桃子にマッサージをした翌日。
朝早めに起きて、シャワーを浴びに行くと身体がベタベタなままの桃子と廊下でバッタリ遭遇した。
目が合ったので微笑みかけると、顔を真っ赤にして俯いてしまった。
改めて昨晩の事を思い出してしまったのでしょう。
こうしていても仕方ない。
恭也辺りが通りがかると訝しがられてしまうかもしれないし。
今の彼は家族の事に関してはどんな些細な事にでも敏感なのだ。
「桃子さん……おはよう。一緒にシャワー浴びない?」
「お、おはよう……百合ちゃん。一緒に!? え、えぇと……」
「大好きな桃子さんと一緒に、お風呂に入りたいんです。女同士なんだし、何も問題ないでしょ……?」
「え、えぇそうね! 女同士だから何も問題ないわね!」
「それじゃあ行きましょう。お背中お流しします♪」
そう言って手を繋いだ私達は脱衣所に消えて行った。
「桃子さん……綺麗……」
明るい所で改めて見る桃子はとても美しかった。
ツンと張った胸に頂点には桜色のポッチ。くびれた腰に大きくて柔らかそうなお尻。足もスラリと伸びていて、お肌は10代かと思えるほどに瑞々しい。
女子大生と言われても頷いてしまえる若々しさだ。
昨晩は桃子が恥ずかしがるので、殆ど照明は落としていたため、あまりクッキリとは見れなかったのだ。
昨日の事がなければ桃子も別に何も思う所は無く、堂々としていたのだろうが、昨日の事を意識してかモジモジと所在無げにしている。
しかしそんな仕草をされると、より一層そそられるじゃない。
「なんだか、初心な反応だね」
「だ、だって……恥ずかしいじゃない……士郎さん以外とああいう事したことなかったし、それに士郎さんは優しくしてくれる人だから、あんなに激しいのは始めてだったし……」
へぇ。桃子って士郎以外に経験無かったの。なんか以外。
こんなに綺麗な人なら引く手数多だったろうに……
まぁお菓子作りの修行とかでかなり忙しかったみたいだし、意外と純情な人だから無理もないのかしら。
士郎は常人と比べても力が強すぎる。なので桃子を傷つけないように手加減するのが難しいのでしょう。
冷静なら彼ほどの達人は手加減も心得ているだろうけど、ちょっと調子に乗って乱暴にしてしまって、何かあってからでは遅いのでしょうし。
そういう事情で、頭の一部を冷静に保ったままの何処か一歩引いたような行為しか経験が無かった桃子には、昨晩のアレは中々に刺激的だったようだ。
「ていうか、何で百合ちゃんはそんなに冷静なのよ!」
「え、だって昨日は私、桃子さんにマッサージしただけですし」
「〜〜〜〜ッ! い、いいから入るわよ!」
そう言って先に風呂場に入ってしまった桃子の後をとてとて追いかける。
それにしても可愛いわね。
万年新婚みたいにいつも士郎と高町ゾーンを形成しているのに、こんなに初心だなんて……
いや、むしろ初心だからこそのゾーンなのかしら。
確かに初心でないとあんな小っ恥ずかしい空気は作れない気がする。
あぁ、そう考えるとますます可愛く思えて来た。
でもどうでもいい野郎からなら幾らでも寝取って構わないのだけど、士郎から寝取ると高町家に不和が起こりそうだし、そもそも私も士郎は大事だから、彼から寝取るつもりはない。
桃子が士郎の嫁じゃなかったら、きっと寝取っていたわ。
今は本当に背中流してちょっとイタズラする程度に留めておこうかと思ったけどやめた。
幸いなのはが起き出すまで時間はかなりあるし、恭也たちもランニングだかに出たばかりで暫く帰ってこない。
帰って来てもどうせ音は漏れないことは調査済み。
あなたが悪いのよ、私をその気にさせて。
だから朝っぱらだけどたっぷり可愛がってあげましょう、桃子。
昨晩はかなり激しくしたから、今度はねっとりした感じのマッサージにしましょうか。
今度は昨晩言っていたように、私も気持ちよくしてもらおう。
寝取りはしないけど、私なしではいられない身体に調教するぐらいなら構わないでしょう。
ちゃんちゃんちゃららん♪
事後。
「もぅ、こんな朝っぱらから……恭也たちのお弁当とか朝ご飯作らなきゃいけないのに……」
