でもあのあたり設定が不明瞭なんだ、設定を付け足すしかないんだ
ほとんどVolume1と内容は変わらない模様
時系列はVolume1の最終回
「私たちは虐げられるのにもううんざりなの!!」
部屋の中で私の声が響き渡る。
目前の片目に傷がある少女―――ワイス・シュニーの事がどうしても許せなかった。
頭に血が上り、冷静でいられなくなっていることに気づけない。
感情のままに、自分の発言がどれだけの意味を持つか、その時は分からなかった。
アダムによって列車を切り離された後、私は身分を隠した。
ファウナスへの差別は少しずつだがなくなっているとはいえ、まだまだ色濃く残っている地域もある。
この世界の総称―――レムナント。
私が今いるのは、サナス大陸にあるヴェイル王国だ。
この世界ではハンターという怪物から人々を守る人を育成する学校がある。
男性をハンター、女性をハントレスと呼び、日夜怪物を駆逐し続けている。
怪物…それはグリムと呼ばれる、魂のない人類の敵。
仮面のようなものを顔につけ、様々な姿形となって人類を敵対視する者の総称。
その存在は大昔からあり、人類はグリムたちと常に熾烈な戦いを繰り広げている。
グリムは動物などは襲わず、なぜか人間やファウナスのみを襲う。
そして人が作った建物などを積極的に破壊し、人類を殺すことに何のためらいも持たない。
故にこそハンターという職業は常に人を欲している。
そして、私もまた身分を隠してハンターとなるための学校―――ビーコン・アカデミーへと入学した。
元々、ホワイト・ファングで戦闘訓練をしていた私は問題なく戦闘能力を認められた。
ホワイト・ファングにいたころも当然グリムは襲ってきたし、同族を守るために戦うことも多かった。
私はその学校で「ルビー・ローズ」「ワイス・シュニー」「ヤン・シャオロン」というチームメイトと出会い、チームを結成した。
それが今私の所属するチーム「RWBY」だ。
飛び級で入学したせいで私たちよりも年齢の低いルビー・ローズがリーダーをやっている。
ワイス・シュニーはそのシュニーという姓でわかる人も多いが、シュニー・ダスト・カンパニーの令嬢だ。
ヤン・シャオロンは姓は違うがルビーのお姉さんで、とても明るく気が強い。
ある時街中で私たちは口論をした。
ダストショップが強盗され、その時にワイスがホワイト・ファング、ひいてはファウナスを侮蔑する発現をしたのがきっかけだった。
どうしてもその言葉を無視することが出来なかった私はそれに噛みついてしまった。
本来であれば平和的だったホワイト・ファングが武力を求めたのはもしかしたらグリムから身を護るためというのもあったのかもしれない。
現にハンターの中でもファウナスを軽視する者はおり、そういう人間に守られなかったファウナスも多い。
ハンターは国の依頼を受けて動く者もいれば自分の目的のために動く者もいる。
ファウナスがハンターになった事例も多数あるが、満足に守り切れているかと言われると違うと言える。
アダムは主にそういったハンターや国から守られる戦力を得られない町にホワイト・ファングを置くこともあった。
機能しない軍や警察の代わりに、ホワイト・ファングが自警団として町を守ったこともあった。
ホワイト・ファングは決して、ただ人を脅かすだけの組織ではないのだと、そう訴えたかったのに。
結局、その後私は自分がファウナスであることを告白してしまったことに気づいて学校から出て行った。
そして今、同じファウナスの、金髪に日に焼けた肌、サルのしっぽを持つ少年「サン・ウーコン」とカフェでお茶を飲んでいた。
学校から出て来た私を気にかけて、こうしてたまたま一緒にここまで来ていた。
「…私ね、昔ホワイト・ファングの一員だったの」
そう告白した私に、ちょうどお茶を飲んでいたサンは驚きの声を上げる。
「ブッ…!げほっ、おいおい、いきなりそんな、どうした?」
「私の事知りたくてここまで来たんでしょ?……ホワイト・ファングについて知ってる?」
