やめてよね。俺が准将に転生しても同じように戦えるわけないだろ!   作:よみや

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感想で触れてる人も多かったので、前回のイザークとの戦闘の解説をします。

キラくんですが、イザークを殺す気は全く無いです。

理由はいくつかありますが、大きいのはイザークの母親ですね。エザリアは息子のイザークが大好きです。映画でクーデターが起きたのに、息子が珍しく女性を連れてることの方に関心があるくらい愛しています。そんなイザークが死んでしまうと、パトリックと同レベルのナチュラル皆殺しマンになってしまうので、ジェネシスの開発が早まることになります。原作ではジェネシスの威力にドン引きするくらいには良心があるので、パトリックレベルでイカれるのはまずいです。

後は戦後のザフトの為ですね。イザークがいないと、映画のジャガンナートのようなナチュラル殲滅派が幅を利かせてしまいますからね。いても映画のあれですから……。

つまり、イザークだけでなくディアッカやニコルも殺せないということです。向こうは殺意満々で来るのに、こっちは殺せない。うーん、難易度ルナティック。




PHASE-08 裏切り者のコーディネーター

 

 

 

 

《アルテミス》へと入港した【アークエンジェル】は、原作通りに、拘束されてしまった。

 

 キラは知ってたとばかりに溜め息を吐く。当然【ストライク】の起動プログラムはロックしている。例えルル……ハインラインだって、容易には解除出来ない。

 

 マリュー、ムウ、ナタルの3人を除いた人達は、【アークエンジェル】の食堂へと集められていた。

 

(アルテミスの傘、光波防御帯ねえ)

 

 暇でしょうがないキラは、半分寝つつ取り留めない思考を行っていた。

 

(光波防御帯と言えば【ハイペリオン】だけど、外伝はそこまで詳しくないしなー。そもそも、まだ【ハイペリオン】無いはずだし)

 

 ウトウトしながら、外伝のことを考えていると、兵士を引き連れて、この要塞の司令官であるガルシアが現れた。アニメ本編だけでなく、外伝にも出てくるキャラである。

 

 キラは、横柄な態度で【ストライク】のパイロットを探しているのを白けた目で眺めた。

 

 そもそも、この《アルテミス》はユーラシア連邦の要塞だ。【アークエンジェル】は大西洋連邦の艦。仲良く出来るわけがない。地球連合軍が結成されたのは、コズミック・イラ70年。1年程前だ。今はザフトという共通の敵がいるが、お互いに仮想敵国だ。水面下ではバチバチにやりあっている。

 

 そんな中に現れた、新型モビルスーツと新造戦艦だ。見逃される道理はない。

 

 そして、司令官のガルシアは左遷されて《アルテミス》にいる状態だ。手柄はいくらでも欲しい。

 

【アークエンジェル】の正規クルーと言い合いしているガルシアは、言葉こそ取り繕っているが欲深そうな目は血走っている。中央に返り咲きたくて仕方ないのだろう。そんなだから《アルテミス》を落とされた後、海賊に占拠されたり、ロウと劾にけちょんけちょんにされたりするんだぞ。まあ、勝手に民間から通行料とか巻き上げてるから恨まれるのだが。

 

「だから【ストライク】のパイロットは? まさか、女性がパイロットとは思えんが、艦長が女性ということだしな」

 

 原作と同じくミリアリアの腕を強引に掴むガルシアに、キラは溜め息を吐きながら立ち上がった。

 

「あれに乗ってるのは俺ですよ」

 

 立ち上がったキラを見たガルシアは、片眉を上げながら近づくと拳を振りかぶった。

 

「彼女を守ろうとする気概は買うがね。あれは君のような子供が扱えるようなものじゃない!」

 

 事前にわかっていたということを差し引いても、欠伸が出るようなパンチだ。もやしっ子だった准将でも避けられたのだ、キラに避けられない筈がない。軽く往なして、腕を引いてやれば、勝手に転がる。

 

 無様に転がるガルシアに、ファーストブリットを叩き込みたい欲求を押さえたキラは、ワラワラと寄ってきた兵士を睨み付けた。

 

「貴様!」

「やめてください!」

 

 副官がキラを殴ろうとするのを、サイが止める。

 

「邪魔だ!」

「うあ!」

 

 しかし、止めに入ったサイが殴られて倒れた。慌てて抱き起こしたフレイが、副官たちに叫んだ。

 

「ちょっとやめてよ! その子がパイロットよ! だって、キラはコーディネーターだもの!」

 

 後ろでマードックたちが、頭を抱えている。兵士たちは銃を構えた。

 

 その後、キラが連行されると、食堂に静寂が戻ったが、トールがフレイに食って掛かった。

 

「なんで、あんなこと言うんだよ、お前は!」

「だって、本当のことじゃない」

 

 腫れたサイの頬に、濡れたタオルをあてながら答えたフレイは悪びれない。

 

「キラがどうなるかとか考えないわけ!? お前って!」

「お前お前ってなによ! キラは仲間で、ここは味方の基地なんでしょ? なら、なにが悪いのよ!」

 

 フレイの状況を理解していない、ある種頭お花畑な発言に、トールは激昂した。

 

「地球軍がなにと戦ってると思ってんだ!」

 

 トールだけではなく、ミリアリアからも批難の目を向けられて、フレイはバツが悪そうに顔を背けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

「OSのロックを外せばいいんですか?」

 

 格納庫にやって来たキラが問うと、ガルシアはニヤリと笑った。

 

「まずはな。だが、君はもっと色々なことが出来るだろう? 例えば、これを解析して同じものを作るとか。あとは、こいつに対して有効な兵器を作るとかな」

 

