白銀の烏と異世界母港【再々演】   作:夜叉烏

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お久しぶりです。夜叉烏です。

最近ブルアカが熱くてそっちばかり書いてました。申し訳ないです。
最近はYoutubeで武術・武道の動画観るのにはまってます。


母港の日常①

「んう…もっと…お肉…あ…取り上げるのだめぇ…」

 

 朝6時。寝室に差し込む朝日を鬱陶しそうに思いながら、黒烏はベッドの上で典型的な寝言を呟いていた。

 

「あ…んん…もう…」

 

 半端に意識が覚醒し、二度寝しようにもできない…微睡む意識の中で辛うじてその判断に辿り着いた黒烏。

 微かに目を開くと、白く柔らかい何かで顔面が優しく包まれていることに気付いた。

 

「おや、お目覚めかな?クロウ」

「おはよ…リットリオ」

 

 白のキャミソールとショートパンツを身に纏い、長い緑色の髪をポニーテールにしているリットリオが、自身の豊満な乳房へ黒烏の頭を収めていた。

 

「ん~…イケメンのくせに…私よりおっぱい大きい…ズルい…」

「おっと…そんなに弄らないでくれ。昨日の夜に散々触ったというのに、まだ足りないのかな?」

 

 未だ寝ぼけている黒烏が専属艦の胸を優しい手つきで揉み、更にリットリオの匂いを堪能しながら嫉妬の言葉を漏らす。

 黒烏だって中々の美巨乳の持ち主なのだが、100センチ越えがザラにいる《烏の巣》では巨乳とは呼べない。

 殊にリットリオは、その3桁越え面子の中でもさらに大きな方。贅肉がほぼないくびれた胴と健康的な長い美脚も合わさり、より巨乳に見える。

 

「やだ…チューしてくれたら起きん…ッ!?!?」

「んふ…❤ん…❤」

 

 冗談半分で口付を要求する黒烏に、リットリオは舌を突き入れる本気のディープキスで応えた。

 寝ぼけ眼だった黒烏の目がばっちりと見開き、敏感な口内を蹂躙するリットリオの舌に、身体をビクビクと震わせる。

 

「…んぶはぁ…ッッ!!…い、いきなり何するの…ッ!?!?」

「…?何って、クロウがキスをしてくれって言ったからだが…」

 

 すっかり目が醒めてしまった黒烏がリットリオを見上げ抗議の声を上げるが、リットリオは何で怒っているのか本気で分からないようだ。

 

「本気のキスはないでしょ!?見たことある!?王子様が眠り姫の口に舌捻じ込んでるとこ!?」

「ふふ…ロマンチックな例えだな…よしよし、済まない❤」

「あう…///ひゃっ!?あ、ちょ…!撫でながらお尻触らないっ!!///」

「ははは!やっぱり黒烏のお尻は良い…❤いつでも触っていられる…❤」

「…エッチ///」

 

 頭を撫でつつ、下着に覆われた尻を艶めかしい手つきで撫でるリットリオに対し、口では嫌がりながらも抵抗はしなかった。

 代わりに、赤くなっている顔を隠すかのようにリットリオの胸に顔を埋め、彼女の背中に手を回していた。

 

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「む~~…」

「どうしたんだ、黒烏?頬を膨らませて、可愛い顔をしているが…」

「可愛いって言っとけば誤魔化せるなんて思わないの!…あ、ちょっと!人の着替えをまじまじと見ないで…っ///」

 

 ベッドでの軽いイチャイチャを終えた2人は髪のブラッシングを済ませ、着替えをしている。

 一足先に着替えを終えたリットリオは、トップスを着て下はニーソ、ブーツを穿いただけでショーツのままな黒烏の後ろ姿を眺めていた。

 明らかに下心が見え見えな行為である。

 

「ふふふ…❤やはり、黒烏のお尻は可愛いな…❤」

「エッチなのは今はダメっ!!///」

「何、下着なんていつも見てるじゃないか」

「だ、だって…今、可愛いパンツ穿いてないし…///…って、そうじゃなくて…!もう…」

 

