転生チートオリ主が性格で無惨に離婚された話   作:ややや

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Q:体内の蟲は病気扱い?
A:戦場での麻薬みたいなものなので武器扱い
Q:BSS短期決戦型おじさんは勝てるの?
A:ラス鯖まで隠れ切って令呪全ブッパのマスター殺し敢行でワンチャン…
Q:それおじさんである必要ある?
A:ない


婚活失敗記録/Zero③

 ケイネス・エルメロイ・アーチボルトがこの一週間で覚えたルーチンワークは起きがけに回復した魔力で解析資料をアーチボルト家に送ることだった。

 

 音声、動画、科学、魔術、実行前と経過、乱雑に稼働している計器は工場のようだった。ケイネスの工房は最低限の(とはいえ客観的に語れば堅牢極まりない)うすら寒い結界のみで、侵入は普段と比較して容易い。彼らの命は間違いなくディルムッドに委ねられていた。

 

 魔法を啄む害鳥は大量に湧いていたが、ディルムッドはその全てをケイネス達に悟らせずに撃破した。並べられた検体にケイネスも彼を更に評価し、褒め称えた。

 

 時計塔鉱石科の君主(ロード)であり、魔術世界に君臨する十二人の王の一人に座するケイネスは疑いなく天才であり、それに仕えるディルムッドは間違いなく現世を満喫していた。有能かつ夢に邁進する主君の盾となり障害を取り除く、騎士としての本懐を為せる理想的な役割。解析できたほんの一部を利用した霊基改竄により、ステータスは筋力・耐久・敏捷がワンランク向上したこともあわさって、ディルムッドのコンディションは最高潮であった。

 

「よく来たな、ウェイバー」

 

 そんな彼を良く理解したからこそ、ケイネスはウェイバーと同盟を組むことを了承した。彼は間違いなく時計塔の一員であり、()()()を理解している魔術師だ。確かに、ケイネスは聖杯に興味が薄れている。()()()を持って同盟を提案したウェイバーに対して、彼はウェイバーの評価を非常に上げた。抜け目の無い若造を取り込もうと画策していた。

 

「いや、()()()()()()()()と言うべきか。魔法、固有結界、魔力の生産。どれもこれもソラウだけでは手が足りん。視野の広い君がいるだけで随分と効率は異なる」

「あ、ありがとうございます。ケイネス先生」

 

 ウェイバーから渡された解析はケイネスをも感心させる観点から見られたものだった。彼の資料をケイネスは真剣に読み耽った。ホテルのメモ帳を閃くごとにちぎり取り、書き留めた途中式は山のようだった。

 

「そして─死者蘇生の可能性に関して、だが」

 

 ケイネスは言葉に詰まった。イスカンダルが胡乱げにケイネスを見つめあげ、資料をまとめていたソラウがびくりと萎縮した。彼女が矛先に当たらないよう、ケイネスはホテルのTVをつけた。特番と看板に掲げた『()()()()()()()() ()()()()()』に関して専門家が解説をしていた。

 

『では、雨生容疑者は冬木市で初めて実験を本格化したと?』

『はい。警察の資料では現場には雨生容疑者直筆の設計書とクローン理論が発見されています。今まで彼が遺体を損壊していたのも実験の気晴らしだったのでしょう』

『発見された生存者達は何故無事だったのでしょうか』

『雨生容疑者にとって彼らは素材でしかありません。しかもおいこみとなれば生体組織の採取のみで後は知らぬと放置はあり得る範囲かと』

『アジトにて雨生容疑者は死亡しているのを発見されましたが、先生の見解はいかがでしょう』

『非常に怪しいと──』

 

 的外れな専門家の戯言をBGMに、ケイネスはウェイバーに結論を下した。

 

「これは死者蘇生──()()()()。…残念だが、そう言わざるを得ない」

 

 一縷の希望に縋っていたウェイバーの眉尻が下がった。詐欺師に誑かされたマスターにイスカンダルは同情した。ケイネスは新たにメモ用紙を二枚ちぎりとり、ひらりとディルムッドの頭上へ放った。

 

「─寸分違わず印を付けてくれ」

「はっ」

 

 ひゅるりとディルムッドの槍が一回転し、紙片を絡め取って掴み取る。ケイネスが指し示すボードにそれを貼り付ければ、綺麗な正円の傷が違わずに存在した。薄紙一枚を破かずに刻印する絶技に、イスカンダルは感心の声を上げた。

