ガンダムSEED 〜守るための戦い〜   作:てこの原理こそ最強

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第五十八話

 

 

準備が整ったキラとフレイはブースターを取り付けたストライクフリーダムで先んじて宇宙に上がった。そして残ったアークエンジェルクルーはオーブの指示に従って宇宙へ上がる用意を進めていた

 

「レオさん、チェックお願いします」

 

「もうできたのかメイリン。早いな」

 

「基礎構造はもうできていたので」

 

「それにしても早いな。でも助かるよ。ありがとう」

 

「いえ...」

 

機体のメンテナンス中にレオから感謝を伝えられてあからさまに照れるメイリン。しかしレオの役に立てて嬉しがってもいる

 

「メイリンのおかげで早めに終わったしアスランを手伝いに行こうか」

 

「あ、はい!」

 

自分の機体のメンテが終わって移動するレオ。そのレオの手をじっと見つめながら後を追うメイリン

 

「手伝うことあるかアスラン?」

 

「いや、マユが手伝ってくれているおかげでもう終わりそうだ」

 

「そうか。こっちもメイリンのおかげで早めに終わった。優秀な子達だな」

 

「そりゃミネルバ隊に配属されるエリートだからな」

 

「確かにな」

 

「ん?メイリンさんどうしたの?」

 

「えっ!べ、別に何もないよ!」

 

ぼーっとしていたメイリンに気づいたマユが指摘する

 

「大丈夫か?」

 

「だ、大丈夫です!」

 

「俺ももうすぐ終わる。マユも連れて先にあがってくれ」

 

「え、でも...」

 

「ここまで手伝ってもらっただけでもありがたいんだ。それに俺はこれが終わったらすぐ行政府でカガリのサポートがある」

 

「だそうだ。ここはお言葉に甘えて先に休憩しようマユ」

 

「は、はい。それじゃあ」

 

「もしなにかあったら呼んでくれアスラン」

 

「あぁ」

 

レオはマユとメイリンを連れてドックから上がった

 

「2人はもうアークエンジェルは慣れたか?」

 

「はい。みなさんよくしてくださるので」

 

「なんだか時々戦艦じゃなくて実家に帰ってきたような感じになります」

 

「みんなノリがいいからな。街には出なくてよかったのか?」

 

「フレイさんが色々くれたので入り用なものは特にありません」

 

「あの大量のコスメグッズか...女子はみんなそうなのか?」

 

「私はそこまでです。メイリンさんの方が」

 

「私はそこそこです。フレイさんほどでは...」

 

「やっぱりアイツが異常だったのか」

 

「お兄ちゃん!」

 

「おっと。危ないだろステラ」

 

「ごめんなさい」

 

レオ達が廊下を進んでいたところにステラ登場。レオを見るやいなや飛びついてきた

 

「ムウさんと、ネオと話してたのか?」

 

「うん。ちょっとだけ」

 

「そうか」

 

ムウにステラを会わせてから2人はちょっとずつ話ができるようになった。まだマリューやレオを間に挟んでにはなるが確実にいい傾向に進みつつあった

 

「これから部屋に戻るけどステラもくるか?」

 

「うん!」

 

ステラはすぐさまレオと腕を組んだ

 

「「...」」

 

レオとステラの背後から何やら羨望の眼差しが

 

「ん?」

 

「「ッ!」」

 

「どうしたステラ?」

 

ふと後ろの2人が気になったステラ。するとステラはレオから離れ2人の背後に回りレオに近づけようと背中を押した

 

「ちょっ!」

 

「えっ!?」

 

押された2人はレオにしがみつく形に

 

「こらステラ」

 

「2人もお兄ちゃんと手繋ぎたそうだったから」

 

「そうなのか?」

 

「い、いや...」

 

「えっと...」

 

2人はレオが近いためか心臓がバクバクしているため言葉を上手く出てこない。しかしレオから離れようともしなかった

 

「大丈夫?」

 

「わ、私はレオさんがいやでなければ!」

 

「メイリンさん!?」

 

口火を切ったのはまさかのメイリンの方。いつもおとなしいメイリンがこんな大胆なことを言ったことにマユは驚きを隠せなかった

 

「いやでも...」

 

「私は、いやですか...?」

 

「ウッ...」

 

(あ、あざとい!!)

