ガンダムSEED 〜守るための戦い〜   作:てこの原理こそ最強

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第三十一話

 

 

エターナルに移ったレオとミリアリアはすぐさまラクスを訪ねた

 

「お帰りなさいレオ。あら?」

 

「えっと...少しお話しいいですか?」

 

「えぇ。もちろんですわ」

 

ラクスはどんな話があるのか悟ったようでミリアリアの突然の来訪を快く受け入れた

 

「じゃあ俺は...」

 

「レオもいて」

 

「いや、でも...」

 

「いいからいて」

 

「はい...」

 

さっきまで弱っていたミリアリアはどこに行ってしまったのだろう。まるで言うことを聞かない飼い犬に待て!と命令するかのような力強さでレオの腕を引っ張った

 

「私、レオが好き」

 

「わたくしもですわ」

 

「ラクスさんがレオとそういう関係なのはわかってる。でも私だってレオの側にいたい」

 

「ではそうしましょう」

 

「だから私!え...」

 

「え...?」

 

ラクスは胸の前で手を合わせ嬉しそうに笑っている

 

「いい、の...?」

 

「はい。ただわたくしも譲れないものはあります」

 

ラクスはレオの腕を引っ張り抱き寄せる

 

「レオの恋人なのはわたくしです。そこは譲れません」

 

「じゃあ...」

 

「ですので、家族になりませんか?」

 

「家族?」

 

「はい」

 

「えっと...ラクスどういうこと...?」

 

意味が掴みきれないレオはラクスに問いかける

 

「家族であれば側にいても問題ありませんわ」

 

「いやしかし...」

 

「なるほど、家族ね」

 

「え、納得できるのかミリアリア...?」

 

「そもそも追い返されると思ってたし。側にいれるならそれでもいいかなって」

 

「えー...」

 

まさかの出来事にレオは戸惑うもののラクスとミリアリアは既にノリノリ状態のようだ

 

「ラクスさんからの許可も得たし。これからもよろしくね?レオ」

 

「あ、あぁ...」

 

「たまには、私にも構ってね...?」

 

「あ、うん...」

 

話に置いてかれてしまったレオ。曖昧な返事しかできなかったがようやくミリアリアに前のような笑顔が戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エターナルの最終チェックがもうすぐというときに、警報が鳴った

 

「接近する大型の熱源体!戦艦だと思われます!」

 

「ライブラリ照合...ありません!」

 

『第一戦闘配備発令!繰り返す!第一戦闘配備!』

 

「アークエンジェル発進!港の外へ出ます!」

 

『ラミアス艦長』

 

「クサナギの状況は?」

 

『問題ない。大丈夫だ』

 

『エターナルはまだ最終調整が完了していない』

 

「わかりました。ではエターナルは待機を。敵がザフトか連合かで目的もわかるでしょう」

 

『すまん』

 

コロニーに接近する艦影。しかし艦の特定ができないためエターナルを追ってきたザフト軍なのか、それとも地球軍なのかもわからなかった

 

『こちらは地球連合軍宇宙戦闘艦、ドミニオン。アークエンジェル聞こえるか?』

 

アークエンジェルが港を出ると突然の通信が入る。その声にアークエンジェルクルーは聞き覚えがあった

 

『本艦は反乱艦である貴艦に対し即時の無条件降伏を要求する』

 

「この声...」

 

「ナタル...!」

 

「バジルール中尉...!」

 

『従わない場合は貴艦を破壊する』

 

「ッ!艦長!」

 

オーブでの戦闘から新しくオペレーター席に座るミリアリアが敵艦をモニターに移した

 

「アークエンジェル!?」

 

「同型艦か?」

 

敵艦は配色が違うだけでアークエンジェルとまったく同じ形式をしている。そしてモニターが切り替わり、久しく見ていなかったナタルの姿を見ることができた。本当ならこんな形での再会など誰も望んでいないのだが...