 赤面しながら黒いスカートを穿き、ベルトを程よく締めて止める。

 護身用のKM33と予備マガジンを腰のホルスターに収め、白兵戦用の各種ナイフも懐に仕舞った。

 KAN-SENの指揮官という稀少な存在は、どこに居ても狙われるものである。母港の中とて油断はできないのだ。

 この異世界に黒烏の身を狙う者はいないが、前世界で毎日のようにやっていた癖が出てしまった格好である。

 

「あぁ、勿体ない。クロウの横縞が…」

「うるさい…///ほら、朝ごはん食べに行くわよ」

 

 如何にも残念そうなリットリオを無理矢理黙らせて寝室を出る。

 朝日が射し込む廊下をコツコツと歩いていると、早起きして責務をこなすメイドに出会した。

 

「まあ。ご主人様、リットリオ様。おはようございます」

「ベル、おはよ」

 

 長い銀髪を揺らし、胸元を大きく開けた紺色のメイド服を纏っているにも拘わらず卑猥さを全く感じさせないメイド――ベルファストが、恭しい態度で見事なカーテシーを披露する。

 母港でも古株であり、黒烏とも長く付き合いのある彼女の"ご奉仕"は最高の一言に尽きる。

 世の権力者全員が手中に収めたがるであろう、完璧で究極なメイドだ。

 

「やあ、ベルファスト。君がよければ、この後一緒にお茶でもどうかな?」

「あ、ちょっと…!?」

 

 少し間を置けばこれだ。KAN-SENとすれ違う度、ほぼ確実にリットリオは口説きに行く。

 

「たいへん申し訳ございません。朝食の準備が入っておりますので…」

 

 しかし、多忙なメイドはその誘いを断った。

 

「む、仕方ないな。あぁ、クロウ。そんなに怒らないでくれ。とても可愛らしいが」

「っ///だから!可愛いって言っとけば許されるとか思わない!!」

 

 ぷっくりと頬を膨らませ、自分以外の女性にアプローチするリットリオを咎めるが、「可愛い」と返されて顔を赤くした。

 ベルファストや他のKAN-SEN たちからすればいつもの光景であり、名物でもある。

 

「ふふふ。確かに、お可愛らしいですね」

「ちょ…!?ベルまで…///」

 

 にっこりと微笑むベルファストにまで「可愛い」と言われてしまい、味方がいなくなってしまった。

 着任したばかりのベルファストといえば、ただ忠実で真面目一辺倒なメイドであったが、長い間母港で過ごした今、こうして気安い関係となっている。

 

「もう…///ほら、リットリオ!サディアの娘たちの所に行くんでしょ?」

「あぁ、もうそんな時間か。残念だ…」

「ふん!どうせザラやポーラを引っ掛けるつもりのくせに!」

 

 如何にも残念そうに黒烏と離れるのを惜しむリットリオ。しかし、黒烏はその真意を察してむくれる。

 まるで思い通りにいかずに膨れっ面になる子供だ。

 

「まぁまぁ、落ち着いてくれ。ん…」

――チュッ…

「…みゃっ!?な、何するの…///!?!?」

 

 黒烏とは10センチほどの身長差があるリットリオは膝を追って背丈を合わせると、その剥き出しのおでこへ軽く口付け。

 朝ベッドの上でしたような唇同士の濃厚なものではないが、ベルファストの前での口付けだ。黒烏からしたら、恥ずかしいことこの上ない。

 

「寂しい思いをさせてしまってすまない。これで勘弁してくれないか?」

「~~!!///うるさい!皆待ってるだろうし、早く行きなさいってば!」

「ははは…じゃあ、また後で会おう」

 

 踵を返したリットリオは、手を振りながらサディアKAN-SENたちの居住区へと歩いていった。

 

「はぁ…行きましょう、ベル」

「はい。…あら」

 