 その功績で出世することでも考えているのか、ニヤニヤが止まらないガルシアの口も、同じく止まらない。

 

「君は裏切り者のコーディネーターだ」

 

 はい出た。長らく准将の心に影を落とす、有名な言葉。

 

「どうせ同胞を裏切った身だ。なら、大西洋連邦ではなく、ユーラシア連邦で戦っても良いだろう。地球軍側につくコーディネーターというのは貴重だよ。心配はいらない。君は優遇されるさ、ユーラシアでもね」

 

 言いたいことを一方的に言い切ったガルシアに、キラは溜め息を吐いた。

 

「な、なんだその目は」

 

 予想とは違うキラの反応に、気圧されるガルシア。キラはガルシアを、可哀想なものでも見る目で見ている。

 

「幾つか勘違いしているようなので、訂正しておきますね。まず、裏切り者とか言ってますけど、それは間違いです」

「なに?」

 

 突然の話に、ガルシアはついていけない。

 

「戦前のコーディネーターの総人口は約5億人。その内プラントのコーディネーターは約6000万人です。つまり、少数派、マイノリティなのはプラントです。それなのにコーディネーターの権利どうこう言って、地球にNJ打ち込んだんですよ、裏切り者は向こうだ」

 

 キラの言葉に、ガルシアたちは口を挟めず呑まれた。

 これはファーストガンダムに通ずるものがある。ジオンはスペースノイドの独立を謳いながら、コロニーを虐殺して地球に落とした。プラントも同じ。コーディネーターの自治権確立を謳いながら、自分たちよりも多くのコーディネーターのいる地球全土にNJを打ち込む。まさに頭コズミック・イラだ。くぅー、これこれ。

 

「それとコーディネーターに夢見すぎです。俺はモビルスーツを動かせる。けど、それイコール、モビルスーツや兵器の開発が出来るとはなりませんよ。コーディネーターだって、遺伝子のコーディネート次第で能力は千差万別。全員が同じ能力を持っているわけじゃない。あと、コーディネーターだって、産まれた時からなんでも出来るわけじゃないし、兵器を作るんだったら、その勉強はしないといけない」

 

 コーディネーターの持っているのはあくまで才能だ。才能は磨かなきゃ目は出ない。そしてコーディネーターだって撃たれれば死ぬし、飯を食わなきゃ腹が減る。トイレだって行く。決して万能の超人ではないのだ。

 

「地球軍側のコーディネーターは貴重って言ってましたけど本当ですか? 地球にNJ打ち込まれたことで、プラントを恨んでるコーディネーターも多い筈。僕1人をどうこうするより、そういう人達を使う方が良いと思いますよ」

 

 NJによる電力不足の被害はとんでもない。プラントに対して恨み骨髄の地球のコーディネーターは多い。

 

 キラは、意趣返しに言いたいことだけ言うと、返事は待たず、【ストライク】のコックピットに向かった。

 

 

 

(まだかなー。まーだかなー)

 

 ロックを途中まで解除して、また戻すということを無駄に高度なプログラムで一見わからないようにやってるキラは待っていた。

 

 ドンという衝撃が響いた。それは断続して起き、《アルテミス》を揺らす。

 

【ストライク】の足元にいるガルシアたちは、慌てて通信していた。

 

(来たか、【ブリッツ】!)

 

 待ち望んだ展開になったキラは、見張りの兵士がよそ見をしている隙に蹴り飛ばして、コックピットを閉めた。

 

「おい、小僧!」

「迎撃に出る、邪魔だ!」

 

 騒ぐガルシアを一蹴し、発進準備に入る。ブリッジ側が不在なので、キラの方でストライカーやカタパルトの準備をする。

 

 ソードストライカーを装備して、【アークエンジェル】から出ると、丁度【ブリッツ】が接近してきたところだった。

 

「見つけた。あのモビルスーツ、今日こそ!」

 

 ニコルが、左腕に装備された有線式ロケットアンカー『グレイプニール』を発射する。

 

 それに対してキラも、『パンツァーアイゼン』を発射した。

 

 2機のロケットアンカーは、途中でぶつかり合い、弾かれた。

 

「わざわざ助けに来てくれてご苦労さん!」

 

 キラは、『シュベルトゲベール』を装備すると、猛然と【ブリッツ】に斬りかかった。

 

「前回、わざと狙わなかった甲斐があったぜ!」

 

【ブリッツ】は、電撃侵攻用のモビルスーツだ。正面切っての戦闘では、他のGに劣る。しかし、装備している『ミラージュコロイド・ステルス』は代えが効かないので、この《アルテミス》の為に、キラは攻撃しなかったのだ。《アルテミス》の光波防御帯は、『ミラージュコロイド・ステルス』でもないと攻略不可能なのだ。

 

 狭い要塞内を縦横無尽に動いて戦うが、お互いに有効打は与えられない。そうこうしているうちに、【アークエンジェル】が発進した。どうやら、原作通りにマリューたちも戻ってきたようだ。

 

「キラ戻って、【アークエンジェル】発進します!」

 

 キラが【アークエンジェル】に戻ろうと、引く。当然【ブリッツ】は後を追うが、途中で爆発に巻き込まれて足止めを喰らってしまう。ニコルもそうだが、イザーク、ディアッカの攻撃で、《アルテミス》内のあちこちで爆発が起きていた。

 

「ふん、お前たちの頑張り過ぎだ!」

 

【ストライク】が【アークエンジェル】の甲板に降りると同時に、【アークエンジェル】は《アルテミス》を抜け最大戦速で離脱していった。

 

 ニコル、イザーク、ディアッカの3人は、悔しそうにそれを睨み付けていた。

 

 

 

 

 

 




ちなみに私はスクライド見てないです。
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