ガンダムSEED 〜守るための戦い〜 作:てこの原理こそ最強
今回の投稿でSEED編ラストとなります。
次回からSEED DESTENY編を投稿予定になります。
引き続きお楽しみいただけたら幸いです。
キラとレオがクルーゼと戦っている最中、アスランとカガリはジェネシスへの侵入を目前としていた
「もうやめるんだこんな戦い!本当に滅ぼしたいのか!君達も...全てを!」
『えぇい!』
「クソッ!」
アスランがいくら叫ぼうとその声が届くことはない。ザフト兵士の大半は今や核を撃たれたことによる怒りで支配されているのかもしれない
『アスラン!』
「あぁ!」
防衛網を突破しジェネシスに侵入したアスランとカガリ。機体を降り管制室に向かった
「なっ!」
「父上!?」
ザフト兵士による銃撃戦をも突破した2人が管制室の扉を開け見たものは...血を流し宙をを浮くパトリック・ザラの姿だった
「父上!」
「ッ...撃て、ジェネシ...我らの、世界を奪っ...報い...かはっ!」
「はっ!」
「父...上...」
パトリック・ザラはそこにいるのが息子であるアスランだとわかってか否か。最後の力を振り絞って出した言葉も「敵を討て」というもの。そして血を吐き息絶えた...
『総員速やかに施設内より退避してください』
そこに警報と共にアナウンスが響き渡る
「ッ!」
「アスラン?」
「ヤキンの自爆シークエンスに...ジェネシスの発射が連動している!?」
「なっ!」
画面上にはタイマーが表示されている。どうにか止めようとアスランがキーボードを叩くが難しいようす
「クソッ!こんなことをしても戻るものなどないというのに...!」
その場にいてもどうすることもできないのでアスランとカガリは急いで機体に戻った
『どうするつもりだ!』
「内部でジャスティスを核爆発させる」
「はっ!?」
もうジェネシスの発射シークエンスを止めることはできない。ならもう破壊するしかないとアスランはジェネシス内部に侵入するため機体を動かしカガリもそれに続いた
『ふっ、ふはははは!!!どの道私の勝ちだ!ヤキンが自爆すればジェネシスは発射される!』
「『ッ!!』」
『もはや止める術はない!地は焼かれ、涙と悲鳴は新たなる争いの狼煙となる!』
『そんな!』
『人が数多持つ予言の日だ!!』
『そんなこと!』
『それだけの業!重ねてきたのは誰だ!』
キラとレオ、クルーゼの戦いはいつの間にかジェネシス付近にまで近づいていた
『アスラン!カガリ!』
アスランもカガリもキラの呼びかけに気づかずジェネシスの内部へ侵入した
『待てアスラン!そんなことすればお前は!』
「それしか方法はない!お前は戻れ!」
『アスラン!』
「ダメだ!!」
アスランはファトゥム-00をパージし後から追ってくるカガリに当て自分のみ奥深くへ進んだ
「ここか...」
最深部へ到達したアスランはイージスで行った時と同じように自爆用ナンバーを入力した
『アスラーン!!』
「カ、カガリ...」
『ダメだ!お前、逃げるな!』
「ッ!」
『生きる方が、戦いだ!!!』
「...」
自分まで死のうとするアスランにカガリは必死に呼びかける
「ふっ。お前の野望もここまでだ、ラウ・ル・クルーゼ」
『なに...?ッ!』
レオは自分自身をバリアで守り全方位からくる攻撃を全て防ぎながらクルーゼへ接近。左腕を斬り落とした
「滅びやしない。誰も」
『なにを今更!言ったであろう!止める術などないと!』
「自分が世界を回している気になっているお前にわからないだろう。俺達は誰も、1人でこの争いを終わらすと思っていない。仲間がいる」
『ふん!戯言を!小さな光がどれだけ集まろうと圧倒的巨大な光の前にはただ霞むだけだ!』
「確かにそうかもしれない。だが、いくら小さな光だろうと...光るのをやめない限りそこにあり続ける!キラ!」
レオはキラの目の前にバリアで周りかの攻撃をカットし道を作る
『僕らには...守りたい世界があるんだ!!!』
キラはレオの作った道を潜り抜ける
