不可思議な島の、不思議な生き物達と生きる   作:名無しのパルテイマー

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前回が短かったので、今回は少し長めに……

※前回の内容で、実際のゲームと少し乖離があった部分を修正しています。



拠点を構えた

 さて……とりあえず仲間を増やさなくては。

 

 戦力となるパルは多いに越した事はない……が、彼らにも得手不得手はあるだろう。

 

(見た目から何が得意かまでは判別できない事もあるだろうから、とにかく一度は捕まえてみる必要があるな……)

 

 前に捕獲を見送ったモコロンやタマコッコ……だが、戦闘では役に立たなくとも、戦闘以外を得意としている可能性はある。勿論、戦闘ができない訳では無いだろうし、彼らもいざとなれば身を守る為に戦うだろう。

 

(考えてみれば、タマコッコは鶏によく似ている……ならタマゴを産むだろうし、それが食料の足しになるかもしれない)

 

 見た目からの推察ではあるが、その可能性は高い……

 

 他にも、見た目から既存の生物と同様の利点を持っている可能性を含め、色々と検証してみる価値はある筈だ。

 

──────────

 

 という訳で、早速だがモコロンとタマコッコ、そしてツッパニャンを捕獲した。

 

 ……どうやったかって? それはもちろん最初に仲間にしたキツネビのお陰だ。

 

 この子は結構頭が回るらしく、戦闘中でも私の行動を見ており、私がパルスフィアを取り出すとすぐさま攻撃を手加減したり、私から離れ逃げていこうとするパルを威嚇してその場に留まらせたり……と、ずいぶん手助けされていた。

 

(この子は賢いな……私の意図を読んでいるかのようだ)

 

《くぉーん♪》

 

 そんなこんなで助けられたお礼に、再び私はムツゴロウさんと化す……炎に触れているのに熱くない、適度に温かい湯たんぽの様なキツネビの身体を撫で回すのだった。

 

 気がつくとある程度日は傾いており、気温も徐々に下がってきている……パル達は平気の様だが、下着も同然の薄着しか着ていない私には少々堪える肌寒さを感じた。

 

「……さすがに服は欲しいな。だけど……」

 

 まだ聞いた村にすら辿り着けてないし、そもそも取引用の金銭も持ってない……持っているのは先程作ったパルスフィアや幾つかの素材のみ。

 

(最悪、何処かで焚き火でもしないと……ん?)

 

 突然のパルスフィアの一つが揺れ動く、中身を確かめると……先程捕まえたモコロンだった。

 

 キツネビの例を考え、私は半信半疑ではあるものの、モコロンをスフィアから出す……

 

《めー♪》

 

 スフィアから出されたモコロンは私を導く様に先導を始め、茜色に染まりつつある空の下、小さな滝が近くにある広場へと連れてきた。

 

(こんな場所があったのか……適度に広いし、近くに水場もある。確かに此処なら安全に焚き火ができるな)

 

 焚き火をするのにうってつけの場所へ案内してくれたモコロン、やはり私の意図を読んだかのような行動……気にはなるが、言葉が通じるかわからない相手が意図を理解してくれるのは非常にありがたい。だが……

 

(残念ながら、私はサバイバル初心者も良いところだ……さて、何か無いだろうか?)

 

 サバイバル生活など全くの初心者である私は、頼みの綱であるタブレット端末を操作し、何か対策は無いかと探す……

 

(そういえば、テクノロジーに何かあったな……)

 

 テクノロジーの項目を開くと、4段目の項目までが何時の間にかアンロックされており、減っていたポイントも再び増えている……どうやら“必要条件”をクリアしていた様だが、それが“何なのか”までは検討が付かない。

 

(4段目……お、服があるぞ? 素材は……やはり布か。同じ段に無かったら詰んでいたな……)

 

 この時に増えていたポイントは、開放されている項目の全てを埋められる訳では無かった為、現在必要としている布と服の項目だけを開放し、残りは節約する……

 

(コレで布を作って……いや、いっそこの場所を拠点にするか……?)

 

 島を脱出する方法すら不明な今……最悪を想定して動く必要があると考えた私は、今後の活動を十全に行う為にも“拠点”を構築すべきだと結論づける。

 

(生活拠点が出来れば、探索にも目処を付けれるし、今後の方針も決めやすい……最悪、島で死ぬかもしれないが……この子達と居れば、寿命くらいは全うできるだろう)

 

 幸いな事に、この付近には凶暴なパルも居らず、すぐ近くには水場があり、適度に広い土地がある……そして様々なテクノロジーを秘めたこの端末と、何故か私に従順なパル達が揃っている。

 

「……よし、此処を拠点にしよう。なら、まずはコイツの設置だな」

 

 意を決した私は、服よりも先に“ある物”を作る事にする……それはテクノロジー項目の2段目にあった“パルボックス”だ。

 

(材料は……もう揃ってるな)

 

 パルボックスとは、設置型のパルスフィアみたいなものらしく、据えた場所付近でならパル達を放し飼いにできるらしい……そうやって見張りや手伝いをさせれば、拠点の構築も上手くいく可能性が高いと考えていた。

 

 適当ではあるが広場の中心を探り当て、そこへパルボックスを設置する。素材にパルジウムの欠片を要する為か、やはり視界には例の如く、完成予想の幻影が映し出される……

 

(……まだ2度目とはいえ、何か慣れたな……というか便利だし)

 

