青年の異世界珍道中〜ガンダムSEED〜   作:クロイツヴァルト

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PHASE9

 

 

 フレイの父がメネラオスに引き上げた事により一時的にではあるが、緊迫した空気からアークエンジェルのクルー達は解放されていた。一方で

 

 「カイト様、あまり無理をしてはいけませんわ。」

 

 「とは言ってもな、こいつは俺の専用機だから自分でシステムの具合を見ないとメカニックだけじゃ触れない部分もあるんだ」

 

 MSハンガーの一角でカイトが自身のMSのシステムチェックと機体の調整をしている傍で様子をいるラクスという組み合わせだが、ラクスはカイトが病み上がりなことを気にして傍にいるようでカイトは捜査用のソフトを走らせながら他の箇所に不備が無いかを確認する。

 

 「やっぱり大元のシステムを弄るには工廠に持ってった方が良いか。しかし、それまでは未調整の物を使わないといけないのは不安要素だが…」

 

 「あの例の赤くなる現象ですか?あれは危険な力の様に見えたのですが、本当に大丈夫なのでしょうか?」

 

 コンソールの操作を切り上げてカイトがそれまでに体に蓄積した疲れを取るように伸びをする中でラクスがそんな不安な様子でカイトに聞く

 

 「危険か危険じゃ無いっていうんなら使い方次第って所だな。もちろん使わないに越した事はないが、どんな時でも最悪は想定しておかないと、いざという時に何も出来ませんでしたってのはお話にならないからな」

 

 「ですが」

 

 「それに、ラクスには笑っていて欲しい。それに平和を手にする為の力としてSystem N.Dを考案したんだ。」

 

 なおも不安で食い下がるラクスにカイトは安心させるような表情を向け、自身の愛機を見上げてそう呟く

 

 「そのシステムとは」

 

 「それは私も気になっていたのよね。」

 

 「艦長、この様な所に…提督とは連絡が?」

 

 「えぇ、問題無いわ。ラクスさんの扱いもこちらに任せてもらえる事になったから安心して頂戴。外務次官の行動についても報告しておいたわ。軽い注意で済みそうだけど、向こうからしたら行動が制限されてお冠かもしれないわね?」

 

 そう言ってマリューはカイトに向けてウィンクし、カイトは苦笑いする。

 

 「ラミアス艦長、お手数をおかけします。」

 

 「良いのよ。頼もしいエースのご機嫌伺いも艦長の仕事だから」

 

 カイトの言葉にマリューは明るく振る舞いながらカイトに言う。

 

 「それで、カイトくんの言うそのシステムN.D.ってどういった代物なのかしら?」

 

 「N.D.は略称で正式にはニューロドライブと言います。効果としては擬似的に機体とその搭乗者、まぁこの場合はパイロットの物になりますが、一体化になる物ですね」

 

 「一体化?それって」

 

 「文字通りですよ。神経を擬似的に繋ぎ、機体とパイロットの動きを同期させてより速く動かす事ができる様になるんですよ。」

 

 疑問の声を上げるマリューにカイトが告げた言葉にマリューは絶句する。

 

 「それは…もし機体が損傷したり壊れた場合は」

 

 「それ相応のフィードバックがあると言う事です。ま、その辺がまだ調整出来てない上に、思いの外同調律が高かったのが先の俺の現状ですね。」

 

 「そんな機能が…」

 

 「その為のサイコフレームでありサイコミュシステムなんですよ。それにより搭乗者の感応力の向上が主になるんですが、副次効果なのか機体の反応速度の上昇などもありますね。」

 

 カイトの説明を聞いて

 

 「それは危険すぎる機能ね」

 

 「ですからマンマシーン構想と以前に言ったんですよ。パイロットは所謂生体ユニットと見て動かす前提ですので。まぁ、今後の調整でフィードバックの数値も下げれると思いますが、大きな施設の方がじっくりとやれるんだろうけど、今の時点だと難しい。」

 

 マリューの言葉にカイトはヘリオポリスにいた時に言った事を再度告げる

 

 「カイト様、どうか御自愛くださいませ。ヒトの命とはたった一つしかないのですよ?」

 

 「分かってる。今後は調整がしっかり出来るまではなるべく使わないようにするさ。」

 

 「絶対とは言わないのね。」

 

 ラクスの言葉に苦笑しながら言うカイトにマリューは不安な表情をする。

 

 「そりゃ今の現状だと使わないに越したことはないが、アークエンジェルが危ない時やみんなが危険となったら俺は未調整だろうと躊躇なく使うな。」

 

 「カイト様」

 

 「カイトくん、今言うのは卑怯かもしれない。けど言うわ、私もあなたの事が好きよ」

 

 不安の声を出すラクスと真剣な表情でマリューが告げた言葉を聞きカイトは

 

 「も、って、どういう」

 

 「あら、ラクスさんもカイトくんのことが好きなんでしょ?それに医務室でしちゃうほどに」

 

 「なッ、なんのことだか」

 

 「女性は結構鋭いのよ?医師の人がそれとなく部屋を閉めていただけなんだから今後は気をつける事ね。」

 

 動揺するカイトにマリューはそう言いながらカイトの頬にキスをする。

 

 「ラミアス艦長、急にきますね。」

 

 「それはこんなご時世ですもの、伝えないままなんて事にでもなったら後悔してしまうかもしれないでしょ?それにわたしだって負けないって事の宣戦布告でもあるしね。」

 

 「あら?でしたら艦長様もご一緒によろしいのではないのですか?」

 

 「「え?」」

 

 戸惑い照れるカイトに悠然と、マリューが応えている所にラクスの放った言葉に2人は不思議そうにラクスを見る。

 

 「確かに普通は恋人は1対1ですがプラントでは一部の者は複数の方とお付き合いしたり結婚している方もいますわ。ですが、少数の方ですけれども」

 

 「え、それって道徳的にどうなんだ?」

 

 「プラントの出生率の兼ね合いもありまして、より多くの子どもを作るという意味でも一応政策としてはあったりもしますの。」

 

 困惑するカイトに対してラクスはさもそれが普通とばかりに告げる。

 

 「ですので、カイト様がよろしければ今後は艦長様も愛して頂いても私は構いませんわ。」

 

 「ラクスは良いのか?その他の女性と俺がするってのは」

 

 「確かに知らない女性とでしたら私も反対ですが、艦長様はカイト様のことを好きと面と向かっていったのです。私は尊重いたしますわ…ただ、私も1人の女性ですので等しく愛していただければ」

 

 「モテて嬉しいが、等しくとかじゃなくて2人をしっかりと愛するって約束する。」

 

 戸惑うカイトにラクスが平然と言うものだからか最初は困惑していたカイトだが今の所、彼女としてのラクスとカイトの返事を不安を持って待っているマリューの顔を見て腹を括ったカイトの言葉にマリューの表情がパァっと明るくなり

 

 「これからは公私共によろしくね?」

 

 「私もですわ。」

 

 2人の反応にカイトは

 

 「また死ねない理由が出来ちまったな…」

 

 そう呟くのであった。そしてこんな事をMSハンガーでしていれば案の定だが

 

 「軍曹、どうしたらあんな美女や美少女に好かれるんですかね?」

 

 「さぁな、ただミサカ少尉の場合は色々な積み重ねなんじゃねぇかね?ま、独り身の多い野郎どもの前では自重して欲しいところだけどなぁ」

 

 「「くっそ羨ましい!」」

 

 以上、現場の整備士の声であった。

 

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