ガンダムSEED 〜守るための戦い〜   作:てこの原理こそ最強

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第三十四話

 

 

ラクス達は、ジェネシスの2射目を止めることができなかった...

 

2射目の目標は月面基地<プトレマイオスクレーター>。ここには地球軍の基地があり救援軍が既に発進していた。しかし月面基地に向けて放たれたジェネシスにその半数が呑み込まれてしまった

 

『月基地をやられては地球軍はもう退くしかないわ!ナタル!』

 

『もうこれ以上あれを撃たせてはなりません!』

 

『矛先が地球に向いたら終わりだぞ!』

 

ミーティアを装備したフリーダム、ジャスティスを先頭にザフト軍の大部隊の中を切り開きながらジェネシスへ向かう。しかしなかなか前に進まない

 

「ッ!マユラさん!」

 

『へっ...?』

 

キラ達とは別れ3隻の防衛に回っているレオ。ザフトのモビルスーツ数機がマユラ機に接近しているのが目に入った。すぐさまドラグーンを使い迎撃する

 

『あ、ありがとうレオくん!』

 

「気を抜かないで!まだ来ますよ!」

 

『うん!』

 

「出すぎだニコル!無理するな!」

 

『はい!』

 

ストライクダガーを追って持ち場から少し離れ出したニコルを呼び戻すレオ。自分の戦闘のみならず他のフォローまでしている

 

『ドミニオンと他数隻転進しています!』

 

『ナタル!』

 

『プラントか!?』

 

『アークエンジェルが追います!エターナルとクサナギはジェネシスを!』

 

『わかった!』

 

「俺も一緒にジェネシスに向かいます!ラミアス艦長、ご武運を!」

 

『あなたもね、レオくん!』

 

「相手が動きを止めても絶対に油断しないでくださいね」

 

『...。忠告ありがとう』

 

レオはアークエンジェルvsドミニオンのその後のことを懸念しているもののジェネシスが次いつ撃たれるかわからない以上ジェネシス破壊に向かうしかなかった

 

「アサギさん一旦戻って補給を!ジュリさんも下がって!」

 

『わ、わかった!』

 

『はい!』

 

「ニコル、少し任せる!」

 

『わかりました!』

 

レオはニコルにその場を任せドラグーンを展開しながら目の前のザフト軍へ突撃した

 

「道を開けろー!!」

 

ビームライフルの連射とドラグーンの併用でモビルスーツ、戦艦の武装やスラスターを破壊し戦闘不能にさせていく

 

「バルトフェルドさん!」

 

『右側の部隊を抜ける!クサナギ!』

 

『ローエングリン、撃てー!』

 

クサナギのローエングリンによる攻撃は敵艦に命中。ただ1隻2隻墜とせたところで変わらなかった

 

「ッ!!クソッ!ニコル!ここを頼めるか!?」

 

『え...でもレオくん!』

 

「すぐ戻る!頼む!」

 

『ッ!わかりました!』

 

「アサギさん!マユラさん!ジュリさん!」

 

『レオくん!?』

 

『なに!?』

 

『どうしたの!?』

 

「いいですか?絶対に死んじゃダメです!まだあなた達はこんなところで死んでいい人達じゃない!なんとしてでも生き残るんです!」

 

『もちろん!』

 

『こんなとこで死ねないよ!』

 

『絶対生き残ってみせるよ!』

 

「その意気です!もちろんニコルもだぞ!」

 

『わかってます!必ず一緒に帰りましょう!』

 

「あぁ!」

 

レオは唇を噛み締めながらその場を離脱した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キラやアスラン達はプラントに迫る核ミサイルを悉く落としていた。ザフト側からもイザーク・ジュールを隊長としたジュール隊がプラント防衛として核を迎撃。キラ達と協力する形となった

 

地球軍の例の3機、フォビドゥン、レイダー、カラミティが核ミサイルを装備したメビウス隊の援護をしていたのだが、既にフォビドゥンがイザークに。カラミティがアスランによって撃破されていた

 

そしてドミニオンと共にいた地球軍艦隊は壊滅。これ以上核ミサイルを撃たれることはなくなった

 

『ラミアス艦長!』

 

「補給が必要な人は補給を!ドミニオンは抑えます!ジェネシスへ!」

 

ラミアスの命令でジェネシスに向かい飛び出すキラとアスラン、そしてカガリ。イザークとディアッカのみがその場に残る形となった

 

「ドミニオンから脱出艇。艦を放棄するもようです!」

 

「え...?」

 

敵対しているはずのドミニオンから脱出艇が射出されたことでラミアスは不審感を抱いた

 

「艦長!ストライク接近!被弾しているもようです!」

 

「なんですって!?」

 

『クソッ!クルーゼの新型が...もう一度...』

 

「報告は後です!整備班!緊急着艦用ネット!救護班も至急!」

 

被弾したストライクを収容しようとハッチを開けたその瞬間だった...

