ガンダムSEED 〜守るための戦い〜   作:てこの原理こそ最強

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第四十四話

 

 

レオが連絡を取りあの電文が正真正銘ミリアリアからのものだとわかったところでキラとレオ、そしてカガリの3人がミリアリアと会うため地上に上がった

 

「あ、レオ!」

 

「ミリィ」

 

集合場所には既にミリアリアが到着しておりレオの姿を見るや走って抱きついた

 

「久しぶりだなミリィ」

 

「うん。まさかオーブを飛び出しちゃってたなんて」

 

「やぁミリアリア」

 

「キラ!ニュース聞いたときはびっくりしたわよ!花嫁を攫っちゃうなんて」

 

「いや、それは...それよりアスランは?」

 

レオの後にキラに手を引かれてやってきたカガリが例のニュースをぶり返すミリアリアの話を遮ろうと話題を変える

 

「あ...あのね。言いづらいんだけど...」

 

「ザフトに戻ってるんだろ?アスランは」

 

「あ、うん...」

 

「ザフトに?」

 

「アスランが...」

 

レオがそのことを知っていたことにもだがアスランがザフトに戻っていると聞き驚くキラとカガリ

 

そこへ1機のモビルアーマー。いや、空中でモビルスーツに変形して降りてきた。そしてコックピットから降りてきたのは紛れもなくアスランその人だった

 

「キラ...カガリ...レオ...」

 

「アスラン...」

 

「ッ!どういうことだアスラン!お前!ずっと心配していたんだぞ!あんなことにもなっちゃって、連絡も取れなかったけど...でもなんで!なんでまたザフトになんか戻ったりしたんだ!」

 

降りてきたアスランに向かって再会早々気持ちを全面にぶつけるカガリ

 

「その方がいいと思ったからだ。自分のためにも、オーブのためにも」

 

「そんな...なにがオーブの!」

 

「待てカガリ。感情的になるなとあれほど言っただろ」

 

まだまだ激情する癖が直らず、自分の気持ちを感情任せにただぶつけようとしていたカガリにレオは待ったをかけた

 

「あれは君の新しい機体?」

 

「あぁ」

 

「じゃあこの前の戦闘にも...」

 

「あぁ。俺もいた。今はミネルバに乗ってるからな」

 

「「ッ!」」

 

ザフトに戻り、さらにミネルバに乗っていると聞いてカガリとキラはさらに驚く。ということは先の戦闘でアスランはオーブ軍を相手取っていたのだと

 

「お前達を見て話そうとした。でも通じなくて...だがなぜあんなことをした!あんなバカなこと!」

 

「...」

 

先の戦闘介入に対してバカげたことと批判したアスランにキラとカガリは驚きレオは黙って話を聞いていた

 

「おかげで戦場は混乱しお前達のせいで要らぬ犠牲も出た」

 

「バカなこと...?あのときザフトが戦おうとしていたのはオーブ軍だったんだぞ!私達はそれを!」

 

「あそこで君が出て素直にオーブが撤退するとでも思ったか!」

 

「それは...」

 

「君がしなければいけなかったのはそんなことじゃないだろ!戦場に出てあんなことを言う前に、オーブを同盟になんか参加させるべきじゃなかったんだ!」

 

「だが...」

 

「そんなカガリを支えてやるのがお前の役目じゃなかったのか?アスラン」

 

「ッ!?」

 

アスランの言い分に対して言葉が出なくなるカガリの代わりにレオが口を開く

 

「苦しんでいるカガリを側で支えることよりもザフトへ戻る方が優先だって、本当に思ったかのか?」

 

「...」

 

レオの指摘にアスランは黙り込くってしまう

 

「それで、君がまだザフト軍だって言うなら...これからどうするの?僕達を探していたのはなぜ?」

 

「やめさせたいと思ったからだ。もうあんなことは...!」

 

キラの問いかけには力強く答えるアスラン。どうやらオーブを離れることは悩んだものの、ザフトへの復隊にはきちんと意思があった、ということと捉えられるだろう

 

「ユニウスセブン落下のことはわかってはいる。だが!その後の混乱はどう見たって連合が悪い!それでもプラントはこんなバカげたことは1日でも早く終わらせようと頑張っているんだぞ!なのにお前達は!ただ状況を混乱させているだけじゃないか!」

 

「本当にそうか?」

 

「なに...?」

 

アスランが熱く意見を語っているところをレオが一旦止めた

 

