ガンダムSEED 〜守るための戦い〜   作:てこの原理こそ最強

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話も大詰め、次回が最終話となります。
ここまでご愛読いただいたみなさまには感謝の気持ちでいっぱいです。
最後までお楽しみいただければ幸いです。


第六十八話

 

 

『コリントス撃てー!』

 

アスランがデステニィーを撃破したころ、アークエンジェルとミネルバの戦闘は続いていた

 

『バレルロール!バリアント照準!』

 

『はい!』

 

ミネルバがミサイルを迎撃したところを目くらましとして利用し艦を反転させた

 

『撃てーっ!』

 

そしてミネルバの真上から攻撃をくらわし体制を崩させる

 

「グラディス艦長...」

 

ここにアスランが接近。ファトゥム01でミネルバのエンジン全て破壊を破壊した。完全に艦制御ができなくなったミネルバも月面に墜落した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『もうやめろ!なんでこんなもん守って戦うんだ!』

 

「クッ!」

 

レクイエムまでもう少しのところまで迫っているキラとムウ。しかしまだまだ防衛部隊からの攻撃は継続されている

 

『あーもう!多すぎ!』

 

『もうちょっとだから!』

 

『こんのー!』

 

ここにオーブ3娘であるアサギ、マユラ、ジュリも参戦していた

 

『あそこまでの道を空けるんでしょ!』

 

『わかってるけど!』

 

『弱音を吐かないの!』

 

『そうよアサギ!頑張ったらそれだけレオくんが褒めてくれるから!』

 

『そうだよね!頑張る!』

 

『俺がいることを忘れてもらっては困る!』

 

戦っている動機がなんとも不純ではあるが頑張ってくれているアサギ、マユラ、ジュリのオーブ3娘。そこへハイネも合流しレクイエムへの道が開ける

 

『行ってください少佐!キラくんも!』

 

『あとはお願いします!』

 

『ここは私達が!』

 

『お嬢ちゃん達...』

 

「お願いします!ムウさん!」

 

『おうさ!』

 

オーブ艦隊全員で開いた道をキラとムウが突き進みレクイエムに貼られているバリアを突破

 

「いけー!!」

 

『これで終わりだ!!』

 

2人はドラグーンを全て射出し持てる全ての武装でレクイエムを撃った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『下がれエターナル!』

 

『ッ!?』

 

『イザーク・ジュール?』

 

『メサイアが撃ってくるぞ!射線上の連中を下がらせろ!早く!』

 

エターナルの援護をしていたイザークに緊急避難通達が入った。それをエターナルへ伝え全体に周知させようと試みる

 

 

 

「これ以上それを撃たせはしない」

 

 

 

メサイアがバリアを解除した瞬間を狙っていたレオ。既に照準を合わせていたツインバスターライフルを放ちミラーブロックを破壊した

 

レオがミラーブロックを破壊したことによりレーザー光が反射されず拡散。あの禍々しいレーザー砲が撃たれることはなくなった。そしてそれと同時に月面にて巨大な爆発。キラとムウによりレクイエムも破壊に成功した

 

『レオくん!』

 

『レオ!』

 

「あぁ。最後はあれだ」

 

『うん!』

 

『あぁ!』

 

レイを撃破したレオ、シンを撃破したアスラン、そしてレクイエムを撃破したキラが揃い最後の決戦、メサイアへと意識を向ける

 

「ラクス、ミーティアを」

 

『はい』

 

キラとアスランが再びミーティアを装着。そして3人はメサイアへ向けて発進した

 

『えぇい!』

 

アスランがメサイアからの迎撃を回避し周囲を囲むように備わっているリングを大型ビームサーベルで斬りさく

 

「合わせろキラ」

 

『うん!』

 

そしてレオがツインバスターライフルメサイアに向けて放ち、それに合わせるようにキラもフルバーストモードでありったけの攻撃をメサイアへぶつけた。さらにその後方から雨のようにエターナルが放ったミサイルが続く

 

