暗黒錬金術師伝説9 暗黒!ライザのアトリエ   作:dwwyakata@2024

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1、終幕

バリスタどころか、空を貫く光の槍。神話の時代に登場する、必殺必中の神々の槍。そうとしか形容できない魔術の矢が。

 

さっきまでの戦闘で飛び散った岩やら何やらを全て取り込んで。

 

そして、蝕みの女王が作り出した魔力塊を貫通して。

 

空から、天罰の光のように。

 

蝕みの女王に襲いかかる。

 

悲鳴に近い鳴き声を上げた蝕みの女王が、それでも両手を空に向けようとして。その瞬間。

 

投擲されたレントの大剣が、蝕みの女王の腹を貫いていた。

 

足を砕かれ。

 

それでもなお立ち上がったことだけは褒めてやるけれども。

 

もう、勝ちは貰った。

 

蝕みの女王が、ぐらりと揺らぐ。

 

レントが叫んだ。

 

「これ以上好きかってさせるか、この化け物っ!」

 

更にタオが、渡してあった爆弾を投擲。

 

ローゼフラムの灼熱が、蝕みの女王の全身を焼き尽くす。

 

ごっと。とんでもない熱量が、あたしのところまで吹き付けてくるけれども。

 

それを、内側からの魔力で、吹っ飛ばす蝕みの女王。

 

大剣も、腹から引き抜く。

 

そして、あたしを見ようとしたその頭に。

 

上空から、クラウディアが全力でぶっ放した極大の矢が、直撃していた。

 

地面に。もう床が砕け果て。

 

露出している土に、沈められようとする蝕みの女王。クラウディアは、ずっと歌い続けている。

 

あの矢の制御だ。

 

それに負けないほどの、聞き苦しいわめき声を上げる蝕みの女王。

 

背中から、翼が生えなおす。

 

まだ翼を生やすつもりか。

 

どうせ狙いは、それを使っての無理矢理の脱出か、それとも。

 

レントが此方に視線。

 

リラさんは、さっきの奥義をぶっ放した後、力尽きて倒れている。いざというときは、自分が体で蝕みの女王をとめるというのだろう。

 

否。

 

いらない。

 

そうハンドサインを返すと、あたしは詠唱を続行。

 

悲鳴を上げながら、蝕みの女王は、翼を動かして矢の圧力から逃れようとするけれども。

 

そこに、タオが投げたハンマーが直撃。

 

翼を、文字通り打ち砕いていた。

 

「いい加減しつこいよ! 倒れろよっ!」

 

タオの叫び。

 

温厚なタオが、此処までいうのも珍しい。

 

あたしは、詠唱を終える。

 

蝕みの女王を、ついにクラウディアの渾身の一撃が完全に拘束。

 

光の柱が、全てを焼き尽くし。

 

まるで人間のような、無様な悲鳴を蝕みの女王が上げていた。

 

「ギャ、ヒギ、グギャアアアアアアッ!」

 

全身の装甲が。

 

蝕みの女王の全身の装甲が、砕けて行く。光の柱の中で、溶けて剥がれて、壊れて行く。その度に、蝕みの女王の全身から感じ取れる魔力が減っていく。

 

上空で集められていた魔力塊が爆発。

 

周囲に彗星のように、破片が降り注いでいく。

 

爆発がそこら中で起こる。

 

だが、爆発が起こる場所には、誰もいない。

 

誰も生きていない。

 

蝕みの女王が殺し尽くさせたから。

 

いや。その前に古代クリント王国の錬金術師どもが破壊の限りをつくしたから。

 

あたしは、顔を上げる。

 

怒りとともに。

 

クラウディアの光の柱が、消えた。

 

クラウディアが倒れるのを、レントが抱きとめるのが見えた。それだけで充分だ。

 

あたしは、上空に熱槍を出現させる。

 

十四本の熱槍。

 

その全てを、煙を上げながら竿立ちになっている蝕みの女王に向ける。

 

終わりだ。

 

そう呟いて。

 

「ヘブンズ……」

 

