暗黒錬金術師伝説9 暗黒!ライザのアトリエ   作:dwwyakata@2024

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アトリエを作る為の、突貫工事開始です。

元々ライザはクーケン島で色々な小遣い稼ぎをして様々な作業の経験はそれなりにあります。

そこに錬金術が加わったのです。

文字通りの鬼に金棒、ライザに錬金術ですね。

ただし、まだこの時期には、後の時代ほどの凄まじさではありませんが……


1、着工開始

小妖精の森で、新しく作った斧を振るって、枯れ木をどんどん切り出していく。木材なんて、その辺に幾らでもあるわけではない。

 

ましてや生木を使うわけにもいかない。

 

魔物だらけの森だといっても、ここが保水林であり。対岸の生物にとっては生命線になっているのも、あたしには分かっている。

 

だから、基本的な事。

 

枯れ木を切り出す。

 

生木には手を出さない。

 

これは、絶対の事として、遵守していた。

 

そして石材を片っ端から持ち帰って、どんどん調合する。

 

成形して、必要な部材に変えていくのだ。途中、何度か魔物とやりあったが。心配だったクラウディアは、特に血の臭いを嗅いでも吐くこともなく。

 

初陣では冷静に矢を放って、鼬の頭に直撃させていた。

 

これなら、大丈夫だろう。

 

後は、自分で殺す事を経験すれば、もっと伸びるはずだ。

 

そう思いながらあたしは、皆と一緒に資材を持ち帰り、どんどん調合して部材を増やしていくのだった。

 

お父さんとお母さんは、両方とも心配そうにしているという事だが。

 

少なくとも、お父さんはいつものマイペースなままだ。

 

今日も畑と楽しそうに会話している。

 

それを見て、見てはいけないものを見たように去って行く人もいるけれど。

 

お父さんが本当に腕が良い農夫であるのはこの島の周知の事実。

 

奇人である事は、多少は我慢しなければならなかった。

 

むしろ一番心配そうにしているのはお母さんだが。

 

そもそも、あたしはこの間のバレンツ邸での仕事や。

 

旧市街での大仕事で。

 

一気に錬金術というものを使うという事を周囲に知らしめた。

 

それにアガーテ姉さんがフォローしてくれた事もある。

 

あまり強くは言い出せないようだった。

 

だがそれも限度がある。

 

今のうちに、やれるだけやっておかなければならない。

 

木くずをどんどん釜に投入している様子を見て、クラウディアが言う。

 

「それであんなに頑丈な木材が仕上がるんだから不思議だわ……」

 

「ふふ、そうだよね。 あたしも錬金術を理解する前だったら、絶対に驚いていたと思うよ」

 

「そうね。 じゃあライザ、私達で運んでくるわ」

 

「気を付けてね」

 

レント達が木材を運んでいくのを見送る。

 

どれも基本的に小分けに成形して、それを現地で組み合わせる仕組みを取る。

 

本来はそれだと耐久性に問題が出てくるのだけれど。

 

其処であの接着剤だ。

 

千年はもつ、極めて強力な接着剤で。成形したパーツを、一つずつ組み立てて行く。

 

それがアトリエ建築の、最後の難関になるだろう。

 

だが、それでも出来る筈だ。

 

今のあたしには、全ての書物が錬金術のレシピに見えている。

 

その内食べ物も作れると思う。

 

一心不乱になって調合していると、もうレント達が戻って来た。というか、集中しすぎて時間が経つのに気付けていなかった。

 

直射日光を浴びると、この島暮らしのあたし達でも倒れかねない。

 

今調合しているのは、直射日光を浴びない暗がりだが、それでも暑い。

 

一度湧かした水を飲み干す。

 

ぬるくて、うえっとなったが。

 

こればかりは、どうしようもなかった。

 

汗がどっと出てくる。ハンカチだと拭いきれない。それこそ服を脱ぎたい気分だが、そこまで女を捨てていないつもりだ。

 

ちょっと座り込むと、魔力の流れを調整する。

 