 

「人形師と呼ばれる魔術師がいる。彼らは人体機能を損なわずに義手義足、或いは内臓を作り上げる。これを完璧に極めると…どうなると思う?」

「…人間の複製体が出来る」

「違うな。()()()()()()()()()()()。人格も、記憶も、体質も、あるいは運命すら複製された自分が生み出される。ただし、()()()()()()

 

 死者蘇生ならぬ、死者複製。

 

 ウェイバーは壁に貼られた紙を見た。全く同じ経緯で作られたあれはどちらか片方が無くとも本体と言い張れる。あのアサシンが行った詐欺はもっと悪辣だった。電卓に打ち込んだ数字を消してから入れ直す。それを人間で実現したのだ。

 

 その数字は完璧である。本人と同じ身体で、思考で、将来で、或いは魂すら同一かも知れない。哲学の議題として作られたような彼らは、しかし何処までも()()()()()()()()()()

 

「…そう、ですか」

「アサシンはマスターに従順な飛び上がり者(queer fish)だ。富裕層にいる欲のためにリスクを投げ出す紙一重の男の匂いに良く似ている。だからこそ、私は君に腹を割って話さざるを得ない」

 

 一の結果のために百の損を払っているのが今のナローであるとケイネスは断定していた。それを見抜くためには此方も十の(リスク)を払わなくてはならない。英霊とは、理不尽で強く、畏敬される存在故に。

 

「アサシンの宝具は置換魔術(フラッシュ・エア)の理想だ」

 

 置換魔術とは錬金術から派生した魔術系統である。原理的には劣化交換にしか至れない下位の基礎魔術であり、それゆえ使い手はほとんどいない。極論、行うことは化学反応の省略である。ケイネスも修めはしているものの大したことは出来ないという認識だった。

 

「アサシンは()()()()()()()()()()()()()()()()()()。口惜しいことに原理は不明だが、服を着替えるように概念を形成して入れ替えている。冬木の結界の維持に魔力を使用していないのもそれが原因だ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「なら、作成費は何処から捻出したのだ」

 

 イスカンダルはどっかりと机の上に腰を下ろしてケイネスに尋ねた。

 

「細かいことは理解できんが、要は彼奴は冬木に結界を植林したのだろう?なら、種はどうやって造った。令呪を使ったと嘯いていたが、全画使ったとて市内全域に及ぶ規模は不可能に思えるが」

「令呪の対象は土地ではない。マスターだ。ルール改変で計測したが、概念の変更は内容ではなく規模で魔力消費が変わっていた。おそらく()()()()()()()()()()()()()()()()()は必要だろうが、今のアサシンには魔力切れは見込めないだろうな」

 

 アサシンが聞けば『俺の宝具そんな仕様だったんだ…』と呟くであろうケイネスの分析に、イスカンダルは内心の指摘点を金にした。

 

 イスカンダルが考えるに、魔術に適正ではないアサシンの宝具が『万能』を持つにはナローの霊基はどうしても不足していた。それこそ()()()()だが、ナローの宝具は素材(マスター)の質に影響するのではないだろうか。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「私の誠意は提出した。()()は何を差し出す。ウェイバー・ベルベット」

「─命を」

「口だけの安い対価だ。そんなものが─

()()()()()()()()()()()()

 

 目を伏せていたウェイバーはケイネスを見つめた。その眼はイスカンダルとディルムッドも認める、覚悟の目だった。ケイネスは押し黙り、椅子に深く腰を下ろした。

 

「理由は知らないけど、アサシンは意図して聖杯戦争を長引かせている。安全な聖杯戦争の為の固有結界?()()()()()()()()()()()()()()()()()()。間違いなく、固有結界は使用者に牙を剥く」

「死ぬ気か?」

「まさか。ここでミソなのは固有結界には被害者(対戦相手)もいること。生き残りのマスターを怖気づけさせないと遅延にならない。つまり─」

「結界にある罠はアサシンが聖杯を捨てた(望みを諦めた)理由になる─と」

 

 ()()()()()()()()()と、未熟な若造は傲慢に師へ突きつけた。その姿に、ケイネスは立場を忘れて素で吹き出した。裏をかくのが馬鹿馬鹿しくなった彼は礼装を起動してディルムッドの背中に待機した。

 

 ウェイバーは震える身体を誤魔化し同じようにイスカンダルの横に立ったが、イスカンダルは彼の身体を持ち上げて腰に抱えた。必要性を理解したウェイバーは腹筋に力を込めて詠唱を始めた。

 

「─体は剣で出来ている(I am the bone of my sword.)