『あぁぁぁぁぁ!!!』
そしてその勢いのままクルーゼの機体腹部にビームサーベルを突き刺した
その瞬間、ジェネシスが発射される。また同時にジェネシス本体が内部より爆発した
『ッ!レオくん!』
ジェネシス本体の爆発より前に射撃が開始されたためわずかながらガンマ砲がキラ達に迫った。キラの目の前ではビームバリアを3重にして守っているレオの姿
「ッッッッッッッッ!!!!!!」
唸り声も上げず絶えていたレオだったが、ジェネシス本体の爆発に巻き込まれてしまった
「レオ!!」
ジェネシスの爆発を見たラクスはレオの名前を呼びながら立ち上がった
『宙域のザフト全軍、並びに地球軍に告げます。現在プラントは地球軍及びプラント理事国家との停戦協定に向けて準備を始めています。それに伴いプラント理事最高評議会は現宙域におけるすべての戦闘行為の停止を地球軍に申し入れます』
そして戦闘区域全土に鳴り響くアナウンス。戦闘は、終わったのだ...
『キラくん達は...』
『まだ確認できません!』
『キラ...』
「...」
『カガリ...』
アークエンジェル、エターナル、クサナギの3隻でキラ達の消息を必死で探している
『レオくん...』
『死んだなんて言ったら承知しねぇぞ...』
『見つかった?』
『ううん。あっち行ってみる!』
『じゃあ私はあっちを!』
ニコルとディアッカに加え、アサギ、マユラ、ジュリを含めたM1隊も補給を終えレオやカガリ達の捜索に出ている
『ッ!接近するモビルスーツあり!フリーダムにユニティ、ストライクルージュです!アスランの姿も確認!』
『はっ...』
『カガリ!』
『うぉぉぉぉ!!!!』
ミリアリアの報告を聞いた全クルーが一斉に歓喜の雄叫びを上げた
『救護班を!レオくんが!』
「ッ!」
しかしそんな歓喜の雰囲気も束の間。戻ってきたキラから通信が入った
『レオが!レオが目を覚まさないんだ!誰かレオを助けてくれ!!』
『なんですって!?救護班を直ちにエターナルへ!』
『クサナギからも医療班を送る!総動員だ!』
よく見ればコックピットの周りのみでユニティの形もないものをキラが運んでいる。報告を受けたマリュー達はすぐさま命令を出す
「レオ...!」
ラクスも急いでブリッジを出て着艦したレオの元に急いだ
「レオくん!レオくん!」
「...」
「しっかりしろ!おい!」
「レオ!」
「ストレッチャーの用意だ!早く運び込むぞ!」
ラクスがドックへ着くとキラやカガリ、アスランが必死にレオのことを呼び続けていた
「レオ!」
「ラクス...」
ラクスがその場に近づくとレオは目を閉じたままぐったりとしていた
「レオ...そんな...起きてくださいレオ!」
「ごめんね!通して!」
「レオ!」
「ラクス!」
救護班が運ぼうとするがラクスがレオを離さない。そんなラクスを見かねてアスランが引き離した
「離してくださいアスラン!レオが!」
「今は救護班に任せるんだ。俺達では、どうにも...」
「...」
アスランの言葉にラクスは抵抗を止め顔を手で覆って涙を流した。キラやカガリ、アスランでさえも俯きながら涙を浮かべていた
「レオくんの容体は...?」
「今は安定したらしい。だが意識がな」
「そう...」
エターナルのブリッジに集まったマリューにカガリ、ニコルやディアッカもいる
「僕のせいで...」
「キラ...」
キラはレオが自分を庇ったからこうなってしまったと感じていた。そんなキラに寄り添うのはフレイ。彼女もこの場に来ていた。本当であればキラの帰還を誰よりも待っていたのだが、このような事態になってしまったためにまだ話はできていない
「それは違うわキラくん...」
「ラミアス艦長...でも...」
「そう思うのならレオくんが目を覚ましたらあやま...いえ違うわね。お礼を言いましょう。レオくんは帰ってきたのだから...」
キラがマリューの方に顔を上げるとマリューの目には涙が溢れていた。レオは帰ってきた。しかしマリューが帰ってきてほしいと心から想う人はもう...
