ガンダムSEED 〜守るための戦い〜 作:てこの原理こそ最強
お待たせして申し訳ありません。再開します
やり直しはしましたが至らぬところは多々あると思います。よろしくお願い致します。
第三十六話
C.E.72。1年半に渡った地球、プラント間の戦いはヤキン・ドゥーエ宙域戦をもってようやくの集結を見た。やがて双方の合意のもとかつての悲劇の地、ユニウスセブンにおいて締結された条約は今後の相互理解努力と平和と誓い、世界は再び安定を取り戻そうと歩み始めていた
ヤキン・ドゥーエ宙域戦を生き残り戦争終結へ大きく貢献したキラ達。彼らは終結後オーブへ定住することに決めたのだった
カガリは父の意志を引き継ぎオーブ首長国連邦の新しい元首となった。オーブに戻りすぐに戦後の後処理をキサカやカガリの補佐を自ら買って出たアスランと共に行い国の立て直しを図った
アスランやバルトフェルド、ディアッカやニコル達元ザフトの軍人だった者達は戦後にアイリーン・カナーバと会合。本来であれば敵前逃亡に反逆罪など様々な罪状を付けられるはずなのだが、事情も事情のため咎めはなしの措置となった
そして他の面々。キラやレオ、マリュー達はオーブ本島から少し離れた離島にあったカガリが用意してくれた家に移り住んだ
「今日は風が強いな」
「そうですわね」
家の目の前にある浜辺。そこにレオとラクスは隣り合わせに座り沈みゆく太陽を眺めていた
あの戦いの後意識を失ったまま戻ったレオは戦闘の後遺症が残り数日は寝たきりとなった。しかしラクスとミリアリアの献身的な看病と自身のリハビリに精を出し無事に完治。今では平和な日常を謳歌していた
「2人ともー!いつまでそこにいるのー!」
「ん?」
「あら、もう時間のようですわね」
家から大声でレオとラクスを呼びかけるのはフレイ。フレイも戦後キラと晴れて恋人同士となりレオやラクスと共にこの家に一緒に住んでいた
「戻ろうか」
「えぇ」
フレイに呼ばれた2人は立ち上がり砂を払って仲良く腕を組んで家に帰宅した
あの戦いの後、世界にはひとときの平和が...争いのない時間が過ぎていた
しかし一方で、先の戦争への憎しみと怒りの炎が消えない者もいた
「待てシン!お前なにを言っているのかわかっているのか!?」
「あぁ!俺達家族があんな目に遭ったのになにが平和だ!オーブだって連合だってまだ残ってるじゃないか!」
「戦争は既に終わったと何度も言っているのがわからないのか!」
「もう決めたんだ!俺は軍に入る!」
戦場ととなった故郷のオーブから逃れプラントへ移住したアスカ家。死に際に立たされたものの救ってもらったこの命、今の平和な日常を過ごしていこうと夫妻は話していた
しかし息子のシン・アスカはオーブと連合への復讐心が消えなかった。そのためかプラントに移り住んでからというもの軍に入ることばかり考え体を鍛えていた。そんな息子に父は何度も説得を試みた。しかしシンはまったく聞く耳を持たなかった
「バカ息子が...」
「あなた」
「あーすまん。なぜシンはあそこまで...命を繋いでもらったというのに...」
「もう、止めることはできないのね...」
「お父さん、お母さん」
「すまないなマユ。大声を出してしまって」
「ううん。お兄ちゃんのことだってわかってるから」
母も娘であるマユ・アスカもシンのことを心配していた。できるなら軍になんて入ってほしくない。でも父がどれほど言っても聞かないためもうどうしようもできないと落胆していた
「お父さん、お母さん。マユも軍に行くよ」
「え...?」
「なっ!」
マユからまさかの告白に父も母も目を見開いた
「ちょっと待てマユ!なぜお前まで!」
「待ってマユ。落ち着いて考えて。心優しいあなたが軍なんて...」
「ごめんなさい。でも戦争がしたいわけじゃない。これはホントに思ってる。でも、マユはどうしてもお礼が言いたいの」
「お礼...いつも言っている私達を助けてくれた人のこと?」
「うん。小さい頃の記憶だけど鮮明に覚えてる。私達を助けてくれたあの機体。どこの誰なのかわからないけど絶対会いたい!会ってお礼が言いたい!」
「...」
「それに、お兄ちゃんも心配だから」
「マユ...」
理由は違えどシンに続いてマユまで軍に入りたいと言い出して頭が真っ白になるアスカ夫妻。そこから数日心ここにあらずの状態で過ごし気持ちの整理はつかなかったがもうできることと言ったら無事で帰ってきてくれることを祈るのみだった
そして平和な時間は、2年というあまりにも短い期間で壊れようとしていた...