 恐らく無意識なのだろう。まるで友達に早く一緒に行こうと急かすかの如く、ベルファストの手を掴んで歩き始める。

 

「ふふふ…♪」

 

 手を繋がれたベルファストは、見るからに顔を綻ばせた。黒烏に手を取られたことがそれ位嬉しいのである。

 

「?どうしたの、ベル」

「いいえ♪」

――むにゅ…❤

 

 この機を逃さずとばかりに黒烏の腕に抱き着いたベルファストは、ナチュラルに自身の双丘に間へ挟ませる。

 その様はまるで、付き合いたてのカップルのようだった。

 

「え…///ちょ、ベル…挟まってるんだけど…?///」

「えぇ…挟んでおりますので♪」

 

 着任時のベルファストだったら絶対しないであろう、自らの身体を使ったセンシティブアプローチ。

 黒烏は顔を赤く染め、俯くしかなかった。リットリオとの夜伽を毎日のように実施している割には、この初心さがいつになっても消えない。

 

(やはりご主人様…いつ見てもお可愛らしい…♪)

 

 そんな黒烏を横目でじっくり観察しながら、ベルファストは満足そうに口元を吊り上げていた。

 

(リットリオ様にお願いすれば…ご主人様のもっとお可愛らしいところが見れるのでしょうか?)

 

 『リットリオ公認の元なら夜伽へ同行できるのでは?』というメイドらしからぬ邪な考えが、彼女の頭の中に浮かんでいた。

 

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 朝食を食べ終えた黒烏は、その足で陸戦隊の拠点に赴いていた。

 

――ドオンッ!!

 

 丁度演習中であり、戦車が小隊毎に隊列を組んで行進間射撃を実施し、車両から降車した歩兵がKAR-86アサルトライフルを発砲している最中だ。

 非常に五月蠅い。

 

「流石大佐。ちゃんと訓練してるわ」

 

 兵士の動きを見た黒烏は呟く。

 

「嬉しいことを言ってくれるじゃないか。中将殿」

「!!」

 

 唐突に、背後へ感じた殺気と僅かな金属音。

 黒烏は瞬時に真後ろを向くと、右の前回し蹴りを放った。

 遠心力を使って脚を大きく振り回すムエタイのような蹴りではなく、膝を真っ直ぐ前に出すテコンドー系の蹴りだ。スピード重視、最短距離で相手に届かせ、初動が相手にバレ難いメリットがある。

 威力重視でないとはいえ、軸足をしっかり回して重さが乗っている為、当たれば悶絶ものだ。

 

――ズバ…ッ!!

「…まるで、カンフー映画の後付け効果音だな」

 

 顔のすぐ横で寸止めされたブーツの爪先。それに特段驚くことなく、その男…マイケル・クオリッチ大佐は無表情のまま応える。

 彼の手にはゴム製のナイフが握られ、黒烏の美脚を…それもブーツで固められていない、スカートのスリットから覗いている太ももに這わされていた。これが本物のナイフだったら、ニーソ毎皮膚が裂かれていただろう。傷の深さによっては、神経や骨にダメージが入って行動不能になるかもしれない。

 

「大佐、ビックリさせないで下さいよ」

「しかし、中将の蹴りは相変わらず…まるで銃剣のような鋭さですな。そのブレない体幹もまた…」

 

 上段蹴りの体勢のまま、マイケルへ苦言を呈する黒烏。中々のボディーバランスだ。

 当の彼は、風切り音を発生させる蹴りのキレと体幹の凄まじさに改めて感嘆しながらナイフを降ろす。

 

「まぁ、折角いらしたのですから其方へ」

「はいはい…」

 

 勧められたパイプ椅子に腰かけた黒烏。同じく椅子へ腰を下ろしたマイケル共々、陸戦隊の演習を観察する。

 

「いかがですかな?生憎、航空隊は休暇中ではありますが…」

「それでも派手なものは派手です」

 

