ガンダムSEED 〜守るための戦い〜   作:てこの原理こそ最強

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第二十八話

 

 

ニコルとディアッカと別れたレオは急いでミリアリアの部屋に向かった

 

「ミリアリア、いるか?」

 

『入って』

 

扉をノックし中にいたミリアリアから返事をもらい入室するレオ。ミリアリアはまだ暗い顔のままベッドに腰かけていた

 

「遅い...」

 

「すまない。少し手違いがあってな」

 

「...。ここ座って」

 

「あ、あぁ」

 

ミリアリアに導かれレオは彼女の隣にそっと腰掛けた

 

「さっきも言ったが心配かけてすまなかったミリアリア」

 

「うん」

 

「ミリアリアも無事でよかった」

 

「うん」

 

「...」

 

「...」

 

どうしても無言になってしまう雰囲気にレオはどうしていいかわからなくなってしまった

 

「ごめんね。私何から話していいかわからなくって」

 

「いや別に...」

 

「レオが生きてて、また会えて頭真っ白になっちゃってて...上手く言葉が出ないの」

 

「そうか」

 

ミリアリアは俯いたままゆっくりと言葉を並べる。それをレオは急かすことなくじっと聞いていた

 

「まだ整理がついていないのなら無理して言わなくてもいい」

 

「...」

 

「ミリアリアが安心するのであればいくらでも側にいる。言葉なんてなくてもいいさ」

 

「...。うん、ありがと」

 

ミリアリアはレオの反応に安心したのかそっとレオに体を自分の体を傾けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『モビルスーツ群、航空機隊、オノゴロを目標に進行中!』

 

『迎撃ー!!』

 

『モビルスーツ隊発進急げ!!』

 

オーブから再三の会談要求があったにもかかわらずそれを無視した地球軍が早朝から侵攻を開始した

 

「きゃっ!?」

 

レオは急いでパイロットスーツに着替えようと更衣室へ向かっている途中でニコルとぶつかってしまった。倒れそうになるニコルをレオは抱き止める

 

「すまん、大丈夫か?」

 

「は、はい」

 

「よかった。じゃあ俺急ぐから」

 

「レオくん!」

 

「ん?」

 

走り出そうとしたレオをニコルが止めた

 

「戦いに出るんですか...?」

 

「もちろん」

 

「無謀だとわかっていても、ですか...?」

 

「あぁ。それでもだ」

 

「...」

 

ニコルの言いたいことを悟ったレオ。戦力的に絶望的なオーブ軍。状況を考えればいずれ落とされる。ニコルもそれがわかってしまっていたのだ。しかしそれでもレオは戦うことから逃げることはないことを主張する

 

「お世話になってるオーブが信念を曲げずに戦うことを決意してるんだ。俺が諦めるわけにはいかない」

 

「でも、この国は君とは...」

 

「関係ないからって見過ごせるわけもない。それにみんな戦うんだ。俺の戦う理由は、みんなを守るためだから」

 

「...」

 

「ニコルも早く避難しろ。君にも死んでほしくはない」

 

「ッ!?」

 

ニコルをその場に残して走り去るレオ。そんなレオの後ろ姿からニコルは目が離せないでいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそーっ!!」

 

キラは既に出撃していた。そして早々例の新型3機、大鎌を持ち類を見ないシールドでビームを曲げて防いでいる<フォビドゥン>、モビルアーマーへ形体変化可能な<レイダー>、射撃特化の武装の<カラミティ>と交戦していた

 

『キラ!』

 

「アスラン!?どうして!」

 

3機の総攻撃に押され気味のキラも元へアスランが介入。敵は現れたジャスティスに攻撃を集中させた

 

『俺達にだってわかっているさ!戦ってでも守らなきゃならないものがあることぐらい!』

 

「アスラン...」

 

『蹴散らすぞ!』

 

「うん!」

 

キラとアスラン、2人の共闘が再び実現する

 

一方埠頭の方には地球軍の量産型モビルスーツ<ストライクダガー>が大量に上陸した

 

『マユラ!』

 

『ジュリ!上!』

 

『えっ...!』

 

レオから色々とレクチャーを受けていたオーブ3人娘もM1アストレイにて戦場に出ていた。しかしまだ実践経験が浅い上に敵が多すぎて情報処理が追いつかない。そんな中ジュリ機の頭上に敵が迫っていた

 

「やらせるか」

 

しかし敵は横から猛スピードで接近してきたユニティに蹴り飛ばされた

 

「大丈夫ですか?」

 

『レオくん!』

 

「ここら一帯は俺が蹴散らします。その間に体勢を立て直してください」

 

