暗黒錬金術師伝説9 暗黒!ライザのアトリエ   作:dwwyakata@2024

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ついにボオスは血迷った行動に出ます。

しかし、それも全てアンペルさんはお見通しだったのです。


1、亀裂は拡がる

アンペルさんの想像通りになった。

 

島に戻ってみると、露骨に空気が変わっていた。漁師の何人かが、あたしの事を睨んでくる。

 

島の老人も、ひそひそしていた。

 

「怪しい呪いで魔物を呼び寄せているというのは本当かねえ」

 

「しっ。 何をやったかは分からないが、それでもあのドラゴンを斃しているのは事実なんだ。 もしも機嫌を損ねたら、何をされるか……」

 

「昔は悪ガキなだけだったけれど、恐ろしい」

 

「とにかく、視線を合わせてはならん。 ドラゴンを斃したくらいだ。 魔物くらい、自由に操れるのかもしれん」

 

無茶苦茶だ。

 

あたしは全て聞こえていた。

 

クラウディアが、前に出かけるが。肩を掴んでとめる。

 

クラウディアが、結構義憤に駆られるタイプだというのは、あたしも知っている。

 

「ライザ、いいの黙っていて」

 

「まずは情報を集めよう。 決定的に空気が変わったのは事実だね。 二人一組で動いて、情報収集から。 あたしはクラウディアと動くよ。 あたしは護り手の詰め所と、それと港で白髭おじいちゃんから話を聞いてくる。 レント、タオ、そっちはボーデン地区から知り合いを訪ねてみて」

 

「分かった、行こうぜタオ」

 

「うん。 ライザ、クラウディア、気を付けて。 何が起きるか分からないからね」

 

勿論気を付ける。

 

まずは護り手の詰め所に。

 

この間の件もある。視線は、幸い老人や漁師の一部が向けてくるものほど、冷たくはなかった。

 

ウラノスさんが詰め所にはいなくなってしまったが。

 

今後、ウラノスさんは後継者の育成と、ご意見番に徹してくれるそうだ。ウラノスさんは、自分はもう引退するつもりだったのだと、満足そうだったということである。

 

アガーテ姉さんがいた。話を聞くと、あっさり話してくれた。

 

「島が妙な空気になっているだろう。 身を守ることは問題ないと思うが、くれぐれも早まるなよ」

 

「はい。 それで何が起きているんですか?」

 

「錬金術師殿……アンペル殿といったか。 あの方が、お前をたぶらかして、更には魔物を操って島周囲の魚を全て食い尽くさせたとかいう噂が流れている」

 

「ああ、やっぱり」

 

不漁をネタにしてくるだろうとは、アンペルさんも予想していたが。

 

予想以上に直球勝負で来たものだ。

 

恐らくだが、モリッツさんは相当に焦っていると見て良い。

 

しかし、老人達の様子からして。

 

モリッツさんに対する反発はあるが、それ以上に未知への恐怖が勝っているのだろう。

 

敵を作れば集団は団結する、か。

 

昨日、アトリエでアンペルさんが言っていた。

 

人間は多数派であろうとする。

 

そのためには、自分が多数派であるように見せつけようとする。

 

それには敵が必要だ。

 

だから人間は、巧妙なものはいつの間にか。愚かしいものは公然と。敵を作り出す事で、集団をまとめようとする。

 

そういう生物なのだと。

 

アンペルさんは、ずっと長い間フィルフサと戦い。門を閉じるために、孤独な戦いを続けて来た。

 

リラさんが途中で加わったが、それまではずっと一人でやっていた。

 

そう考えると、説得力がある話だ。

 

そして今、目の前でそれが起きている。

 

「私はこの件では中立を貫くつもりだ。 護り手もな」

 

「ありがとうございます。 それで充分です」

 

「島のことをドラゴンからお前達は守ってくれた。 魔物が現れた場合も、私は中立を貫く」

 

ああ、なるほど。

 

それで、モリッツさんを追い詰めることが出来るという事だ。しかも暴発しない程度に、である。

 