 

『お久しぶりです、ラミアス艦長』

 

「えぇ」

 

『このような形で再びお会いすることになって、残念です』

 

「そうね」

 

『アラスカでのことは自分も聞き及んでいます。しかしどうかこのまま降伏し軍上層部ともう一度話を...微力ながら私も弁護致します。本艦の性能は、よくご存じのはずです』

 

「...。ありがとうナタル。でもそれはできないわ」

 

『なっ...!』

 

「アラスカのことだけではないの。私たちは地球軍そのものに対して疑念があるのよ。よって降伏、復隊はありません!」

 

『あっはっはっは!!!なにを言い出すのかと思えば。呆れますね艦長さん。言ってわかれば戦争はなくなります。わからないから敵になるんでしょう?そして敵は討たねば』

 

『アズラエル理事!』

 

『レイダー、フォビドゥン、カラミティ発進。浮沈艦アークエンジェル、今日こそ沈めて差し上げる』

 

「ドミニオンよりモビルスーツ発進!」

 

「キラ君!ムウ!」

 

『了解!発進します!』

 

『行くぜ!』

 

『アスラン・ザラ、ジャスティス出撃る!』

 

『バスター、行くぜ!』

 

ドミニオンからモビルスーツ発進を確認しアークエンジェルからもキラ達が出撃した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ラクス、行ってくるよ」

 

『はい。お気をつけて』

 

「あぁ」

 

レオもエターナルから出撃した

 

「アークエンジェルを沈める?やってみろってんだ」

 

レオは胸の内で静かに怒りを憶えながらコロニーを飛び出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こちらも発進だ。出港後最大船速!アークエンジェルの隣につける!」

 

クサナギも港を出てアークエンジェルに追いつこうとスラスターを吹かす

 

「敵は一隻だ!エンジン部を...うぉっ!!?」

 

いざドミニオンに攻撃を仕掛けようとした間際にクサナギは衝撃とともに動けなくなってしまった

 

「なんだ!?」

 

「わかりません!いや、何かケーブルのような物が船体に!」

 

「引きちぎれんのか!?」

 

「できません!」

 

「クッ!アサギ。船体に何か引っかかった。外してほしい」

 

『了解!』

 

アストレイ隊の1人、アサギが外に出てクサナギに絡みついているケーブルの根元をビームサーベルで斬ろうと試みる

 

しかしそんな無防備な状態を敵が見過ごすわけもなくフォビドゥンが急接近する

 

『ちょっ!』

 

『えぇい!』

 

フォビドゥンはアサギ機に向けて鎌を振りかぶった。しかしそこへアスランが急行。ファトゥム-00をフォビドゥンにぶつけ退かせた

 

『何をやっている!急げ!』

 

『は、はい!』

 

「アスラン...」

 

カガリが心配する中アスランはそのままフォビドゥンと対峙した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ドミニオンは...』

 

『デブリ滞が多く...はっ!グレー 19 アルファにドミニオンです!』

 

『ッ!?いつの間に!回避!』

 

『クッ...!』

 

ドミニオンを見失っていたアークエンジェル。敵はデブリをうまく利用し身を隠していた。そのためいつの間にか頭上を取られていた

 

『オレンジ デルタよりミサイル急接近!』

 

『ッ!迎撃!』

 

『間に合いません!』

 

『アークエンジェル!』

 

 

 

 

「落ち着けキラ」

 

 

 

 

『ッ!?』

 

アークエンジェルに迫るミサイルを破壊しようとキラはクスィフィアスを放とうとするがそこへ通信が入った

 

そして突如としてアークエンジェルの周りにビームでできたバリアが出現。当たるはずだったミサイルはすべてそのバリアで防がれた

 

『ッ!レオ!』

 

「言ったろ?守るってさ」

 

危機的的状況で焦っているミリアリアを落ち着かせるために声をかけるレオ

 

『レオくん...』

 

「来てるぞキラ」

 

『ッ!』

 

一瞬硬直したフリーダムを狙うレイダーの姿。接近しようと試みたが途中で明後日の方向からの攻撃に阻まれた

 

『これって...』

 

『フラガ少佐のガンバレル?』

 

「ちょっと違うなサイ。フラガ少佐のガンバレルは有線式だったが俺のユニティは完全無線式。正式にはドラグーンシステムって言うらしいんだが」

 

レオはアークエンジェルのバリアに使ったドラグーンを戻しすぐさま発射した。それはドミニオン、カラミティ、レイダーからの攻撃を一度に受けているフリーダムにバリアを張った

 

「キラをやらせるわけないだろ」

 

『レオくん!』

 

「慌てるな」

 

ドミニオンから更なる攻撃。アークエンジェルでいうゴッドフリートとスレッジハマーがレオを狙った。しかし一瞬で戻したドラグーンバリアによりまたも無効化した

 

「やるぞキラ」

 

『うん!』

 

レオはドラグーンを今度は本来の用途で使用。カラミティ、レイダーへオールレンジ攻撃をしかけた

 

「撃つのは好きだが撃たれるのには慣れてないか」

 

カラミティとレイダーの回避力の無さを見てレオはボソッとつぶやいた

 

