ガンダムSEED 〜守るための戦い〜 作:てこの原理こそ最強
「大型の熱量を感知!戦艦かと思われます!」
アークエンジェルがアルテミスへのサイレントランを継続していると近くで戦艦の反応をキャッチした
「横か!」
「気づかれた!?」
「いや、距離が遠いようです」
「艦特定、ナスカ級です!」
「チィッ!先回りしてこっちの頭を抑えるつもりか!」
「ローラシア級は!」
「ッ!当艦後方300です!いつの間に...」
「第一戦闘配備発令!」
『第一戦闘配備!軍役の者は持ち場戻られたし!』
「みんなよくこんなタイトスケジュールこなしてたな。超過勤務にも程があるだろこんなの...」
帰投してからも一切外に出なかったレオは第一戦闘配備のアナウンスを聞いてすぐさまノワールを起動させた
「さすがにエリート達と言っても新型に慣れてないはずだし。まだやれるよな...」
『レオくん』
「ミリアリア?え、どういうこと?」
いきなり通信モニターにミリアリアの顔が映し出されて驚くふりをするレオ。実際は既に知っていた
『これからモビルスーツ及びモビルアーマーの戦闘指示を担当します』
「なんでまた?」
『人手不足らしいし。何よりキラやレオくんに守ってばかりで私達は何もしなくていいのかなって話をしたの』
「なるほど。じゃあケーニヒ達も?」
『うん。私にも何かできることしたかったから』
「了解した。じゃあよろしく、ミリアリア」
『こちらこそ、レオくん』
お互いに大変なところに身を置いてしまったがレオとミリアリアは笑い合う
『メビウス・ゼロ。フラガ機、リニアカタパルトへ』
『坊主共。艦のこと頼んだぞ。ムウ・ラ・フラガ、
『続いてストライクE!ノワールストライカー装備完了!』
レオの乗るストライクEはキラの乗るストライク同様本体にストライカーパックである本機を象徴する黒い翼のノワールストライカーを装備できる。これにより柔軟な姿勢制御・機動性を機体にもたらす
「じゃあ行ってくるよミリアリア」
『気をつけて』
「俺のことはレオでいいからな」
『ッ!わかった!』
修理の終わったメビウス・ゼロでムウも出撃し、キラもレオも出撃した
「キラ。大丈夫か?」
『レオくん?うん、なんとか』
「緊張するよな」
『うん』
『キラ、レオ。敵モビルスーツの発進を確認。前方より1、後方より3!』
出撃してすぐミリアリアから敵モビルスーツの接近を告げられる。出撃したのはヘリオポリスで奪取されたイージスに加え残りの3機<デュエル><バスター><ブリッツ>とのこと
「キラは前を。俺は後ろをやる」
『そんな!後ろの方が敵が多いのに!』
「いいから。来るぞ!」
『ッ!』
レオはアークエンジェルの後方へ移動し後方からくるデュエル、バスター、ブリッツを迎え撃つ
「さて、ブリッツのステルスに注意しつつ動きを見る。だけどとりあえず出鼻を挫いときます、かっ!」
レオは近づいてくる3機に対してストライカーパックに装備された2連装リニアガンを放つ。しかし3機は散開してこれを回避した
「さすがに避けるか。まぁでもっ...」
レオは散開した内の1機、ブリッツ目掛けてスラスターを全開してに近付く
「分散してくれるのはありがたいっ!」
ブリッツはノワールの速度が想定を超えていたのか反応が遅れ盛大に蹴りをくらってしまう。それを見てまずバスターが二丁持つビームライフルで牽制してデュエルが接近戦を仕掛けようとする。しかしレオはライフル攻撃を難なく躱し接近してくるデュエルのビームサーベルも華麗に避けてデュエルにも蹴りをお見舞いした
「攻撃も接近も直線的。まだ慣れてないようでなによりっ!」
蹴りを入れた後レオはまたもスラスターを全開にしてバスターへ近づく。バスターは近付かせまいと両肩のミサイルを放つ
「その攻撃はありがたい」
レオはこのミサイル攻撃を見て急ストップ。そして右方向に回転しながらミサイル全弾に連続してビームを放ちそれは見事に全弾命中。レオは体制を直しなおもバスターへ接近した。バスターは迎撃するも宇宙空間を上下左右、縦横無尽に移動するノワールを捉えきれず接近を許してしまい他2機と同様を蹴りをくらってしまった
レオが敵3機に対して無双をしている中、キラは目の前にいるイージスのパイロットと通信が繋がっていた
『やはりキラ!キラなのか!』
「アスラン!」
キラとアスランの二度目の接敵。しかしこんな再会はお互いに望んではいなかっただろう
『どうしてお前が!コーディネイターのお前がナチュラルの味方をしている!』
「僕は!」
『どうして地球軍の機体に乗っている!どうして地球軍なんかに!』
「僕は地球軍なんかじゃない!」
『それならなぜ!』
「地球軍にはなってない。でも、あの艦には友達が乗ってるんだ!」
キラとアスランは幼い頃月で出会っていた。しかし戦争が激化するにつれアスランはプラントへ移住することになり2人は離れ離れになる。お互いにまた再会することを願っていたのだが、まさかこんな形での再会になろうとは...
