ガンダムSEED 〜守るための戦い〜   作:てこの原理こそ最強

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第六十六話

 

 

「クソッ!」

 

時間がない中ザフト軍の多さに苛立ちを隠せないアスランにブレイズザクファントムやザフト戦艦からのミサイルが迫った

 

『何をやっている貴様!』

 

「ッ!?」

 

そのミサイル群はアスランが迎撃する前に横からのビームガンによって防がれる。そして姿を現したのは白いグフイグナイテッド、イザーク・ジュールだった

 

「イザーク!?」

 

『なにって、こいつを落とそうとしてんじゃないかよ』

 

「ディアッカまで!?」

 

イザークの後に続いて黒いザクファントムに乗るディアッカも合流した

 

『俺が聞きたいのはそんなことではない!』

 

『もういいだろそんなこと...それより早くやることやっちまおうぜ』

 

「は?」

 

『ディアッカ貴様!』

 

『こいつを落とすんだろ』

 

なぜかザフト軍である2人。なんなら隊長でもあるイザークが軍が敵と認識しているアスランに攻撃をせずに、逆に守るような動きを取っている。しかもディアッカの発言から中継ステーションの破壊の援護までするようだ

 

『アスラン!』

 

「あぁ!」

 

そしてキラとも合流。中継ステーションまで急ごうとするも、やはりザフトモビルスーツ群の足止めをくらってしまう

 

『このままじゃ!』

 

「えぇい!」

 

 

 

 

 

『任せろ』

 

 

 

 

 

 

進行方向を完全に塞いでいたザフトモビルスーツ群がみるみるうちに頭部や武装を撃ち抜かれていく

 

『なんだっ!?』

 

『この声は!』

 

イザークは目の前で何が起こったのかわからないでいた。しかしディアッカは一瞬聞こえた声から見当がついた

 

そしてそんな2人とキラ、アスランは目の前を白い翼を羽ばたかせ飛び回る機体、ウイングユニティの姿を見た

 

『レオ!』

 

「俺が蹴散らす。行け。キラ、アスラン」

 

『うん!』

 

『あぁ!』

 

レオが空けた穴をキラとアスランが通り抜けた

 

「久しぶりだなディアッカ」

 

『お久しぶり。本当はこんな形で会いたくなかったがな』

 

「同感だ。それよりよかったのか?ディアッカもそうだが、イザークは白服だろ?」

 

『...』

 

レオの問いかけにイザークは一瞬口を紡いだ

 

『確かに俺は軍に属している。だがなにが正しいかなど俺自身で決める!』

 

「その言い方、変わらないなイザーク」

 

『うるさい!こんなところにおめおめと出てきておいて!』

 

「それは関係ないだろ」

 

『くっちゃべってると置いてかれんぞお2人さん』

 

そうこうしているうちにキラとアスランが中継ステーション内部への侵入に成功。特大ビームサーベルにて中継ステーションを真っ二つにした

 

『中継ステーションの陥落を確認!』

 

『全機に通達!補給が必要な機体は補給を!他はレクイエムへ!』

 

 

 

「ッ!」

 

 

 

何かを感じ取ったレオは誰よりも早くレクイエムへ、いや、レクイエム破壊へ向かうオーブ軍別動隊へ進路を取った

 

『オレンジ186より進攻する巨大建造物あり!』

 

『はっ!』

 

月の陰からその巨体を現した建造物は以前ザフトの宇宙要塞として存在したヤキン・ドゥーエを彷彿とさせるほどの大きさだった

 

『なんだ...』

 

『要塞!?』

 

『ッ!高エネルギー体収束!』

 

『まさか!』

 

『艦隊を!』

 

『クソッ!』

 

オーブ艦隊になにかが放たれる。全員がそう確信しキラとアスランが阻止しようと動くももう遅かった。みな目にしたことのあるあの禍々しい光がまた放たれてしまった

 

 

 

 

 

「やらせない!」

 

 

 

 

 

 

『レオ!』

 

ラクスが声を上げる。その瞬間超高エネルギービーム砲の射線上に連続して出現した6つの三角形をしたバリア。誰にでもわかった。レオのものだと

 

これも以前も見た光景。しかし今回も全て打ち消すことができていない...

 

ビームの直径は小さくなっているものの、変わらずオーブ艦隊に向かっていく。しかし艦隊の先頭に当たる直前に、ムウのときみたくビームが分散した

 

『あれは...?』

 

『案ずるな』

 

マリューのつぶやきに答えるように通信から入ってくる声はオーブ艦隊を指揮するハルバートンからのものだった

 

『閣下!』

 

『オーブの協力の下ターミナルでヤタノカガミを応用して開発した<ヒガタヒボコノカガミ>だ』

 

よく見ればオーブ艦隊の先頭を行くミネラオス級戦艦の先部に戦艦がすっぽり見えなくなってしまうほどの放物曲面をしたものを装備していた

 

『さすがにあれが直撃となればどうなるかわからんが、威力の弱まったものであれば反射、屈折が可能だ』

 

『そうでしたか...』

 

マリューはとりあえず安堵の声を漏らす

 