『こんのぉ!』

 

レオのオールレンジ攻撃に意識が向いているカラミティに対してキラが特攻を仕掛け背部から伸びる2連ビーム砲を斬り落とした

 

「さすがだキラ」

 

キラを褒めつつレオはレイダーを追う。モビルアーマー形態のはずなのにユニティに追いつかれてしまう敵の心情はいかほどのものだろうか

 

『キラ!レオ!』

 

『アスラン!』

 

そこへアスランも合流。相手取っていたフォビドゥンのシールドには大きな斬り傷がついていた。しかしそれが怒りを買っているのか軌道を自在に偏向することができるビーム砲を片っ端から撃ちながらジャスティスを追いかけてくる

 

『無茶苦茶だなおい...!』

 

「連れてくるなよアスラン」

 

『敵に言ってくれ』

 

「ん...?2人とも。ここは任せる」

 

『『ッ!?』』

 

「フラガ少佐とディアッカがいない。俺はアークエンジェルとクサナギの防衛に回る。ニコルだけじゃキツい」

 

『だが!』

 

「やつらのエネルギーだってそろそろ尽きるだろ」

 

『わかった。艦をお願い!』

 

レオはその場を離脱。逃がすまいとレイダー、カラミティが武装を向けるがキラがそれを邪魔した

 

 

 

 

 

 

 

 

『やった!すみません!手間取って!』

 

「いや、こちらこそすまん」

 

「推力最大!ドミニオンを追うぞ!もう引っかけんなよな!」

 

「了解!」

 

「ッ!モビルスーツ多数接近!」

 

「なんだと!?」

 

ようやく拘束が解けたクサナギは戦線に戻ろうとするがストライクダガー数機の接近を察知した

 

『援護します!』

 

『わ、私も!』

 

接近してくるストライクダガーを迎え撃つ体制をとるニコルとアサギ。こんなときこそ長距離特化のバスターやストライクにいてほしかったものだ

 

「M1の発進急がせろ!」

 

『問題ない』

 

「ッ!?レオか!」

 

クサナギに攻撃を仕掛けようとビームライフルを構えるストライクダガーだったが全機撃つ前に右腕ごと撃ち抜かれていた

 

『レオくん!』

 

『遅くなって悪いなニコル』

 

「すまない、助かった」

 

『礼は不要です。それよりもドミニオンを』

 

クサナギの救援に来たレオはすぐさまドミニオンを攻撃するようキサカに伝えようとする。しかしその瞬間ドミニオンから信号弾が上がった

 

「信号弾?撤退する気か?」

 

『さすがバジルール中尉。退き際をわかってらっしゃる』

 

おそらくは主力3機のエネルギー切れとストライクダガー部隊の無力化。そしてクサナギも自由になってしまったと見て撤退を決行したのだろう

 

『とりあえず合流しましょう』

 

「あ、あぁ...」

 

『なんだ?柄にもなく緊張してたのかカガリ』

 

「なっ!なんだと!」

 

『いいんだよそれで。それが普通なんだからな』

 

宇宙に上がって初めての戦闘。加えて指揮管制室から指示を出していたオーブのときとは違い目の前で戦闘が行われた。緊張するなというのが無理な話。カガリはそれをレオに指摘されてムカつきはしたものの少し肩が軽くなった気がした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聞くところによるとムウとディアッカはコロニー内部に入ったらしい。なんでもザフトがいるかもしれないとのこと

 

「ミリアリア。連絡はつかないのか?」

 

『なんども呼びかけてるんだけど反応がなくて...』

 

『僕が行きます。みんなは今のうちに補給と整備を』

 

『ジャスティスも問題ない。俺も行こう』

 

『いや、ドミニオンも完全に退いたわけじゃないと思う。レオくんがいればいいと思うけど念のためアスランも残ってほしいんだ』

 

『キラ...』

 

『大丈夫だよ。あ、レオくんとも仲良くね』

 

『うっ...わかっている...』

 

「俺は歩み寄ってるはずなんだけどな」

 

『アスラン。最初は人見知りすごいですから』

 

「そうなのか。意外だな」

 

『うるさいぞ!』

 

『ははっ。じゃあ行ってくるね』

 

キラは通信が繋がらないムウとディアッカを追ってコロニー内部へ入った

 

『各艦は補給と整備を急いでください。向こうにザフトがいるとなれば事態は再び逼迫します。わたくし達はここで討たれるわけにはいかないのです』

 

ラクスの指示で残った組は作業を急いだ

 

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