『っしゃオラ、仕切り直しだゴルァ!』
再起し、再び交差点に向かう
その右腕には、赤いタスキが巻かれていて...
今もまた、とんでもないスピードで駆けていってしまった。
「ちょっ、速くない!?」
「彼はいつもこんな感じよ、私達も行きましょう!」
「ピッ!」
赤い髪の女性と、砂色のマントを着た黄色い...ネズミ?
ともかく、彼の『仲間』とひと塊になって、わたし達も彼の後を追うのであった。
◇◇
『おーおー、元気なこって...!』
見れば、ルガルガンの野郎も立ち上がってゴドラと戦ってやがる。
間違いなく《ひんし》にしてやったんだがな、回復が早い。
山のヌシに挑もうとするだけはある、か...!!
幸い、《こんらん》からは抜け出したようで
『これからやるのは雪辱戦だからなァ...!!』
ああそうとも、俺は今ぶん殴られてクソほどムカついてんだよ!!
今はトレーナーもいることだしな、今度こそ全力でぶちのめす!!!
『...『はねる』!』
山中戦で2、先ほどまでの戦いで3。
『とびはねる』の残りPPは3、節約はしていくが十分だ!
『しんそく』も併用した黄金コンボで一気に距離を詰め、まずは先駆け『みなもぎり』!!
「ゴァッ...!!」
比較的ヤワい、ボスゴドラの黒い部分にヒット。
しかしヤツの体力はそれなりに自然回復している、削りきるには至らない!
さて、
「ゲッコウガ、『とんぼがえり』!」
了解!!
◇◇
視界の先で、
わたしには見えてる、その先には未だにちぎれていない水の糸!
当然、彼はそれを足場にして、地に墜ちる隕石のように加速して───
「えっと、『とびひざげり』!!」
◇◇
応よ!!
『フリーフォール』によってさらに加速、地面が迫る、『みきり』起動、ギリギリまで近づいて...
『とびはねる』!!
空からの加速はそのまま、ボスゴドラの眼前で反転して飛び上がる。
そして空中で、右膝を野郎と垂直に構え、
片足のみで
『とびはねる』二回分プラスアルファの加速を重ねた変則
◇◇
「やっ、た...!」
「ううん、まだよ!」
「っ!」
確かに、今度は
◇◇
『が ッ』
背面に突き刺すような激痛、そしてそのまま上空に打ち上げられる。
おそらくは『ストーンエッジ』か、被弾を想定していないステータスの俺の意識は途切れ...普段ならな。
しかし今の俺は───
◇◇
あの青いヤツは、なぜかは知らないが
故に、狙っていた。
デカブツを仕留めた直後、どれだけ歴戦であっても必ず存在する呼吸の隙を。
これまで数々の敵を葬ってきた彼の
「...ル?」
だが、しかし───
遥か上空、必殺が直撃したはずのヤツは、いまだ動いていた。
◇◇
やったぜ、賭け成功!
やっぱ持つべきものはタスキとトレーナーだな!!
ギリギリ壊れずに済んだらしいタスキをいったん投げ捨て、『しんそく』『アクロバット』『フリーフォール』起動!!
ここからは一切の被弾が許されないチキンレースだ、だが上等。
大地に突き立った巨剣の面を、走る、滑る、跳ねる、駆ける!!
◆
...ポケモンとは不思議なものだ。
トレーナーがいるだけで、技の名前を重ねるだけで、その力が何倍にも増す。
今回はちょ~っと言いくるめる感じだったがな、ハハハ。
本来ポケモンは勝手に戦闘して勝手に避ける、トレーナーと違って自分が戦っているのだから当然だ。
それを考えずにあれこれと指示をする奴は二流と言っていい。
全ての技を的確に指示し、さらに機を見て「よけろ」などとできる奴は一握りの天才だけだ、主にレッドさんとかサトシくんとか。
では、天才ではなくとも一流のトレーナーならどうするか?
...簡単なことだ。
自分のポケモン、相手のポケモン、タイプ相性、天候、フィールドの状況、能力の上下、それらを見極め...
この結論に至ったとき、俺はなにか既視感を覚え...そして、答えを得て納得したものだ。
つまりは、
ま、『弱点をトレーナーが見極め、ポケモンはなんとしてもそこを突く』ってのはある
そう考えると、何か運命的(いや必然的か?)なものを感じるが...まあ、今はいいか。
◆
苦しまぎれの『ロックブラスト』、あるいは壁面からさらに『ストーンエッジ』、しかし俺を止めるには至らない。
『クイックターン』も織り交ぜ、全ての迎撃を回避し。
巨剣の根元、そこで『とびはね』───
『「『カウンター』ーーーッッッ!!!!!」』
全力を込めた
「...ッ、ガ...」
今度こそ吹っ飛んで膝をつき、土を舐めたのだった。
『タスキカウンター、大成功...ってな』
◇◇
「「やったあ!」」
「ピッ!」
決着の光景を見て、思わず赤い髪の彼女と手を取り合って抱きしめあう。
瞬間、わたしの顔が柔らかな感触に包まれ...
わたしは、ついさっきの勝利の喜びを上回る敗北を感じたのだった。
◇◇
『ほら何やってんだ、ボールボール!!』
呼びかけると、なにやら沈んだ表情の
俺のとっておきのハイパーボールだ、当然...
...コロン。
...コロン。
...コロン...ポカン!
「よっしゃ、ゲットだぜ!」
「げ、ゲットだぜー!」
ノリがいいトレーナーは貴重だ、できれば末長く仲良くしたいものだな。
『さぁて...』
ここが現代日本だってんなら、このスピードも納得だが...
「え、アレって」
「報道ヘリだろ、とりあえず逃げんぞ!!」
「こんな田舎にぃ!?」
『とびはねる』はPP切れ、しゃあない『はねる』に『しんそく』で疑似『とびはねる』するしかないか。
ビルの中で伝えた通りに、すでにボールに戻ってくれたらしい二
俺は衆目に晒される前に、急いでその場を離脱するのだった。
ごめんsettei吐くのは4話のあとで...