社会人初めて1カ月、休日の価値が高まっております。限られた自由時間は意義のあることに使いたいものです。
今作の兵器についてなんですが、『KAN-SENの装備以外は近未来』という感じで、『近未来兵器は無限に沸いてくるセイレーン相手にコスパ最悪』という理由で、対セイレーンには積極的に使われていないです。
ただ、KAN-SEN用の現代・近未来兵器は造ろうと思えば割とすぐに量産に漕ぎつけられます。
主のX:
https://twitter.com/brackforkcrow
《烏の巣》――正式名称『多陣営連合海上護衛軍ルルイエ駐屯地』は、メガフロートを多数連結させることで構成された、硫黄島より少し大きい程度の面積を持つ超巨大な人工島だ。
各陣営から供出されたKAN-SEN・人員・兵器が集い、人類を守る最後の砦と言われている。
基地施設や防衛設備、居住・娯楽施設が充実しているのみならず、各陣営の街並みが再現され、彼ら・彼女らがホームシックに陥らないように配慮されている親切設計だ。
機能美だけでなく、自然環境の再現も行われており、未開の大森林を思わせる地帯も存在している。
そんな《烏の巣》の一角――真っ平に舗装され、VTOL機から超大型の旅客機までもがスムーズに離発着できる広大な滑走路。
「これは凄い…」
「竜騎士団のワイバーン発着場とは比べ物にならんではないか…」
4000メートル級の滑走路に立ち、辺りをキョロキョロと見回しながら、ヤヴィンとハンキは驚愕の声を上げた。
クワ・トイネ公国軍にもワイバーンという航空戦力がある以上、滑走路や管制塔といった施設はある。
だが、滑走路は石畳若しくは地面を均しただけのもので、長さも1キロを切る程度。管制塔も煉瓦造りの3階建ての塔…であれば贅沢なものであり、基本は木材を組んで作られた櫓を設置されているのみだ。
今いるこの滑走路や周辺施設ほど大きく、広く、洗練されたものではない。
「クロウ殿。それで…方々に駐騎しているあれらが、もしや我が国の領空へ進入した鉄竜ですかな?」
ヤヴィンが案内を務める黒烏に問う。
彼が視線を向けた先には、大直径のダクテッドファンを2基搭載したVTOL攻撃機――ユニオンの国営企業『クロキッド社』、北方連合の『ムードラスチ設計局』が共同開発した『AH-48"パイソン"』が多数駐機してあり、整備員が点検を行っていた。
彼とヤヴィンは、同機を『クワ・トイネ公国でいうワイバーン的なポジション』としか認識していないが、胴体側面のスタブウィングと主翼下に搭載された大量のロケットポッドに対戦車ミサイル、機首の20ミリガウスキャノン砲を装備した見た目から、かなり物々しい雰囲気が伝わってきた。
「いえ。あれらは貴国へ領空侵犯してしまった機体ではなく――」
黒烏が返答しようとした直後、高空からまるで列車が通過するような轟音が聞こえてきた。
何事かと思わず頭上を見上げる2人の視界に入ったのは……巨大な飛行物体だった。
「んなぁ…ッ!?!?」
「くくく…クロウ殿ッ!?!?あれは、一体…!?!?」
まずはその大きさ。
全長・全幅は100メートル越えという、航空機としては類を見ない巨人機。現代地球で最大の航空機であるAn-225"ムリーヤ"を優に超える大きさだ。
「…丁度いいですね。あの方に説明させます。ついでに、歩兵が装備している携行火器についてもお教えいたしましょう」
巨体が巻き起こす突風でサラサラと揺れる銀髪を抑えながら、黒烏は着陸した巨体に向かって歩き始め、慌てて2人もその後へ続くのだった。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
(いや…本当に、何という大きさなのだ…これが宙を舞うなど…)
(翼もないのにどうやって飛んでいるのだ?あの翼に付いている筒が動力なのか?)