レオは地上すれすれを飛び回りビームライフルとサーベルを駆使して敵の頭部や足、腕を次々と破壊していった

 

『王子様...』

 

『ジュリ!?』

 

『羨ましいけど、ここまだ戦場だから!言ってる場合じゃないよ!』

 

『こらお嬢ちゃん達!気を抜くんじゃない!』

 

『は、はい!』

 

レオの勇姿に見惚れてしまうジュリを現実に戻そうとすりアサギやマユラの元に後からムウが合流し注意される3人娘

 

 

 

 

 

 

「数が多くて迎撃が追いつかない...」

 

ユニティはフリーダムのように一斉射撃できるほどの武装を有していない。さらに真骨頂とも言える武装は重力下では発揮できないものだった。なんとかスピードでカバーしようとするもののノワールのように両手にビームライフルを持っているわけでもないため手数が少ないのだ

 

「ッ!アークエンジェル!」

 

『えぇい!』

 

アークエンジェルに接近する戦闘機複数を撃ち落とした超高インパルス長射砲。それを放ったバスターの姿が島にあった

 

「ディアッカ...」

 

『どうしたいのかまだ整理はついてねぇ。だがあれをもう沈めさせたくない。それだけは確信してるぜ』

 

「そうか。ありがとう」

 

『レオくん!』

 

「ッ!君もかニコル...」

 

バスターの近くにいる1機のM1アストレイ。それにはニコルが乗っていた

 

『守りたいから戦う。その意志を同じくする者として僕も戦います!』

 

「だがニコルの守りたいものは...」

 

『レオくんが守りたいもの。それを僕も守りたい!これが正解なんて根拠はありません。でも、手伝いたいって思ったから!』

 

「...」

 

『いつまでもくっちゃべってないで行ってこいよ!お前が一番移動早いんだからよ!』

 

「わかった。ここは頼む」

 

『はい!』

 

『言われるまでもねぇ!』

 

ディアッカとニコルの参戦によりレオに少しばかり余裕が生まれその後レオは敵が侵入したという場所を飛び回り次々と戦闘不能にしていった

 

 

 

 

 

戦った者達全員のおかげもあって2度目の侵攻をなんとか追い返すことができたオーブ。しかし代表であるウズミは悟っていた。戦闘を終えたアークエンジェルや他の部隊をマスドライバー施設のあるカグヤ島へ集結させた

 

「オーブを離脱!?我々に脱出しろと...そうおっしゃられるのですかウズミ様!」

 

「あなた方にももうお分かりであろう?オーブが失われるのも、もう時間の問題だ」

 

ウズミの発言にマリュー、そしてカガリが言葉を失う

 

「お、お父様...」

 

「国民の避難は済んだ。支援の手もある。あとの責めは我々が追う」

 

「ッ!?」

 

「しかしたとえオーブを失っても失ってはならないものがある。地球軍の裏にはブルーコスモスの盟主ムルタ・アズラエルの影がある。そしてプラントも今や、コーディネイターこそが主とするパトリック・ザラの手の内だ」

 

「...」

 

その場に遅れて合流したキラとアスラン、そしてレオ。ウズミの言葉は現プラント最高評議会議長であるパトリック・ザラの実の子供であるアスランには耳が痛くなる話かもしれない

 

「このまま進めば世界はやがて認めぬ者同士が争うばかりのものとなろう...しかしそれで良いのか。もし別の道を望むのなら、この小さな火を抱いてそこへ向かえ。またも過酷な道だが、わかってもらえるかな?マリュー・ラミアス」

 

「...。小さくとも強い火は消えぬと、私共も信じております!」

 

「では急ぎ準備を」

 

「はっ!」

 

ウズミの思いを受け取ったマリュー。火は新たな火種に移り燃え続ける。しかし元の火が消えない保証はない。元の火を灯し続けたくもどうすることもできないレオは強く手を握りしめた

 

技術スタッフの指示のもと宇宙(そら)へ上がる準備を急ぐアークエンジェル。その作業場近くでキラにレオ、アスラン、そしてディアッカとニコルが集まっていた

 

「アスランとニコルはもう会ってたのか」

 

「あぁ」

 

「アスラン、泣きそうになってたんですよ?」

 

「仕方ないだろ。まさかニコルが生きてるなんて思ってなかったんだからな...」

 

「んでどうすんのよ俺らは」

 

アスラン、ディアッカ、ニコルはザフトの人間。オーブでの戦闘は相手が地球軍なのもあって躊躇なく戦ってきたがウズミの思いを託されたアークエンジェルは今後ザフトとも戦うことになる。そんな彼らについて行くべきか否か...3人は悩んでいた

 