「ごめんなさい。でも桃子さんも悪いのよ。桃子さんが余りにも可愛い過ぎるものだから」
「も、もぅ!! そんな恥ずかしいことばっかり言って! それにあんなにねっとりと……百合ちゃんエッチすぎるわよ……」
「ふふふ。そんな事言いながらあんなに感じていたのは誰かしらね」
「そ、それは……! 仕方が無いじゃない、生理現象よ!」
「ふふっ。子どもにあんな事されてあんなに喜んでたくせに。凄い乱れっぷりだったわ。本当にエッチなのは誰なのかしらね」
「うっ、ううぅぅぅ……百合ちゃんの意地悪。百合ちゃんだってあんなにエッチな声上げて。あなた本当に4歳なの? どうしたら子どもがあんな妖艶な嬌声あげられるのよ……」
「それは桃子さんかが思っていたより上手だったから……あまりに
も気持ちよくて」
「ふふん。私だってやられてばっかりじゃないってことよ」
「そう、士郎さんとの経験も伊達じゃないって事かしら」
「そう、ね……」
そういった桃子は不意に遠い目というか、悪いことをしてバレるのを恐れる子どもみたいな顔になった。
はぁ、私の前でそんな顔しないでよ。
まぁここいらで桃子には気持ちの整理を付けて、割り切ってもらわないといけないから、あえて誘導したんだけど。
「どうしたの、暗い顔して」
「……ねぇ、百合ちゃん。これって浮気……になるのかしら……?」
「うぅん……そんな事ないんじゃない? 女の子同士なんだから子どももできないし、気持ちよくなるっていう目的も結果も同じなんだから、マッサージみたいなもの、もしくは私という道具を使った自慰の延長と考えればいいのよ」
建前って大事よね。
「そうかしら……でもこんなこと、士郎さんには言えないし……」
「夫婦とは言っても突き詰めれば他人なんだから、隠し事一切無しって訳にはいかないでしょ? 夫婦には維持する努力が必要なんだから。それに他に男を作るよりよっぽど健全だと思うけど?」
「それは、そうかもしれないけど……」
「それに何よりも、私がこれっきりだなんて嫌だわ。折角桃子さんとさらに仲良くなれたのに……寂しいよ……」
「百合ちゃん……」
「それとも、もう、ダメ? どうしても迷惑っていうなら、私も諦めるしかないけど……」
こうは言っているけど、桃子がNoと言わない事は分かり切っている。
「……はぁ、だめね。士郎さんには悪いけど、私も百合ちゃんをもう手放せそうにないわ。割り切るしかないみたい。正直、衝撃だったのよ。こんな気持ちいい事があったんだって。士郎さんとの行為も愛し合ってる実感が持てて好きなんだけど、百合ちゃんとの行為で、自分があんなに激しく乱れるんだって、始めて知ったのよね。目の前がチカチカする程に気持ちいいだなんて始めての経験よ」
ほら。
「そっか……嬉しいなぁ……じゃあこれからも宜しくね、桃子さん」
「えぇ、こちらこそ」
こうして私と桃子は愛人関係になった。
◇◆◇◆◇
それから数日後。
あの日から高町家に泊まる時にはだいたい桃子の部屋に通うようになった。
桃子も忙しくて疲れているはずなのだが、随分とハマってしまったみたい。あんな美人に物欲しそうな目でおねだりされて、断れる筈がない。
そんなこんなで今日は高町家に来ているのだが、現在はなのはと二人、道場に向かっている。
そろそろ頃合いだと思ったからだ。
道場に入れば、いた。
「恭也さん」
「……なのはと百合か。どうした?」
今日は恭也に用事がある。
でも恭也の鬼気迫る雰囲気にはなのはが怯えてしまっているわね。
「恭也さん。私となのはに稽古を付けてください」
「稽古……? なぜだ?」
「必要になると思ったからです」
「その根拠は?」
「勘です」
勘、というか、なのはは何れ戦闘とかするハメになるのだろうし、私もなんだか魔力がある気がする……勘で。
なら早くから準備しておくに越したことは無いだろう。
「勘……か。正直百合の勘は無碍にはできないから教えてやりたいのは山々だが……」
「根拠は何も勘だけじゃないです。私もなのはも容姿に優れています。これから成長していって、いつ暴漢やストーカーに襲われるかも分かりません」
これもまた事実よ。
なのはが可愛いのは言わずもがなだけど、私もそうなのだ。
