超A級スナイパーは口下手すぎて周囲に誤解を与えてしまうのをなんとかしたい 作:Yuri_____
「………千佳」
「り、立香さん…わ、わわわわたし」
「落ち着いて」
本日は遂に遊真くんと千佳ちゃんの入隊日。
遊真くんの方は特に問題ないと思うから、私は弟子の千佳ちゃんの晴れ舞台を見に狙撃手の訓練場に向かい入った瞬間目に入ったのはぶち抜かれた壁。
そして先程の衝撃音に千佳ちゃんとアイビス。
アッ、そういうことね。完全に理解しました。
これはある意味佐鳥くんの人選ミスだった。
「瀧原、その子とは知り合いか?」
「私の弟子です」
「エッ、瀧原先輩の!?」
「後は木崎さん」
「なんだその豪華メンツは…」
「瀧原の…だけどきみは本部の隊員じゃないな。トリオンの測定記録がない。その肩のエンブレムは……」
「……玉狛支部の雨取千佳です」
あー、これ迅さんの仕業だな。
千佳ちゃんの膨大なトリオンによって千佳ちゃんを派手に認知させる。
この未来を読んでいたからこそトリオンを報告しなかったのか。
だとしても…
「後で迅さんを〆に行こう」
「え!?」
「物騒なこと言うな」
ぽす、と東さんに軽くチョップされる。
そして騒ぎを聞きつけた鬼怒田さんが千佳ちゃんを気に入ったり──ロリコンという訳では無い──遊真くんと修くんが慌てて駆けつけたりと入隊早々色んなことが起きた。
しかも合流した烏丸くんから聞いた話では修くんが風間さんを引き分けに追い込んだらしい。
なんだそれ凄すぎる。
そして二人が入隊して少し時間が経ち、二人ともB級に上がるために頑張っている。
千佳ちゃんは狙撃手の訓練で一緒になり見ているが、以前よりぐんと伸びてきている。
遊真くんは修くんの仇?を打つために喧嘩を売ってきた緑川くんに十本勝負で勝ったりとこっちもこっちで凄いことになっていた。
遊真くん凄いな…私、注目なんてされたら蒸発して灰になって消えちまうよ……ニンゲン、コワイ。
今日は防衛任務があったのだが本部長に呼ばれ、任務終了後私は会議室に向かっていた。
緊張しすぎて心臓破裂しそう。
私、上層部の人達に会うの苦手なのに……
そう思いながら会議室のドアの前に立ち深呼吸をしてから覚悟を決めて中に入る。
暗いよー、怖いよー。
「失礼します」
「良く来てくれた、瀧原隊員。突然呼び出してしまいすまなかった」
「………いえ」
あ゚─────!!!!!
本部長が、本部長が優しく言ってくれたのに私はなんて冷たい返事を…!!
もぅマヂ無理…この後隊室に引きこもって枕濡らそう。
そう心に決め、私は目の前の椅子に座った。
「それで、呼び出されたのは何故でしょうか」
「ああ。まず本題に入る前に瀧原隊員に伝えるべきことがある」
「……」
城戸司令が話した内容はもうすぐ、いつかは分からないけど技術班などの調査と迅さんのSEにより大規模侵攻のような大きな戦いがやってくるらしい。
遊真くんとレプリカによる情報で今攻めてくる確率が高い国がキオンとアフトクラトルという二つの国。
しかもアフトクラトルの方には遊真くん達が滞在していた当時、黒トリガーが十三本もあったらしい。
なにそれ。どれだけの人が黒トリガーになってるんですか…近界怖すぎる。
「この件を踏まえ、瀧原隊員には本部のエンジニアが開発した改造トリガーを一時所持してもらいたい」
「改造トリガー、ですか」
「と言っても玉狛の木崎や小南、烏丸のような専用トリガーだ」
「それは何故、」
「現在、瀧原隊員はソロ隊員の中でトップに及ぶ実力のある隊員であり元A級という信頼と実績がある。もし今回の侵攻で黒トリガーが多く攻めてくる可能性があるため何かあった時のために今回限り所持してほしい」
信頼と実績だなんて…私には恐れ多いしそんな凄い隊員じゃないでふ。
それにソロのトップって迅さんでしょ?
「………わかりました。城戸司令の命令に従います」
「助かる」
「よし、瀧原。今すぐ改造トリガーを合わせるために開発室に行くぞ。いいですな、城戸司令」
「ああ」
「ぁ……ぁ…」
「いい加減わしが話しかけた途端になるカオナシ具合をやめんか!」
「瀧原隊員の容姿はメディア向けだというのに、内側に難ありなのが欠点ですよねぇ」
「ま、そこが瀧原の良いとこなんですけどね」
「ですが逆に彼女の陽キャ具合を想像できますか?」
「んー……無理ですね」
「無理だな」
「…………私(みたいな陰キャ)がこの世に生きててすみません。生命からやり直します…」
「誰もそこまで言っておらんだろう!」
「全く…」
「はは…」
この後、忍田本部長にココアを奢られ、城戸司令からは労いの言葉を貰った。
私はギャン泣きした。
▽▽▽
「────実は今回の瀧原専用トリガーの案は迅からだ」
「迅さんが…」
開発室に連れてこられるや否や、私に専用トリガーを持たせようと発案したのは迅さんらしい。
どうやらノーマルトリガーの時と専用トリガーを持った時の場合だと確実に専用トリガーを持っていた方が良い未来になるらしい。
迅さんってば私を買いかぶりすぎ。
私チョロいからそんな事言われたら好きになっちゃう。既に人生の先輩として尊敬の意味を込みで好きだけども。
「早速だが、今回の瀧原専用トリガーには新たに二つで一つのトリガーをセットする予定だ。名はスターリング」
「…??」
二つで一つってなんぞや?? と思っていると鬼怒田さんは私の無表情を読み取ってかちゃんと説明してくれた。
「二つで一つというのは例を上げるとすれば玉狛の小南が使っておる双月だな。このスターリングには二つのモードがある。一つはビット」
「…ビット…?」
「うむ。まずビットモードはメインとサブを合わせ合計二十個の浮遊砲台。簡単に言えば二十個の銃が宙に浮いてメテオラやバイパー等の弾トリガーを放つと考えていい」
…………ガンダムか??
