A:ルール原案は幼稚園児が考案しました。
感想は後日まとめて返します。
【岸波白野】
年齢:六
性別:女性
家族構成:父、母、兄(全て雨竜龍之介により死亡)
特筆:一七歳に『ムーンセル』の王として月の霊子虚構世界にて君臨するAIの人物モデルとなる
来歴:───
「月の王様、ねぇ。そりゃあ俺を
超常存在の
子供を戦争の道具に仕立て上げるのは非常に不愉快だとナローは自嘲する。
ナローの魔眼はこの世の全てを文字として表記できる。蝋燭の火を『炎』や『摂氏⚪︎度の延焼物』から『fire』、あるいは概念まで、世界から認識される自由自在の解釈を得られる。それに干渉して定着させる手順が彼の宝具であり、本質であった。
故に、マスターである岸波白野を強化することは容易かった。宝具をギリギリ起動可能な『
召喚時、ナローが行ったのは彼女を抱えての脱出劇だった。並行世界の
便宜上無限と書き換えたが他マスターと比較しても彼女の力量は最下位に位置するであろうとナローは考える。魔力を水に例えたとして、海に匹敵しようともバケツで汲み上げる彼女に勝てないマスターはいないだろうと。実状はもっと酷いことをナローは知らない。ある種人を信じすぎるのが彼の悪癖だった。
「戸籍の偽造に、マスターの引取先の精査に、遺産相続と。…あと何があったかな。タバコはダメだよなぁ…婚活に来てなんでこんな事に…」
魂さえ偽造出来るナローに聖杯戦争の賞品への興味はなかった。ギルガメッシュとのやりとりもなあなあの部分が大半である。彼が責任を持って回収するのであれば献上もやぶさかでは無かった。
「でもなぁ。あの手の輩はマスター気に入るよなぁー。光源氏は人生歪めちゃうよなあ。諦めてくんねぇかなぁ」
モリアーティから学んだ機械知識で構築したWindows10位のパソコンを元に当座の資金を
追撃とばかりに、ナローの胸元にある勲章がランダムに変更した。彼の幸運は(分霊のナローには何一つ関係ない)妻のエレナの機嫌に比例しており、胸元の勲章はその幸運の象徴だった。基本はD前後のそれは、AからE-の乱降下を果たしており、本体と喧嘩をしていることが目に浮かんだ。再度語るが、ナローには一切関係ない。彼にとって傍迷惑な仕様だった。
「
だからこそ、女将と併せて訪問した女性にナローは動揺することはなかった。彼自身は欲が薄いサーヴァントだが、人理の影響力は無駄に高い。彼が召喚される度に守護者が呼び出されるのは最早常と言えた。─その人選さえも。
「子供を引き取るのに妻を介さないのはどういうつもりですか?」
瑞々しくしなやかな容姿の女性だった。外見年齢は十代の後半程度か、褐色の肌を婦人服で着こなした姿は見た目以上の年齢を想像させる。その服装はナローが着ているブランド品で統一されており、女将が彼女をナローの妻と誤認するには十分だった。
「…すみません、一人追加でお願いします」
「殺人鬼の件で心配になられたそうですよ?お熱いですねぇ」
「─
ノルマとばかりに彼女、静謐のハサンがナローに
「あらあら。うふふ。お邪魔しましたー」
女将の退室と合わせて二人の唇に空間が空いた。毒性を失ったハサンは潤んだ瞳でいつものようにナローの手を寝室へ引いた。初手殺人を選択した存在に主導権を握らせるのは明らかな悪手と理解しながらも、ナローはスキップ混じりに彼女に付き従った。マスターの手前抱くのだけは我慢しなければならないが、スキンシップ程度なら大丈夫だろうと浮かれた考えで。
別世界線にて大半が女アサシンに殺される男、ナロー。
プライベートの彼はハニトラに死ぬほど弱かった。
ナローが我が世の春を満喫する間、精神が超合金で出来ている幼女は夢の中でナローの過去をポップコーンを摘んで鑑賞していた。
