ルークパイセン・・・・・・!!
唐突だが、三つのことを皆さんに尋ねたい。
ジャンプ+を知っているだろうか?
スマホのアプリで、集英社が運営してる漫画サイトのことだ。
各出版社が様々な漫画アプリを出してる戦国時代、その中でも、日本で一番有名な漫画雑誌、週刊少年ジャンプの漫画アプリで、往年のジャンプ作品も含めて、様々な作品が無料で読める。
結構、ヒット作も出してるから漫画アプリでは有名な方だろう。
2番目は、憑依転生をご存じだろうか?
二次創作作品や、二次創作作品の皮を被った一次創作もあるが、フィクションである漫画やアニメ、小説、ゲームの世界に現実世界、それが創作だと知っている次元の人間が、それらの世界のキャラクターにある程度の年齢で憑依するか、もしくは、生まれながらにその人物になってしまうことだ。
最後に、『マリッジトキシン』、知ってます?
最初のジャンプ+で水曜日好評連載中、週刊少年ジャンプで覇権を取ったチェンソーマンと同じ水曜日に更新になったけど、それでも、かなり上位にいる作品。
使い手といわれる暗殺者たちがいる世界で、毒使いの主人公下呂ヒカルがとある事情でケッコン詐欺師の城崎メイがアドバイザーになって、ハチャメチャな婚活をする話だ。
この漫画、かなり面白い。少なくても、一読者だった俺は全巻揃えるくらいだったし、ブラック企業務めだったから、終電の中で更新を楽しみ、読み終わったあとは毎回コメント書いてるくらい好きだった作品だ。
さて、本題だ。
勘の良いやつなら気がついてるかも知れない。
そう、俺は、マリッジトキシンの世界に憑依転生した。
ただし、主人公・下呂ヒカルでも、アドバイザー城崎メイでもない。
俺は、手元のコーヒーカップをのぞき込む。
そこには、オレンジの髪色に薄めのグラサンをかけてちょいとチャラそうな男が、俺が写っている。
そう、これが俺だ。
俺は、マリッジトキシン、作中に登場する敵・『獣使い』道後十四郎として生まれ落ちた。
☆
道後十四郎、獣使いの本家の子供として生まれ、周囲から跡取りとして期待されたが、当主から全く期待されていなかった哀れな道化。
ただ、道化ではあったけど、無能でも無力でもない。作中は、とんでもないことを多々やらかして、主人公下呂ヒカルと読み切り版『ハイパーハードスペシャルミッション』の主人公中川桃壱のダブル主人公を相手に善戦するという、普通に考えてとんでもないことをやらかした悪役だ。
ただし、あれはいろいろと、ここでは本来の彼は、ネバーギブアップの精神があってだろう。
前世、ただのブラック企業戦士だった俺に、そんな能力はなく、今世だと、周りから十四郎はダメだダメだ、と言われて育った。
まぁ、そんな俺だったから、成長しても似ても似つかないダメダメ暗殺者なのだが。
そんなことはどうでもいい。
仮に俺が一話の下呂くんに暗殺された派遣会社の社長でも、その無能な毒味役でも物語は変わらない。
そんなことは、どうでもいい。
問題が、もう一つある。
それは……
「美味しいコーヒーですね、道後さん」
ここは俺が運営してる、とある会社の応接室。
その応接室で、テーブルを挟んでソファに座る人物。
一見女性にしかみえない童顔、声も女声、真っ黒なスーツに真っ黒なワイシャツ、それと、ストライプ柄のネクタイ。
おかっぱ頭のオレンジ髪、俺はこいつを知っている。
実は、こいつは男だし、こいつは今も和やかに笑ってるけど、俺なんて蟲のようにしか思っていないイカレ野郎だと言うことも、読者だったから、知っている。
こいつの名は、レオ。
もしも、マリッジトキシンしか知らない読者は、あれ? そんなキャラはいたっけ? とマリッジトキシンを読み返すかも知れないし、wikiを開くかも知れない。
ただ、絶対マリッジトキシンには載ってない。でも、ジャンプ+には存在する。
こいつは、別作品、ジャンプ+でマリッジトキシン更新水曜の次の日、木曜日更新の『幼稚園WARS』の主人公リタの双子の弟にして、新世界秩序とかいう組織にいる敵キャラだ。
☆
「道後さん、僕たちに協力していただけませんかね?」
ニコニコと笑うレオ、平然と出されたコーヒーをすすってる。
けど、レオの後ろに控える姉ちゃん――アシュリーがモーニングスターを構えてやがるし、レオの懐にはどうみても金じゃない厚みが。
断れば、どうなるか、わかってる、わかりきってる。
笑う。嗤う。
原作の道後十四郎のように、俺は嗤う。
そうして、
「羽根沢、お客様がお帰りだ、丁重に送り出せ」
俺の後ろに控えるモヒカンの巨漢、原作でも主人公相手に結構善戦した鳥使い、羽根沢にそういうと、アシュリーは臨戦態勢だし、レオも懐から拳銃を構えた。
「ふー、まぁ、僕としてはこっちの方がわかりやすいけど、けど、いいんですか? あんなに大勢の
だから、嗤ってやる。
「あんた、俺たちを嘗めすぎだ。確かに、羽根沢は武闘派だけど、俺たちだけで倒せるとは欠片も思っちゃねぇよ、だから、アドバイス」
俺は、指を、右の壁を指さす。
「切り札ってのは、最後に見せなきゃ意味がないんだよ」
直後、左壁を、黒服の殺し屋――レオの部下たちが突っ込んでくる。
ただし、もう息の根は止まって、突っ込んでくると同時に、床や天井に突き刺さった。
左壁に大穴が開き、そこから顔を、気まずそうに見せるのは、前髪が白いはっぴ姿の巨漢、ものすごく、気まずそうにのぞき込んだ。
「……すまん、社長、逆だ」
「ナツキ、そういう指摘は言わないで、お願いだから」
すっごいどや顔の、練習した悪役フェイス笑顔だったんだよ!俺!!!!
ナツキと俺、あと、羽根沢、それとアシュリーはお互いに気まずさが残るけど、レオは和やかな笑みを崩さない。
「なるほど、君が百獣百科店最大戦力、
レオは一瞬も迷わずに発砲するが、すべて、ナツキが投擲した金魚すくいのポイで、防がれる。
それが戦闘開始のコングだった。
俺の名前は道後十四郎。
獣使い本家の生まれで、獣使い家情報収集部隊、百獣百科店社長。
殺し屋が出てくるという、嫌な共通点を持つ、絶対にどちらにもならない二つのイカレタ世界を生きる憑依転生者だ。
クソッタレ。
全人類、幼稚園WARSとマリッジトキシンを読んでください
ただ、私は今日、ボロ泣きしました。
昨日のマリッジトキシンも泣きました。
そんな2作品に感謝を込めて書きました。
よろしくお願いします。