ビットと聞いてもしかして、と思ったけど…開発者の人にガンダムファンの人が居たのかな。
「そしてもう一つ、バレットモードは固定砲台。ビットモードを全て接続して使えるようになる。アイビス以上の火力は備わってはいるが機動性が皆無でありトリオン量の消費が激しい為基本一発が限界じゃ」
「…つまり、その場から動けないほど大きいってことですか」
「そうだ。逆に浮遊砲台は基本自由自在に操作できる。二十個という限られた数である為瀧原のトリオンによれば強力な攻撃が二十発撃てる。このトリガーはわしらが今持ちうる最高のトリガーだ。瀧原なら使いこなせると信じておる」
「───、必ずお応えしてみせます」
鬼怒田さんに言われたら頑張らなければ。
市民の未来を守るため、大規模侵攻が来る前にものにしてみせよう。
来たる侵攻までに私は隊室で訓練をしつつ、独り頑張っていた。
「そういえば立香、最近口下手具合が無くなってきたね」
「……遂に雷に撃ち落とされたか」
「唐突な悪口」
高校にて。
私の通う学校はボーダーの提携校では無いためボーダー隊員は少ない。というか私以外居るのか分からない。
知っている人と言えばオペレーターで去年卒業してしまった一つ上の先輩に我らが姉御、藤丸先輩とある共通点があって仲良くして頂いてる高嶺の花 羽矢先輩ぐらい。
まあ、コミュ障故他のクラスの人には話しかけられないし、しかもこの口は初対面の人に何を言い出すか分からないためたまったもんじゃない。
自分で自分の口を制御出来ない女が通りまする…
そんな訳で高校にボーダーの知り合いがいない為、他校の人達は私をぼっちちゃんだと思っている節があるけど私にだって多少は友達はいる。
多少、は………嘘です。見栄はりました。一人だけです。
保育園の時からの友達です。
「でも本当、以前より陰のオーラ放ってないし。なんか心境の変化でもあった?」
「……新しい弟子ができた」
「え、立香に弟子なんているの??」
「いる」
「イマジナリー弟子じゃなくて?」
おっと、心は硝子だぞ。
心の中でしくしくと涙を流していると、ウウ~…と聞きなれた音が聞こえてきた。
「この、音って…」
「警報音」
今日がこの日だったか。ふ、膝が震えてきたぜ。
城戸司令が言っていた様に、三門市の空には四年前を思い出させる門が大量に出現。
殆どの三門市民にとって、トラウマでしかないもの。
「り、立香…!」
「…」
私は教室を見回すと全員戸惑いと恐怖の表情。
三門市民はもしまたあの時のことが起きた場合のため訓練をしてはいるけど、やっぱり訓練と本番は違う。
人前で喋るのは本当に苦手だけど、ここはボーダーの一隊員として市民の安全を優先。
今は働かないでよ、私の口下手。
「全員、先生の指示に従い素早くシェルターへ移動して」
「瀧原さん?」
「もしこの中にC級隊員がいる場合は、緊急事態のためトリガーを起動して他の生徒の避難優先し、その場で待機して交戦不要。他のクラス、学年にボーダーに知り合いがいる人は今言った事を伝えてほしい」
「瀧原さんはどうするの…?」
「──────…近界民を殲滅する」
私は窓を開け、手にトリガーを持ち飛び降りた。
「トリガー、起動」
多少は口下手が解消してきたタッキー:瀧原 立香
この度二人目の弟子が出来て、自分に務まるか分からなかったけど玉狛の三人に懐かれてあがるるはっぴーす。
あれ…私、陽キャみたいなことしてると一瞬だけ思ったがすぐに自分は一生陰キャだとネガティブが加速した。
今回は色んな人から優しくされたと思えば、お豆腐メンタルをグサグサと攻撃され、崩れ落ちた。
誕生日の件は今年一番の幸せだった。別の日に従兄に良いとこの焼肉に連れて行ってもらいたくさん食べた。
そして本当はその従兄に無理矢理教えられて射手トリガーをリアルタイムで弾道を引けることが出来るが、従兄に後方師匠面されるのが嫌なので反抗して銃手トリガーをセットしている(しかもそれでマスターランク手前)
生活面での問題は特にないが、ボーダーになると話が変わってくる面倒なヤツ。
羽矢さんとは一番仲のいい同校の先輩であり、良く漫画のベタ塗り等を手伝っている。最近同人活動に誘われて迷っている最中のまだまだ伸びしろがあるCカップ。
▷▷▷TRIGGER SET◁◁◁
MAIN TRIGGER
アイビス
スターリング (メテオラ)
シールド
コネクター(試作)
SABTRIGGER
バックワーム
スターリング(メテオラ)
シールド
グラスホッパー
タッキー専用トリガー スターリング
主人公のSEと相まってビットを自由自在に移動させて敵に撃ち込む事が可能であり、【ビットモード】【バレットモード】の計二つのモードがあるというカッコ良さを追求した結果とんでもないトリガーになってしまったので、大規模侵攻以降出す予定は今のところなし。
モデルはガンダムエアリアルのビットとFGOに出てくるとあるとんでもない砲台です。