 

「ドミニオンにエネルギー収束反応!」

 

「攻撃来ます!」

 

「ッ!?回避ー!!」

 

「間に合いません!!」

 

レオから言われていた。ドミニオンが停止しても気を抜くなと。しかしムウの乗るストライクが被弾したと聞いて早急な回収に気が向いてしまったマリュー。そこにドミニオンからローエングリンが放たれた

 

ノイマンが懸命に操縦桿を回すがドミニオンからのローエングリンがブリッジに向かう。しかし当たる直前、その攻撃は分散した

 

「はっ!」

 

『ははは...やっぱり俺って、不可能を可能に...ッ!!』

 

収容するはずだったストライク。ブリッジの前でシールドを張りドミニオンからの攻撃を防ぐ。しかし完全に防ぎ切ることはできず、ストライクは爆発した...

 

「あ...あぁぁぁぁ......ムゥゥゥゥ!!!!!」

 

シグナルロスト...ストライク完全沈黙...パイロットの消息も...ストライクの消失に涙を流し大声でムウの名前を叫んだラミアス

 

「ローエン、グリン...照準...!!!」

 

悲しみからかそれとも怒りか。ラミアスの声はいつもの優しい声でも凛々しいものでもなかった

 

アークエンジェルから放たれるローエングリン。それは真っ直ぐドミニオンのブリッジに直撃。ドミニオンは爆発し完全沈黙した...

 

「ムゥ...帰ってくるって、言ったのに...!!」

 

「125から144ブロックまで閉鎖!」

 

「推力50%にまで低下!」

 

「センサーの33%にダメージ!」

 

ムウの戦死にまだ涙と悲しみが止まらないマリュー。そんな中もクルーは被害報告を続ける

 

「ッ!モビルスーツ接近!」

 

「はっ...!」

 

ここに来てまた敵である。今のアークエンジェルに迎撃できるだけの余力が残っていない

 

 

 

 

 

 

 

アークエンジェルに接近する見たこともないモビルスーツに気づいたディアッカとイザーク

 

『友軍機!?』

 

『クソッ!こんなときに!』

 

近付けまいと射撃するディアッカ。しかし敵モビルスーツは機体から何かを射出した

 

『これは!』

 

それはレオの使うドラグーンによく似た動きをした。ディアッカは迎撃しようとミサイルを発射するもどれも当たらず焦ってしまう

 

 

 

 

 

「やらせるかっ!」

 

 

 

 

 

ドラグーンからの攻撃がバスターに当たる瞬間、バスターの周りにバリアが発生。それはよく知るものだった

 

「ディアッカ!」

 

『レオ!?』

 

『レオくん!』

 

「キラ!あいつだ!ラウ・ル・クルーゼだ!」

 

『ッ!』

 

レオに言われ敵の正体を理解したキラはクルーゼの乗る機体<プロヴィデンス>に向かってミサイルを一斉射した

 

「無事かディアッカ!」

 

『あぁ。おかげさんでな...』

 

「ならすぐ補給を受けて引き続きアークエンジェルの護衛を頼みたい!」

 

『ッ!わかった!』

 

「頼んだ!」

 

レオはアークエンジェルのことをディアッカに任せてキラの援護に向かった

 

キラはクルーゼからのオールレンジ攻撃に苦戦を強いられていた

 

『力だけが僕の全てじゃない!』

 

『それが誰にわかる...なぜわかる...わからぬさ!!』

 

加えてクルーゼはキラの心にまでダメージを負わせるようにわざと通信を繋げて煽っている

 

『キラ!』

 

『ッ!?フレイ!?』

 

ミーティアは既に半壊。そんな大変な戦闘の中ドミニオンからの脱出艇にフレイの姿を見た

 

『クソッ!』

 

一瞬気が逸れたため残ったミーティアのエンジン部分にクルーゼの攻撃が着弾。急いでパージしフレイの元に飛び出す

 

『ふっ』

 

クルーゼはそんな脱出艇を狙ってライフルを放った

 

『あっ...』

 

クルーゼの撃ったビームが脱出艇に迫る。しかしそれはミーティアから射出されたフリーダムのシールドに阻まれた

 

『キラ...』

 

『フレイ...』

 

2人は安堵した。しかしクルーゼがこれで終わるはずもない。別方向からドラグーンで再度攻撃した

 

『はっ...』

 

『ま...!』

 

キラが『待って!』と言いたかった。ビームが真っ直ぐフレイの乗る脱出艇に迫る...

