超A級スナイパーは口下手すぎて周囲に誤解を与えてしまうのをなんとかしたい   作:Yuri_____

2 / 8
瀧原立香②

 

 

 

 

次の日、私は休日ということもあって朝からボーダーで狙撃の訓練をしていた。

私のポジションは狙撃手。ポイントもそうだし、狙撃の腕はそこそこ。

大体はサイドエフェクトで狙撃の腕を補っているようなものだし。

私のサイドエフェクトは空間把握。集中すれば2km離れている相手の居場所が分かるから私に死角からの攻撃やカメレオンでの攻撃は実質無効。

 

だから昨日、本部の屋上からでも奈良坂君や古寺君、カメレオンを使ってた風間隊を把握することができた。

ズルかもしれないけど、サイドエフェクトも実力のうちだって迅さんや影浦君も言ってたし文句があるなら受けて立つ!

嘘です。ごめんなさい。受けて立てません。

私みたいなノミの心臓なんかはボコボコのコテンパンにされるだけですねはい。

 

 

「お、瀧原じゃねぇか。今日も来てたんだな」

 

「…それが」

 

「いや、真面目だなと思ってな。で? 昨日奈良坂達落としたのお前だろ。あんな長距離で奈良坂や古寺を撃てるのはお前しかいない」

 

「私は別に…」

 

「謙遜すんなって」

 

 

謙遜なんかしてません。当真くんの方が私なんかより断然凄いし、私なんて現場が怖くて本部からの弱味噌思考で撃ってただけなので。

奈良坂君も凄いけど、やっぱり狙撃手としては同年代で当真君が凄いですしおすし。

 

 

「私は…当真みたいになれないから」

 

「!!」

 

「それで、何か用」

 

「お、おう。実はこれから今本部で暇してる同年代メンバーでチーム戦しないかって話をしてたんだよ。瀧原も一緒にやろうぜ。絶対に楽しいからよ」

 

「………」

 

「その様子だと肯定だな。ほら、ブースに行くぞ」

 

「…」

 

 

私は当真君に手を引かれてロビーに向かう。

やだやだやだやだ。あんな陽キャが集ってる場所に行ったら死んでしまいます。そもそも私チームプレーとか苦手なんだよぉぉぉ!!

多分また一言足りないこと言って迷惑かけちゃう。

 

 

あ、でも最近アレがマスターランク手前になったから試してみるのも…でもでも私が居るせいで連携が崩れるかも…いいや、頑張れ私! ここで一歩踏み出さないと女が廃る!

卒業した我らが姉御 藤丸先輩にもそう言われただろ。

当たって砕け散ろ!

 

 

「よぉ、お前ら遅くなったな。レアポケモン連れてきたぜー」

 

「当真先輩遅いですよー…ってレアポケモン?」

 

「メタモンみたいに表情が一切変わらないポケモン」

 

「私はメタモンじゃない」

 

「た、たたたたた瀧原先輩!?」

 

「マジのレアポケモンじゃないっすか!」

 

「(今瀧原の口からメタモンって…)」

 

「(メタモン知ってるんだな…)」

 

 

ブースに行くとよく三バカと呼ばれている米屋君、出水君、緑川君、それに昨日やってしまった奈良坂君に小荒井君、奥寺君、荒船氏、むらかみんぐ、ゾエくん、影浦君がいた。

心休まる友人がいて助かった…!

神よ、感謝します。普段信じてないけど。

 

 

「立香ァ、来るなら来るって言え」

 

「急だったから」

 

「意外だな、瀧原がこういう誘いに乗るなんて」

 

「チームプレーはあまり…いつも一人でやるから」

 

「(一人で殺る!? )」

 

「(違うからな緑川)」

 

 

緑川君と迅さん語りしたいなーと思いながら緑川君に視線を向けるとヒッと声を上げられてむらかみんぐの後ろに隠れてしまった。

私にも人の心というものが…いや、仕方ない。こんな無表情野郎なんかと関わりたくないよね。

私だったら関わりたくない。うっ…自分で言って悲しくなってきた。

 

 

少し泣きそうになっていると私の仏トップ4でマブダチの影浦君がポンポンと頭を撫でてくれた。

影浦君好き。私、影浦君無しでは生きていけないかも。

どうやらそれが伝わってしまったのか、頭をぐしゃぐしゃにされる。

でもこれ愛ゆえの行動だから許せちゃう。好きです。

 

 

「んじゃ、早速チーム分けだな」

 

 

