箒が一夏によって我が家に誘拐されたのを確認してから束姉様と玄関を潜り、反響定位で靴の数を確認してからリビングへと入ると、一夏にソラが抱っこされていた
有無、やはり我が妹は可愛いのではないだろうか?
「おかえり〜りーちゃん、あ〜束ちゃんだぁ〜」
「うむ、ただいまソラ。良い子にしていたか?」
「こんばんは、ソラちゃん」
にぱー と笑むソラに癒されつつ、居心地悪そうな箒へ
「一夏に抱かれているのはワシの妹でソラじゃ」
「ソラだよ〜」
「う、うむ、私は箒だ」
「箒ちゃんだねぇ」
うん、相変わらず人懐こいな我が末妹は、まぁ誰も彼もにはしないから一応は人を見てやってはいる様だが
「箒さん、久しぶりです」
「む? ウミか? 大きくなったな」
「約3年ぶりの再会ですから」
「そうだな」
ウミは相変わらず表情が変わらず平坦な物言いをするが、箒は気にした様子は無く会話をする、箒もウミが感情表現が下手な事を知っているからだろう
「皆さん、飲み物の用意が出来ましたよ?」
「うむ、ありがとうハジメ」
「ん、ありがとうハジメ」
「ハジメちゃん、ありがと〜」
各々ハジメに礼を言い用意された飲み物を飲み
「箒は会った事なかったな、我が家のハウスキーパーのハジメじゃ」
「初めまして箒さん、ハジメと申します」
「篠ノ之 箒です」
一夏から束姉様へ抱っこする役が変わるのを横目に、ワシは箒へハジメを紹介する、これで我が家の同居人で紹介していないのは1人だけとなった
「ハジメ、奴は?」
「まだ帰宅していませんよ? 栗田家は門限がある訳でも無いですし」
「それはそうなんじゃが、箒に紹介しておきたくての?」
「なるほど、それには同意です」
束姉様の抱っこに満足したのか、次の標的を箒へ定めたソラが箒へ抱っこをねだり抱っこされているのを見て癒されつつハジメと会話する
いつもなら帰宅している時間だが、今日は名残惜しいのだろう と勝手に解釈する
ワシも彼奴の気持ちは分かるのだからな
そんな満足そうなソラを眺めつつ、平和に感謝していると、少し目付きが悪い一夏とソックリな美少女が、やや不機嫌そうにリビングへと入ってきて
「・・・誰? 」
「おかえりなのじゃマドカ、幾ら何でも それは客人に失礼ではないか?」
「すまない」
「あ〜まーちゃん、おかえり〜」
「ただいま、ソラ」
箒と目が合った
マドカが一夏と、一夏の実姉 千冬にソックリである為、かなり訝しげな表情をしている箒へ
「此奴はマドカ、端的に言うと一夏の従妹じゃよ」
「従妹? それにしては似過ぎではないか?」
「織斑の血が強いんじゃろ、知らんが」
「そう言うものか?」
昔、一夏と千冬姉様のアルバムを見た事があったが、母親が一夏ソックリだったのを覚えているので、箒へ説明するが イマイチ納得していない様子だった
まぁ確かに鬼籍に入った両親の隠し子だとか言われた方が納得出来るぐらいには、ソックリだからな一夏とマドカは
実際の所、マドカは書類上は従妹となっているが違う、そもそも人の胎から産まれていない所謂人造人間と言われる類いの者だ
束姉様が壊滅させたヤベー組織で産み出された実験体だとか言っていたが、興味が無かったので聞き流した、出自がどうであれマドカはマドカじゃし
「マドカだ、よろしく頼む」
「箒だ、こちらこそ」
「そうか、お前が箒か・・・束さんとリクから話は色々聞いてる」
箒から再び一夏に抱っこ要員が代わり、マドカと箒が固い握手をしているのが見え、ひとまずは安心する
2人共口数が多く無いから、少し心配になったりするのだ
マドカもウミ程ではないが、感情が表に出難いしな、うん