「君こそなんでこんな!戦争なんて嫌だって言ってたじゃないか!どうしてそんな君がヘリオポリスを!」
『状況もわからないナチュラルがこんなものを作るから...』
「ヘリオポリスは中立だ!それなのにこんな!」
「そんな戯言!今更通用しない!」
お互いに知り合い、いやそれ以上に友人であることが幸いしているのか直撃となるような攻撃ができないでいた
「もういっちょ!」
レオはデュエル、ブリッツの2機と接近戦をしながらバスターの砲撃にも対応していた。デュエルが斬りかかるがレオは背後から迫るブリッツと相打ちさせるようにいなしバスターへ二丁持つビームライフルショーティで連続牽制をかける
『レオ!』
「どうしたミリアリア?」
『フラガ大尉が作戦を成功!アークエンジェル最大船速で敵を振り切るみたい!だから戻って!』
元々の作戦ではムウがメビウス・ゼロにて前方を阻んでいるザフト艦を奇襲してアルテミスへの進路を確保するまでキラとレオでアークエンジェルを守ることとなっていた。そのムウの奇襲が成功したとの連絡だった
「了解。キラは?」
『キラはまだ交戦中』
「だろうな。わかった、帰還する」
レオはミリアリアから帰還命令を受けるとアークエンジェルからも帰還を知らせる信号団が発射された
「素直に逃してくれればいいんだけど、なっ!」
レオは帰還するためのシナリオを考え、まずバスターに向かって急接近。バスターは今までと同じように近付けまいと砲撃するも一向に当たる気配なく接近を許してしまう。しかしレオは接近しても何もすることなくバスターの横を通過しただけだった
そんなレオを背後から追ってきていたデュエル、ブリッツがバスターに近づいたのを見計らってレオは3機を中心に円を描くように移動。すると3機は見えない何かに引っかかり絡め取られてしまう
その正体はレオがバスターの横を通過した際にバスターにアンカーランチャーの先端を引っ掛けていた。そのアンカーランチャーが絡まった3機は誰かが引っ張れば他が引っ張られお互いに行きたい方向に行けない状態になってしまう。ビームサーベルで切ってしまえばすぐ抜け出せるのだが、一瞬の足止めにはなったと思いレオはすぐさま離脱した
「クッ!これじゃあ!」
『キラ!』
「レオくん!」
レオと同じように帰還指示を受けていたキラはアスランのせいでなかなか離脱できないでいた。そこへデュエルら3機から離脱してきたレオが参戦した
『先に帰還しろキラ』
「でも!」
『いいから。エネルギー残量も少ないんだろ?』
「ッ!わかった...」
『キラ!』
離脱するキラをアスランは追いかけようとするもレオがそれを阻む
「まぁ待てよアスラン」
しかしそこへ足止めしたはずの3機が戻ってきた
「さすがにあれしきのものじゃすぐ脱出できるか。あのまま絡まってくれてたらよかったものを...」
4機が合流してしまい四方を囲まれるレオ。しかし特に焦りの表情などはなかった
『坊主!何してる!置いてかれるぞ!』
ここへ奇襲を成功させたムウが戻り通信が入る
「取り囲まれて動けません」
『なんだと!?ったく!』
「でも置いてかれたくないのでなんとかします」
『は?』
レオは敵の攻撃を躱すことに専念してとある攻撃を待った。するとすぐさまその待っていたミサイル攻撃をバスターが決行。レオは待ってましたとでもいうかのように飛んでくるミサイルを先ほどと同じく全弾撃ち抜く。そしてその爆発に紛れビームブレイドを手にしデュエルとブリッツに接近、両腕を斬り落とした。そしてすぐさまビームライフルショーティを手に取りバスターへ砲撃。両手に武装しているビームライフルとレールガンを破壊した