チーム分けに至ってはバランス良く分けられることになった。

まず三チームに別れ、リーダーは予め決めていたらしい荒船氏、影浦君、当真君だ。

そして人数的に一チーム四人構成で以下のようになった。

 

 

荒船、米屋、緑川、北添

 

影浦、瀧原、小荒井、奈良坂

 

当真、出水、奥寺、村上

 

 

以上、このチームでの対決となった訳だけど…気まずすぎる。

奈良坂君に至っては昨日やってしまったし、小荒井君は私のこと怖がってるし…でも、こうなった以上頑張らないと。

 

 

「………叩き潰す」

 

「俺達の何をですか!?」

 

「おい、一言足りねーぞ」

 

「取り敢えず、作戦を考えましょう」

 

 

奈良坂君の言葉で戦略を考え始めた。

ひぇー…やっぱり部隊組んでる人達は違うなぁ…私置いてけぼりだし。

私も何か言った方がいいのかな、と思うけど「あ…あ…」ってカオナシ状態になるから余計なこと言わんとこ。

 

 

「ところで、瀧原先輩ってどんな戦闘スタイルなんですか? 失礼ながらあまり知らなくて」

 

「確かに! 瀧原先輩ってあまり人と馴れ合わないって言うか…アッ生意気言ってスイマセン!!」

 

「気にすんな小荒井。こいつ、ただのコミュ障拗らせた口下手野郎だからな。心ん中は荒ぶってんだよ」

 

「エッ、そうなんですか…?」

 

「(人と)つるむのが嫌い(とかじゃなくて苦手というか)」

 

「つるむの嫌いって言ってますけど!?」

 

「ったく、テメェは言いたいことをちゃんと声出して言え。コイツの戦闘スタイルは機動型スナイパーだ。大体生駒隊の隠岐みたいな感じだ」

 

「なるほど…少し意外です」

 

「瀧原先輩って機動型なんスね!」

 

「うん……私、殺るよ。凄く殺れる」

 

「ヒェッ」

 

 

あ、また怖がらせてしまった。

やっぱり私は一生口を閉じていた方が良いのかもしれない…と思っていると瀧原先輩、と奈良坂君に呼ばれた。

どうやら二人に聞かれたくない話らしく──多分昨日の件だろう──場所を少し移動して話すこととなった。

やはり奈良坂君から聞かれたのは昨日の件で私かどうか真偽を確かめたかったらしい。

 

そんな奈良坂君に私は「はい。私が奈良坂君と古寺君をベイルアウトさせました。昨日は本当にすいませんでした。土下座でも切腹でもなんでもするので許してください。タケノコあげるので」と言おうとしたら「私が君たちを殺った。すまない」というあまりにも省略しすぎた発言をした。

 

 

「ぁ………ごめ…」

 

「確かに一言足りないというか…でも、先輩の印象が変わりました。今日はよろしくお願いします」

 

「!………うん」

 

 

▽立香 は 奈良坂 と の 心 の 距離 が 縮 ま っ た

 

 

そんなテロップが出そうだけど、本当にそんな感じだった。

そして試合開始の時間となり、私達は今回当真チームが選んだマップで試合をすることとなった。

場所は───市街地A。

 

私は初めての試合なので、レーダーを確認するとやっぱりと言うべきか全員バックワー厶の着用でレーダーから反応を消している。

と言っても、私にはあまり関係ないけど。

 

だけど 、スナイパーとしての基本は隠密行動。

まずは高い場所…ビルから見下ろして新たに把握しよう。

 

 

『こちら小荒井! 緑川と遭遇。戦闘開始します!』

 

『こちら奈良坂、狙撃ポイントに到着』

 

「小荒井、緑川の他にもう一人近づいてる。奈良坂はそのまま待機してて大丈夫」

 

『!? こ、小荒井了解!』

 

『奈良坂了解』

 

「影浦君は…言わなくても大丈夫か」

 

『あァ。こっちは村上とだ。戦闘の邪魔すんなよ』

 

「『了解』」

 

 

……えっ、今のめっちゃチームっぽい。

こういうことするとチーム組みたいなと思うけど私には無理。以前組んだことはあってもそれは幼馴染みとだったから出来た訳で、ピラミッドの最下層にいるような私が皆様と部隊なんて無理無理。

って、こんなこと考えてる場合じゃない。

私もチームメイトとして貢献しないと、と考えていると空からメテオラが降ってきた。

 

なるほど、これがゾエくんの適当メテオラか。

本来はレーダー頼りらしいけど、今はオペレーター無しの試合だからこんなものか。

そんなゾエくんには悪いけどここで落ちてもらう。

 