「行くぞ2人とも。決着をつけにな」

 

『レオくん!』

 

『お、おいレオ!』

 

無数に爆発を繰り返すメサイアの内部へ侵入するレオ。それに続くキラとアスラン。3人は機体を降りさらに内部へ向かった

 

 

 

 

 

 

 

最奥まで到達した3人が目の前にしたのはザフトの親玉、ギルバート・デュランダルであった

 

「はじめまして、と言っておこうか。キラ・ヤマト、そしてレオ・シュヴァルグラン」

 

「別にいりませんよ今さら。あいさつを交わすには会うのが遅すぎましたからね」

 

「ふっ。やはり君もそちら側に行ってしまったか、アスラン」

 

「議長...」

 

デュランダルと対面して涼しい顔のままでいるレオに対してアスランの表情はどんどんと険しくなっていく

 

「君達がここに来るとは正直思わなかったよ」

 

「あなたがなかなか会いたがらないみたいだったので。まぁもう会うことはないでしょうが」

 

「君達はいいのかい?世界がまた元の混迷の闇へ逆戻りすることになっても。私の言っていることは事実だよ」

 

やってきた3人に対してデュランダルが銃を向ける。それに対しキラとアスランも銃を抜きデュランダルに向けるがレオだけは何も構えず相対した

 

「そうなのかもしれません...でも、僕達はそうならない道を選ぶこともできる。それが許される世界なら」

 

「ふっ...だが誰も選ばないさ。人は忘れる...そして繰り返す。こんなことはもう二度とと、こんな世界にしないといったい誰が言えるんだね?」

 

「ンッ...」

 

「誰にも言えやしないさ。君達にも、無論彼女にもね。やはり何もわかりはしないのだから」

 

「だけど、僕達はそれを知ってる。わかっていけることも、変わっていけることも。だから明日が欲しいんだ!どんなに苦しくても変わらない世界は嫌なんだ!」

 

「傲慢だね、キラ・ヤマトくん。さすがは最高のコーディネイターだ」

 

「傲慢なのはあなたですよ、ギルバート・デュランダル。キラも、アスランも、俺もラクスもただの人だ。人であることに変わりはない。あなたもかつてはそうであったように」

 

「心外だね。今の私だって人間だ」

 

「そうなのでしょう。でもあなたは人であって人じゃない。人の皮を被った傲慢の化身のような存在だ」

 

「なに...?」

 

レオの言葉に初めて顔をしかめるデュランダル

 

「あなたはどんなことでも勝者でありたい。負けは許されない。だから自分を否定する者をこの世から失くす。違いますか?」

 

「...」

 

「この世に絶対的勝者なんて存在しない。敗北、挫折、後悔...いろんなことを経て人は成長することができる。1人の人としても、歴史の中の一つの出来事としても」

 

「そうさ。人間誰しも失敗をする。そしてそれを繰り返す。その負の連鎖になんの意味があるって言うんだい?」

 

「あなたのような人。俺達のような人。いろんな人が全員自分自身の命、人生の中で自分とは違った人と出会い、いろんなものを身に付け、進化できる」

 

「レオくん...」

 

「お前...」

 

レオはデュランダルとは正反対に優しい笑みを浮かべながらキラと、そしてアスランと顔を合わせる

 

「それが悪い方向への進化だとしても、君はそれを望むと...?」

 

「確かにあなたのように戦いを終わらせようとする存在は必要なのかもしれません。でもあなたはやりすぎた。誰の手も借りず自分の決めたことを自分1人で歩もうとしている」

 

「それに賛同してくれる者はたくさんいる。これからの未来、君が言うものと私の示す世界。皆が望むのはどちらか...」

 

「自分が決めたことに後悔する人もいるかもしれない。でもどんな人でも後悔からまた自分で道を変えられる。俺のように」

 

「...」

 

「そんな人を助け、逆にいろんな人から助けてもらえる。失敗をしても、そこで終わりじゃない」

 

「...」

 

「みんなが望むのは自分で決めて、その道を自分の意志で歩むこと。そんな世界を、俺は守る」

 

「...」

 

アスラン、キラ、レオは強い決意を持った力強い目でデュランダルを真っ直ぐと見る

 

 

 

パァァンッ!!