「うまく行きすぎて怖いな...」
『レオ!早く帰還して!』
「わかってる」
アークエンジェルとどんどん離れていくことに焦っているのかミリアリアが通信を入れてくる
「安心しろミリアリア。心配すんな」
『なんでそんな落ち着いていられるの!』
「まぁ、ねっ!」
レオはミリアリアと話しつつもイージスと交わった際に頭部の破壊に成功。それを機にその場を離れアークエンジェルに急いだ
「な?」
『あなたって、本当に何者...?』
「普通の学生だよ。今から帰投する」
『りょーかい...』
さすがに敵もこれ以上追撃できることができないと見てレオは無事に帰還することができた。これにてアルテミスに入る前の戦闘は終了となった
アークエンジェルに帰還したレオだったがまたもノワールから降りようとはしなかった
『レオくん。ご苦労様』
「ありがとうございます艦長。何か御用で?」
着艦したレオにブリッジからマリューからの通信を入った
『まだ降りてきてはくれないかしら』
「役割は果たしているつもりです」
『そうね、ごめんなさい。これより我々はアルテミスへ入港します』
「了解しました」
レオは一言だけ返事を返して通信を切った
「アルテミス...またも嫌いなところだ。ミリアリア聞こえる?」
『何?』
「悪いが何か飲み物持ってきてほしいんだが」
『えー!?』
「頼む」
『何よもー...私はあなたの便利屋じゃないのよー?』
「あぁ、恩にきる」
『本当にわかってるんでしょうねー...はぁ。ちょっと待ってて』
渋々了承してくれたミリアリアに感謝しつつ通信を終えたレオは一息ついた
「ふぅ。別に何かしようってわけじゃないが...ミリアリアが嫌な思いするのを見過ごせない。すまない、許せトール」
誰にも聞こえない独り言はどういう意味を示すのか。それはレオにしかわからないかった
それから数分とかからずにミリアリアがレオから言われた通り飲み物とついで軽い軽食を持ってやってきた
『来てやったわよレオ』
ミリアリアの到着をレオはコックピットを開け迎えた
「すまんな」
「本当よもう!こんなことなら早く降りてきなさいよ」
「まぁもう少ししたらな。ッ!ミリアリア!」
「ちょっ!」
レオは突然ミリアリアの手を取りコックピットに引き込む。そしてハッチを閉め中からロックをかけた
「ちょっと!どういうつもりよ!」
「すまないとは思ってる。でも...」
レオはモニターを指差す。ミリアリアがレオが指差すモニターに目をやると宇宙服を着た連中がドック内の整備班達に銃を突きつけていた
「え...なによ、これ...」
「...」
驚きの光景にミリアリアは目を見開き困惑の表情を浮かべる
「なんで...ここって味方のはずでしょ!?」
「そのはずだ」
「トール...トール達を助けないと!」
「待てミリアリア」
アークエンジェル内に残っている者達でも同じような扱いを受けているかもしれないと想像したミリアリアはコックピットを開けて外に出ようとするがレオがそれを止める
「離してよレオ!」
「外に出れば君もあぁなるぞ」
「でも...!」
「艦長達がなんとかしてくれるはずだ。だから、少しの間辛抱してくれ」
「トール...」
入港したアルテミスで待っていたのは拘束という熱烈な歓迎だった。これは果たしてどんな結末が待っているのか...