不可思議な島の、不思議な生き物達と生きる 作:名無しのパルテイマー
パルギアの製作を考えたが、素材不足で後回しに……
そして今回は、パルパゴス島が抱える“大きな問題”を知る事に……
イノボウの能力チェックを済ませ、私は再びキツネビを伴って歩き出す……
少し歩いただけだが、丘のパル達とは違う種類を多数確認できた。
(あの小さな黄色いのは……パチグリ。あっちのは……ガウルフか。なんて雑なネーミングだよ……ん? 人の声……?)
あれからまたしばらく進み、秋模様の様に色付いた木々が立ち並ぶ地域に辿り着いた辺りで、私は遠くから聞こえてきた声に気付いた。
内容は聞き取れないが、雰囲気的に何故か身の危険を感じた私は、木々に身体を隠して貰いながら慎重に接近する……
「……っ……、……? ……。………………」
「……………。……、…………」
未だに聞き取り辛い距離だが、その姿はハッキリと診れる位置にしゃがんで身を隠す……声の主は全身黒尽くめで深々と帽子を被った2人の男。片方は何やら興奮しているが、もう一人は終始冷静……声だけならばなんてことは無いと思ったが、その男たちの格好が嫌な予感を際立たせる。
(黒尽くめの服に……腰のスフィア……そして会話の内容……もしかして……)
どの世界にも、良からぬ事をする輩は居るものらしい……このパルパゴス島にも『密猟団』という奴等は手を伸ばしていた。
(確かに、ココの生き物達を調教して戦力にすれば、軍の特殊部隊でも危ういかもしれない……)
野良相手とはいえ、私はパル同士の戦いを見て理解した事がある……それは“パルが本気で攻撃すれば、人間など雑魚に等しい”という事。
実際、先のイノボウ戦でもキツネビの全速力は私よりも圧倒的に速かったし、タマコッコはイノボウの突撃をクリティカルヒットしたとしても気絶で済んでいる……キツネビの炎は多分鉄なども溶かせるだろうし、拠点に置いてきたツッパニャンも、前に素手で大岩を砕いていた。
事例としてはやや説得力に欠けるが、小型のパルですらそれほどのパワーを持っているのだ……大型種ともなれば、その危険度は跳ね上がる。
(どうする……? どうすれば良い……?)
密猟者達に対して、どう対処すれば良いのか……私は思い悩む。
ハッキリ言えば、この島での密猟行為など見過ごせない……しかし、この場で密猟行為を止めたからといって、他で横行しているのであればその意味すら無く、完全なる自己満足にしかならないからだ……
《クゥン……》
傍で同じく息を潜めているキツネビが、不安そうに私を見てくる。本能的に彼らの存在を“不審”がっており、私がどうするのかを心配しているように思えた。
「……大丈夫だよ、私は……アイツ等みたいな事はしない」
優しくキツネビする頭を撫で、黒尽くめの2人に視線を戻す。
すると、あの2人は偶然近くを通り掛かったパチグリに気付き、持っていた武器で容赦なく攻撃を始めた。
(アイツ等、銃器で脅すみたいに弄んで……っ!)
パチグリは驚いて逃げようとするも、男達はパニック状態のパチグリを弄ぶかのように足元などのスレスレを狙っており、捕獲する気配すら無い……完全にストレス解消の玩具として見ている。
パニック状態のパチグリは右往左往しながらも必死で弾幕を掻い潜ろうと走り回るが、黒尽くめの男達はニヤニヤとしながら嬉々として弄ぶ事を止めない。
(……! キツネビ……ッ!)