『安心している暇はありません』

 

『ッ!』

 

少し落ち着てしまった雰囲気をラクスが一喝する

 

『あれがまた放たれたとき必ず防げるとは限りません』

 

「ラクスの言う通りです。レクイエム同様破壊しないと」

 

『そうね、ごめんなさい』

 

『ザフトモビルスーツ群接近!数20!』

 

ザフト軍の移動要塞<メサイア>はかつて地球軍の拠点だったアルテミスのようにビームバリアを展開。そしてメサイアより大量のモビルスーツが発進。そのほとんどがエターナルを狙う

 

「数は多い。でもっ!」

 

エターナル、アークエンジェル、そしてセラフィムの3隻が相手するには多すぎるザフト軍モビルスーツの数。しかしそんな大群を前にしてもレオは一切怯んではいなかった

 

『おいおい...やべーぞこりゃ』

 

「泣き言はなしですよムウさん。キラやアスランが大物を食い止めてくれてるんです。俺達でみんなを守るんですから」

 

『わかってるよ』

 

レオとムウがドラグーンを駆使して迫りくるザフトモビルスーツ群を戦闘不能、破壊していく

 

「マユ、オーブ軍の状況はわかるか?」

 

『はい。現在攻撃を受けながらもレクイエムへと侵攻中。ただ向こうにもビームバリアを展開されているため状況は芳しくないとのことです』

 

「了解」

 

レオはマユからの報告を受けこの状況を打破するために頭をフル回転させる

 

『ゴンドワナよりモビルスーツ発進!オーブ主力艦隊へ向かっています!』

 

『オーブ艦隊に!?』

 

『クソッ!仕掛けに乗せられた!これではレクイエムが!』

 

キラとアスランは先ほどからデスティニー、レジェンドと交戦中。その中でもレオと同じようになにか打開策がないか思考を巡らせていた

 

『このままでは一次中継点も復活する!オーブが!』

 

『インパルス接近!』

 

『後方よりミネルバ!』

 

『回避!』

 

次から次へと入ってくる通信に全員が混乱し始める

 

 

 

 

 

 

「全艦全機、緊急上昇」

 

 

 

 

 

 

 

『ッ!?』

 

『面舵!』

 

『なんだ!?』

 

『アスラン!』

 

誰よりも冷静な声で全員に通信を飛ばしたレオ。その声に反応し全員が艦や機体を急浮上させる。それを確認したレオは2丁のバスターライフルを真横に水平に向け照射。されにそのままの状態で機体を回転させる。ビームはザフト軍の艦と艦、モビルスーツとモビルスーツの間を縫うように移動。どれにもあたることはなかったものの、その場は凍り付くように全ての動きが止まった

 

「全員レクイエムへ!ここは俺とエターナルで抑えます!」

 

静まった中で聞こえたレオからの指示。それに全員が驚く

 

『どういうことだ少年!』

 

「言葉のままですバジルールさん。セラフィム、アークエンジェル共にレクイエムへ。アスラン達も全員!」

 

レオは動き出したデスティニーとレジェンドへ向けて小型ドラグーンを発射

 

『それではエターナルが!』

 

『この艦よりもオーブです』

 

マリューの進言に今度はラクスが素早く答える

 

『オーブはプラントに対する最後の砦です。失えば、世界は呑み込まれる...絶対に守らなくてはなりません』

 

ラクスが話す中エターナルに迫るミサイルからバリアを張り守るレオ

 

『わたくし達はそのためにここにいるのです』

 

「だから行ってくれキラ、アスラン、マリューさん!」

 

レオは小型ドラグーンを全て使用しデスティニーとレジェンドを攻撃する

 

『わかりました...では後で。必ず...』

 

『レオ...』

 

「全部終わらせてまた会おう。ミリィ」

 

『絶対だよ...?破ったら許さないからね...!』

 

「あぁ。絶対にだ」

 

『アンタ!またミリアリア泣かしたらただじゃおかないからね!』

 

「わかってるよフレイ」

 

『レオくん!僕も!』

 

「行ってくれニコル。みんなを頼む」

 

『ッ!』

 

「聞いたなキラ、アスラン」

 

『でも...』

 

「ごちゃごちゃ言うな!とっとと行け!」

 

『ッ!』

 

『...あぁ。わかった』

 

レオとラクスの指示通りユニティとエターナルを残しその場を離脱していく。そしてそれを追いかけようとするキラとアスランが対峙していた大物、デスティニーやレジェンドの前にレオは立ちはだかった

 

「行かせんっ!」

 

レオはデスティニーとレジェンドに攻撃を集中しつつもエターナルにバリアを張り、それでも迫るザフトモビルスーツに牽制も忘れないでいる

 

『アンタはそっちに集中しな坊や!』

 

「ッ!?ヒルダさん!?」

 

レジェンドのドラグーンを避けつつデスティニーに接近されないよう立ち回っているレオにこの場に残ったヒルダから通信が入る

 

「なんで!?」

 

『はんっ!ラクス様の騎士がアンタだけなわけないだろうさ!』

 

「でも!」

 