私は狙いを定めてアイビスでゾエくんを撃った。

その瞬間、ベイルアウトの光が見えて落ちたのを確認。

 

 

「北添の処理を完了した」

 

『処理っつーなバカ』

 

「サポートは」

 

『必要ねぇ』

 

「りょうか…!」

 

 

突然私の後ろに人が現れたのを感じ、避けるて後ろを振り向くとそこには奥寺君が居た。

把握し忘れてたか…だけどこの程度は想定内だら大丈夫。

私がいる場所は高層ビルの屋上。逃げれる場所はない正に絶対絶命の状況だ。

互いに数秒見つめあった瞬間、奥寺君が動いた。

 

 

「…!!」

 

「…」

 

 

が、私は攻撃を読み取り奥寺君の攻撃を避ける。

避けた時にその場でジャンプをし、屋上から転落していく、が奥寺君はニィッと笑う。

勝利を確認しているようだけど、私に狙撃は無意味だ。

アイビスとバックワームからイーグレットに入れ替える。

 

 

「瀧原先輩は何を……っ!」

 

 

私はサイドエフェクトで誰がどこに居るか把握している。

だから、私が飛び降りたところを狙っている当真君がいることを知っている。

その瞬間、私の目は奥寺君を捉えながらも右手に持ったイーグレットで当真君が撃った弾に撃ち、もう一発放つ。

 

 

「なっ…!」

 

「おいおい嘘だろ…」

 

 

当真君は撃つときは必ず外さないが、撃った瞬間は隙だらけだ。

私が放ったもう一つの弾丸は当真君のトリオン伝達脳を突き破る。

そしてサブの方に入っていた拳銃を取り出し、飛び降りてきた奥寺君に向かって放つ。

 

 

「っシールド!!」

 

「無意味」

 

 

奥寺君がシールドを発動したと同時に弾道が変化。

弾道はシールドを避けて、奥寺君の背中に撃ち込まれた。

 

 

「バ、イパー…!?」

 

 

『トリオン供給機関破損。ベイルアウト』

 

 

奥寺君は光に包まれてベイルアウト。

二人一気にベイルアウトしたとは言え、下にはもう一人。

これは…

 

 

「米屋か」

 

「正解!」

 

 

でも甘いよ。

私は空中にグラスホッパーを置き、米屋君の攻撃を避ける。

だけど少し足を掠ってしまった。

 

 

「嘘だろ…!?」

 

「残念」

 

 

攻撃を避けた瞬間、カメレオンを発動して逃げに徹することが出来る。

その時、ベイルアウトの光が見えてどうやら小荒井がやられてしまったようだ。

 

 

『すいません、落ちました!』

 

『いや、小荒井は良くやったよ』

 

「緑川相手にすごい」

 

『ありがとうございます…!』

 

「それと、こっちは北添、奥寺、当真を処理」

 

『…! 流石ですね』

 

「私の近くに米屋が居る。奈良坂頼んだ」

 

『奈良坂了解』

 

 

さてと、私は━━━━━…

 

 

「荒船氏」

 

 

「よォ、お師匠サマ」

 

 

なぜ私が荒船氏と呼んでいるのか、先程荒船氏が言った通り私は荒船氏と師弟関係。

コミュ障口下手な私にとって迅さんや影浦君に続く理解者だ。

私の口下手で下手すぎる説明でよくぞここまで…師匠は嬉しいです。

 

 

「瀧原と戦うのは初めてだな。まさか、拳銃隠してるとはな」

 

「…これでもマスターランク手前だから」

 

「嘘だろ」

 

 

無駄話をしてる場合じゃないな。

荒船氏は孤月を抜刀し、私も拳銃を取り出した瞬間戦闘開始した。

私はグラスホッパーを使い荒船氏の攻撃を避けてバイパーを放つ。

リアルタイムでの弾道変更だが、荒船氏は予測していたのかシールドでガード。

 

拳銃と孤月では分が悪い。

 

私はもう一度グラスホッパーを設置して、更に上に飛ぶ。

荒船氏のトリガーには旋空弧月は入っていないと予測してカメレオンで姿を消す。

お願いします。セットしてないで。

その間に空間把握して周りに敵が居ないか、誰が戦っているか把握する。

出水君と米屋君、影浦君とむらかみんぐが戦闘中で奈良坂君は落とされちゃったか。

 