「プラントは本当にそう思ってるのかって聞いてるんだ。あのデュランダル議長は戦争を早く終わらせて平和な世界にしたいと、本当に思ってるのか?」

 

「レオだって議長のしていることは見ているだろ!言葉だって聞いたはずだ!議長は本当に!」

 

「じゃああのラクスは。プラントにいるラクス・クラインはいったいなんなんだ?」

 

「あ、あれは...」

 

「そしてなぜ、本物のラクスがコーディネイターに殺されかけなきゃならないんだ...」

 

「なっ!」

 

この事件のことは知らなかったアスランは驚愕の表情を見せる

 

「殺されそうって...なんだそれは...!」

 

「オーブで俺達はコーディネイターの特殊部隊に襲撃された。乗っていたモビルスーツがザフトの最新機だったことは確認が済んでる」

 

「あ...」

 

「狙いはラクスだった。だから俺はまた銃を取った。守るために」

 

「そんな...」

 

「ラクスが...誰に、なんの目的で狙われなきゃならないんだ...?それがはっきりしないうちは、プラントを...あの議長を信じることはできない」

 

アスランは一旦会話を止め考え込むような姿勢を取った

 

「アスラン?」

 

「あ、あぁ。確かにラクスが狙われたというのはとんでもないことだ。だからといって議長が信じられない、プラントが信じられないってのは早計すぎるんじゃないか?」

 

「なに...?」

 

「プラントにだっていろいろな思いをしている人間がいる。ユニウスセブン落下の犯人のように議長の手の届かないところの勢力がまだあるんだ。その襲撃のことも議長がご存じないごく一部の人間が勝手にやったことかもしれないじゃないか!そんなことくらいわからないレオではないだろ!」

 

「でもアスラン...」

 

「ともかくその件は俺も艦に戻ったら調べてみる」

 

「えっ...」

 

「だからお前達はオーブへ戻れ。」

 

「...」

 

「待てアスラン...じゃあお前...」

 

「戦闘を止めたい。オーブを戦わせたくないと言うなら、まずは連合との同盟をなんとかしろ。戦場に出てからでは遅いんだ!」

 

「それは...わかってはいるけど...じゃあお前は戻らないのか?アークエンジェルにも...オーブにも...」

 

「ッ!オーブが...今まで通りの国であってさえくれれば、行く道は同じはずだ」

 

「アスラン...」

 

「俺は復隊したんだ!今更戻れない...」

 

「そんな...」

 

その言葉に酷く悲しみを覚えたカガリ。そんなカガリの肩に手を添えるキラ

 

「じゃあ君はザフトで、これからもずっと連合と戦っていくって言うの?」

 

「...。終わるまでは、仕方ない」

 

「じゃあこの前みたいに、オーブとも?」

 

「俺だってできることなら撃ちたくはない!だがあれでは戦うしかないじゃないか!」

 

「...」

 

アスランの口から"戦う"という言葉。またその言葉を聞いて事情を知らないミリアリアはただ静かにレオに近寄り手を握った

 

「連合が今ここでなにをしているのかお前達だって知ってるだろ!それは止めさせなきゃならない!だから条約をなんとかしてオーブを下がらせろと言っている!」

 

「クッ...」

 

「でもねアスラン。それもわかってる。それでも撃たせたくないんだ。僕達は...」

 

「キラ!」

 

「本当はオーブだけじゃない。戦って、撃たれて失ったものは、もう二度と戻らないから...」

 

「ッ!!自分だけわかったような...綺麗事を言うな!」

 

「...」

 

「お前の手だって!既に何人もの命を奪ってるんだぞ!」

 

アスランの怒号とも言える言い分を聞いたミリアリアのレオの手を握る強さをさらに増した

 

「うん...知ってる。だからもう、本当にイヤなんだ...こんなことはもう...」

 

「キラ...」

 

「撃ちたくない...撃たせないで...」

 

「ならばなおのことだ...あんなことはもう止めてオーブへ戻れ。いいな?」

 

「あ、アスラン...」

 

「...」

 

機体に戻ろうとするアスランをカガリが呼び止める

 

「理解できても納得できないこともある。俺にだって...」

 

「あっ...」

 

アスランは機体に乗り飛び去ってしまった

 

「アスラン...」

 

「ダメだなこれは」

 

「レオくん...」

 

「あいつは今デュランダル議長に心酔してるみたいだ。本当は見なければならないものから目を背けてまで」

 