 

 実験後、ある事実に直面した彼らはソラウを帰国させ、互いの生死に関わらず協力を約束する契約を締結することになる。

 

 ◼︎▫︎◼︎▫︎◼︎▫︎◼︎▫︎◼︎▫︎

 

 間桐の顧問弁護士にとって、間桐臓硯老人がアポイントなしに(それも就業時間間際に)こちらの事務所に訪れるのは初めてのことであった。

 

「今は正気なのでな」

 

 足腰が弱く、杖を常備している筈の彼は杖の代わりにトランクケースを抱えていた。仕切りなしに自身の時計を伺う彼の姿は普段の有様とは程遠い。まるで夜逃げでもするかのような忙しなさに弁護士はこちらで把握している間桐家の資産を思い浮かべた。放っても数代は利鞘だけで遊べるのは確実の資産はある筈だと弁護士は首を傾げた。

 

「儂の財産周りを全て息子と孫達に譲る手続きをして欲しい」

 

 迎えた応接室にて臓硯は事務員の茶請けすら待たずに机にケースをのせ、中にある権利書等をばらばらと置いた。明らかに様子のおかしい彼に弁護士は立ち上がって臓硯のそばへ寄った。

 

 彼はびくりと怯えたような震えをしたが、弁護士は外の寒さが遠因だと気にしなかった。弁護士は掛け布を老人の肩にかけて散らばった書類を机に整頓する。そして中身を確認すれば、文字通りの膨大な資産がそこにはあった。

 

 金塊にすれば容易く机が壊れるであろう資産を前に、弁護士は取りやめるよう提言しようと決意した。自身の肩書き以前に、今の彼はどうみても平常ではない。地元の名士として恩恵を与えていた彼の弱みにつけ込むのは、弁護士として望まない行為だった。

 

「間桐様、落ち着いてください。今すぐに行いますと税周りで損します。せめて一月ほど時間をかけては」

「駄目だ!今でないと駄目なのだ!!」

 

 臓硯の叫びは迫真だった。弁護士が思わず怯み、宥めるために臓硯の背中を摩った。彼は抵抗せず弁護士の腕をおかしな角度で見つめた。その目は暗く、濁った空気が口から漏れ出たように思えた。

 

「ハラガへった」

 

 そこには老獪な男の姿は無かった。涎を垂らし、目を見開き、カクカクと頭を揺らす老人に弁護士は言葉に詰まった。溢れ出る涎が臓硯の腰布を湿らせて、彼は漸く理性を戻した。弁護士の視線に己の痴態を理解した臓硯はさめざめと泣いた。恥も外聞もない号泣だった。

 

「…喰ったのだ」

 

 老人の仕事相手となって数十年、弁護士は初めてこの人が脆い存在だと気が付いた。えづく老人に部下からのバケツとハンドタオルを手渡しながら、老人の背中をゆっくりと撫でさする。皮膚がへこみ、骨を直接触るような細さだった。

 

「阿呆のように、餓鬼のように。浅ましく、糞程の、あの味を!─吐きかねない量を…飲んだ…喰ってしまった…!」

「お、落ち着いてください間桐様」

「恥を。…余りにも永く恥を重ねすぎてしまった。息子は儂のせい、で、酒浸りに、に。家に戻ってく、くれた息子にも迷惑を…!長生きするのではなかった!」

 

 血の吐くような慟哭は数時間に及んだ。大抵は不明瞭な戯言だったが、弁護士が聞き取る限り年数が大袈裟に増加されていた。彼はもはや数すらもまともに思い出せないという事実に、弁護士は何処か悲しくなった。

 

「…迷惑をかけた。…君達の活躍を()()()で祈るよ」

 

 最終的に、臓硯は資産の全てを段階的に家族達へ受け渡す形で弁護士に一任した。本人の肉筆入りの署名を備えた、取り消すことが困難になるほど縛りを入れた契約だった。その費用は資産運用の利益で賄われ、事実上臓硯の手から財産は全て失われていた。