 既に疲れが溜まっているのか、私は無心で作業を始める……ココだと決めた場所に座り込むと、隣には出しっぱなしだったモコロンが、()()()()()()()()()()()()()()手伝いを始めた。

 

(……どっから持ってきたよその道具……)

 

 そんな事が頭を過ぎったが、ボックス設置は恙無(つつがな)く終了……灯り兼調理にも使える焚き火も設置し、捕まえたパル達をボックス経由でその場に放つ。

 

《くぉーん》

 

《めー》

 

《コケーッ》

 

《みゃう》

 

 日もだいぶ傾き、周囲はだいぶ暗くなっている……が、キツネビと焚き火のお陰でこの場はさほど暗くはない。

 

(焚き火を光源にすれば、作業は続けられそうだな……)

 

 焚き火の近く……位置関係を考慮しながら“作業台”を設置しに掛かる。もちろん設置作業にはモコロンと、今度はツッパニャンも手伝いに来た……やはり()()()()()()手にはハンマーを持って。

 

 ……だからソレ、どっから持ってきたよ……

 

 それはさておき、布の制作には“羊毛”が必要だが、それは何故か手元や付近に落ちていた……

 

(野生種が居るって事は基本、弱肉強食だもんな……)

 

 そんな想像をして気分が悪くなったので、それ以上考えないように頭から追い出し、布の制作に取り掛かる……だがコレが以外と手強く、慣れるのに苦労しそうな作業だった。

 

(……コレとコレを撚り合わせて……コッチの穴に通して……今度はコッチを固定して……コッチでしょう穴を作ってアッチを通す……なんだコレ、クッソムズいな……!)

 

 工程そのものはいつもの如く頭に浮かぶし、理解もしやすいので間違えはしない……のだが、やはり慣れが必要な工程なのか、なかなか上手く行かない。

 

(これじゃ先に日が暮れるな……ん?)

 

 再び隣に立つモコロン……私が気になって手を止めたまま見ていると、モコロンは前足(?)にある蹄で器用に羊毛を操り、スルスルと私がやっていた作業をこなしていく……

 

(待て待て待て!? お前どうやってそんな器用に糸を……というか早ッ?!)

 

 私が数分掛けてこなしたひと工程を、秒にも満たない爆速で行い、みるみる内に羊毛が編み込まれ、繊細な手触りの天然ウール100%の布へと変わっていく……

 しかも服の制作工程で必要であろう縫い合わせや型取りの手間を省くが如く、私の寸法に合わせて部位毎の加工を済ませた形に編み込んでいた。

 

(そんなのアリかよ……コイツ等本当にさっきまで野良だった筈だろ……?)

 

 どうやって私の身体の寸法を把握してるのか……どうして目的の服のデザインまで考慮しているのか……疑問はどんどん山積みになっていく……

 しかし、そんな私の疑問を余所にモコロンは服の制作に必要な全ての布パーツを制作し終えると、満面の笑み(に見えた)で此方を振り向いた。

 

(何なんだよ、コイツ等は……まぁ、物凄く助かるけど……)

 

 もう何度目か分からない溜め息を吐き出し、私はモコロンを撫でて慰労……その後予定通り布製の服の制作に取り掛かった……が、再び手伝いに入ったモコロンが私の作業速度を上回り、ほぼほぼ放置で服を作ってくれたのは言うまでもない……

 

──────────

 

 やがてパル達も眠りにつく……勿論その場で寝せる訳ではなく、木の繊維を適当に切り揃え、木箱に敷いた寝藁モドキの寝床を全員ぶん作った。当然制作もパル達と一緒だ。

 

《♪〜》

 

 出来上がる度に笑顔を向けてくる彼らを見ていると何だか心が洗われる……あぁ、ココに来る前の私はかなり精神的に参っていたのだろう。今では全く思い出せないが……

 

(……さて、自分の寝床も作らないと……)

 

 テクノロジーにはパル用の寝床だけでなく、人間用のベッドもちゃんとあった……残りポイント心許ないが、必要に迫られた物はもう無いので何とかやりくり出来るだろう。

 

 人間用ベッドの制作も、当然とばかりにパル達は手伝ってくれた……夕日はもうそろそろ完全に落ちてしまが、その前に作り上げてしまおうと勢いづき、何とか日暮れ前に完成できた。

 

《……Zzz……》

 

 やがて日が落ちきると、パル達はそれぞれの寝床に移動を始める……4つの藁ベッドに4匹のパル達がそれぞれ入っていき、スヤスヤと寝息を立て始める。

 

(……ありがとうな、お前達……)

 

 木製の壁や床などを組み合わせ、簡易的に設置した屋根の下……私も羊毛と藁で作られた藁布団ベッドに入る。

 

 温かさはそんなに無いが、何も無いよりは断然良い……

 

 明日は少し遠出をして、他のエリアを目指そう……そして新たなパルを捕獲し、能力検証ついでに拠点を強化する。

 

 当面の目標をそう決め、瞼を閉じる。

 やはり、それなりに疲れていたらしい……

 

 私はさほど時間を掛けぬ内に熟睡してしまうのだった──




自分で作業するよりパル任せの方が結果的に早く出来上がるのは仕様なので、自分は指示だけ出せば良い……ゲームでも、ホントそんな感じです。

【TIPS】パルパゴス島の夜は暗くて寒い。
    “たいまつ”や“服”で防寒対策しよう。

【問題】次の行き先は何処だと思いますか?

  • 草巨獣の丘陵→小さな村方面へ
  • 砦跡地→島渡り海岸方面へ
  • 海岸伝いに南の方へ
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