新生、レオナルド(仮)   作:ヤスダ

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こんばんは、ヤスダです。
投票ありがとうございました。
完全コメディコースという結果になりました。
ただ、レオナルドが捨てられる所だけは、前話とのつながりもあって、シリアス気味にさせていただきました。


教会

 

「さよならだ。レオナルド」

 

父さんの背中が遠ざかっていく。

このままでは取り返しがつかなくなる。

そんな思いにとらわれた俺は慌てて父さんに声をかけた。

 

待って! 待ってよ!

 

そう呼び掛けだはずだが、口からこぼれたのは、声になら無い空気だけ。

焦燥感と混乱で動けなかった。

 

動かない俺を尻目に、父さんが車に乗り込み、ブロロッ!と車の発信音が辺りに響いた。

その音で我に帰った俺は、車に向かって、のそのそと動き出した。

車が走り去っていく。

追い付こうと緩慢な動きて走ったが、車と子供。

当然のごとく、距離は離れていくばかりだった。

やがて、車が完全に見えなくなると、俺はその場にへたりこんだ。

 

 

どのくらい時間が経っただろうか。俺は漸く頭が働き始め、[父さんに捨てられた]という事実を認識することができた。

何が悪かったんだろうか、どうして捨てられたんだろうか。

と、理由を問い掛けられるくらいには、頭は冷静になっていた。

 

しかし、どこかにぽっかりと穴があいて、そこからじくじくと、濁ったなにかが流れてくるような不快感で心は一杯だった。

頭でははっきりと理解できているはずなのに、俺ではない俺が泣きわめいて、滂沱の涙を流している。

「ウッ―――――!!!」

突然体がせりあがり、喉が熱くなる。そう思ったら既に俺は嘔吐していた。

目眩と激しい動悸が体を支配し、その場にたおれこんだ。

 

悲しみと寂しさに押し潰されそうになり、ここにいるはずの無い人たちに助けを求めた。

 

おじいちゃん!おばあちゃん!お父さん!学校のみんな!

誰か助けて!

……寒いよ。…………お母さん。

 

 

いつまでそうしていたかわからない。

蹲って、震えて助けを求めている俺へと、ふいに救いの言葉がかけられた。

 

見上げた先にいた彼女は、自然と[聖女]という言葉が浮かんで来るぐらい、美しくて、眩しく見えた。

 

「ど、どうしたんですか?ぼく?」

 

ーーこれが俺、レオナルドと後の聖女、アーシア・アルジェントの出会いだったーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

はろー

 

レオナルド、六歳です。

 

 

……アミールはどうしたかって?

親に捨てられたので、アミールとはお別れしました。

今ごろはどこかで元気にやっているでしょう。

 

……いやー、まさかね、捨てられるとは思っとらんでした。

俺もわかってたよ?あの火事は多分俺が原因だって。

でもそれだけで捨てるこたぁないだろうと思うんですよ。

だって俺がやったことと言えば、

・父さんにあんまり愛想よくしなかった。むしろ、足臭かったから嫌な顔して逃げた。

・幼稚園児の癖に親をびびらせる程の知能を示した。

・突然奇声を上げて踊り始めた(ヒーローごっこのことです)。

・母さんの胸をいやらしく揉んだ。

・外国ポルノが見たくて、ネットでエロいワードで検索しまくった。

・精通が楽しみで〇〇〇を一日中いじったことがある。

・父さんと母さんの〇〇〇を赤ちゃんの頃からガン見していた。

・ドラマなどのベッドシーンを延々と繋いだ動画を、深夜によく、こそこそ見ていた。

・家を全焼。

位しか、してないんだよ!

 

これだけで息子を捨てるなんてあり得な……………くもないかな?

……あれ?

こうやって思い出してみると、俺って相当変態だったんじゃね?

 

……

 

…………

 

…………………まぁそれは放っておいて、捨てられたことに関しては特に引きずったりしていない。

あの後、アーシアさんに教会まで連れてってもらって、アーシアさんの胸でたくさん泣いて、そのまま眠ってしまったそうだ。

んでもって目が覚めたら、きれいさっぱり吹っ切れた。

父さんが俺を捨てたことに対しては色々感じることはあったけど、どうしてあの時にあんなに取り乱したのかは自分でもよくわからなかった。

 

あくまで予測でしかないんだけど、あの時泣いたのは、[レオナルド]であって、[菅谷明]じゃなかったんだと思う。

転生か憑依かはわからないけど、俺がいることによって、いなくなってしまった、本物の[レオナルド]の叫びだったんだと思うんですよ。

そう思うと、罪悪感とか色々感じるけど、どうしようも無いんで、考えないようにしている。

 

 

そんなわけで六歳(精神年齢23歳)ながら、家を燃やして、監禁されて、親に捨てられるという、ハードな経験を僅か数ヶ月で体験し、見事耐えきった俺ですら耐えられないことができた。

それは………

 

 

ビタミンPと

ビタミンM不足だ。

 

 

説明しよう!

ビタミンP(パイ)、M(ママ)とはその名の通り、おっぱいとママから抽出されるビタミンである。

唐変木や不能の方のリヴァイアサンでも、あら不思議!

あっという間にエクスカリバーにしてしまう、ビタミンP!

大の男でも、一気に幼児まで精神年齢を下げてしまい、

見た目はおっさん、中身はショタな誰得生物を造り出す、ビタミンM!

 

最大の特徴は、摂取時に天にも上れそうな程気持ちがいいことだ。

そして、その栄養は膨大だ!