私もここで決めないと。

カメレオンを解き、アイビスを取り出し荒船氏の頭上から弾丸を放った。

 

 

「終わりだ」

 

「っ、旋空弧月!!」

 

「!!」

 

 

私が放った弾丸と荒船氏が放った旋空弧月はぶつかりそうな程の距離をスレスレに通り荒船氏の旋空弧月は私の胴体を真っ二つに、弾丸は荒船氏の胴体に撃ち込まれた。

 

 

「やるね、荒船氏」

 

「瀧原もな」

 

 

『『トリオン供給機関破損 ベイルアウト』』

 

 

 

 

 

 

 

▼▽▼

 

 

 

 

 

 

 

結果として勝利したのは我らが影浦チームだった。ブイ。

今も私は無表情を貫いているが、心臓バックバクでもう爆発しそうだ。

めっちゃ緊張したぁぁぁぁ!! 私結構独自に動いてたけど大丈夫だよね?? まあ四人落としたからチームには結構貢献したはず。

…………うん、めっちゃしたはず。

 

 

「瀧原先輩の攻撃凄かったです!!」

 

「狙撃手にカメレオンという斬新なトリガーセットでした。それにグラスホッパーの使い方も上手かったです」

 

「テメェ、銃手なら予め言っとけや」

 

「…敵を騙すには味方から」

 

「意味がちげーよこの陰キャコミュ障が」

 

 

う”っっっっっ!!!

影浦君の何気ない言葉が私の心にヒットした。

あ…もうだめ。私は所詮お豆腐メンタルのガラスのハートを持った陰キャコミュ障だから…従兄みたいに威圧感だしてドンとしてればいいのか…いや、無理。

あんなの出来ない。社会的に死ぬ。

 

 

そして部屋から出てロビーに向かうと対戦していたメンバーが揃うと全員が私に詰め寄ってきた。

怖い。そして動かない私の表情筋。少しは動けコノヤロウ。

 

 

「そういえば瀧原お前、サイドエフェクトでも持ってんのか?」

 

「!」

 

「あ、あの時当真さんの位置が分かってましたし、その後の米屋先輩の攻撃も軽々交わしてたので」

 

「あ! それに開始早々俺の近くに緑川がいるって…」

 

「え、そうなの!? だからコアラ先輩俺と遭遇してた時驚いてたんだ」

 

 

…………はっ。

そう言えばサイドエフェクトについて説明するの忘れてたァァァ!!!

今からでも間に合う? 間に合うだろ(白目)

 

 

「…私のサイドエフェクトは空間把握。相手の場所が分かるから私にバックワームや死角からの攻撃は無意味」

 

「最強すぎません?」

 

「ンなことはねーよ。コイツ、集中しすぎてるとサイドエフェクト使えなくなるからな」

 

「あー、集中しすぎると周りが見えなくなるのサイドエフェクトver.ってことッスか」

 

「簡単に言えばな。だが、瀧原が周りを意識しながら戦闘していれば、今日のように当真や米屋といった攻撃はほぼ無効化出来る」

 

「攻撃手や射手になれば凄い活用出来そうなのに、どうして狙撃手なんですか?」

 

「…匡貴君に脅されたから、反抗した」

 

「「……………マサタカクン????」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




陰キャコミュ障口下手を極めしB級隊員 タッキー

ぽむぽむほわほわーな親から生まれた約束された勝利の顔面を持っているがコミュ障無表情陰キャと言った残念要素の3コンボを持ち合わせている残念美少女。
無表情に加えて口下手すぎて、相手に誤解させてしまうのを直ししたいがその日は多分訪れない。
従兄が戦術に溺れたチョロい男ならば、こちらは優しさに溺れるチョロい女。やはり血は繋がっている。
因みに入隊は従兄の少し後で、元から才能があると思われ「シューターになれ」と脅され(本人にその気は無い)丁度その頃反抗期(軽め)に入っていたため反抗した結果スナイパーに。だがそこでとんでもない才能を開花させた。
高校はデザイン科がある学校。藤丸ののと橘高羽矢の後輩にあたるCカップ。

■ポジション:狙撃手
■年齢:18歳
■誕生日:12月31日
■身長:168㎝
■血液型:A型
■星座:かぎ座
■職業:ボーダー
■好きなもの:魚介類、抹茶系の物

─PARAMETER─
トリオン 12
攻撃 9
防御・援護 8
機動 8
技術 10
射程 15
指揮 1
特殊技術 2
TOTAL 65

─SIDE EFFECTS─

空間把握
相手の位置、場所が分かる




  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。