あの戦いの後にL4宙域で新たに建造されたプラント<アーモリーワン>。そこに現在のプラント最高評議会議長であるギルバート・デュランダルと面会をするためカガリとその付き人として偽名アレックス・ディノを名乗るアスランが訪れた
「姫は先の戦闘でも実際にモビルスーツに乗って戦われた勇敢なお方。また最後まで圧力に屈せず自国の理念を貫かれたオーブの獅子、ウズミ様の後継者でもあられる。ならばこの世界情勢の中我々はどうあるべきかよくお分かりだと思いますが」
「我々は自国の理念を守り抜く。ただそれだけだ」
「他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の侵略に介入しない」
「そうだ」
「それは我々も無論同じです。そうであれたら一番いい。だが、力無くばそれは叶わない。それは姫とて、いや、姫の方がよくおわかりでしょうに」
「...」
「だからオーブも軍備は整えているのでしょ?」
「その姫というのはやめていただきたい」
「これは失礼しました。アスハ代表」
今回カガリがデュランダルを訪問した理由の一つはオーブから流れた情報の軍事利用を停止してもらうためだ。以前から幾度とその申請を出してきていたのだが停止はおろか回答すらもらえずここまで来たということだ
「代表は我々が条約違反の軍事強要をしていると思われているのかもしれませんがそんな事実はない。かのオーブ防衛線のおり難民となったオーブの難民達を我々が受け入れたことがありましたが、その彼らがここで暮らしていくために持てる技術を使うのは当然なことだとは思えませんか?」
「だが!強すぎる力はまた争いを呼ぶ!」
プラントはデュランダルが議長になってから軍備に力を入れ着々と戦力を増やしていった。それを危ぶんだのか大西洋連邦がオーブと会談。このままではまた戦争が起こるかもしれないとカガリを揺さぶったのだった。それを受けプラントが現在どのようになってるか視察も今回の訪問には含まれていた
「いいえ姫。争いがなくならないから力が必要なのです」
必死に訴えるカガリに対して常に冷静に答えるデュランダル。お互いに平行線のまま話を続けていると突如警報がなった
「なんだ。これは一体どういうことだ!」
「現在確認中です!」
すると2人の目の前にあるコンテナからいくつものビームが出現。爆発した
「カガリ!」
「議長!」
アスランはカガリを、そして議長お付きの護衛兵が議長を庇った
爆発が起こったの中から3機のモビルスーツが出現。3機は散開し周りのモビルスーツやコンテナを破壊していく
「発進急げ!」
「新型が何者かに奪取された!」
「取り押さえるんだ!」
「なんだと!」
「新型...」
「あれは!?」
「ガン、ダム...!」
ザフトが建造した最新型モビルスーツが3機奪取されるというはからずも2年前にヘリオポリスで起こったことと類似した事件が発生してしまった
「姫をシェルターに」
「はっ!こちらへ」
「あ...」
「カガリ!」
「...。なんとしてでも抑えるんだ!ミネルバにも応援要請を頼め!」
アスランが避難するためカガリの手を引いて走る。しかしそこへ行ってもモビルスーツの銃撃戦。逃げ場などなく道案内の兵も瓦礫の下敷きになってしまった
「なんで...なんでこんな!」
「カガリ」
「アスラン...」
「大丈夫だ」
また戦場を見ることになってしまったカガリを落ち着かせるアスラン。同時にこの場をどう乗り切るか辺りを見回し考える。しかし既にどこも火の海。さらにすぐそばには奪取されたと思われる新型機。アスランは顔を顰めた
「これしかないのか...」
「アスラン?」
「来い!」
「ちょっ!お前!」
アスランは再びカガリの手を引きすぐ近くに倒れているモビルスーツのコックピットに入った
「なにするんだアスラン!これじゃあレオとの!」
「こんなところでお前を死なせるわけにはいかない!」
「アスラン...」
二度と乗りたくなんてなかった。乗らなくていいような世界になればいいと友と話していた。しかし現実は違った。今目の前でカガリが危ない状況で他に手立てがないならばとアスランは再びモビルスーツに乗りその操縦桿を取った
アスランが乗ったモビルスーツが動き出すと敵はすぐさま気付き破壊しようとライフルを撃ってきた。しかしアスランはこれを回避。さらにタックルをしかけ相手を吹き飛ばした
「クッ!」
攻撃を受けたことで敵はアスランを危険視したのかビームサーベルを展開して襲い掛かってきた。アスランもビームトマホークで迎え撃つ。しかし新型と量産型では馬力が違い押されてしまう
「あ!」
「もう1機か!」
背後に現れた奪取された機体のもう1機。その機体からのビームサーベルでの攻撃で左手をやられてしまった
「クソッ!」
さらなる追撃に備えるべく態勢を立て直そうとするアスラン。しかし突然敵に対して上空からミサイル攻撃があった
「なんだ...?」
「あれは!」
2人が見たのは近づいてくる戦闘機。その戦闘機とその後方から飛んできた武装とが空中で換装しよく見たことあるような形状のモビルスーツとなり落ちてきた
「あれも新型?」
「だろうな」
「でもあれは」
「あぁ。ストライクに似ている」
かつてキラが乗っていたストライクに酷似している新たな新型機。こちらは正規のパイロットが乗っているようで1vs2でも戦えている
「もう1機は...」
今介入してしまえば新しく来たパイロットの邪魔をしてしまうと理解したアスランは残るもう1機の介入を警戒していた。すると突然地震が起こった
「アスラン...」
「外からの攻撃だな。港か」
アスランの脳裏にヘリオポリスで自分がやってしまったことが浮かび眉間に皺を寄せる
「はっ!アスラン!」
「わかっている。だが...」
危惧していた3機目の合流。案の定苦戦しているのを見たカガリはアスランに声をかける。しかしアスランはこれ以上の戦闘はカガリをさらに危険にさせるのではと悩んでいた
「アスラン!」
「あーもう!なぜお前はいつもそうなんだ!」
カガリが2度声を上げアスランは機体を前進させ味方を狙っている機体に突進した。さらにこちらに狙いを変えた別の機体にビームトマホークを投げつけ牽制した
「チッ!」
「うっ!」
「カガリ!」
アスランの突進で倒れていた機体からの攻撃を左肩のシールドで防ごうとしたが耐えきれず左腕ごと持っていかれてしまった。しかもその衝撃でカガリがどこかに頭をぶつけ気を失ってしまった
アスランはすぐさまジャンプでその場を離脱。瓦礫などを盾にしてその場を離れた