そして、翌日のナローへの目線はおバカな子を見る目となる。
◼︎▫︎◼︎▫︎◼︎▫︎◼︎▫︎◼︎▫︎
「ラ、ライダー!どうしたんだ突然!」
ウェイバー・ベルベットは未熟な魔術師である。自身の客観的な評価を受け入れられず、自惚れて聖杯戦争に参加する程度には年若い学生である。皮肉にも犯罪行為にて手に入れた触媒が大英雄のイスカンダルのものであることで、彼の性根は随分と改善されていた。
しかし、それでもウェイバーにはイスカンダルを御するのは難しい。ナローが制定したルールは幸い過去の犯罪には適用されないようで、マッケンジー夫妻の家に暗示をかけて寄宿した彼には何のペナルティも無かった。
安心していたウェイバーに対して、イスカンダルは深刻な顔で考えていた。在日カナダ人であるマッケンジー夫妻から日本法の資料を読み耽った後、急遽立ち上がってウェイバーの首根っこを掴んで昼間からの外出をしたのだ。マスターの困惑を他所に、彼は徒歩にてある場所へと向かっていた。
混乱するウェイバーが降ろされたのは薄汚い下水道だった。その場所に心当たりのあった彼は胸元を解禁しながら、咳混じりにイスカンダルを非難した。
「
ウェイバーの叫びにイスカンダルは無反応だった。むしろ、気づいてないなら構わないとずんずんと急ぎ足で歩んでいく。何度目かのウェイバーの怒り声に、イスカンダルはぽつりと彼へ問いかけた。
「坊主、アサシンの行動をおかしいとは思わなかったか?」
「…まあ、うん。
そもそもルールである必要が無いとウェイバーは分析した。理不尽を強いることが可能ならば、縛る必要がないのである。ナローは宝具として全員の武器を取り上げたが、勝つ気があれば心臓を取り上げればそれで終わりのはずだ。
「多分、アサシン陣営は聖杯を目指してなどいないと…思う」
「だろうな。同じ意見だ、坊主」
イスカンダルはウェイバーの疑問に肯定した。アサシンは理由は不明瞭だがマスターに従順に従っている。イスカンダルが判断するに、アサシン自体は冬木の住民など至極どうでもいい存在であって、マスターが大事だから守る気があるという副次的な目的があるように見えた。
「ルールの追加などという
「ルールを利用することがダメってことか?」
「信用は構わん。だが、信頼は怪しいところだ」
なら、ケイネスが頻繁にルールの追加を要請しているのも無駄って訳だ。
ウェイバーは自身の格上の行動にほくそ笑んだ。イスカンダルはそれを見てため息と共に拳骨を落とした。イスカンダルはケイネス何某の人となりを知らないが、追加ルールの文面を見ればある程度は想定できた。文法、矛盾したルール、倫理観のないルール、その他諸々。ケイネス達が探っているのはシステム自体であり、聖杯への勝利では無かった。
イスカンダルが判断するに、ケイネスは官僚型の政治家だった。鉄火場には知恵も持ち込めないが、平時の治世ではとてもとても役に立つ。ウェイバーも得難い素質があるが、彼が望むトップには例外でもない限り決して成れないだろう。敵味方を区別する性質は管理の上では邪魔になる能力だった。
そう、区別である。
あのアサシンは明らかに聖杯戦争の仕組みを意図して横紙破りをしている。勝利の報酬と敗者の奪取が不公平となるように仕向けている。彼は、短期間で終わらせる必要のある戦争を、長期化して利益を得る仕組みに変更していた。
イスカンダルがキャスターを討伐出来たのはあの外道が逃した幼子を捕まえた跡を尾行できたからだ。マスター共々拷問に興奮する愚か者共を背後から
被害者ごとだ。内臓を解体さればらばらになった彼らを甦らせるのはイスカンダル達には不可能だった。祈り、浄化し、丁寧に死体を個別に分けた。