そうすることで、だいぶ楽になる。

 

あたしは魔力量が今もどんどん増えている。

 

その膨大な魔力を用いて、体を調整する事で、結構体内の状態を良くすることが出来るのである。

 

クラウディア達も、それを見て一旦休憩に入る。

 

そろそろ、最後の船での行き来になるだろう。

 

あまりもたついてはいられないのだが。

 

魔力の調整をしっかりしておかないと、調合をミスするかも知れない。

 

そうしたら、全てが無意味である。

 

魔力を調整。

 

立ち上がると、調合に戻る。計算したことは、全て頭に入っている。

 

調合を開始しつつ、運ぶ物資を頼む。

 

「そこの木材は向こうに運んで。 お願いね」

 

「よーし、今日の力仕事はこれで最後だな」

 

「石材だと腰が砕けそうだったけど、木材だとまだマシだね……」

 

「それでも手袋しないと、手をざっくり切りそうで怖いわ」

 

皆が口々に言いながら、物資を運んでいく。

 

あたしは調合を再開。

 

そろそろ、今日は終わりかな。

 

そう思った時だった。

 

医者をやっているエドワードさんが来る。この閉鎖的な島でも、基本的に頼りにされている人だ。

 

既に頭がはげ上がっている年老いた医師だが、そもそも何だかの理由でこの島に来たらしい。それ以降は、よそ者がどうのこうのと口にする古老すらも、この人の悪口をいわない。

 

献身的な名医であり、基本的に誰もがエドワードさんを信頼していた。

 

クラウディアの話だと、更に閉鎖的な集落だとこう言う人でさえ追い出しに掛かる場合があるらしいが。クーケン島は、そこまで墜ちていないと言う事だ。

 

丁度レント達も戻って来た。あたしを見つけると、緊迫した様子で早歩きで来た。

 

「ライザ、丁度良い。 頼まれてくれるか」

 

「はい。 どうかしましたか?」

 

「急患だ。 護り手が魔物にやられた。 うちにある薬だと足りない。 例の薬を出来るだけ作ってくれ」

 

頷く。

 

勿論アトリエ作りは急務だが。

 

人命が最優先だ。

 

即座に頭を切り換えると、保管してある薬草類を取りだす。状態を聞きながら、調合を開始。

 

「手足を失ったような人はいないですね」

 

「ああ、薬は」

 

「今作ります。 もっと改良した奴を」

 

「そうか、ありがたい。 できあがり次第、医院に来てくれ。 私は患者を見ている」

 

調合を進める。

 

薬効成分だけでは駄目だ。

 

それをあたしは、最近学んだ。

 

アンペルさんに貰った本、更に自分でまとめたメモには、ランクごとに様々な薬剤が記載されている。毒消しなどにも使えるものから、単純に患者の体力を戻したり、傷を修復したりするものまで。

 

魔物との戦闘となると、毒物を注入されたり、なんだか厄介な傷を受けている可能性もある。

 

よく分からないが、不衛生な傷を受けると、それだけで人は死ぬ可能性があるらしく。

 

魔物の中には、わざと牙や爪を不衛生にすることで、相手を死に至らしめる事を行う者までいるそうだ。

 

だから傷を受けた場合。

 

傷を焼く事もある。

 

とにかくあたしは、薬を薬効に分けて作る。毒消しも作って、それで荷車に積んで、エドワードさんの所に出向く。

 

その間、クラウディアにはお湯を沸かして貰い。

 

タオには布を集めて貰った。

 

全て集めた後、荷車をレントに引いて貰って、現地に直行。

 

あたしは体力を温存する。

 

魔力はなんぼでも使い路がある。

 

熱魔術が基本のあたしだけれども。

 

それ以外も、今の魔力量だと出来るかもしれないからだ。

 

エドワード先生の病院に到着。

 

うんうん呻いている声。

 

何人かやられたらしい。この間ドラゴンが出てから、更に護り手の負担が増えているそうである。

 

連日あたし達も、素材集めと並行して対岸の魔物は削っている。

 