 

 しかし、臓硯はそれを悲しむことはなかった。寧ろ重荷が外れたと深いため息を出していた。弁護士も彼が最近億単位の考古物の散財をしたのを知っている。全ての書類にサインした臓硯は、一回りも二回りも縮んで見えた。

 

 タクシーで帰る臓硯は気が抜けたのか、小声で只管に家族へ謝罪を繰り返す存在へと成り果てていた。弁護士は運転手に間桐家の住所を伝え、多めの運賃料を自身の財布から支払った。タクシーが見えなくなった後、事務所に戻った彼は思い切り窓を開けた。

 

 冬の皮膚を凍らせる冷たい風が弁護士達を襲った。内部の澱んだ空気が攪拌されたと事務員が大きく深呼吸した。そして、ソファーで外を見つめる弁護士にお茶を渡した。

 

「…痴呆、ですか。…あの方には失礼ですけど…ちょっと怖いですね」

「私も歳だから…身に染みたよ。ペーペーの頃からお世話になった良い人なんだけどねぇ…歳はとりたくないものだ」

「気付いたら美術品に億ぶっ込むのはゾッとしませんね」

「今度詐欺関連の資料を取り寄せるよ」

 

 弁護士達は臓硯の罪深さを知らず、表の顔だけで同情を下した。本当の彼が肉体を蟲と化して生きるために人喰いを長年続けていたことなど知る由もない。冬木市民として(やまい)を治療された化け物が今更に罪に苛まれていることなど、誰も知ることはなかった。

 

 臓硯は完全に心がへし折れていた。自衛すら投げ捨てた日常に『あくのはかせにごう』の調査に訪れたナロー達すら引退を疑わなかった。皮肉にも、死へと向かった彼の行動が死を遠ざけた。

 

 臓硯はマキリ・ゾォルケンとして魔術の全てを惜しみなく間桐桜に与えた。蟲を除染し、過去に得意としていた()()()()()()()魔術を優先して教えた。彼にとって、桜は己の罪の象徴だった。

 

 だからこそ、桜が人体改造に関わる知識を求めた時も迷わず与えた。臓硯は彼女の贄であり、狂った良心は彼女を全肯定した。その結果がどうなろうと、彼の頭は判断することはついぞ無かった。

 

 間桐桜は、力こそが世界(じぶん)を救えると捻じ曲がった立ち直りをした。彼女は自力で這い上がり、泥を啜って力を付け、臓硯の全てを奪い尽くした。

 

 数年後、臓硯の自死と共に間桐桜はマキリの後継者として覚醒し、マキリとしてある少年へ恋に堕ちた。

 

 ◼︎▫︎◼︎▫︎◼︎▫︎◼︎▫︎◼︎▫︎

 

「あくのはかせ!だらしない、だらしない。ママなら『かみきる』っていう」

 

 岸波白野は幼女である。つい最近天涯孤独となった哀しき子供である。だがしかし、彼女は天性の悪運と鋼の精神を持ち合わせていた。

 

 わからなくても叱る。理屈なくとも嫌なものは否定する。そうしてナローの尊敬を勝ち取った幼女は気が付けばレオン(さよなら)しそうになる彼の最高の操縦者となっていた。

 

「すみません勘弁してください久方ぶりの女体だったんですつい我慢できませんでした」

「…上手だと思いましたよ?」

「まじ?「せいざ!」はい」

 

 ナローは大人しく正座した。白野はその上にうつ伏せでのしかかり、静謐に足をパタパタさせた。それは彼女の母が不機嫌な時に父にさせる行動の真似っこだった。手作りの勲章(幸運E-)のナローは彼女の無邪気な金的に真っ青な顔で悶絶した。

 

「揉んで!!」

 

 白野の我儘に対して、静謐は嬉しげに彼女の靴下を外して丁寧に揉み始めた。温かい、子供特有の体温の高さが彼女にじんわりと伝播した。静謐が彼の守護者として派遣されたのはかれこれ何度目だろうか。セフレ、という意味ではだいぶ仲良くなれたが、聖杯戦争という短い期間では彼との距離を縮めるのは中々に難しい。いっそのこと座でアプローチしようかと静謐は考えていた。

 