「レオ...」

 

「ごめんなミリィ。こんなことに巻き込んでしまって」

 

「ううん、私は大丈夫...」

 

哀しげにいるミリアリアをレオはそっと抱き寄せる

 

「...」

 

「カガリ。一旦戻ろう」

 

「あぁ...」

 

「ミリィはどうする?」

 

「私も、アークエンジェルに戻ろうって思ってる」

 

「いいのか?行くのはまた戦場だぞ」

 

「わかってる。でもまた戦争じゃどこも危ないもん。それに私もまた守るの。レオやラクスみたいに、オーブの子供達みたいな人達を」

 

「そうか」

 

最初は反対しようと思っていたレオ。しかしミリアリアの決意した顔を見るとそんなことはできなかった

 

「じゃあ一緒に行こう」

 

「うん!これからまたよろしくね!キラも!お姫様も!」

 

「うん。よろしくミリアリア」

 

「お姫様って言うな!」

 

「あははは!...レオ」

 

「ん?」

 

ミリアリアはふいにレオの頬にキスをした

 

「また一緒にいられるね」

 

「そうだな。ラクスもみんなも喜ぶだろ」

 

「レオは?」

 

「もちろん。俺も嬉しいよ」

 

「ふふっ」

 

「さて、俺達も戻るか。それにしても、アスランは尾行されるのが好きだな」

 

「ん?」

 

レオはとある崖の方に目をやってからアークエンジェルに戻った

 

 

 

 

 

 

レオ達3人と共に戻ったミリアリアは盛大に歓迎された。帰還一番に会ったマードックとは久しぶりの再会をハイタッチで祝った

 

「お兄ちゃん!」

 

「おっと。ただいまステラ」

 

「うん、おかえりなさい」

 

留守番をしていたステラがレオが戻って来たと聞きすぐさまブリッジを飛び出しドックまで来てレオに飛びついた

 

「お兄ちゃん?レオ、もしかしてこの子...」

 

「あぁ。前に話してたステラだ。再会場所は良くなかったが、こうして見つけることができた」

 

「やっぱり!初めましてステラちゃん。私ミリアリアよ。よろしくね」

 

「ん...」

 

ステラは恥ずかしいのかまたレオの後ろに隠れてしまう

 

「人見知りっぽいんだ。気長に待ってやってほしい」

 

「もちろんよ。私のことお姉ちゃんって呼んでいいからね」

 

怯えるステラに怯むことなく得意のウィンクをしながら姉と呼ばせようとするミリアリア。彼女にもぜひステラとは仲良くなってほしいと思っているレオだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マリュー達へ報告を終えたレオはしがなく海の中を眺めていた

 

「レオ」

 

「ラクス」

 

「こちらでしたか」

 

「あぁ。綺麗だなって」

 

「そうですわね」

 

そこにラクスがやってきた。どうやらレオを探していたよう。レオの隣に来るとレオ方にそっともたれかかった

 

「ミリアリアさん、お元気そうでよかったですわ」

 

「そうだな。ただ会って早々あんな話に巻き込んでしまって申し訳なく思ってる」

 

「アスランとの?」

 

「あぁ。アスランが言うこともわかる。マリューさんも言ってたがユニウスセブン落下以降どう見ても連合が悪い。そんなところと同盟を交わしたオーブだって間違ってる」

 

「えぇ」

 

「ただ、やっぱりラクスのことがあるから...プラントのことも信用できない」

 

「そうですわね。ですから、わたくし見てまいりますわ。プラントの様子を」

 

「そうか。それはもう、決めたことなんだな...?」

 

「はい。わたくしももう、大丈夫ですから」

 

「シーゲル様も?」

 

「いえ。お父様はやるべきことがあると」

 

「だろうな。わかった」

 

「ありがとうございますわ、レオ」

 

「ただ、俺もずっとラクスの側にはいられない」

 

「わかっていますわ」

 

レオは本当はラクスが行くのを止めたかった。自分が一緒に行けないことがわかっていたから

 

「やることがあるのでしょ?だから()()()()()前もって」

 

「そうだな。でもラクスのことはちゃんと宇宙(そら)に送り届ける」

 

「それに関しては心配していませんわ。だって、わたくしのレオですもの」

 

「世界の歌姫様から絶大な信頼を得られて恐悦至極なことだな」

 

「ふふっ」

 

こうしてラクスが再び宇宙へ上がることが決まった

 

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