「フリィィィィァッッ!!!」
『クソが...!』
バックステップしながら、『エアカッター』を避ける、避ける、避ける!!
すでに速度を見誤って何発か食らった、これ以上のダメージは死に直結するぞ...!
『安定行動取りすぎだろっ、がぁ!!』
距離を取れば『エアカッター』、近づけば全周攻撃の『むしのさざめき』......弱点なしかよ、っと危な!?
こちらの遠距離攻撃は『みずでっぽう』のみ、『むしのさざめき』は回避不能、どうしたもんか......ん?
『レベルアップ? なんで...うおっと!』
『エアカッター』をくぐって回避、それより今体を包んだこの感じは...先ほど味わった、レベルアップのそれだ。
戦いながらでも経験値は入る? それとも攻撃を当てなければならない? もしかしたら戦闘中の進化もあるのかも......ほいっ。
『だんだん慣れてきたぜ蝶野郎! ノーコン晒す前にとっととお家に...うぉあ!?』
え、なに今の速ぇ! まだまだ本気じゃなかったんかい!?
『だが、
今俺に足りてないのは速さ、タフネス、それに火力!
いや今現在の俺全否定じゃねーか、いやまあそれは置いといて、と。
戦闘中でもレベルアップができるってんなら、このままつかず離れずのチキンレースに付き合ってもらうのが最善手だろ...!
『オラオラ、そんなんじゃあ振り切っちまうぞこの野郎!!』
「フリァァァ!!!」
鬼ごっこ続行だ、あいにく走るのは得意中の得意なんだなこれがァ!!
...
......
.........
「フ...リィ...!」
『ようやく、っ...スタミナ切れか、この野郎...!』
俺も相手も共に疲労困憊、だが逃げまくった甲斐あって今の俺は......レベル9!
今にも倒れそうな体に鞭打って、使う技は当然───
『『でんこうせっか』!!』
速さは先制技のスピードで補う。
そしてゲームと違って、この世界では...威力は速度で補える!!
『はねる』も同時使用し、さらに加速を重ねてェ...!
『ぶっ飛べコラァ!!!』
「フリァァァ!?!?!?」
突進、
今までの逃走劇でわかった事がもう一つ、『はねる』は空中でも使用可能!
ここから......最高速度で奴をブチのめす!!!
『滅多打ちだぜ、クソがァッッ!!!』
「フリッ、ブッ、フリィァッ!?」
『はねる』と同時に『でんこうせっか』、PP切れまでサンドバッグにしてやんよ!!!
殴る、蹴る、
これの繰り返しだ、加速についてこられず俺の脳みそが焼き切れるか、てめえが死ぬか!
『我慢比べと行こうぜェ!?』
「フ...リリリィィィィッ!」
だが奴もさるもの、羽を畳むこの構えは...『むしのさざめき』か。
もとよりこれは
ああ目まぐるしく動いていた視界が、
◆◆
...なんか見える。
それは、まるで列車からの景色のように過ぎ去っていって...
なんてこった、これが走馬灯か。
元の世界にも帰れず、ポケモンとしてもあっさり死んで。
...情けねえなあ。
......んん?
これは...アニメか。
そうだ、俺が初めて見たポケモンの、アニ、メ...
今の俺と同じ、ケロマツが戦って.........
.............................あっ。
......そう、か。そうだな。
ゲームじゃそんな技、使えなかったから忘れてた。
あるじゃん、なんか防御に使えそうなもんが...!
◆◆
スローになった世界の中で、
◇◇◇
敵ながら、恐ろしく速い奴だった。
最大出力の攻撃とはいえ、倒し切れたという確証はない。
亡骸を確かめねば夜も眠れぬ、と考え、それから───
弾け飛んだような
次いで、空から迫る水色の影を認識した。
◇◇◇
『『とびひざげり』ってあるけどさ』
「フリ─────」
『
ケロムースを使って、『むしのさざめき』をしのぎ。
空に向かって『はね』続け。
自由落下の加速を余すことなく乗せ、反動を完全に殺すほどの威力を秘めた俺の疑似『とびひざげり』は───
一撃のもとに、ヤツを葬り去るのであった。
───────────────────────
「スピアァァァッッ!!」
『クソっ、強ええなぁもう!!』
『どくづき』は避けられる、『エアカッター』もそこまで脅威じゃない。
だが、『ドリルライナー』は反則だろ!?
『うおおおおァ!?』
「スピィッ...!」
あれだけはヤバい、カスっただけでも死ねる!
さて、どうしたもんか─────
「フッシー、『このは』!」
...............................................は?
いきなりの横槍に反応しきれなかったのか、眼前の
いやそうじゃない、それも大事だがそうじゃない。
"フッシー"、"このは"、トキワの森、そして駆け寄ってくる女の子。
『.........ウソだろ?』
「きみ、大丈夫!? 襲われてたみたいだけど...!」
初代ポケモン、いやFRRG版か? その主人公...リーフと呼ばれる少女と、その隣に立つポケモン......フシギバナ。
これが、俺の
筆がノらねえよお...助けてくれよお...