 

メイリンは悲しげな表情でレオを見上げる。その仕草にマユは思わず心の中で叫んだ

 

「じゃ、じゃあ2人の部屋まで...」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「ッ!なら私も!」

 

「あ、うん...」

 

「ステラは今日お兄ちゃんと一緒に寝るから我慢できる」

 

「い、一緒に!?」

 

「そうなんですか!?」

 

「まぁ、たまにね」

 

なんともバツが悪そうなレオ。別にやましいことがあるわけではない。まぁステラのことをまだ詳しく知らない2人が驚くのも無理はないが

 

その後緊張から何も話せなくなってしまったマユとメイリン。そんな2人になんて話を切り出せばいいかわからなくなってしまったレオ。会話が一切なくなったまま2人の部屋の前についてしまった

 

「じゃ、じゃあ今日はありがとう」

 

「いえ...」

 

「すみませんでした...」

 

さっきより雰囲気が重たいことを察したレオ。さすがにこのまま別れてはいけないと思い、俯く2人の頭に手を乗せた

 

「「ッ!?」」

 

「ごめん。2人がなにに悩んでいるのかわからないから俺にはこんなことしかできなくて。俺でよかったら話聞くから。元気出してくれ」

 

「「...」」

 

これでも顔を上げてくれない2人。しかし当の2人は...

 

(あ、頭撫でてもらっちゃった!)

 

(なにこれ!すごく気持ちいい!)

 

俯いてる2人は既に満足といった表情だった

 

「なにしてるのよ」

 

「うおっ!ミリィ...」

 

いつの間にかミリアリア仁王立ちで立っていた。さらにすごい剣幕となっている

 

「なに年下の子の頭撫でて鼻の下伸ばしてんのよ」

 

「いつ誰が伸ばしてんだよ。俺はただ2人を元気づけようと」

 

「どうだか!」

 

ミリアリアは少し機嫌が悪いのかレオの言葉を信じない

 

「はぁ、すまない2人とも。俺達は行くよ」

 

「は、はい...」

 

「ちょっと!逃がさな、ってちょっ!」

 

「はいはい。話は後でたっぷりと聞くから」

 

レオはまだ怒っている様子のミリアリアをお姫様抱っこで抱え上げ自分の部屋の方に歩き出す

 

「ちょっと!降ろしなさいよ!」

 

「さっき俺の話聞こうとしなかったんだから俺も聞きません」

 

「なに子供みたいなこと言ってんのよ!」

 

「ミリィが怒るばっかりだからだろ。別に悪いことしてないのに」

 

「...。わかってるわよ、そんなこと」

 

ミリアリアは暴れるのをやめレオに抱きついた。先ほどまでとは打って変わってとてもしおらしくなっている

 

「ちょっとモヤモヤしたの。ラクスには最近感じなかったのに最近来たばかりの子達にレオが構ってるの見たら...」

 

「そうか。そういうことならすまなかったミリィ」

 

「ミリアリア、平気?」

 

黙って後ろからついてきていたステラがミリアリアを心配する

 

「大丈夫よ。ごめんねステラ。お兄ちゃん取っちゃって」

 

「ううん。ステラ、今日お兄ちゃんと一緒に寝るから大丈夫」

 

「そう。ねぇレオ。今日私も一緒にいい?」

 

「ラクスもいるからちょっと手狭になるぞ?」

 

「大丈夫」

 

「ならいいよ」

 

「ありがと」

 

ミリアリアの機嫌が悪かった原因も判明し、本人も落ち着いたようだ

 

「それにしても軽いなミリアリア。ちゃんと食べてるのか?」

 

「好きな人に見限られないようにスタイルを維持するのよ女の子は」

 

「そうなのか。俺はどんなミリィでも好きだけどな」

 

「ちょっと...さらっとそういうこと言うのやめてくれない...?」

 

「なんで?」

 

「心臓に悪いわ...」

 

ごく自然に嬉しい言葉をかけてくれるレオと目が合わせずらいミリアリア。頬もまた赤くなり体温も上がっているのを感じる

 

