言い返しでムウはさっと手を離した

 

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