本小説は携帯で投稿しておりますので、PCで閲覧なさるかたにはとても見づらい形の小説となりますが、読んでいただけると、幸いです。
第三話です。
はろー
レオナルド・アミールです。
誕生日から二週間。そろそろ退院することになりました。
周りの人から家事について説明を受けた。
俺が倒れたあと、家が全焼して、隣の家まで飛び火するほどの大家事となったそうだ。
不思議なことに、死者はゼロ。
消防士さんも首を捻りながら語ってくれた。
買い物に行っていて現場にいなかった母さんは無傷で無事だったみたいだ。
これは看護師さん達がこっそり話していたのを盗み聞いたことだか、父さんは俺を置いて直ぐに逃げ出したらしい。
……あまり愛されてはないと知っていたが、まさか放置されるとは。
母さんは半狂乱になって助けにこようとして、周りの人に取り押さえられていたらしい。
……心配かけてごめん。流石母さん。大好きだ。
俺は火事の中心にずっと放置されていたのに、汚れているだけで、傷ひとつなかったらしい。
それでも外傷は無いのに、一週間程眠ったままだったそうだ。
検査してもなんの異常も見つからなかったので、精神的なショックのせいと診断された。
うーん
何が起こったんだろうか。
大人たちは多分俺がやったと思ってる。
目が覚めたときは牢屋みたいな病室で、鉄格子に囲まれていてパニックになった。
それ以降も、面会にくる警察の人や、先生、母さん、父さんくらいとしか会えず、
ずっと隔離されている。
父さんはまだ一回しか来てないけど。
他にも、精神的に傷ついたりしていないかを調べる検査で明らかに関係ないこと聞いて来たり、尋問のようなことをされたりさんざんな一週間だった。
あと、どうもあの事件以来、体がおかしい。
常にむずむずしていると言うか、力が溢れると言うか、どうも落ち着かない。
物真似をしていた時だけ感じていた熱い何かも常に感じられらようになった。
嫌な予感がするのであれ以降、物真似もヒーローごっこもしていないけど。
少し考えてみたけど、原因もさっぱりわからないし、自分の体に何が起こっているのか正直不気味だ。
不気味と言えばレオナルドになったことが、一番不思議で不気味なことなんだけど……。
まぁそれよりもまず一番に考えなくてはならないことは……
家、燃えちゃったよね?
……ヤバイよね?
シリアスモードでスルーしてたけど、普通に燃えちゃってたよ!
家って火災保険にちゃんと入ってかなぁ?
もし本当に俺が原因だとしたら母さんにとても申し訳ない。
父さん?
あいつはいい。俺のこと放置したし。
◇◇◇
あの事件から一月たち、
そんなこんなで退院することになりました。
家事の原因はロウソクの火が原因と判断され、
精神的にも問題なかった俺は家族のもとにかえされることとなった。
家が全焼したので、しばらくアパート生活になるみたいだ。
母さんは既に向こうのアパートに住んでいるそうで、父さんが車で迎えに来てくれるらしい。
慣れたら以外と居心地がよかった病院とも今日でお別れだ。
「今までありがとうございました。」
「これから大変だと思うけど、頑張るんだよ。」
俺の担当医だった先生や看護師さん達が笑顔で頭を撫でてくれた。
頭を撫でられるのもすっかり慣れた。意外と気持ちがいい。
「もう行くぞ、レオナルド。」
「うん。本当にありがとうございました。」
父さんの呼び掛けに答えて、先生方にもう一度お礼を言って別れた。
心残りは、美人の看護婦さんが担当じゃなかったことぐらいか……
さようなら病院生活。
また来るときがあったら、
今度こそ若い美人さんを担当にしてね。
車に乗り込み、新居に向かっている途中のことだった。
いつになく固い顔をした父さんが、話しかけてきた。
「なぁレオ。
お前は私のことを恨んでいるか?」
おそらく家事の時に俺を見捨てて逃げたことだろう。
「なんのこと?僕はお父さんのこと、好きだよ?」
父さんのことを好きかどうかは別として、恨んでいないのは本当だ。
誰だって、目の前がいきなり火の海になったらパニックになるだろうし。
「いや、そうでないならいいんだ。
ただ、お前には謝っておきたくてな。」
大きく息を吐き、うめくように話す父さん。
尋常じゃない様子だ。
父さんの事があまり好きではなかった俺でもそこは家族。
一応心配になる。
「お父さん大丈夫?。震えてるよ?」
「ああ、すまない。……大丈夫だ。」
それっきり父さんは黙ってしまった。
本当にどうしたんだろう。うちの父さんは?
子供を見捨てた罪悪感に悩んでるのか?
そのまま一時間ほど経ち、
ちらほらと自然が見え始め、都会から離れてきた。
前はロンドンに住んでいたので、虫取をしたりすることができなかったが、ここら辺に住むなら虫もたくさんいることだろう。
大きな教会の様な建物の前に来ると、
父さんは急に車を止め、また話しかけてきた。
「レオ、私はお前に謝らなくてはならないことがある。」
「ん?、なに?」
またもや神妙な顔で独白するように話しかけてくる父さん。
……もういい加減めんどくさいよ、この人。
ドンだけ罪の意識に悩んでんの?
「私はいつも仕事ばかりしていて、お前のことを構ってやったことはあまりなかったな。
恥ずかしい話だか、俺はお前の好きなおもちゃも料理もあまりよく知らないんだよ。きっと私は父親として最低の部類に入るのだろうな。
そしてこれからもそれは変わらない。」
顔に手をあてて、苦しみの表情を浮かべる父さんに俺は何も言えなかった。
この人が何をそこまで苦しんでいるのか、解らなかった。
俺の返事を待たずに父さんはまた話し始めた。
さながら懺悔するかのごとく。
「思えば昔からお前は異常な程に賢い子供だった。
だからこれから私がする事をきっといつまでも覚えているだろう。
恨んでくれてかまわない。寧ろ恨んでくれ。
だが、忘れないでくれ。
私にはこうすることしかできなかったんだ。」
そして助手席から俺を乱暴に引っ張り出した。
いきなりのことに戸惑う俺はされるがままだった。
俺の手になにやら紙を握らせ、そして俺をいきなり突き飛ばした。
そのまま突き飛ばされた衝撃で、痛がる俺に目もくれず、背中を向けて去っていった。
最後にこんな言葉を残して。
「さよならだ。レオナルド」