「やっぱマズいんかね...ザフトの俺達が首を突っ込んじゃ」

 

「ザフトのアスラン・ザラ、か...」

 

「ん?」

 

「彼女にはわかってたんだな」

 

「アスラン?」

 

「国、軍の命令に従って敵を討つ。それでいいと思っていた。仕方ないと...それでこんな戦争が一日でも早く終わるようにと...」

 

「あぁ。それが彼女の言っていた、()()()()()()()()()()()だな」

 

「じゃあ俺は。ただのアスラン・ザラは...何とどう戦わなくちゃいけなかったんだ...」

 

「...」

 

「アスラン...」

 

アスランの言葉にディアッカもニコルも心で同意していた。軍の命令下にある自分ではなく一個人として戦う理由とは...そう聞かれると答えが出なかった

 

「一緒に行こう、アスラン...」

 

「キラ...」

 

「一緒に探せばいいよ」

 

「そうだな。ディアッカ、ニコル。2人も一緒に来て探せばいい」

 

「レオくん...」

 

「軍の命令に囚われず。自分達が心の底から思うこと、自分自身の意志を探せばいい」

 

「そうだな」

 

「はい」

 

こうしてフリーダムの奪還、もしくは破壊という命令を受けたアスラン。そしてアークエンジェルとストライク、ノワールの撃破を命令されていたディアッカ、ニコルはそんな鎖から解放されキラやレオと一緒に行く決意をした

 

しかしそこに警報が鳴った

 

「敵!?」

 

「こんなときに!」

 

もうすぐ発進というときに。各自自分の機体に登場した

 

『発進を援護します。アークエンジェルはそのまま行ってください』

 

「クサナギは?」

 

『すぐに出す!すまん!』

 

灯された火を次に繋ぐべく宇宙に飛び立とういうときに敵である。アークエンジェルはすぐさま発進できるようだが、クサナギがまだとのウズミからの通信

 

『空中戦になる。バスターとM 1では無理だ』

 

『チッ!』

 

「ディアッカとニコルはアークエンジェルへ」

 

『クッ!わかりました...』

 

空中線ではバスター、M 1は戦えないことにディアッカとニコルは悔しそうにアークエンジェルへ。その2機を収容したアークエンジェルはすぐさま発進。空へ向けてローエングリンを照射、再加速した

 

『アスラン、レオくん!あの3機!』

 

『あぁ!』

 

「意外と対峙するのは初めましてだなっ!」

 

『レオくん!?』

 

『おい!』

 

接近してくる3機を迎撃しようと構えるキラとアスラン。しかし突然レオが敵に向かって突っ込んでいった

 

「空中戦ならその状態から変型できないだろ」

 

『ッ!』

 

『そうか!』

 

レオの言う通り敵3機の内空中戦能力を有しているのはレイダーとフォビドゥンのみ。カラミティを乗っけながら追いかけてくるレイダーはモビルスーツ形態へ変型できないと見てレオは特攻をしたのだった

 

レオの狙い通り3機は予想だにしない突撃で体制が崩れた

 

「今だ!」

 

『うん!』

 

『あぁ!』

 

体制が崩れたカラミティ、レイダーに対してキラがバラエーナを、フォビドゥンに対してアスランが機体両肩に装備されているビームブーメランを投げた

 

『クサナギ、ファイナルローンチシークエンススタート。ハウメアの護りがあらんことを』

 

「来たか!キラ!アスラン!先に行け!」

 

『でも!』

 

「俺の機体の方が速度は上だ!早く!」

 

『ッ!アスラン!』

 

『あぁ!』

 

マスドライバーを猛スピードで進むクサナギに向かうフリーダムとジャスティスを敵は懸命に追う

 

「そろそろ諦めろ!!」

 

しかしその後方からスラスターいっぱいにしたユニティが追い抜く。水面すれすれを進んでいたため3機はその反動でできた水飛沫を浴びて視界が悪くなった

 

『レオくん!反対側に!』

 

「あぁ!」

 

飛沫が消え視界が開けた先にはクサナギに取り付いたフリーダム、ジャスティスが一斉射を行った。その狙いは機体ではなく行先の海面に当たりさっきよりさらに高い水飛沫を上げ敵の侵攻を食い止める。そしてクサナギはそのままレールに沿って空へ飛び立った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「種は飛んだ。これでよい」

 

オノゴロ島の管理棟から思いを託したアークエンジェルとクサナギを見送ったウズミ。そこへ彼を支えてきた重鎮達も集まった

 

「オーブも、世界も...奴らのいいようにはさせん...!!」

 

そしてオノゴロ島で大きな爆発。マスドライバーや施設は当然、島は消滅した...

 

 

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