やめてよね。俺が准将に転生しても同じように戦えるわけないだろ!   作:よみや

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ガンダム二次は外伝やMSVから設定持ってくるのが醍醐味。


PHASE -25 インド洋を血に染めて

 

 

 

 

 

「敵の母艦が?」

「ああ、いくら何でも《カーペンタリア》からじゃ遠すぎる。飛んでこれても帰れない」

 

 マリューとムウは、先程の戦闘について話し合っていた。

 

「洋上艦や輸送機なんかを見落とすとは考えづらい。十中八九潜水艦だろう」

 

 新たなる脅威に、マリューは胃を押さえた。もう、マリューの胃はボロボロだ。キラとの触れ合いも、キラだけでなく、マリュー側の癒しにもなっている。

 

(早く、順番回ってこないかしら……)

 

 マリューは、溜め息を吐いた。

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 地上に降りたアスランが見たのは、クルーゼに直談判しているイザークだった。

 

「隊長! 奴らは我々の手で!」

 

 イザークとディアッカは、【アークエンジェル】を追いたくて堪らないようだ。イザークは顔の傷を押さえて、目をギラつかせている。

 

「足付き追撃は他の隊に引き継がれた。私も心苦しいが、スピットブレイクの準備で動けん」

 

 クルーゼが考えるように、腕を組んだ。

 

「バルトフェルド隊長は一命を取り留めたが、治療の為本国に帰還。隊員たちも旗艦である【レセップス】を失った為、本国で再配置待ちだ。君たちが悔しいのはわかるが……」

 

 少し考えた後、クルーゼは頷いた。

 

「なら、君たちだけで追うかね? 母艦は手配しよう」

 

 クルーゼの言葉に、喜色満面になるイザークとディアッカ。こいつ終盤以外は、普通に良い上官やってんだよなぁ。

 

「そうだな、隊長はアスランにしよう。お目付け役に、ミゲルもつけるか」

 

 アスランが隊長の部分に、イザークは一瞬顔をしかめたが、【ストライク】を追えるということで良しとした。

 

「アスラン、期待している」

 

 クルーゼの言葉に、アスランは過去の自分の言葉を思い出した。

 

(次に戦う時は、俺がお前を撃つ!)

 

 アスランは、拳を握り締めた。

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

「だから、次の戦闘は私も出る!」

 

 格納庫にカガリの声が響いた。

 

「次は母艦をやるんだろう!? なら、数は多い方が良い筈だ!」

 

 カガリが、ムウとマードックに食って掛かっていた。

 

「カガリ、大丈夫かしら」

「……」

 

 心配そうなフレイを他所に、キラは【ストライク】のコックピットから出なかった。例え危険であっても、2人の出会いの為には、出撃が必要だった。

 

 そうこうしているうちに警報が鳴り響いた。敵が接近していた。

 

「キラ、気をつけてね」

「ああ」

 

 ライトニングストライカーを装備した【ストライク】が、甲板上に陣取る。

 

 敵は【ディン】が2、【グーン】が2、【ゾノ】が1。

 

「CIC、敵母艦の予測位置は?」

 

 ムウの言葉に、サイが端末を叩く。

 

「航跡から割り出した予測データ送ります」

「よし、お嬢ちゃん行くぞ!」

 

 ムウとカガリが、【スカイグラスパー】で発進した。

 

「1人はキツイって!」

 

 キラは、【ディン】を1機落とすと、ソナーを投げ入れ空中に跳び上がった。

 

「これで!」

「それはもう知っている!」

 

 水中から跳び上がったモラシムの【ゾノ】が、掌にある『フォノンメーザー砲』で、レールガンの銃身を撃ち抜いた。

 

「こいつ!」

「浅い海を行くとは、この【ゾノ】にはかえって好都合だ!」

 

 慌ててレールガンを捨てたキラは、カタパルトから格納庫に戻りマードックに怒鳴った。

 

「マードックさん、プランB!」

 

 ライトニングストライカーをパージすると、ソードストライカーの盾と、身の丈ほどもある長大な実体剣を装備した。

 

「『グランドスラム』、実体剣オンリーだから『シュベルトゲベール』よりはマシだと思うけど」

 

『グランドスラム』はプラモデル限定の付属武器だが、この小説では第8艦隊の補給に混じっていた設定だ。便利だなぁ、第8艦隊。

 