 

 

 

 

 

 

「やらせないと言っている!!!」

 

 

 

 

 

しかしそれはまたも突然展開されたバリアに阻まれた

 

『ッ!』

 

キラ愛しのフレイを守るのはまたもレオ。バリアに利用したドラグーンを回収しクルーゼに迫る

 

「ラウ・ル・クルーゼ!お前が全てを壊すというなら!俺は守りたいものを絶対に守る!」

 

『レオ・シュヴァルグラン...!今度はキミかね!』

 

「ほざけ!」

 

クルーゼはレオに追われるようにその場を離脱。レオは構わずそれを追った

 

「イザーク・ジュール!可能ならばディアッカと一緒にアークエンジェルを頼む!」

 

『なっ!』

 

ディアッカに付き添っていたイザークは敵軍であるはずの自分にまさかのお願いを告げられ驚愕する

 

『キラ急げ!あいつがこの戦争の元凶と言っていい!』

 

『う、うん!』

 

『キラ!私!』

 

『フレイ...』

 

レオに呼ばれすぐさま後に続こうとしたキラをフレイが呼び止める。そしてフリーダム越しに見つめ合うキラとフレイ

 

『帰ったら話をしよう。フレイ』

 

『キラ...』

 

『早く行けキラ!あいつにはお前が必要なんだろ!?』

 

『ディアッカ...』

 

『キラ!レオをお願い!』

 

『ミリアリア...』

 

『絶対帰ってこいよ!キラ!』

 

『ちゃんとレオと一緒に戻ってこい!絶対だぞキラ!』

 

『サイ、トール...フレイをよろしく!』

 

キラはスラスターを吹かし全速力でレオを追った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「誰も撃たせはしない!!」

 

『君が1人頑張ったところでどうなる!』

 

「知らん!そんなことは自分で決める!」

 

『ふっ!それは自己満足というやつだ!』

 

「あぁそうさ!だができるだけの力があってやれることをしているだけだ!!」

 

クルーゼが行く先にはジェネシスを破壊しようと試みているエターナルとクサナギ

 

『ふっ。この世界は歌のようにそう甘くないのさ、ラクス・クライン!』

 

「そんなことはラクス自身だってわかってるさ!だから自ら渦中に飛び込んだんだろ!」

 

ドラグーンを展開しエターナルとクサナギを狙うクルーゼ。しかしそれをもレオはバリアと自身のシールドを使い阻止。被害を最小限に食い止めた

 

『いつまでも邪魔をしてくれるっ!』

 

「してやるさ!お前が滅ぼすというのなら宇宙の彼方までも追いかけて邪魔するのみっ!」

 

『レオくん!』

 

ここにキラがライフルを撃ちながら合流。クルーゼのドラグーンを数基破壊する

 

『あなたが!あなたがいるから!』

 

『私でなくとも起こったさ、この戦争は!』

 

『そんなこと!』

 

『これがさだめさ!知りながらも突き進んだ道だろう!』

 

『なにを!』

 

『正義と信じ、わからぬと逃げ、知らず!聞かず!その果ての終局だ!もはや止める術などない!』

 

やってきたキラに対してクルーゼはドラグーンによる集中砲火を浴びせる。しかしキラはそれを紙一重で躱していく

 

『そして滅ぶ!人は、滅ぶべくしてな!』

 

『そんな!あなたの理屈!』

 

『それが人だよキラ君』

 

『違う!』

 

キラはクルーゼへ向けてフルバースト。しかしドラグーンの1つを破壊したのみでクルーゼ本体には届かなかった

 

『人は...人はそんなものじゃない!』

 

『なにが違う!なぜ違う!この憎しみの目と心と引き金を引く指しか持たぬ者達の世界で!なにを信じる!なぜ信じる!』

 

『それしか知らないあなたが!』

 

『知らぬさ!所詮人は己の知ることしか知らぬ!』

 

「他を知ろうともしなかったやつがなにを!!」

 

ドラグーンの攻撃がキラに向いている中レオがクルーゼ本体にビームサーベルで斬りかかった

 

『まだ苦しみたいのか!いつかは、やがていつかはと!そんな甘い毒に踊らされ一体どれほどの時を戦い続けてきた!』

 

「昔のことなんて知ったことか!俺は俺が生きている今この時に続いている戦いを終わらせるためにここまで来た!それはキラだって、ラクスだって一緒だ!」

 

クルーゼの言うことも当然だと感じるレオ。しかしその高説に負けない信念を持ちながら挑み続ける

 

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