意を決した私はキツネビに目配せをして木陰から指を指す……その先には2人の男のうち、何度もパチグリを撃って弄ぶ男の方。
もう一人は撃たれるパチグリを見ながら銃を肩に掛けてニヤニヤとしながら木に背中を預け、そこから動く気配も無い……好機と見て、私はイノボウのスフィアを手にそちらへと動く。
キツネビは相手2人の死角になる方向からゆっくりと銃でパチグリを弄ぶ男に迫り、私もイノボウのスフィアを手に、木の陰を利用して距離を詰め続ける。やがてキツネビと私は絶好の位置まで辿り着き、同時に行動を開始。
「ッ?!」
「な、何だ……っ?!」
『キツネビ、イノボウ! 吶喊ッ!』
私は武器を持ってないので、イノボウのスフィアを目眩ましの如く男に投げ付けながら指示を飛ばす。男の眼の前でスフィアから出たイノボウは指示を聞きながらスフィアごと投げられた勢いを利用して男に飛び掛かり、顔面へそのまま体当たり……
「ぐぁっ?!」
イノボウの全体重が乗った空中体当たりを顔面に受け、男はたまらず転倒。その盛大な音にもう1人が此方に気付くがそれは完全に吶喊してきたキツネビを意識から外す結果を招く。
「何っ……な、あぁぁぁっ?!」
キツネビは飛び上がった後小さな身体を丸めて回転し、尾の炎を纏って此方へ走ってくるもう1人の男の背中へと火の玉ストレートの様に吸い込まれていった。
当然、キツネビの尾の炎は感情を反映して燃え盛り、男の服へ燃え移って大惨事となった。
イノボウの攻撃を受けた男は転倒後、イノボウが着地後に追撃した突進まで喰らい、数メートル以上も吹き飛んでいく。背中に火が燃え移った男も、火消しに夢中でイノボウの突撃ルートに自ら入ってしまい、2人纏めて吹き飛ばされ、ちょうど開いていた木々の隙間を抜けて近くの崖の下に落ちていったのだった……
(……因果応報だな)
崖の下はだいぶ切り立っており、一番下は深い川になっていた……運が良ければ生き残れると思うが、死んだら……とまでは考える気にもならなかった。
事を済ませ、私は弄ばれていたパチグリの所に向かう。
パチグリは疲れ果てているのかぐったりとしているが、呼吸はしているし目も開いている。怯え切った感情も分かるし、パチパチと攻撃的意思を反映するかの様に静電気を発生させていた。
(……当然だよな。この子には、同じ人間にしか見えない)
私は悲しくなった。懸命に生きていたこの子は、あの男達の一時の感情で弄ばれ、命の危機に晒されたのだ。救った立場とはいえ、この子には私と奴等の区別など出来ないのだから、怒りの感情を向けられても仕方ない……
しかし、私のそんな想いを汲み取ったのか。キツネビとイノボウはパチグリの傍に寄ってきて心配そうに見守る。
その2匹の行動に一度はパチグリも驚いて目を丸くした……普通なら放置確定なのだろうが、この2匹は私の感情を反映するかの様に不安そうな顔でパチグリを見つめ続ける。
《フゴッ》
《クゥン》
《……キュウゥ……》
やがて2匹の鳴き声で何かを理解したのか、パチグリは目を瞑る。キツネビとイノボウはそれを見て視線を私に移し、何かを催促し始めた。
(仲間にしろ……って事かな?)
イノボウはしゃがんだ私の腰辺りを鼻先で突っつき、入れてある未使用のパルスフィアを示してくれた。ならさっきのやり取りはパル同士の会話……そしてパチグリはキツネビ達の説得もあり、保身もあって抵抗を止めたという事か。
「……もう大丈夫だからな」
パチグリにそっとパルスフィアを押しあてると、無抵抗のパチグリはスフィアに吸い込まれ……数秒後、捕獲完了の光を最後にスフィアが地面に落ちた。
そっとパチグリのスフィアを拾い上げ、私は心に誓った。
……自分だけでも、彼らを無碍には扱わないと。
パチグリを仲間にした後、イノボウとキツネビを労う様に思う存分撫で回してから移動を再開……
黄色く染まったイチョウの様な木々の間を縫って続く太い獣道を歩き続け、やがて何人かの人の気配と共に、寂れた村が視界に入る。
「やぁ、パルテイマーさん。何も無い村だけど、ゆっくりしていってくれ」
アサルトライフルを手に、プロテクターの付いた紺色のスーツを着たグラサンの男が声を掛けて来た。彼の表情が少し堅いのは、私が初見だからだろう。
警戒は怠らない……見たところ、所作や雰囲気から警察や軍隊の経験があるみたいだし、正義感もありそうなので、自らこの村の番人を買って出ている様だ。
「遭難してずっと野宿だったし、そうさせて貰うよ」
敵対する気はない……そんな気持ちを込め、私は努めて笑顔でそう答えるのだった。
道中でパチグリをGET!!
なお、本来はパルの2体同時召喚はできません。
演出重視、作中だけのオリジナル設定です。
そしてようやく村に到着!
村を守る自警団の男性から少し警戒されてますが、初見だし仕方ないよね?
次回は主に情報収集。
テンポ良ければ拠点に帰って来るまで……
今後の移動手段は……
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飛行パルをGETしよう!
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足の速いパル達で陸路
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泳げるパルも良いよね?
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なるべく徒歩でじっくりと