なるほど、流石にアガーテ姉さん。

 

前に、ちらっと聞かされた事がある。

 

王都での、ろくでもない人間関係と、派閥争いの話を。

 

そういうのを見て学習したのだとすれば。

 

アガーテ姉さんの言葉には、むしろ色々な意味での哀しみが篭もっているのかも知れなかった。

 

そのまま、港に出向く。

 

白髭おじいちゃんは、無言で船を直していた。船を作るのは大工の仕事だけれども、手入れは普段は漁師がする。

 

ましてや今は魔物の危険がある状態だ。

 

とてもではないが、船を出すわけにはいかない。

 

ただ、護り手が狩ってくる魔物や、放牧地区にいる家畜の肉だけでは限界がある。漁師達に不満が蓄積しているのは、一目で分かった。

 

だから、最初に持ち込んだ肉を分ける。

 

人間はとてもこう言うときは正直で、大喜びでがっつく。

 

ただ一部の漁師達は、あからさまに不審そうに距離を取っている。

 

これは今朝、あたし達が小妖精の森で仕留めてきた鼬と、それに暴れていた羊なのだけれども。

 

なお、小妖精の森には、もうフィルフサの気配はなく。

 

アンペルさんの話によると、あたし達は将軍級以上のフィルフサでなければ戦えるらしいから。

 

油断だけはするなと言われて、狩りに出向いたのだ。

 

「ありがてえ。 本当に支給品がしょっぱくてよう」

 

「あたし達の分は確保してあるので、此処にあるものはその場で食べてしまってください」

 

「おう、ありがとうよ!」

 

「それで、白髭さん」

 

うむと、白髭のお爺さんが立ち上がると。

 

物陰に移動する。

 

軽く話をする。クラウディアは、心配そうに目がぎらついている漁師達を見ていた。あれは肉が不足するとなる状態らしい。

 

「この島の異様な空気、原因に覚えはありますか」

 

「あるもなにも、若いのに昨日の夕方くらいから馬鹿な事を吹き込んでいる輩がおったわ。 まあお前達が想像しているだろう相手よ」

 

「やっぱり……」

 

「錬金術師が怪しい呪いを使ってドラゴンを操って、魔物も操って悪さをしているだの、怪しい呪いをしているからドラゴンが暴れているだの。 どうして馬鹿な事をあっさり信じるのかのう……」

 

クラウディアが顔を上げる。

 

寂しそうだったが。

 

今は、強い決意が顔に出ていた。

 

「人は、自分が信じたいことを信じる生き物だって、私は旅をしてきた最中に学びました」

 

「そうだな、その通りかもしれん。 他の老いぼれどもは、どいつもこいつも言い伝えに従っていれば安楽に暮らせると思っておる。 わしが知る限り、ドラゴンなんて出たのはここ百年で一度きりだ。 何もしてくれたためしがないドラゴンなどにすがって、何にもならないというのにな」

 

「白髭さん。 いや、白髭おじいちゃん! 頼みがあります!」

 

「うむ」

 

中立でいて欲しい。

 

そう言うと、白髭おじいちゃんは、くつくつと笑った。

 

「分かっておるよ。 やり方が幼稚で強引だが、それでもブルネンのはこの島に必要であるからな。 追い詰めすぎてもならん。 ただ、心配なのは息子の方でな。 あれは決定的に心が折れておったな」

 

「ボオスが……」

 

「気付いているかもしれんが、あれはお前さんを女としてではなくライバルとして見ていたようだからな。 決定的に先を行かれたどころか、ドラゴンに蹂躙されるだけだった自分と、ドラゴンを斃したお前さん。 それを比べてしまえば、心だって折れるだろう」

 

「あの馬鹿……!」

 

皆と話して、そういうことだというのは分かっていたが。

 

それにしても、今回の件で一線を越えた気がする。

 

ただ、それでもだ。

 

あたしは、錬金術を捨てるつもりは無い。

 