 再出撃したキラは、海中へと突っ込んだ。

 

「ほう、この【ゾノ】に水中戦を挑むか!」

 

 牽制に『イーゲルシュテルン』を放つが、水中では抵抗が大きく、役に立たない。

 

【グーン】2機が【アークエンジェル】へと向かうが、キラは無視する。ノイマンの見せ場だし。

 

 水中でサンライズ立ちをキメたキラが、モラシムに突っ込む。

 

 しかし、水中では【ゾノ】の方が機動性は上、あっさり避けられ魚雷を撃ち込まれた。

 

「水の抵抗が大きすぎる! ザフト水泳部め!」

 

 追加で放たれた『フォノンメーザー砲』を避けながら、キラとモラシムの戦いは激化していく。

 

 その頃【アークエンジェル】は、空と海からの挟撃にさらされていた。

 

「【ストライク】は!?」

 

 マリューの問いに、ミリアリアが答えた。

 

「敵隊長機らしき新型と交戦中!」

 

 マリューは歯噛みする。今はムウがいない為、直援がいない。

 

「先ずは【ディン】から落とすわ! 面舵10! ナタル!」

「『ゴットフリート』てぇー!」

 

 やっと【ディン】が落ちた。後は【グーン】だが、【アークエンジェル】は大気圏に突入する機能を持つ為に、艦体下部の武装が非常に少なくなっている。普通に戦えば、かなり不利だ。

 

「くっ、【ディン】相手のように、上部の砲の射線が取れれば」

 

 サイの呻き声が、マリューの耳に入った。瞬間、マリューの目が据わった。

 

「ノイマン少尉! 1度でいい、【アークエンジェル】をバレルロールさせて!」

「ええっ!?」

 

 マリューの言葉に、操舵手のノイマン他、ブリッジクルー全員が驚愕した。

 

「ここは地上ですよ!?」

 

 上擦ったノイマンの声に、マリューは冷徹に答えた。

 

「かまわん、やれ! カタログスペック上は出来るわ!」

「は、はい!」

 

 マリューが、ナタルを見た。

 

「『ゴットフリート』の射線を取る! 1度で当ててよ、ナタル!」

「わかりました!」

 

 マリューからの信頼の視線に、ナタルは頷く。

 

 直ぐ様、艦内にアナウンスされるが、艦内は大騒ぎだ。特に格納庫は大混乱だ。

 

「早く、固定しろ! 無重力じゃねぇんだぞ! 押し潰されるぞ!」

 

 マードックの激に、メカニックたちが慌てて動く。

 

「冗談でしょ!?」

 

 フレイも急いで手近な物を固定していく。

 

「行きますよ!」

 

 ノイマンが覚醒する。全シリーズ最強の操舵手の名に恥じぬ操縦で、【アークエンジェル】を180度回転させる。しかも、撃ち易いようにその状態をキープするサービスつきだ。神業かな? 

 

「そんな、馬鹿な!?」

 

 攻撃の為に浮上した【グーン】のパイロットは、艦体の上部がこちらを向いていて度肝を抜かれた。

 

「『ゴットフリート』てぇー!」

 

 放たれたビームは、2機の【グーン】を撃ち貫き、爆散させた。

 

 その後、速やかに元の体勢に戻る【アークエンジェル】。やはり、【アークエンジェル】はノイマンの剣(つるぎ)。

 

【グーン】の爆発で海中が撹拌され、【ゾノ】の動きが止まる。

 

「何事だ!?」

「隙あり!」

 

 その隙に、【ストライク】の『グランドスラム』が【ゾノ】の胴体を貫いた。

 

「しまった!」

「これで!」

 

『パンツァーアイゼン』が岩礁を掴み、引き込む力と【ストライク】の推力を合わせて、【ゾノ】を岩礁に叩きつけた。

 

「ぐわぁぁぁ!! ナチュラル如きにィ!!」

「憎しみは憎しみを呼ぶだけだって、分かれ!」

 

 ダメ押しとばかりに、『アーマーシュナイダー』もお見舞いして止めを刺す。

 

 爆散した【ゾノ】のオイルが、まるで血のように海面を汚した。

 

 

 

 

 

 




バズーカくん、君はクビだ。
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