それでも追いつかないのだろう。

 

すぐに手当て開始。

 

レントが患者を抑え込み。傷口を確認。とりあえずやばそうな毒は受けていないようすだ。

 

傷薬を塗り混みながら、あたしはエドワード先生に聞く。

 

「何にやられたか、話は聞いていますか?」

 

「鼬の群れだ。 最近どんどん街道の方に集まっているらしい。 それも異様に殺気立っているという話でな」

 

「どういうことなんだろう……」

 

ボオス達と勝負したときも、そういえば鼬ばっかりいた。

 

あれらはそもそも群れで行動する魔物だが。そもそも他の魔物の縄張りもあるし、移動を常にし続けるわけでもない。

 

どうしてこんなに。

 

しかも繁殖期とはだいぶ時期もずれている。

 

それを考えると、非常に不可解だった。

 

一人目、処置終わり。

 

痛み止めのお薬も調合してきたので、飲んで貰う。荒々しい男性の護り手だが。それでも相当に厳しかったようで。

 

傷が治り、痛みが消えたので、感謝の言葉を述べてきた。

 

「すまねえなライザ。 お前のその薬、本当に助かる」

 

「錬金術ですよ」

 

「そうか、その何とか術、今後も頼りにさせてもらうぞ……」

 

エドワード先生が声を掛けて来る。

 

こっちだ、と。

 

すぐに其方に行く。

 

応急処置は終わっているが、傷口が熱を持っている。ちょっと良くない状態かもしれない。

 

「レント、抑えていて」

 

「ああ!」

 

「タオ、布! 噛ませて! クラウディア、お湯で布を濡らして、患者の汗を拭いてあげて!」

 

「分かった!」

 

クラウディアは鉄火場に青ざめていたが、それでも指示を受けてちゃんと動く。

 

指示がなくても動けるのが理想だが。

 

それは理想だ。

 

それが出来ないと役立たず呼ばわりするのは、色々と求めすぎである。

 

とにかく、指示を出して、動いて貰い。

 

レントが護り手の体を押さえつけ。タオが布を噛ませた時点で、あたしが熱魔術を発動。

 

患者の胸から腰に掛けて、ざっくり切り裂かれていた傷を、焼く。

 

患者の体が跳ねた。

 

痛いに決まっている。もがいて、呻いている患者に、エドワード先生が叱咤の声を掛ける。

 

あたしは傷口を焼き終えると、即座に薬を塗り込む。

 

持ち込んだ一番強い薬だ。

 

傷が、文字通り消えていく。消毒では無理だった毒素を、あたしが焼き切って。それでダメージを抑え。

 

薬で傷を回復させたのだ。

 

ただ、それで患者の体力が尽きてしまったようで。ぐったりとして気絶する。

 

女性の護り手だから痛みには強いはずなのだが。それでも、流石に今のはきつかったのだろう。

 

気絶している彼女の口に、口移しで毒消しを入れる。

 

クラウディアが口で手を押さえていたが。汗をすぐに拭い始めていた。

 

あたしよりちょっと年下の女性戦士だ。

 

まだ護り手に入って日も浅いだろうに、こんな戦場に繰り出されて。

 

傷口の状態をエドワード先生が確認。

 

冷や汗を拭っていた。

 

後は、それほど状態が酷い人はいなかった。アガーテ姉さんが来る。軽傷で、意識がある戦士から状況を聞いて、青ざめていた。

 

「それほどの被害を出したのか」

 

「ライザ達がいなかったら、何人かは死んでいたかと」

 

「くっ……」

 

呻くアガーテ姉さん。

 

アガーテ姉さんは、別働隊を率いて掃討任務を行っていたようなのだが。それがこんな事になるとは。

 

「後はあたし達で多分どうにかなります。 アガーテ姉さんは、自分の仕事をお願いします」

 

「分かった。 ライザ、頼むぞ」

 

「合点」

 

クラウディアは指示を受けて、血だらけの布を受け取って運んでいく。

 

洗濯は専門の魔術を使って念入りに行うのだ。

 