何となく、ボオスの気持ちは今までの事で分かった。

 

あの事故が起きる以前の関係に戻りたいのだろう。

 

それはかまわない。

 

ただし、錬金術を捨てる事でそれは出来ない。

 

ボオスと話すなら、それしかなかった。

 

「わしの方から、漁師どもに話はつけておく。 できる限り、多くの人間を中立につけておくよ」

 

「ありがとうございます」

 

頭をばしっと下げると、あたしはその場を後にする。

 

向かうのは、ボーデン地区の中央広場だ。其処で、レントとタオと落ち合うことにしている。

 

二人も話を聞いて回っている筈だ。

 

丁度良い時間的な案配だろう。

 

歩きながら、クラウディアと話す。

 

「ねえライザ……何があったの? ボオスくんと、このままだと本当にどうしようもない所まで行ってしまうよ」

 

「後で話すよ。 この件が、一段落したら」

 

「ボオス君と、仲直りした方が良いよ。 二人とも、絶対に意固地になっているし、このままだと絶対悲しい結果になるから」

 

「……うん」

 

分かっている。

 

あの事件は。

 

あたしにも非があったのだ。

 

だけれども、それ以降の積み重ねが悪すぎた。今回の一件を片付けない限り、どうしようもない。

 

合流。レントとタオも、情報を集めてくれていた。

 

「どうだった、レント」

 

「結論から言うと、情報をばらまいていたのはブルネン家の息が掛かった人間が数人。 ボオスとランバーもいたそうだ」

 

「ボオスが直接出て来ているの?」

 

「ああ」

 

白髭おじいちゃんの話をすると。

 

レントは、何とも言えない顔をした。

 

一番激しくボオスとぶつかり合ったのはレントなのだ。特にタオを虐めるボオスを力尽くでとめようと、レントは殴り合いを何度もしている。

 

途中からはレントがボオスより圧倒的に強くなって、喧嘩が成立しなくなって。それからボオスは言葉でのレントとの戦いを選んだ。

 

レントにはザムエルさんというアキレス腱がある。

 

実際ザムエルさんの息子と、レントを毛嫌いする村人はいるのである。当のレントが、一番自身を嫌っているらしい理由もそれだ。

 

「ボオスの奴、心が折れているっていう話だったが……何をたくらんでやがるんだ?」

 

「その……推測だけれど。 アンペルさんと同じ事をしようとしているんじゃないのかな」

 

「ええと、憎しみを自分に引きつけるって事?」

 

「そう。 ボオス君、ブルネンの家を守るために、自分に憎しみを集めて……それで誰か別の後継にブルネン家を譲るつもりじゃないのかな」

 

ぞくりときた。

 

もしそうだとすると、ボオスは死ぬ気かも知れない。

 

確かに決定的にプライドをへし折られた。

 

あのプライドが高いボオスが、である。

 

だとすると、そうなっても不思議ではないけれど。いくら何でも、それは許せない。

 

クラウディアがまつげを伏せる。

 

「ボオス君とはあまり話した事はないけれど、本気でライザ達を憎んでいるようには感じなかったな。 昔は友達だったんじゃないの?」

 

「それは……」

 

タオが言葉を詰まらせる。

 

あたしは、何も言えない。

 

あれは、あたしにも非があった。だから。

 

ただ、今は優先順位がある。

 

ボオスが来る。ランバーもつれている。

 

思わず顔を上げるあたしに、ランバーが手紙を出してくる。ボオスは黙りこくっている。というか、痩せたか。

 

それくらい、窶れている雰囲気だった。

 

「ライザ、その……言いたくはないんだが、これをお前の師匠に渡してくれるか」

 

「ランバー、あたしとそんな風に話すの久しぶりだね。 最近はずっとボオスしかほぼ話さなかったし」

 

「俺は剣を他人に教える事しかできないからな。 それ以外はでくの坊のクズさ。 そんなクズに代理を頼むくらい、坊ちゃんは参ってるんだ」

 

「……」

 

