エピローグ 捻れて歪んだ終着点
――星辰の間*1
青い空間。砕け散った七本の柱の中心で2人の少女が対峙している。
「……私のミスでした。私の選択、そしてそれによって招かれたこの全ての状況」
終末の刻限は訪れた。全ての無へと至り、今この世界にある万物全てがアーカイブ化される。
「結局、この結果に辿り着いて初めて、あなたの方が正しかったことを悟るだなんて……」
空色の髪を靡かせた少女は、もう一人の少女にゆっくりと頭を下げる。
「……今更図々しいですが、お願いします。蒼井ハル……いいえ、ハル・ブライト」
「なにかな?」
「きっと私の話は忘れてしまうでしょうが、それでも構いません。何も思い出せなくても、おそらくあなたは同じ状況で、同じ選択をされるでしょうから……」
そして、空色の少女は顔を上げると、もう片方の少女に向かって言葉を繋いだ。
「ですから……大事なのは経験ではなく、選択。あなたたちにしかできない選択の数々」
空の軌跡を歩むのは太陽の娘と漆黒の牙、記録を記すは三位一体の崇高。
碧の軌跡を歩むのは新米捜査官と夢幻の太陽、記録を記すは神々の王女。
閃の軌跡を歩むのは灰の起動者と蒼の起動者、記録を記すは暁のホルス。
「私たちの計画は失敗に終わりました。世界の命数を伸ばすには、もはやこの力に頼るほかありません」
彼女の願いはただ一つ、この美しい世界がより長くこの世に在り続けることだけ。けれど、その願いは叶わなかった。叶えられたのは別の願い。
全ての可能性が閉ざされたこの世界でも、いつか再び
「■■■としての、責任と義務。そして、その延長線上にあった、あなたたちの選択。それが意味する心延えも。今度こそ理解しているつもりでしたが……」
一歩、空色の少女は歩み出る。そして、もう一人の少女の首に金色に輝く首飾りをかけた。それは、《外の理》を宿す神秘の首飾り。ここで終わる空色の少女からのせめてもの餞別――。
「ですから、ハル。私が信じられる友人である、あなたになら、この捻れて歪んだ先の終着点とは、また別の結果を……。そこへ繋がる選択肢は……きっと見つかるはずです」
空色の少女は微笑む。それは
「だからハル、どうか……」
景色が、世界が、記憶が、時空の彼方へと遠のいていく。
全ての終わりを覆し、物語を未来に繋げるために。その少女は世界から消えた。