その後、夜遅くまで作業を行って。どうにか、急患の全員の救命に成功した。ぐったりしているあたしに、エドワード先生が声を掛けてくれる。

 

「ありがとう。 何人かは本当に再起不能になるところだった。 ライザのおかげだ」

 

「いえ。 あたしももっとこの状況を見て、薬を作る腕を上げておきます」

 

「今でも充分に凄い薬なんだがな……」

 

「今回の品は置いておきます。 必要に応じて使ってください」

 

傷薬の効き目に応じて、既に説明書きはしてある。

 

毒消しも置いておく。

 

お金は、いらない。

 

今は、お金よりも錬金術の地位向上が必要だ。

 

残務処理を済ませると、それぞれ家に戻る。

 

既に真夜中になっていた。

 

お父さんは起きていて、スープを温めてくれていたので、有り難くもらう。

 

「聞いたよ。 エドワード先生の所で大活躍だったそうだね」

 

「いや……あたしも護り手の人達とは、知り合いだし。 それに、あたし達ももっと魔物を駆除しておけば、この被害は抑えられたかも知れないし」

 

「それでも立派だよ。 ただ、お母さんはとても心配しているから、それは忘れないようにな」

 

分かっている。

 

ただ、今回の件もある。

 

もう少し、認めてほしい。

 

それが本音だった。

 

 

 

翌日は、早朝から集まる。クラウディアは昨日の鉄火場でも、勇敢に働いてくれた。バレンツのお嬢さんが、島のために働いてくれた。そういう噂がもう流れているらしく、バレンツ商会への評判が更に良くなっているそうだ。

 

それと同時に、モリッツさんが更に阿諛追従を強めているらしく。

 

とにかく街道の安全を確保しろとアガーテ姉さんに恫喝同然に指示。

 

ついにブチ切れたアガーテ姉さんが剣を抜きかける事態にまで陥ったらしい。

 

それはそうだろう。

 

護り手は何人も死にかけたのだ。

 

流石にこれ以上は看過できないというのも本当だ。

 

ため息をつく。

 

とにかく、アトリエを作る。

 

そしてアトリエを起点に、対岸。街道近くの魔物の大掃除が必須だ。今は物資の補給拠点が此処だと言うこともあって、とにかく時間を無駄にしまくっている。

 

最悪、アガーテ姉さんにアトリエの事は伝えておくべきか。

 

そんな事を考えながら、調合を開始。

 

レント達は、早速輸送を開始してくれていた。

 

柱、終わり。梁も作っておく。

 

次は壁。

 

壁は窓などを作れるように、多少の遊びを設ける。

 

基礎がしっかりしている上、柱は尋常では無くがんじょうな合板だ。

 

だから多少、壁が緩くても建物は崩れたりしない。

 

少し考えてから、あたしは鉱石を調合して、硝子窓を作る。ちょっとしゃれた窓だ。少しくらいのお洒落は良いだろう。

 

アトリエの内部は、敢えて殺風景にする。

 

そうすることで、皆が色々持ち寄って、好き勝手に改造できるようにするためだ。

 

灯りの確保は、何カ所かの窓で行う。

 

それだけで充分だろう。

 

夜なんかは、ランプを使えば良い。

 

ランプは燃料式と魔術式があるが、まあ今なら魔術式のランプを錬金術で作ればいいだけだ。

 

いずれにしても、窮屈な屋根裏から、今後は拠点を対岸に移す。

 

そしてまず最初にやるのは、近辺の魔物の駆逐だ。

 

ただ、あたしには不安もある。

 

鼬が大挙して押し寄せていることもあるし。

 

この間のドラゴンの事もある。

 

何より、アンペルさんとリラさんから警告された、戦闘を避けろと言われた魔物。

 

灰色の装甲を身に纏った存在。

 

それが何なのかは知らないが。

 

もしも全てが一つにつながっているのだとしたら、恐らくは、ろくでもない事になるだろう。

 

調合を一つずつやっていく。

 