 荒地を駆け回る全陣営共用主力戦車――MBT-AF"チャリオット"の雄姿を眺めながら黒烏は呟く。

 AH-48"パイソン"をはじめとしたVTOL機は参加していないものの、巨大な戦闘車両が発砲しながら疾走する様は、大迫力と言って間違いないだろう。

 

「ロウリアと戦争…油断はしませんが、正直に言って余裕でしょう。戦車とガンシップ相手に弓と剣で戦うことになるロウリアが、寧ろ可哀そうです」

「そうでもありません。魔法とかいう不確定要素がありますし…"チャリオット"の正面装甲を貫徹する攻撃魔法、なんて代物もあるかもしれません」

「…それは、勘弁願いたいものですな」

 

 ロデ二ウス大陸の3国に、技術的な差はあまりない。数量が圧倒的にロウリアが多いというだけだ。

 パーパルディア皇国という国家がロウリア王国に対して軍事援助を行っていると、同国に潜入中のスパイから報告が上がっているが、供与されているのは型落ちのガレー船や帆船、剣、槍といった、ロデニウスと変わらない技術水準の武器ばかりらしい。

 

「油断したら足元を掬われるというのは同意しますが。どうせ、うちの全戦力を投入するのでしょう?」

「えぇ、勿論…って言いたいところですけど、やっぱり過剰でしょうか?」

 

 基本、黒烏は敵の能力を過大に見積もる。勝利を確実なものとし、味方の被害を極限できるのであれば、今ある全戦力の投入を辞さないスタイルだ。

 その思い切りの良さ故、麾下のKAN-SENから長期の戦列離脱者は出ていない。

 

「…まぁ、ミサイルをピカピカに磨いて待っていますよ。誰かへの贈り物は、最良の状態にしておかないといけませんから」

「…随分と物騒な贈り物ですね」

 

 満足そうに訓練の様子を眺めながら話すマイケルを、「こいつヤバい奴だ…」的な眼差しで見つめる黒烏だった。




 贈り物(サーモバリックミサイル)

 今後も本作の更新は不定期です。ブルアカのお話が筆乗ってるので…。
 感想いただけますと幸いです。

・MBT-AF"チャリオット"
 全長:11.55メートル
 全幅:3.52メートル
 全高:2.49メートル
 全備重量:50.2トン
 乗員:4名
 エンジン:ロールスロイスCV48 V12ツインターボ・ディーゼルエンジン 1650馬力
 最高時速:72キロ
 行動距離:535キロ
《武装》
 Rh128/L55 55口径128ミリ滑降砲
 Rh404 20ミリガウスキャノン・アクティブターレット(砲塔天蓋)×1
 7.2ミリ同軸機関銃×1
 M240 40ミリ多目的投射器(砲塔天蓋)×8

 AH-68"パイソン"と同様、全陣営が共通で装備する主力戦車で、車体とエンジンはロイヤル、主砲と砲弾、アビオニクス関係は鉄血と、各陣営が共同で技術を出し合い開発している。外観は『チャレンジャー2 TES』だが、重量は大幅に軽い。
 鉄血製128ミリ滑降砲から放たれる鉄血製DM63 装弾筒付安定翼徹甲弾は、距離1000メートルで692ミリの均質圧延鋼を貫く。砲塔と車体の複合装甲は同砲を完全防御…とまではいかないが、M1エイブラムスやレオパルド2の120ミリ APFSDSクラスなら、射距離500メートル以下でなければ有効弾を得られない程度には硬い。
 また、砲塔と車体はドーチェスターMk.4爆発反応装甲で覆われ、成形炸薬弾に対して圧倒的な防御性能を誇り、徹甲弾に対してもある程度有効な防御手段としている他、対戦車ミサイル迎撃用のアクティブ防御システム、全方位電子・サーモグラフィー監視システム、対UAV用ジャミングシステム、IED検知レーダー等も備えている。
 コストダウンの為自動装填装置は採用されなかったが、装填手に補助スーツ着用を義務付けることで、高速装填を実現した。
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