どこぞのピラミッドにあるチートコーラと同様の栄養、

でかいマンモスの中にある黄金の肉を食べた時と同じくらいの肉体活性を与えてくれる。

女性なら誰でも所持しているわけでなく、ほんの一握りの女性からしか分泌されない。

一時はこれをめぐって、戦争すら起きたほどのビタミンだ。

故に、ビタミンPとMを所持している女性を、人は、畏怖を込めて、傾国の乳と呼んで崇めた程だ。

そんな素敵栄養素を、捨てられてから、摂取できず、禁断症状が出ております。

というかマジで母さんに会いたい。

母さんは、俺がいなくなって、寂しいって思ってくれているかな?

今頃何をしているかな?

なんて子供の様に、考えたりもする。

 

ここら辺のマザコン具合とかも[レオナルド]の影響なんだろうか。

そういえば、俺は前世では、色々あって、貧乳フェチだったのに、今世では巨乳フェチになっている。

もしこれも[レオナルド]のせいだったら、奴は六歳から既に、乳に目覚めていることになる。

もしかしたら、稀代の巨乳ハンター[レオナルド]という恐ろしい怪物をこの世に産み出さないために、俺がこの世に転生したのかもしれない。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

そうして、俺は教会の子供の一人として、暮らしている。

この教会では、親に捨てられて身寄りがなくなった子供達や、なにか問題を起こして、家にいられなくなった、俺のような子供たちを、引き取って育てる、いわば孤児院もやっているそうだ。

子供のことを配慮してか、授業なども教会でしてくれるので、学校にはいっていない。

 

 

 

今現在俺がいる場所は、教会から少し離れた体育館のような建物の中だ。

 

「それではライル。想像してください。

自分が思い描く、もっとも強いもの、美しいもの、清いもの、何でもいい、強く思い浮かべられるものを。」

 

そして、今日は、俺たちの中に眠るという、チカラのトレーニングの最初の日だ。

どうやら今世では(知らないだけで、前世にもいたかも知れないが)、異能のチカラを持った人がまれにいるということだ。

特に子供は、心も体も未成熟なため、チカラをもて余して、暴走させてしまうことがあるらしい。

この教会はそういった子供たちが、安全にチカラを制御できるようにするための場所でもある。

ちなみにここにいる子供は32人。そのうち、異能のチカラを持った子は8人だそうだ。

 

「せ、先生。体が……熱いです。」

 

とたんに、ライル君(8歳)の体から、蒸気のような煙が吹き出る。

 

「落ち着いて、ライル。今、あなたの体に、たくさんのチカラが流れているわ。

それをゆっくり、ゆっくり集めて、体の周りを纏うように制御するの。」

 

指導するのは、アネット・アルマン2●歳。シスターさんで中々の美人だ。

 

「ハイッ!」

 

ライル君の周りから、煙が消え去り、そこには、手に籠手を着けたライル君がいた。

 

「おめでとうライル。

貴方は神様から与えられたチカラをきちんと使うことがてきたのよ。」

 

「あ、ありがとうございます。シスター」

 

どうやら、ライル君は、チカラを上手く制御できたらしい。

 

チカラにもいくつか種類があって、ライル君の籠手のように、実体のあるタイプや、アーシアさんのチカラの様に、人を治したりするのもあって、千差万別らしい。

ちなみに、アーシアさんとはあれ以来、顔を会わせていない。

殆どチカラを制御できている彼女は、授業に参加する必要はないからだ。

その上、彼女のチカラは人の役に立つチカラなので、ここでチカラに磨きを着けたら、すぐに他のところへいってしまうらしい。

さよならをする前に、お礼を一言位、言いたいものだ。

 

 

……しかし、アーシアという名前に、人を治すチカラ。

どこかで聞いたことがあるような……

 

「次!レオナルド!早くしろ!エロガキ!」

 

おっと、俺の番になったようだ。ちなみにアネットさんの口調が俺にだけ厳しいのは、初対面でおっぱいに飛びかかったせいである。

あの時はかわいかったなぁ。

ここに来る子供たちは、皆心に大なり小なりの傷をおったりしているので、初対面からボインタッチをするような子はない。

よって、そういった免疫が全く無いアネットさんは顔を真っ赤にしてわたわたしていた。

……その後、蹴り飛ばされたけどね。

しかし、シスターとして、言葉づかいが悪いのはいいのだろうか?

 

「始めろ!」

 

アネットさんの声と共に、妄想を始める。

でもこれって適当なんだよな。

想像するったって、なにを考えればいいかわかんないんだ。

とりあえず、サラマンダーでいいか。

 

燃える姿、

灼熱の精霊、

 

「お、おい、レオナルド?

や、やめろ!想像はやめて落ち着くんだ!

 

うるさいなぁ。

紅蓮の炎、

燃え盛る森、

 

「……危険だ!皆逃げて!」

 

ったく、うるさいっての。

なに騒いでんだか……。

……ってなにこれ!

辺り一面火の海で、建物が燃えてるんですけど!

 

すぐに避難した俺は、先に避難していたアネットさんたちと合流し、燃え盛る建物を茫然と見て、こう思った。

 

ーーまたやっちまったーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




レオナルドが神器を制御できていないのは、大きすぎる力なんだから、扱うのも大変だろう、という作者の考えからです。
ちなみに、神器という言葉がでなかったのは、主人公がまだその言葉を知らないからです。決してふりがなを降るのがめんどかったわけではありません。
神器何ていうものがあるので 、暴走させてしまった子供のための施設くらいあるだろう。ということで、独自設定で、教会を作らせていただきました。
腑に落ちない点、気に入らない箇所等ありましたら、ご連絡お願いします。
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