ブロンズアイゼンの研究も進めたい。だが、今はこっちが先だ。

 

兎に角膨大な単純作業をこなさなければならないが、それでも今後の事を考えると必要な投資である。

 

クラウディア達が戻って来たので、運ぶ物資を頼む。

 

そろそろ昼メシだと言われたので、そうすることにした。

 

対岸で野ウサギを皆が仕留めていたので、それをみなで食べる。

 

兎をばらす過程についても、クラウディアは教えてと言ったので。順番に説明をしていく。

 

線が細いお嬢様に見えて、クラウディアはこの辺りは全然平気なようで。

 

すぐにナイフを使って、兎をばらす作業を自分でやってみたいと言い出した。

 

たくましい。

 

それとも、本当はこっちの方が素で。

 

深窓のお嬢様という方が、窮屈すぎる檻だったのかも知れない。

 

みんなで兎を焼いて食べた後。

 

少し休憩をしつつ、進捗について話す。

 

「アトリエの素材はどうなんだ?」

 

「後は壁と屋根だけだよ。 壁はさっきはこんだので残り半分くらい」

 

「お、今日中にいけるか?」

 

「多分ね。 ただ、エドワードさんの所に運ばれて来た護り手の事もあるでしょ。 明日は朝一に、大規模な掃討作戦をやろう。 今のあたし達なら、鼬の群れくらいだったら……」

 

そう、鼬の群れくらいならなんとかなる。

 

クラウディアも足を引っ張らない程度の力は充分につけてきた。まだあたし達と互角とまではいかないが。それでも支援中心に立ち回れば、充分。前衛はあたしとレントがやればいい。

 

問題は他の魔物が出た場合。

 

特にアンペルさんとリラさんが警告していた奴が出た場合だ。

 

それについても、皆と話す。

 

レントは、大きく頷いていた。

 

「分かった。 そういうときの撤退戦にも、今から作るアトリエは有用だろうな」

 

「あの広間、どうしてか魔物が入ってこないからね。 ただそんなタチが悪い奴だとどうなるか……」

 

「その時は船で逃げましょう。 拠点はもったいないけれど、仕方が無いわ」

 

クラウディアの現実的な提案。

 

頷くと、あたしは食事を終えて立ち上がった。

 

さて、残りの作業を終える。

 

今日中に。

 

アトリエの部品を、作りあげる。そして、対岸に運び終える。

 

組み立ても、恐らく丸一日かかるとみて良い。

 

アトリエを組み立てても。

 

それでも、まだまだやる事は幾らでもある。

 

だけれども、それでできる事が一気に増えていくのだ。

 

そう思えば。

 

苦にはならなかった。

 

黙々と調合を進める。屋根は撥水が必須になるだろう。これからしばらくは雨とは無縁の季節が来るが。

 

それはそれとして。

 

長期的にアトリエを使うとなれば。

 

絶対にその機能は必要だ。

 

ただ、最悪接着剤を使えば良い。あれには撥水機能があるので。

 

材料を見ながら、調合を進めていく。屋根剤を作って、そしてエーテルを揮発させて。またエーテルを絞り出して、釜に注ぐ。

 

呼吸を整えながら、錬金術を続ける。

 

要素を混ぜて。

 

要素を付け足して。

 

成形する。

 

その作業は、楽しい。

 

だが、同時にどうしても体力を消耗していく。

 

クラウディア達が戻ってくる度に休憩を入れ。軽く雑談をした後、残り少しだと自分に言い聞かせて作業を行う。

 

エーテルを絞り出すのは、だいぶ楽にはなって来ている。

 

連日エーテルを絞り出しているから、なのだろう。

 

まだまだあたしの魔力量は上昇する。

 

そうすればできる事だって増える。

 

調合を続ける。

 

そして夕方には。

 

部品は、作り終えた。

 

予備の部品も含めて。

 

後は、皆で対岸に物資を運ぶ。組み立ては、明日の掃討戦を終えた後。また、一つ。

 

転機をあたしは迎えようとしていた。

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