明らかに、怯えの様子が蝕みの女王に浮かぶ。

 

それが、あたしの怒りを更にかき立てた。

 

この感情、覚えがある。

 

理不尽に弱者をいたぶっていたゴミのような奴が。反撃を喰らった時に。酷い事をされたとか思った時の顔だ。

 

あたしよりみっつ年上の、護り手をしていた男にこんな奴がいた。そいつは護り手の立場をいい事に牧童をしていた同年代の男の人に暴行を加え続けていて、いつもへらへら笑っていた。そしてある時、たまりかねた牧童が振るった棒が、たまたま顔面を直撃したのだ。

 

牧童だから、剣を振っているだけの奴よりも力そのものはあった。顔面から血が流れたと、わめき散らしている其奴の顔は忘れられない。あれだけ無茶苦茶やったのに、被害者ぶって牧童を悪と決めつけ。挙げ句の果てに、剣を抜いて斬ろうとした。

 

一連の事をみていたあたしが熱魔術を叩きこもうとする寸前。

 

そいつの腕を、アガーテ姉さんが切りおとした。そしてそいつは、クーケン島を追放された。

 

追放されるときも、俺は遊んでやっていただけなのに顔を傷つけられた。俺は悪くない理不尽だと最後まで喚いていた。噂によると、一年くらい後に遠くの街でも同じように他人に暴力を振るおうとして、返り討ちにあって殺されたらしい。

 

死んでもなんとも思えないような輩は幾らでもいる。そういう輩の一人。最悪の人間。

 

そしてこいつ、蝕みの女王もそれそっくりである。最悪の人間そのものだ。

 

フィルフサに、どうしてこういう最悪の人間の要素が宿ったのかは分からない。

 

或いは、養分として、模倣した中に人間の要素があったのか。

 

それとも。

 

あたしは、総力で。

 

全火力を解放していた。

 

「クエーサーっ! 焼き尽くせ!」

 

一本で石造りの家屋を粉砕する熱槍が、千本収束したものが。十四、収束しながら、なんと背中を向けて逃げ出そうとする蝕みの女王に炸裂する。

 

光に溶けながら、蝕みの女王は、泣き言のような悲鳴を上げていた。

 

こんな奴のために。

 

あの、最後まで盾になろうとした、誇り高い将軍は死んだのか。

 

種族として王種を守らなければならないのはあったのだろうが。

 

それにしても、それではあまりにも報われないではないか。

 

あたしは、怒りに更に火力を上げる。

 

最後の熱槍が、背中から完全に蝕みの女王の装甲を打ち抜く。本来は魔術は効かない筈だが。

 

あの将軍との戦いの時に。

 

最終局面で、通るのを見ている。

 

或いはだが。

 

許容範囲を遙かに越えた魔力だったら、フィルフサにも通じるのか。

 

あたしは無言で歩き出す。

 

力なんて、もう残っていないが、それでも充分だ。

 

辺りの地面はあちこち熱で溶けてぐつぐつ言っているが。

 

勿論熱の専門家であるあたしだ。それを踏んで自爆するようなドジは踏まない。

 

灼熱に焼き尽くされて、絶叫している蝕みの女王。

 

あたしのヘブンズクエーサーが完全に威力を発揮し尽くしたあと。

 

倒れる。

 

そして、あたしが至近にいる事に気付いて。

 

手で、顔を庇うような動作を見せた。

 

それが、イジメを行うようなゴミカス野郎の行動とまんま同じであることに、あたしは気付いているが。

 

もう。それはどうでもいい。

 

こいつは、最悪の意味での人間と同じ。

 

存在そのものを、全て抹殺する。

 

蹴りを叩き込む。

 

顔面にめり込んだ蹴りが、文字通り頭を粉砕する。更に踏み込むと、体を庇おうとした腕を吹っ飛ばす。

 

足を踏み砕き。

 

腹を蹴り割ると。

 

むしろ静かな程に、あたしは怒りを込めていた。

 