「そっか。じゃあやめよう」

 

「たまに...そういう雰囲気になったときなら...」

 

「難しいんだな」

 

「そうよ。平和のこともだけど、ちゃんと私達のことも考えてよね」

 

「なにを言っているんだミリィ。ミリィ達のことを考えないことなんて一瞬たりともないぞ」

 

「だからそういうとこよ!」

 

「えー...」

 

レオの言葉。そしてそれを冗談ではなく真剣な顔で言っていることが加わってミリアリアの心拍音はどんどんとあがっていた

 

「もぅ...そろそろ降ろして」

 

「わかった」

 

レオはミリアリアを降ろした。しかしミリアリアはレオから離れることはなく腕を組んだ

 

「降ろしてはほしかったけど離れるのはいや」

 

「ステラも」

 

「ん」

 

ミリアリアが組んだ腕とは反対の腕に絡みついたステラ

 

「ミリィにはいろいろ世話をかけたな」

 

「本当よ。私だって寂しいんだからね」

 

「申し訳ないな」

 

「あまり時間はないけど今までの分埋め合わせてもらうわよ」

 

「もちろん。できることならなんでもする」

 

「じゃあ考えとくわね。とりあえず今日は一緒に寝てもらうから」

 

「それは別にお願いされなくても来てくれるならいつでも」

 

「私を大切に想ってくれるのとても嬉しいけど、ラクスとの時間を奪うわけにはいかないでしょ」

 

「そうか。ありがとう。俺は幸せ者だな」

 

「私だって幸せよ。たくさん心配かけられるけどこうして気にかけてくれて構ってくれて。好きな人と触れ合えるだけでこんなに幸せになれるのね」

 

「ステラも」

 

ミリアリアとステラのレオの腕を組む力が強くなる

 

「あの子達のこと、気づいてるんでしょ?」

 

「まぁ、な...でもなー...」

 

「いいじゃない。また家族が増えるのは大歓迎よ」

 

「みんながみんなミリィみたいに柔軟じゃないだろ。傍から見たら超絶クソ野郎だな俺は...」

 

「他人なんて関係ない。言いたい奴らには言わせておけばいいのよ」

 

「でもほら、世間一般的に考えると...」

 

「既に私達一般人じゃないっぽいし~」

 

「ウッ...」

 

ミリアリアの指摘に悔しくも確かにと思ってしまうレオ

 

「諦めなさいよ」

 

「いったいどこで道を踏み間違えたのか...」

 

「人を好きになるのなんて誰にだって予想できないわよ」

 

「そりゃあ、そうだろうけど...」

 

「それだけレオが魅力的なのよ。自信持ちなさいっての」

 

「...」

 

ミリアリアにこれだけ言われても不安そうなレオ

 

「お兄ちゃん」

 

「ん?」

 

「ステラ、お兄ちゃんが好き」

 

「あぁ。俺もステラが大好きだぞ」

 

「多分みんなもお兄ちゃんが好き。ステラ、みんな一緒、嬉しい」

 

「そっか。ありがとな、ステラ」

 

「うん」

 

ステラが自分の想いを伝えてくれる。それだけでレオは嬉しかった

 

「今は考えなきゃいけないことが他にあるからしょうがないけど、全部終わったらちゃんと向き合ってあげなさいよ?」

 

「わかってる」

 

「ならいいわ。じゃあ私はステラと温泉入ってくるわね。ステラ行きましょ?」

 

「うん」

 

レオの腕から離れたミリアリアとステラは2人で手を繋いで温泉に続く廊下を歩いて行った

 

「ホント、仲良くなったな」

 

「レオ」

 

2人が廊下の角を曲がり見えなくなったのと同時にレオの元にラクスがやってきた

 

「ラクス。どうかしたか?」

 

「お部屋で待っていたのですがなかなか戻られなかったので」

 

「ごめん。整備は早めに終わってマユとメイリンを部屋まで送ってた」

 

「そうでしたの」

 

ラクスは話をしつつもレオに近づき当然かのようにレオの腕に抱き着いた

 

「この後することないし、部屋に戻ってゆっくりしようか」

 

「そうですわね」

 

レオとラクスはその状態のまま部屋に戻った

 

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