『さすがに全部請け負いすぎだ坊主』

 

『俺達には俺達がやらなきゃならんことがあるんだ!』

 

ヒルダがいるのであれば必然的にマーズとヘルベルトも同様にその場に残っていた

 

『こっちはアタシらに任せな!それと、絶対帰ってくるんだよ!ラクス様を悲しませるならいくら坊やだって容赦しないよ!』

 

「わ、わかりました...」

 

どうにもヒルダの姉御肌にレオは弱腰になる傾向がある。ただ今まで負担がかかっているレオには最適な人物なのかもしれない

 

「ッ!」

 

レオが自分の先頭に意識を戻そうとすると、あきらかにレジェンドの攻撃対象が自分に移ったことに気づいた

 

「ようやくキラやアスランじゃなく俺を見るようになったか」

 

レジェンドはビームサーベルを展開してレオの小型ドラグーン攻撃を避けながら接近してくる

 

「まさか君が接近戦とはねっ!」

 

しかしレオは翼を羽ばたかせレジェンドの上部へ移動。同時にバスターライフルをレジェンドに向けて放ったが、これはビームシールドに防がれる

 

「今度はこっちか!」

 

移動したところへ今度はデスティニーが光の翼を発動させ突っ込んできた。ただ速いだけで直線的な攻撃をレオはいともあっさり躱してデスティニーにもバスターライフルを構える

 

「ッ!?」

 

ただ避けた先でレジェンドのドラグーン攻撃が待ち構えていた。レオは咄嗟に回避する。その隙になんとデスティニーが突っ込んだそのスピードのままキラ達の後を追うようにその場から離れたのだった

 

「なるほど。デスティニーを行かせるための策か。まぁ悪くない。ただ...」

 

レオは無防備にも2丁のバスターライフルをレジェンドに向けて構えた。当然レジェンドはドラグーンでオールレンジ攻撃を仕掛けるも、この攻撃をレオはわかっていたかのように配置した小型ドラグーンのバリアによってレジェンドまで一直線の射線ができた

 

 

 

「お前1人で、俺と対等だと思っているのか?」

 

 

 

レオは躊躇なくツインバスターライフルを撃った。しかしレジェンドを操るレイもエリート。さすがにこんな直線的な攻撃は避けられてしまう

 

「まぁそうよな」

 

しかしレオの狙いはレジェンドではなくその後ろのエターナルに迫るザフト軍戦艦三隻だった。レオが放ったビームは見事に三隻のエンジン部分を順番に破壊。走行不能にする

 

「さて、シンの方はアスランお兄ちゃんがやるでしょう」

 

『おい貴様!なにをもたもたやっている!』

 

「イザーク!?お前なんで!」

 

ツインバスターライフルを撃ち終えたレオは飛翔しレジェンドに目を向けようとするとイザークから通信が入った

 

『なんだよイザーク。レオに助けてほしいのか?』

 

『そんわけがあるかバカモノ!』

 

『悪いなレオ』

 

「いや別にいいんだが、これ以上はお前達が...」

 

『俺達だってわかってるんだ。でも、それでも地球を撃つってのには反対でさ』

 

「ディアッカ...」

 

『こうなる前に俺達がなんとかしなきゃいけなかった責任もある。だから勝手ながら手を貸させてもらうぜ!』

 

ディアッカはそう発言しつつエターナルを狙う同胞の武装を破壊していく

 

『これは決してお前を援護するわけではない!そもそもエターナルはザフトの艦だ!』

 

『いいかげん素直になれよイザーク』

 

『うるさいぞディアッカ!』

 

「イザーク...」

 

イザークもディアッカも同胞に向けて銃を向ける。レオはそんな2人にありがたさと申し訳なさを同時に思いつつバリアを張り流れ弾から守ってやる

 

「ありがとう、2人とも」

 

『すげぇなこれ...助かったぜ』

 

『余計なことをするな!俺にこんなものは不要だ!』

 

「はいはい」

 

『レオくん!』

 

「ッ!?ニコル!?」

 

イザークからの悪態を受けつつバリアを解除しレジェンドへ小型ドラグーンを使い動きを制限する立ち回りをしていると、またも通信が入った

 

「なんでニコルまで!」

 

『僕は言いました!レオくんのことも守りたいって!』

 

「だがっ!」

 

『イザーク!ディアッカ!加勢します!』

 

『あん?ニコル?』

 

『貴様までこんなところでなにをしている!』

 

『僕は、守りたいものを守ります!』

 

『あ、おい!ニコル!』

 

ニコルはレオの静止に聞く耳持たずエターナルの後方に回り込もうとするモビルスーツ群に向かって突撃する

 

『クソッ!行くぞディアッカ!あいつに後れを取るなどあってはならん!』

 

『やれやれだぜまったく...』

 

アスランがいないもののかつてのクルーゼ隊メンバー。別れた期間が長かったものの、それを感じさせずヒルダ達並みの連携をとる3人

 

「まったく...なんていい奴らだよ...」

 

レオは戦闘中にもかかわらずニヤつきそうなのをグッと我慢して再びレジェンドに意識を戻した

 

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