「そりゃあまぁ当たり前じゃん。ファウナスでホワイト・ファングを知らない奴なんていねーよ。
自己中心的で目的の為なら手段を選ばない、たまに義賊的なことしてるが基本は企業の物資強奪。
まぁ……あんまり褒められた連中じゃあないだろ」
私がホワイト・ファングにいたと話したせいか、彼はどこか言葉を選んでいるようだった。
だけど、それが世間の認識なのだろうとわかると、胸が痛んだ。
「…マジでホワイト・ファングだったのか?」
「そうよ、子供の頃から、生まれながらのホワイト・ファングだったわ。
……昔はホワイト・ファングは平和的な、人とファウナスを繋ぐための組織だった。
でも、差別による規制、店にファウナスが入店するのを断られたり、蔑まれる対象にされてきた。
対話による交渉や要求を何度もしたけど、政府らはそれを聞き入れてはくれなかった。
私たちのやり方は甘かったんだって、そう幼い頃の私が感じるのは遅くはなかったわ」
静かに私の語りを聞いている彼の姿を一度見て、もう一度私は口を開く。
「最初は看板を持ってデモ運動をしたの。私もその最前列にいたし、ボイコット運動にも参加した。
変革は実現できると、そう思っていたのに。……活動が変わったのが今から5年前よ。
その頃の指導者が変わり、今の指導者シエナ・カーンに代わった時に主義が変わった。
平和的な抗議活動は暴力的な集団事件に変わって、それが次々に成功してしまったの。
それ以来、味を占めたホワイト・ファングは主義や活動としてそれらを中心にしてしまった。
これがホワイト・ファングの変貌の歴史よ」
言葉を切って、いつの間にか私は語っている間に熱中してしまったのだろう。
カップの中のお茶を飲み干して、舌を潤すと、サンが口を開いた。
「だから抜けたのか?」
「…違うの。抜けるかどうかを考えて、抜けることを決心したのはそう。
けれど…そうする前に、私のその頃行動を共にしていた人がホワイト・ファングから私を追い出した」
「追い出した?アイツら、結構仲間意識は強いって聞いたし、ましてや生まれながらのメンバーを?」
「えぇ…。その人は私がホワイト・ファングの活動に疑念を持っていることを知っていた。
彼は私がホワイト・ファングの活動で私が心を痛めていたことを見抜いていたんだと思う。
…少し前にシュニー・ダスト・カンパニーの列車の貨物を強奪される事件があったの、覚えてる?」
「あぁ、何か月ぐらいか前の話だろ?物資を乗せた部分だけ切り離されて、乗組員の列車は無事だったって。
ホワイト・ファングからの犯行声明はなかったけど、まぁ世間はそう見てるな」
「それは当たり、その事件の実行犯が私とその人だったの。
…その時に、彼が私を置いていった。最初はどうしてかと思った。でもすぐに考えればわかる話だった。
列車を強奪するのに実行するメンバーがたった二人だったのは、私をその時に離脱させる為だったんだと思う」
他のメンバーも、私もその計画を聞いた時、実行するのが私とアダムだけだと聞いて驚いた。
他の人たちも、私もあまりにも危険だと声を上げたけど、彼はそれを強行した。
既にその時点で彼の中で私を離脱させる段取りはついていたんだと今ならわかる。
…行動は理解できても、納得は出来ていないけど。
「そうか…。そのこと、友達には話したのか?」
「…………」
サンのその質問に、私は答えるられなかった。
無言で俯く私を察してか、彼も自分のお茶を飲み干して立ち上がる。
「んで、ダストショップを襲ったのがそのホワイト・ファングだと思うのか?」
「ううん、思わない。だってそんなに大量のダスト、ホワイト・ファングはいらないはず。
列車の時の物資だって、ダストは大量にあったし、活動を考えても充分な量だったのよ」
「なら確かめる方がいいんじゃないか?」
え?と驚いて顔を上げた私に、彼はウィンクを見せた。
次回もブレイク視点
Volume2に時間は移る模様
アダムの出番もあります
感想お待ちしております
みんなもRWBYを見よう!!!