「ラクスは...?」
「今ミリアリアと一緒にレオについてる」
「そうか。ラクス自身は大丈夫なのか?」
「さっきよりは落ち着いたみたいだ」
「ならよかった」
アスランの隣にはカガリ。2人もレオはもちろん、あれだけ取り乱していたラクスのことも心配している
「今聞くことではないと思うんだがね...あの少年はいったいなんなんだ?」
「ちょっとアンディ...」
「誰もあの少年のことを詳しくは知らないのだろう?」
レオと会ってまだ日が浅いアスランやディアッカはもちろんのこと、ここまで戦いを共にしてきたマリューやヘリオポリスにいたころからレオのことを知ってるはずのキラやフレイまでバルトフェルドの問いに答えられなかった
「俺達は、レオ・シュヴァルグランという少年に頼りすぎていたのかもな」
「アンディ...」
「僕も、そう思います...」
「キラ...」
「レオくんはいつも僕のことを助けてくれました。僕は1人じゃないと言ってくれて、慰めてくれたりもして...」
「...。あいつは、俺に銃を向けなかったんだ」
「アスラン...?」
「プラントで会ったとき、俺はラクスとレオに銃を向けた。だがあいつはただ睨むだけで銃は取らなかった。それに、キラと話す機会もくれた...」
「僕なんて敵の士官だよ?命がけの戦いもした。だが、こうして生かされてる」
「それを言っちゃ俺もさ。何度戦ったか覚えてないほどだ」
元々は敵同士でレオと戦い合ったアスラン、バルトフェルド、ディアッカはキラとはまた別の印象をレオに抱いている
「何度叱られたっけな。本当に私と同い歳かよって思ったな実際」
「私達の方が軍人だったはずなのに、彼にはよく注意を受けたりもしたわ」
ここまでほとんどの時間を共に戦ってきたマリューや頬を叩かれたりもしたカガリ
「なのに、僕達はレオくんのことをほとんど知らない...」
「...。なら、目を覚ましたらたくさんお話ししましょう」
「ニコル...」
「きっと大丈夫です。僕も話したいことたくさんあるんです。だから信じましょう。彼を」
ニコルがその場にいる全員へ向けた言葉。その言葉にみなにこやかに頷いた
医務室ではまだ意識が戻らないレオの両手をラクスとミリアリアが取りレオが目覚めるのを祈っていた
「レオ...」
「わたくしのせいで...」
「それは違うよラクスさん」
「...」
このような形で戻ってきたレオを見てラクスは自分が行動に移さなければと自身を責めていた。しかしそんなラクスをミリアリアは否定する
「レオはきっと、ラクスさんがいたからここまでやってこれたんだと思う。レオにとってラクスさんはそれだけの人なんだよ」
「...。ありがとう、ミリアリアさん」
「うん」
ラクスは慰めてくれたミリアリアにお礼を言って指輪がはまっているレオの手を額に当てる
「レオ、早く目覚めてください。そして言わせてください。ありがとうと...」
その行為を見たミリアリアは同じように自分の額にブレスレットをしているレオの手を当てた
「レオ。私まだ、おかえりって言ってないよ...」
2人の想いは同じ。この状態では帰ってきたことにならない。早く目が覚めてほしい。それだけだった
そして2人が祈りを込めたとき、レオの指がほんの一瞬、ピクッと動いた...