「反吐が出るよ貴方。 多分、古代クリント王国の錬金術師も、あんたみたいな奴だったんだろうね。 地獄に落ちて。 そして二度と戻ってくるな外道」

 

「ひ、ぎ……っ」

 

最後の声は、人間のもののように思えた。

 

あたしは。もう露出していた核を。

 

その場で、慈悲を掛けずに。

 

踏み砕いた。

 

砕けた核が、膨大な魔力を放出する。

 

もう一度あたしはそれを踏み砕く。

 

完全に粉々になった、古代クリント王国の錬金術師どもが求めた「資源」は。

 

恐怖と怯えの声のような軋みを挙げながら。

 

空に溶け、消えていく。

 

あたしは、煮えたぎる怒りが、霧散していくのを感じた。

 

終わった。この瞬間、なにもかもが。

 

全身が酷く痛む。

 

傷だらけだ。

 

だけれども、勝った。

 

世界を蹂躙し続けて来た、最悪の災厄。災厄の担い手である、フィルフサの王種に。その中でも特に危険な、蝕みの女王に。

 

やっと一つだけ償えた。

 

古代クリント王国の錬金術師どもが、エゴのまま振る舞って、世界を無茶苦茶にした罪を。

 

ぼんやりと、晴れゆく空をみやる。

 

彼方此方から光が差し込んでいて。

 

フィルフサがいなくなった土地を、それは照らしているようだった。

 

 

 

残っていた薬を惜しまず使って、皆の治療をする。気を失っていたクラウディアが一番深手だったが。

 

薬を惜しまず、深めの傷から治療する。

 

レントも、骨が見える程抉られている傷があって。それはリラさんも同じ。

 

アンペルさんも、おなかから内臓が見えそうな傷が出来ていた。

 

みんなの傷を、とにかく深手から治療する。

 

そして、あたしは。自分の傷にも、薬をねじ込んでいた。

 

それで、横になる。

 

晴れが拡がり始める。

 

思い切り、雨で押し流したからなのだろう。おぞましい紫に染まっていた空が、少しずつ青を取り戻し始めているようだ。

 

だけれども、それでも向こうの空はおぞましい紫のまま。

 

まだまだ、たくさんの水が奪われていて。

 

多くは、あたし達の世界で、誰も何も考えずに使っている。

 

いびつな搾取の結果のあのおぞましい色。

 

そう思うと、あたしはやりきれなかった。

 

応急処置を終えると、とりあえずみんな、雑魚寝で休む。

 

将軍との戦闘。

 

それに、続いての王種との戦闘。

 

やっぱり、疲労はピークだったのだ。下が地面だろうと関係がない。体が休息を貪欲に求めていて。

 

更にここしばらくの疲れが溜まっていたこともあるのだろう。

 

あたしは、夢も見ずに。

 

文字通り、皆と雑魚寝して。睡眠で体を徹底的に休めたのだった。

 

目が覚めたとき。

 

雨が降り始めていた。

 

水が戻った証拠だ。普通に何もせずとも、この土地では雨が降るようになっている。流石にこのままだと風邪を引く。

 

皆を起こしていく。

 

クラウディアは全く動かなかったのでちょっと心配になったのだけれど、息も脈もあってほっとする。

 

まずは、無事に残っている施設の内側に移動。

 

本降りになりはじめるまでには、なんとか移動し終えることが出来た。

 

コアクリスタルからお薬を出す。こうしている間にも、体の細かい部分の傷とかはどうしても分かる。

 

レントには諸肌を脱いで貰って、傷の手当てをする。

 

あたしも、男衆から隠れて、体に着いた傷の手当てをする。錬金術の薬で回復しなければ、一生ものの傷も多い。

 

クラウディアも影に引きずっていくと、服を脱がして確認。

 

やっぱり傷が幾つもある。どれも、薬をねじ込んで、治しておいた。

 

一段落したな。

 

そう思うと、周囲を見る余裕が出来てくる。リラさんは平気で脱ぎそうだったので、こっちに来て貰う。

 

まあ、アンペルさんがそういうことがあると時々遠くを見るような目で言っていたので。

 