「おー。きもちいーい!よきにはからえ」

「はい。お任せあれ」

 

 ただ、今回はマスター含め参加者の全員が理性的なようだと静謐は思った。ルールを破るのではなく、解除を試みるのでもなく、大人しく抜け道を探して模索する。サーヴァントを含めてここまでお行儀の良い戦争は初めてだった。

 

「今回のお仕事は『首輪役』でした。…珍しく抹殺指令では無かったですが、何を?」

「マスターの生存。…自殺だと、()()がね?」

 

 ことりとちゃぶ台に置かれたのは手のひら大の砂時計だった。魔術的な代物か、ドス黒い砂が中央の隙間を抜けると粉砂糖のような粉末となって落ちている。本来なら数分で落ち切る砂は、勢いが衰えないにもかかわらず十分の一にも満たしていなかった。

 

この世全ての悪(アンリマユ)。これが聖杯の中にいる。()()()()()()()ってヤツさ」

「…これが、悲劇の追体験(アーシューラー)の具現化ですか」

 

 静謐が冷や汗を垂らして砂を見る。砂からは声亡き音が、呻き声のような砂音がなり、砂の一粒一粒が負の感情を表した顔を写しているように見えた。

 

「正視できない闇。認められない醜さ。逃げ出してしまいたい罪。この世全てにある、人の罪状と呼べるもの。この闇に捕らわれた者は、苦痛と嫌悪によって自分自身を食い潰す。──らしい」

 

 何かを誦じるナローに静謐は首を傾げた。が、些事として思考を放棄した。要は、今回の彼はこれが原因で長期滞在しているという訳だ。普段の抑止力ならいつものように産廃マスターでお茶を濁すだろうに、余程対費用が悪いのだろう。こちらとしては願ったり叶ったりだが。

 

「無力化の概算は?」

「ぜーんぶ使い切れば多分問題ない。多分。ただまあ、意思だから残留思念として使用者を汚染する可能性は高い。うーん、十年はかかるかなぁ」

「そんなに」

「蠱毒化していて中身がどれもこれもミーム汚染してる。ごた混ぜになってどれが本体なのか区別がつかない。御三家はみんな知らないっぽいし、いつ汚染されたのやら…」

 

 ナローの予測通り、抑止力が静謐を派遣したのはアンリマユが原因だった。しかし、ナローはアンリマユの浄化(正確に言えば悪性情報の消費)に手間取っている状態だった。神の信奉者のナローは神より次元は低いとはいえ、神霊の格を上で見ていた。アンリマユの大元が木っ端な村人が材料とは知らなかったのである。皮肉にも弱者のアンリマユ故に彼は消滅を免れていた。

 

「保ちます?今の時点で霊基半壊してますけど」

王様(勝ち目ゼロ)がいるからあの人の機嫌次第…数ヶ月くらいで死にそう」

「なら、のんびりと楽しみましょう?…ね?」

 

 静謐のハサンは恋する乙女である。なんだかんだで女性にトラウマを持つナローに感謝と愛を感じている毒物少女である。守護者として召喚された彼女をナローは信頼しきれないだろう。彼は見る目がないのを自嘲し、改善には時間をかける必要がある。座でちょくちょくお茶会を開いてはいるが、こうして現世で遊び合うのも悪くない。ゆっくりと、毒のように蕩してみせよう。

 

 静謐は鴨葱の男に内心で涎を垂らして籠絡を決意した。

 

【info:イスカンダル様からの御提案です】

 ルールに関しての擦り合わせ会議を提案されました。参加希望の方は明日の二十時までに参加リストに記載をお願いします。会場はナローのマスターによる固有結界『疑似虚構世界SE.RA.PH』にて行われます。

……

…………

 参加者が確定しました。以下の人を規定時間に呼び寄せます。手荷物等はサーヴァントに持たせた上で待機をお願いします。

  セイバー陣営:アルトリア、アイリスフィール

  ランサー陣営:ディルムッド、ケイネス 、ソラウ

  アーチャー陣営:ギルガメッシュ、時臣

  ライダー陣営:イスカンダル、ウェイバー

  アサシン陣営:ナロー、メアリー

  バーサーカー陣営:なし

  




五次時空では男を掛けて宇宙カーマ桜vs宝石剣凛の姉妹大戦が勃発します。
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