客観的に見て、私程に美しい女性はそうは居ないでしょう。
齢4歳にして、既にその片鱗は出ている。
傾国のとか絶世のとかの枕言葉が付きそうな位には美少女だ。
しかしだからこそ、必然的に厄介事に巻き込まれたりもあると思うわ。
ストーカーや変質者は言わずもがな、私のお陰で彼氏に満足できなくなった彼女に棄てられた男、下手に権力を持つ男に目を付けられるのも面倒そうだし。
パッと思いつくだけでも敵はこれだけいる。
まぁ彼氏が私を好きになったせいで振られた女とかは美味しく頂けばいいけどね。
兎に角私やその周囲に手を出してくる愚か者には制裁を加え、二度と私に刃向かってはならないと身体に叩き込んでやらなければならない。
そのための直接的な手段としても、それ以前に身を守る手段としても、暴力は必要になるだろうと考えた訳だ。
「む……それはそうだが……」
「なにかあるんですか?」
「ああ、俺自身にも訓練がある。一刻も早く強くならなければ……」
「でも恭也さん、最近休んでないでしょう。疲れからか重心がブレブレですよ。今恭也さんにもしものことがあったら、誰がこの家を守るんですか? 恭也さんに今、一番求められているのはいつでも体調を万全にしておく事だと思います」
「む……」
「それに恭也さん、貴方はどんな表情で訓練してるか分かってますか? こんなになのはが怯えちゃって……」
「なっ……」
するとなのはが私の影からひょこひょこでて来た。
怖がって震えているなのはも可愛いわ……
「おにぃちゃん……」
「なのは……」
「最近のおにぃちゃんはなんだか怖いの……前みたいな優しいおにぃちゃんに戻ってよ……」
「…………ふぅ。少し焦りすぎていたようだな。少しは冷静になった。済まなかったな、なのは。なのはを怖がらせるなんて兄失格だ」
なのはを矢面に立たせればコロッと冷静になる辺り、シスコン極まってるわよね。
「うぅん、いいの。おにぃちゃんも大変だったんでしょ……?」
「どう? 少しは頭が冷えたかしら」
「ああ、ありがとう、百合。お陰で頭が冷えた。だがもう大丈夫だ。……それで、訓練との事だが、流石に家の剣術は門外不出だから教えられないぞ。なのはにもだ。これは軽々しい気持ちで身につけていいものではない」
「そんなに本格的じゃなくていいんです。激しいトレーニングは成長を阻害するって言いますし。ただ、簡単な身のこなしなど、徒手できるものを……それに今から運動していれば、なのはも運動オンチにならないで済むと思いますし……」
「にゃ!? そんなことないの! なのははうんどーオンチじゃないもん!」
「あら、さっき何もない所で転んで大泣きしたのは誰だったかしら……?」
「にゃー!! おにぃちゃんの前で言わないでよ!」
「なにっ!? 大丈夫だったか、なのは!? 見せてみろ……擦りむいてるじゃないか!! 治療は百合がしてくれたようだか……心配だ。病院に行くか!?」
「もぅ! おにぃちゃんは大げさなの!!」
そんなこんなで、恭也に訓練を付けてもらった。とは言っても殆ど遊んでるようなものだったけど。
途中からは美由希も参加して、久しぶりに兄と姉に遊んで貰えたなのはは非常に嬉しそうだったわ。
嬉しそうに楽しそうに無邪気にはしゃぐなのはは愛おし過ぎて、どうにかなってしまいそうだった。
恭也にとっても、良い息抜きになったんじゃないかしら。
なのはを寝かしつける時になのはにお礼を言われた。
すっごーく楽しかった! と身振り手振りを交えて話すなのはが可愛すぎて、思わず抱きついて身体中にちゅっちゅしてしまったわ。
その後にたっぷり愛し合った後の睦言で、桃子にもお礼を言われた。
お礼に何でもしてあげると言われたので、今夜は寝かさないとばかりに二回戦に突入した。
激しく燃え上がった。
気持ちよかったわ。
ただ、桃子が気絶するまでシてしまったのはちょっとヤりすぎだったかしら。
百合ちゃんは士郎など一応は大事な人にカテゴライズされた人からは寝取りませんが、その他の男は気にもしません。
路端の虫ケラを意識しないのと同じです。
そもそも男に気を使う事が滅多にありません。