ボオスを批難を込めて見つめる。

 

ボオスは、もう何も見えていないかのようだった。

 

あれは、本当に精神が限界近いのかも知れない。

 

我慢できなくなったらしいレントが、食ってかかる。

 

「おいボオス! ランバーに任せてないで、自分で言えよ!」

 

「やめてくれ。 俺が……やるって言ったんだ。 お前達の悪口をばらまくのもだ!」

 

「ランバー……!」

 

「やめなよレント」

 

ランバーの手から、手紙を受け取る。

 

召喚状だ。

 

アンペルさんに対するもの。

 

本当に、アンペルさんの描いた絵図通りになっている。ただ一つ計算外なのは、ボオスの事だ。

 

アンペルさんの話が本当だとすると、大侵攻とかいうフィルフサの侵略が始まったら、本当にロテスヴァッサどころか、この世界そのものが終わってしまう可能性が高い。乾期は冬の始まりまで続くし、その間雨は殆ど降らないのだ。

 

フィルフサは何もかも殺し尽くして進むという。

 

「将軍」ほど全ての個体が強くないという話は聞いたが。それでもとんでも無い大惨事になるのは確定だ。

 

それに比べたら、ボオス一人の事なんて、アンペルさんにはどうでもいい事かも知れない。

 

だけれどもあたしには。

 

クラウディアの言葉を、無視出来ない。

 

「ボオス。 話、出来ないの?」

 

「……」

 

「坊ちゃんは殆どメシも喰ってないんだ。 もう勘弁してやってくれ」

 

「ランバー……」

 

ただの無能な腰巾着だと誰もが見なしているランバーが。こうも食い下がってくるのは、尋常な事じゃない。

 

いずれにしても、ボオスの窶れ方も異常だ。

 

これ以上は、責められなかった。

 

二人が行くのを見送る。

 

尊大で、いつも暴言を吐いて、タオを突き飛ばしていたボオスが。

 

すっかりしぼんだ様子なのは、今まで対立してきた相手だというのに痛々しい。

 

レントが、声を掛けて来る。

 

「優先順位通りに動くしかねえ。 まずはエリプス湖に入り込んでいるクソッタレな魔物をブッ倒す」

 

「うん……」

 

「その前に、まずは村会に出ることだね。 モリッツさんに、決定的な譲歩を引き出させる必要がある……」

 

この島にも、ろくでもない秘密が隠されている可能性が高い。

 

あの城のように。

 

ドラゴンを仕留めたときの、狂気に染まった目と。最後に解放される寸前の、感謝の目を忘れられない。

 

それに、話を信じるなら。

 

古代クリント王国のやったことが。全ての元凶だ。

 

今はとにかく、古代クリント王国が此処で何をしたのか。どんな余計なことをしたのかも、確認しなければならないだろう。

 

アンペルさんの言う通りだけに動くのでは駄目だ。

 

もっと、先を読んでいかないと。

 

モリッツさんに、禁足地への立ち入り許可を貰いたい。

 

それが現時点での、あたしの狙いだ。

 

だが。アンペルさんは、多分モリッツさんの屋敷を徹底的に調べ尽くしたいと考えているだろう。

 

それを思うと。

 

まだまだ、一波乱も二波乱もありそうだった。

 

 

 

アトリエに戻る。

 

タオがチョークで写してきた資料や。持ち帰ってきた書物、更には使えそうだったがらくたをアンペルさんが確認していた。

 

実は、城の一角には、錬金術の釜らしきものもあったのである。

 

ただ。あくまでそう見えただけで。

 

ただの城用の大きな釜だった可能性もある。

 

だから、持ち帰る事はなかった。

 

一つ。壊れていない分からないものがあったので持ち帰ってきたのだが。アンペルさんは、それを一番価値があると言った。

 

壺から何か生やしているような形をしているそれは。

 

不格好な調理器具にしか見えなかった。

 

「これを見つけるとは運が良いな。 しかも壊れていない」

 