 

 

 

その場に響く銃声

 

「アァァ...」

 

倒れ込んだのはデュランダルだった。銃声が聞こえたのはレオ達の背後。そこには銃を構え震えるレイ・ザ・バレルの姿があった

 

「う、うぅぅぅ....!!」

 

「レイ...」

 

「グラディス艦長...」

 

涙を流し地面にへたり込むレイ。そしていつの間にかその場にいたミネルバ艦長のタリアがレイに撃たれ倒れ込んだデュランダルに駆け寄った

 

「やぁ...タリア...撃ったのは、君か...?」

 

「いいえ、レイよ」

 

「そう、か...」

 

「ギル...ごめん、なさい...」

 

「ッ!」

 

メサイア崩壊が近いのか爆発が部屋にまで辿り着いてきた

 

「グラディス艦長!」

 

「あなた達は行きなさい!」

 

「そんな...」

 

「この人の魂は私が連れて行く」

 

タリア達に近づこうとしたアスランに対して銃を突きつけるタリア

 

「ラミアス艦長に伝えて。子供がいるの、男の子よ。いつか会ってやってって」

 

「...わかりました。行くぞ」

 

「あ、あぁ...」

 

「うん...」

 

タリアがデュランダルと最期を共にすることを悟ったレオはアスランとキラに声をかけその場を後にした

 

「レイ、あなたもいらっしゃい」

 

「え...」

 

3人が出て行ったのを確認したタリアは泣き喚くレイを呼び寄せる

 

「すまないねタリア...でも、嬉しいよ...」

 

「本当しょうのない人。でも、これが運命だったということじゃないの?あなたと私の」

 

「やめてくれ...」

 

かつての記憶を思い出しながら2人はこの状況でも笑い合う

 

「あなたもよく頑張ったわね」

 

「あっ...」

 

「だからもういい...もういいのよ...」

 

タリアは歩み寄ってきたレイを優しく抱きしめた。それはまるで帰ってきた息子を包み込むように

 

「お母、さん...」

 

戦いがなければこの3人で平和な暮らしができていたかもしれない。しかし世界は無情にもそんな世界に彼女達を生まれさせてはくれなかった...

 

やがて爆発が起こり、燃え盛る炎が3人を呑み込んだ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メサイアは落ちた。脱出後それを最後まで悲しげに見ていたレオ、キラ、アスランの3人

 

『こちらオーブ軍宇宙艦隊指揮官、デュエイン・ハルバートンである』

 

そして宙域全体にハルバートンの声が響く

 

『現ザフト軍最高司令官に告ぐ。我々はこの宙域でのこれ以上の戦闘継続は無意味と考え、そしてそれを望まない。現時点をもっての両軍停止を要求する』

 

ハルバートンの宣言から刹那の時間の後、その宙域のある全艦から帰還を命じる発光信号が上がった。それを確認したレオ達もエターナルへ戻ろうと機体を反転させる

 

「アスラン」

 

『ん?どうしたレオ』

 

「わかってんだろ。行ってやれ」

 

『だが...』

 

「戦いは終わった。それに、ほっとけないんだろ?」

 

『...』

 

レオに言われたアスランは戻る前に月面で立ちすくむシンとルナマリアの元に向かった

 

『終わったんだね』

 

「あぁ。お疲れさん、キラ」

 

『レオくんも』

 

キラもレオも最後に3人を助けられなかった悲しさとようやく戦闘が終わった安堵感を抱えながらお互いの健闘を称え合った

 

「さぁ帰ろう。俺達を待ってくれてる人のとこに」

 

『うん』

 

アスランには悪いが一足早くレオはエターナルに、キラはセラフィムへ戻った。それは誰よりも、どんな機体よりに早く、全速力で

 

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