「なのに、何故風聞に彼らの名が轟かない。外道の名は出たというのに」
「…遺体の判別に時間がかかっている、とか」
「顔は憎いくらいに綺麗だったろうが!…坊主。お主も内心理解しているだろう?」
ウェイバーは渋い顔で下を向いた。あの規模の改変を令呪だけで実現できるとは到底思えない。彼の頭にある手段は一つだった。魂喰い─死体の魂を燃料に焚べる外法。華々しい輝きの為に魔力を充填させたとしか思えなかった。
辿り着いた工房跡に、ウェイバーは十字を切った。無意味な行為にイスカンダルは何も言わない。意を決してウェイバーは蝶番の外れた扉をこじ開けた。
「おじちゃん、だあれ?」
「────はぁ!?」
◼︎▫︎◼︎▫︎◼︎▫︎◼︎▫︎◼︎▫︎
世界とはルールの中に存在しているとアルトリアは理解している。
空気を吸う。飯を食う。縄張りを争う。地面に押し付けられる。生きて死ぬ。理不尽の権化である幻想種すらも
マスターの衛宮切嗣は非常に口数が増えた。もしくは、地金が出た。馬鹿らしい名称のルールが出来て早三日。アルトリアの中では切嗣の評価は徐々に同情に近い感情になっていた。
アサシンのルール制定で切嗣は目に光が見えるようになった。アインツベルンへの根回しの政治的な行いを積極的にこなし、
まさしく、アサシンの理想通りの踊りをしているのが我々の陣営だろうとアルトリアはため息をついた。如何に聖杯戦争を放棄した存在とはいえ、敵のルールに振り回される必要はない。岡目八目。切嗣の光景を見たアルトリアは漸く自身の契約の無意味さを理解しつつあった。
アルトリアはこの聖杯戦争で唯一の生前と変わりのない人格を持つサーヴァントである。本来なら彼女は忠臣の一人、円卓の騎士ベディヴィエールに看取られてエクスカリバーを湖に還す形でアヴァロンに導かれる筈だった。しかし、抑止力からの呼びかけで聖杯を手に入れ望みを叶えることと引き換えに世界にこき使われる守護者となる契約を結んでいた。
歴史を変えること自体は可能だとアルトリアは直感していた。
始まりはアサシンの過去を調べた時だった。戯れに自身の物語を読み込んだアルトリアは
守護者との契約の対価として召喚されたアルトリアは本体と地続きであり、
しかし、過去に形作られた物語は、
その物語は明らかに彼女が歩んだ歴史より地味で淡白な内容だったが、アルトリアはその物語から目を離せなかった。過去を変えた場合に何が起き
アルトリアは妥協せざるを得なかった。逃避からの退位ではなく、代理としての王を求めた。己の欲の象徴である差し替えた後の生贄に狂おしいほどの愛着を抱いた。選定外となった自分は王佐として支えたいと考えた。国を愛して、身を削るほど頑張って、今度は魔術に傾倒するのも良いだろう。けれど、それでダメだったらどうしようか。もしかしたら乗っ取りなんて馬鹿なことを繰り返すかもしれない。アルトリアはくすりと笑った。
ふと、アルトリアはそれが誰に似ているかに気付いた。自分の末路を知ったアルトリアは乾いた笑い声を上げた。
【info:魔法少女フィールドにルールが追加されました】
ルール③の適用範囲に『聖杯戦争にて被害を受ける冬木住民』を追加します。
ルール⑥
マスターはサーヴァント戦を行う際固有結界を無償で展開できます。
適性のないマスターの場合、固有結界は自身の使用した武器を自動展開する効果を持つ『
ルール⑦
魔法少女フィールドの運用は以下で実施しております。
実行場所:円蔵山
仮想人格:冬木市内で神秘関連で死亡した冬木市民の総体人格
稼働燃料:第三次までのサーヴァントの魂(悪性情報を優先)
静謐「やったぜ」