余裕がないときは、それも仕方がないだろうが。

 

今は、余裕が出来ている。

 

薬で回復した後は栄養だ。

 

ワイバーン肉はもうない。というか、荷車はほとんどすっからかんだ。

 

一度、アトリエに戻る必要があるだろう。

 

すぐに門を閉じるわけにはいかない。

 

まだまだ、事後処理が残っているからだ。

 

「ライザ……?」

 

「あ、クラウディア。 起きた?」

 

「うん……。 勝ったんだね」

 

「勝ったよ。 本当に……くだらない奴だった」

 

あたしがそう呟くと。

 

クラウディアは寂しそうに笑った。

 

動いて貰って、痛いところがないかを確認して貰う。大丈夫なようだ。これならば。しっかり食べて数日休めば。

 

アトリエでお薬を調合して。

 

それも含めて、回復出来るだろう。

 

手を叩く。

 

「雨が止み次第、戻るよ」

 

「ライザ、いい?」

 

「どうしたの」

 

「この場所にはもう来ないだろうから、回収出来るものは回収しておこう」

 

「……そうだね。 川を渡るのも面倒だろうしね」

 

そうなると、皆の動きは速い。

 

まずは、書物などはタオとアンペルさんが集め始める。それほど無事に残っている書物は多く無い。

 

あたしは、クラウディアやリラさんと協力して、死蝋になっている此処で殺された人の亡骸を集める。

 

錬金術師らしい死体はなかった。

 

まっさきに皆を見捨てて逃げたと言うことだ。

 

どこまで反吐が出る連中なのか。

 

戦士らしい死体もあった。アーミーの人だったのかも知れない。此処で命を落とさなければ、家族の元に帰れたかも知れないのに。

 

屍を外に集めて、そして燃して弔う。

 

弔いの言葉は、あたしもクラウディアも知っている。リラさんは歌い始める。オーレン族の間では、歌が大事な文化である事はあたしも知っている。だから、それでいい。弔いというのは、死者の信仰にあわせるのではない。

 

その場で、最大の誠意を尽くすものだ。

 

たまに異教の弔いをうけるなんて許せないとかぬかす輩がいるらしいが。

 

そんなのは、淫祠邪教の徒だ。

 

相手にする必要もない。

 

ともかく、死者を焼き弔うと。

 

灰は埋めて。墓を作った。

 

墓標も作る。石をリラさんが運んできたので、そこにあたしが熱魔術で文字を刻んだ。

 

「世界の犠牲になった者達は此処に眠る。 せめて魂の安らぎがあらんことを」

 

これだけでいい。

 

他にも幾つか文言は思いついたが、はっきりいってそれを書こうとは思わなかった。

 

周囲の地面も探して、骨があったら同じ場所に葬ろうと思ったのだが。

 

ここはずっとフィルフサの苗床だったのだ。

 

完全に白骨化した亡骸が少しだけ見つかったが。それだけだった。

 

蝕みの女王の残骸は、ふきさらしでいいだろう。

 

あれは雨に打たれて朽ちていくのがお似合いである。

 

だが、将軍の残骸は、完全に焼いて灰にした後、同じように弔った。あの将軍は、同じように戦士だった。

 

だから、弔われる意味があると思う。

 

敵であっても、敬意が払える相手には、敬意を払うべき。

 

当然の話だった。

 

アンペルさん達の所に戻る。アンペルさんが、あたしを呼んで。それを見せてきた。

 

「ライザ。 これを」

 

「!」

 

「蝕みの女王の核だ。 お前が踏みつぶして粉々にしたから、回収しておいた」

 

「アンペルさん。 これは……」

 

あたしも、感情を抑える。

 

これを使ったら、古代クリント王国の錬金術師と同じだ。

 

そういいたいのを、ぐっと堪える。

 

クーケン島の動力は、はっきりいってまだ応急処置をしただけ。他にも、核の残骸はいくらでも必要になるだろう。

 

これは、受け取っておくべきだ。

 

強い怒りを感じるが。

 

それでもあたしは。

 