巨大なギアを降ろし、路上に着陸した巨体を見上げる2人。ヤゴウはシンプルにその巨体に驚き、ハンキはワイバーンのように翼をはためかせることなく飛ぶ物体の原理を必死で理解しようとしていた。
「こちらはAn-142MDと呼ばれる大型戦略爆撃機で…」
黒烏が説明しようとした瞬間、蒸気が噴き出るような音を立ててAn-142MDの胴体下面が開き、タラップが降りてきた。
次いで、漆黒を基調とした軍装を纏った兵士が降りてくる。彼ら・彼女らは黒烏やクワ・トイネ公国使節団の姿を認めるや、直立不動の体勢で一斉に敬礼。規律の成ったその動きに、ハンキは感心した。
(しかし、男女問わず美人ばかりだ。それに若い)
ヤゴウは内心でそう思った。
"烏の巣"に配属された兵士は、全員が人工子宮技術によって世に解き放たれた人造人間。
軍属の戦闘特化型ではあるが、『種を残すべく、パートナーの興奮を煽るため』に整った容姿を持っている一般社会用の個体がベースなため、その特徴は共通しているのだ。
また、定期健診的な感覚で培養液に浸かり、細胞の老化を停止・復元させているため、人間でいう寿命の概念もない。よって、顔立ちや体つきも固定されている。
「おっと。これはこれは、黒烏中将…と、クワ・トイネ公国使節団の方ですな」
An-142MDから最後に降りてきた初老の男性。
金髪で、他の乗組員と同じ制服を身に纏っているが、肩の徽章が大佐のものになっている。
ゴリゴリの筋肉質…というわけではなく、寧ろ全体的に細い体つきだが…。
(…!この御仁、ただ者ではない)
ハンキの直感がそう告げた。軍務局長としての、長い経験故の気付きだ。
「お初にお目にかかります。《烏の巣》にて陸戦部隊の指揮官を務めてるマイケル・クオリッチ大佐です」
「クワ・トイネ公国外務局のヤゴウです」
「軍務局のハンキです」
右手を差し出すマイケルに、ヤゴウ・ハンキはそれぞれ左手を差し出して握り返した。
社交辞令が終わったのを見計らい、黒烏が話し出す。
「では大佐。御二方に装備の解説をお願いします」
「了解です、中将」
「では此方に。装備の実演を行います」
流石に、滑走路のど真ん中で銃火器をぶっ放すわけにはいかない。
マイケルの案内の元、ヤゴウとハンキは付近に併設されている射撃場に通される。荒れ地が広がり、方々にはマンターゲットが設置され、砲弾孔が開いていた。
射撃場の入口にはテントと机が設置され、机上にはいくつかの銃器が置かれている。
…とはいえ、ヤゴウとハンキはそれが何なのか分からない。銃の存在すら知らない国の出身であるため仕方ないのだが。
「それでは、まずはこれを」
マイケルが取り出したのは、見るからに拳銃――ユニオンの国営企業『クロキッド』の銃器開発部門が設計したハンドガン"KM33"である。
5.9×10ミリ高密度ガウスプレット弾を用いるこの拳銃は、薬莢及びケースレス弾薬を使用する旧世代型に比べて小型軽量、総弾数が多く、反動がほぼ無い。
動力はオフニャ・饅頭といったアンドロイドに用いられるジェネレータを小型化したもので、特殊金属で造られた弾丸を電磁加速させて撃ち出す仕組みだ。
「KM33と呼ばれる拳銃です。拳銃…というよりも銃とは何かといいますと」
銃の存在自体ないクワ・トイネ公国人だ。まずは銃とは何かを説明しなければならない。
5.9ミリ弾が30発も入るマガジンを外し、それと本体を見せながら説明を始める。
「まぁ、弓矢みたいなものです。本体が弓とするなら、このマガジンに詰まっている弾丸が矢になります」
取り敢えず、遠距離武器という事は理解したクワ・トイネ人2人組。マイケルは5.9ミリ弾を摘まみ上げ、見せながら説明する。
「これが弾丸です。金属製の飛翔体を超高速で発射して敵を撃ち抜く…ごく簡単に説明しますと、そのような感じですね」
銃の概念を知らない人間にも分かるよう説明するマイケル。ヤゴウとハンキも原理を理解したのか頷いた。
「では実演を行います。標的を用意いたしましたので。…あちらですね」
50メートル程先に置いてある、液体で満たされた複数のタンクを指差した。拳銃の間合いとしては、かなり遠い位置だ。普通なら、命中精度・威力共に大きく落ちる。
「では…構え」
マイケルの号令一下、一緒に着いてきていた陸戦隊の兵士数名が拳銃を構える。流石は戦闘特化の人造人間というべきか、動作は全く淀みない。
「撃て」
軽めの、乾いた音が連続で響き渡る。離れた場所に設置されたタンクが、次々と爆ぜていくのが確認できた。
特殊金属で造られた高密度ガウスプレット弾を電磁加速させて撃ち出すKM33は、口径の割に貫徹力・ストッピングパワー共に、軍用拳銃としては過剰レベルと言える。
