超A級スナイパーは口下手すぎて周囲に誤解を与えてしまうのをなんとかしたい   作:Yuri_____

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コミュ障口下手だって頑張ってる
瀧原立香①


「───────奈良坂、古寺、風間隊を把握。処理しますか」

 

『風間隊は俺一人で相手出来るから狙撃組を頼む』

 

「瀧原了解」

 

 

迅さん今日も声がカッコイイ。耳が孕む。好き。

なんて事を考えつつ、私は任務を遂行するためスコープ越し──といってもあまり意味は無い──を覗き本部の屋上から狙い撃ちをする。

ちょっと某ポケモンみたいだなーと思いながら引き金を引くとまずは古寺君にヒット。そして次は奈良坂君。

その瞬間、空にベイルアウトの光を確認した。

 

 

「…古寺、奈良坂の処理完了。任務を遂行しました」

 

『ありがとう、立香』

 

「いえ、任務ですので。では」

 

 

私は迅さんとの会話を終えると換装を解き、特別に与えられている最早自室と化している隊室に戻り、クッションに飛び込んだ。

………っはぁぁぁぁ。マジ緊張したんですけど、手震えてるんですけど、足バンビなんですけど。

 

ふっ…これが武者震いってやつか(違う)

 

私、瀧原立香は人と話すことが苦手である。人と会うと緊張して心が無になってしまうからだ。

それに加え、表情筋が一切動かない所謂無表情。

表情筋はお母ちゃんのお腹の中に置いてきた系女子なのだ。アッ自分で言って悲しくなってきた。

 

父と母は人と話すことが好きでニコニコしているのに何がどうして突然変異で人と話すことが苦手な口下手で無表情な私が生まれたのだろうか。

心の中ではうるさいのに声に出せないのは何故なんだ。解せぬ。

 

 

従兄も私同様で親はフワフワしてるのに突然変異で無表情で威圧感がパない人だ。私に威圧感は無いけど、よく一言足りないと言われているため、こういう所で血の繋がりを感じたくはなかった。

 

 

そして先程は私の中で仏トップ5に入っている迅さんから省略すると「太刀川さん達が玉狛に入った子の黒トリガーを狙っている」と言われたため加担せずには居られなかった。

(因みに残りのトップ4は鈴鳴の仏三銃士と影浦君)

 

 

いくらパワーバランスがあるとはいえ、人の形見を奪うのは良くない。

でも、それで迅さんにとって形見である風刃を本部の方に代わりに献上するのは辛い。

今度ぼんち揚とアイマスク送ってあげよ…ァ゚でも気持ち悪いって思われないかな? 大丈夫か? ………大丈夫かな…。

 

もし嫌だったら未来を阻止すると思うし多分大丈夫なはず。

コンビニ寄って次の日に渡そうと隊室を出ると太刀川さんと風間さんがいた。

アッ、今日が命日。

 

 

「よぉ、瀧原。お前だろ奈良坂と古寺落としたの。俺とも一戦やろうぜ」

 

「…………………」

 

「太刀川、立香を困らせるな。そもそも狙撃手はランク戦が出来ないだろう。突然来て悪かった。今太刀川が言った通りお前か確認しただけだ」

 

 

なら良かった…いや良くねぇよ。

緊張して携帯のバイブレーションになっている私。

「大丈夫です。奈良坂君と古寺君を落としたのは私であってます」と伝えたかったのに私の言うことを聞かないこの口は「私が奈良坂と古寺を処理しました」と馬鹿なことを口走りやがった。

見ろ目の前の二人を。氷みたいに固まってんだぞ。

私のバカ! このボケナス!!

 

毎回どうして「落とす」を「処理」って言っちゃうんだよぉぉぉ!!

泣きたい…家帰ったら枕濡らそう。

私はこの場に居るのが辛くなり、一礼してから立ち去った。

この未来が見えてたなら助けてください迅さん。三百円あげるので。

 

 

「そんな泣きそうな立香に実力派エリートの迅さん登場ー」

 

「…迅さん」

 

「相変わらず表情筋が死んでるね。太刀川さん達を前にしてやっちゃった?」

 

「………三百円あげるのでなんとかしてください」

 

「三百円よりぼんち揚の方がいいかな。それより、今帰りでしょ? 送るよ」

 

 

ヴぁっっっ…優しい…優しさが心に染みる。

お尻触るのは良くないけど、迅さん普通に紳士だから甘えたいが私如きに時間を割いてもらうわけにはいかないので「私なんかよりもオペレーターの子や残ってる子を送ってあげてください。心配で仕方がないです」と言おうとした。

 

 

「必要ありません」

 

「大丈夫だよ。それとも玉狛来る? 今回の件に関わってる新人紹介したいし」

 

 

あ”あ”あ”あ”!! 私のバカ!!

なんでそんなこと言うの!? 言うことを聞けこのバカ口。

私は次こそちゃんと伝えようと「私なんかより迅さんはゆっくり休んでください。心身共に今は辛いと思うので」と台詞を考えて言おうとしたらまぁたこの口はやらかしやがった。

 

 

「結構です」

 

「相変わらず一言足りてないね。けど、立香が言いたいことは分かるよ。俺の事心配してるんだよね? だけど心配ご無用だ」

 

「私迅さん好きです」

 

「エッ」

 

「それでは」

 

 

やっぱ、迅さんの優しいところほんっとうに好き。こんなお兄ちゃんいたら嬉しかったな。

それに何気に一番口下手な私の言いたいことを理解してくれるし、やはり迅さんは神だ。社作って崇め奉ろう。

いつか緑川くんと仲良くなって一緒に布教活動したいな…一生無理なことだろうけど。

 

 

 

「爆弾落としてきたなぁ…今度生駒っちに自慢しよ」

 

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