「なんなんですかこれ。 とりあえず持ち帰ってはみたんですが……」

 

「これは古式秘具の一つだ。 トラベルボトルと言われている」

 

「トラベル……? 何処かに旅を出来るんですか?」

 

クラウディアが不思議そうに言うが。

 

アンペルさんはある意味間違っていないと応えた。

 

「これは存在の性質をコピーして、局所的な異世界を作り出す道具だ」

 

「異世界を作り出す!」

 

「だがあくまで局所的な異世界で、世界の広さはクーケン島よりも小さい程度しかない」

 

これで満足してくれていれば。

 

古代クリント王国は、異世界に侵攻などと言う馬鹿な事をしなかっただろうに。そうアンペルさんは嘆息する。

 

いずれにしても、これを上手に使うと、素材を幾らでもコピーできると言う事だ。それも貴重な素材を。

 

更に、もう一つ。

 

鍋を重ねて棒でつなげたような道具も、古式秘具だという。

 

ひょっとしてあの城。

 

宝の山だったのか。

 

だとすると、誰も価値を知らなくて良かったとしか言えない。それに風雨にさらされていたのだ。

 

壊れていなくて良かったとしか言えなかった。

 

「此方はコアクリスタルの拡張版といえるものだが……ちょっと修理と、使うための準備がいる。 もう少ししたら、使えるように私が調整しよう」

 

「お願いします。 その時に説明をしてください」

 

「ああ。 それで、戻って来たという事は、どうせブルネン家からアクセスがあったのだろう?」

 

「……はい」

 

手紙を渡す。

 

召喚状だという手紙を見ると、アンペルさんは鼻で笑っていた。

 

「想像通りだな。 むしろこの手の手紙としては、紳士的な部類だ」

 

「そうなんですか?」

 

「ああ。 一応……拙いが、形式に沿って正式な召喚状となっている。 これは王都の貴族のやり方を真似た……いや恐らくだが、何らかの形で入手した手紙をそのまま名前だけ変えて使っているのだろう。 幾つかの名詞が間違っているな。 紙も、それなりにしっかりしたものを使っている。 高かっただろうに。 恐らくモリッツという御仁、根は悪党ではないのだろうな」

 

「手慣れていますね」

 

呆れてタオが言うが。

 

アンペルさんは、今までにあった非紳士的な召喚例を幾つも出してくる。

 

いきなり武装した男達が家に乗り込んで来たこともあったらしいし。

 

それどころか、家の周りを囲んで火をつけてきたこともあったらしい。

 

ぞっとする。

 

本当に、下手をすれば殺されていた場面だ。

 

いずれもそういう場合は、アンペルさんとリラさんは容赦しなかったらしいが。

 

血の雨が降ったんだろうな。

 

そう思って、あたしは暗澹たる気持ちになる。

 

クーケン島は、まだマシな方。

 

そう言われたことが、何度も頭の中で響いていた。そしてそんなマシな方な場所でも、こんな茶番を真面目にやろうとしているのだ。

 

「一番気をつけるのは、島に渡る時だ。 既にリラが仕込みを終えているが、そろそろ湖の魚を食い尽くした魔物が、いつ襲ってきてもおかしくない。 流石に水中での戦闘は分が悪すぎる。 気を付けてくれ」

 

「分かりました」

 

「よし、出るぞ。 戦闘用の装備は、一通りはこべ。 ただ村会にそれを持ち込むと怪しまれる。 先に、湖岸においておくんだ」

 

時間のロスになるが。

 

それでも、不自然な雰囲気になる事を避けるには、それしかないという。

 

ただ、相手次第ではそのまま手持ちの装備だけで倒してしまってかまわない。

 

そうアンペルさんにも言われた。

 

すぐにとめてある船に乗り込む。

 

あの時の薬は、このために作ったんだな。

 

そう思う。

 

何手も何手も先を読んで動いている。アンペルさんは、ちょっとダーティな手が目立つ事もあるけれども。

 

それでも凄いと、あたしは思った。

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