その様子を見たハンキは戦慄した。弓よりも遥かに小型軽量且つ、剣よりも遠い間合いから、一々矢をつがえることなく二撃目を放つことができる攻撃速度。
しかも、クワ・トイネからすれば滅茶苦茶な性能を持ったこの武器を、兵士全員に持たせている…。
(《烏の巣》が味方で本当に良かった…。もし我が軍と事を構えることになれば、我々は近づく間もなく全滅しただろう…戦いにすらならない。彼らを追い返さずに謝罪を受け入れた、カナタ首相の御英断の賜物だ)
その後も、陸戦隊が配備している銃火器が紹介されていく中、彼は心中でそう呟き、《烏の巣》の謝罪を受け入れた自国首相の判断に、賞賛の意を表すのだった。
次かその次でハートフル回(黒烏とKAN-SENのイチャイチャとか)書きたいです。
・AH-48"パイソン"(北連名称:MY-48"ヴァローナ")
ユニオン『クロキッド社』、北方連合『ムードラスチ設計局』の両航空宇宙部門によって共同開発されたティルトローター式VTOL攻撃機。その完成度の高さから各陣営で採用されている、実質全陣営共用機。
外観イメージについては『Mi-24"スーパーハインドⅤ"の胴体にT字翼を取り付けたVTOLティルトローター機』である。なぜティルトローターなのかというと『近未来感を出したかったから』及び『作者が"アバター"を観てティルトローターの可能性を信じたくなったから』。後々挿絵でイラスト載せたい。
ナノマシン複合素材による一体成型ハニカム構造、外板と骨組みの固定に接着剤を多用する等、工数・コスト・部品点数・重量・整備費用・運用費用の削減が考慮されている。
タンデムコクピット周辺は摂氏1200度の高温と20ミリ弾に抗堪する防弾ガラス、30ミリ弾に耐える複合装甲板で厳重に防御され、エンジン本体・ローターも30ミリ弾に耐える複合装甲で防御されている他、片肺になっても最低30分は飛行できる生存性が特徴。
基本武装は20ミリガウスキャノン砲を機首1門、23連装70ミリロケット弾ポッド6基、対戦車ミサイル最大16発と、かなりの重武装。
しかし、7210馬力のターボシャフトエンジン2基が生み出すパワー、そして機体規模に見合わない軽さにより、戦闘機びっくりな機動も可能。"アンタレス"を追い回す場面が見れるかもしれない…?
『こんな機体無理あるやろ』なんて言っちゃいけない。ロマンは大事。
全長:21.7メートル
全幅:23.4メートル
胴体幅:4.2メートル
全高:5.9メートル
最大重量:12.9トン
最高時速:624キロ
航続距離:1940キロ
エンジン:クロキッド T-1001Dターボシャフトエンジン×2(離床出力7210馬力)
《武装》
・GAU-12B 20ミリガウスキャノン(機首下部、弾薬1500発)
・TK-144"ハーピー"23連装ロケット弾ポッド×6
・AGM-228"イグニアス"対戦車ミサイル×16
・パルスガン
《烏の巣》…というか今作のアズレン世界の銃器は、電磁加速させた弾丸を発射する代物が完全普及しており、薬莢を用いる弾薬は現実世界でいうマスケットや紙薬莢レベルで完全に旧世代の遺物という扱い。
・ZM33ハンドガン
5.9×10ミリ高密度ガウスプレットを用いる、クロキッド社銃器開発部門製ハンドガン。前述の弾丸を電磁加速させて発射するレールガン。威力はM500やデザートイーグルのような50口径拳銃に匹敵する。発射炸薬を用いない為、反動もほぼ無いというぶっ壊れ。
総弾数30発。ケースレス弾の採用やナノマシン複合素材の多用により、鳥の羽の如き軽さが特徴。
外観はTTI コンバットマスターに酷似。軽量化の為スライド各部に肉抜き・セレーション加工が施されている。
・マイケル・クオリッチ大佐
《烏の巣》に配置されている陸戦隊の総指揮官。イメージは映画『アバター』のマイル・クオリッチ大佐。
一応普通のユニオン軍人だったが、セイレーン大戦にて捕虜兼実験体として回収され、オブザーバーの手で非人道極まる改造手術を受けさせられたため、その飄々とした態度とは裏腹に、セイレーンに対する恨みは人一倍デカい。
大戦では自らAn-142MDに座乗し、セイレーンの拠点を何度も焼き払いに行った。
仕事を果たした部下を労い珈琲や酒を奢ったり、どんな小さな約束事でも必ず守る義理堅い、ジョークも交えて話す性格で、部下からの信頼は厚い。しかし、生粋の軍人であり、命じられた任務はどんなに非道なものでも遂行する割り切りの良さも持っている。
前作・前々作の幹部程人外ではないが、それでもCQB・CQCの腕前は超一流で、特殊部隊1個分隊程度の敵なら単独で返り討ちにできるレベル。