大きく息を吐くと、アンペルさんが渡してくれたものを受け取り、荷車に詰め込んでいた。

 

本がそれなりの量ある。

 

まだ痛んでいない本があったので、全て回収しておくそうだ。

 

まずアンペルさんとタオが目を通すという。

 

錬金術のレシピなどがあったらくれるそうだが。

 

どうせ、ろくでもない本も混じっているだろう。

 

色々と、気が重かった。

 

その後は、一度撤収する。

 

キロさんが、門の側で出迎えてくれた。

 

「戻ったのね」

 

「はい。 ……蝕みの女王、討ち取りました」

 

「勝つと信じていたわ。 良き錬金術師ライザ」

 

「いえ……」

 

あの戦いの時。

 

あたしは、あまりにも醜悪な人間に似た行動を見せる蝕みの女王に、生まれて始めてに近いほどの怒りを叩き付けていた。

 

それが良い事なのか悪い事なのか。

 

どちらかといえば、良い事だとは思えない。

 

咳払いをすると、続ける。

 

「まだ門は閉じません。 幾つかの処置がありますので」

 

「ええ。 水を操作する装置や、それに……」

 

「フィルフサの核を回収しておきます。 残骸ですが、彼方此方に散らばっていますから」

 

「そうね。 貴方たちの故郷も、大変な事になっているようだし、仕方がないわ」

 

あたしの怒りと哀しみを感じたのだろう。

 

キロさんは、そう慰めるように言う。

 

雨は、降ったり止んだり。

 

この土地は、ずっと水に餓えていた。しばらくは。こんな感じで、雨ばかりの日が続くのだろう。

 

門を潜る前に、水源に案内して貰う。

 

水源になっている土地には、ほんの僅かだけ、野草が生えているようだった。ここに、装置を設置する。

 

後は、枯れかけている水源に水が戻るように、何回か調整した後。後は、水を放出し続けるように設定した。

 

「これで一年ほどで、此処から搾取された水は全て戻るはずです。 その後は、これは……内部のこの玉を破壊してしまってください。 勿論あたしが出来るようなら、そうしますけれど」

 

「ふふ、何から何までありがとう。 この水源に水が的確に供給されるようになれば、後は少しずつ自然の回復力が、全てを失った土地を回復させていくはずよ」

 

「あたしも手伝います。 これでも、農家の娘ですので」

 

「……ありがたいけれども、目処がある程度つくまででいいわ」

 

キロさんは、これから離散した聖地の民を探すという。

 

というよりも。

 

聖地に雨が降ったことは、恐らく遠くからでも見えている筈だろうと。

 

そうなれば。各地に隠れ潜んでいたオーレン族が此処に戻ってくる可能性は高い。

 

ここに住んでいたオーレン族は、霊祈氏族だけではない。

 

他にも、様々な氏族が暮らしていた。

 

彼ら彼女らも、戻る可能性があるという。

 

中には、植物を専門に扱う氏族もいたという。

 

そういった氏族の者が来てくれれが、後はオーレン族だけでどうにか出来ると言うことだった。

 

「分かりました。 その時には、門を此方から閉じます」

 

「ええ。 まだ少し時間があると思うけれど、それでも言わせて。 貴方は、古代クリント王国の錬金術師とは違う。 表では笑顔で近づいて来て、裏では私達を騙す事だけ考えていたあの傲慢で残忍な者達とは。 それだけは自信を持って。 良き錬金術師ライザ、いえライザリン。 私は貴方を友と思うわ」

 

「ライザ、オーレン族にとっての最大の友誼の意味だ」

 

「ありがとうございますキロさん。 私も、貴方を友達だと思います!」

 

頭を下げる。

 

多少、気持ちは楽になったかも知れない。

 

後は、一度アトリエに戻る。

 

みんなで順番にお風呂やトイレを使ったあと。一晩だけ休んで。

 

そして、後は。

 

後始末を開始した。




愚かなる王種「蝕みの女王」

明らかに悪意を持ち、そして故に身を滅ぼした。

討滅完了。

勝利です。
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