まんが日本バーンブレイバーンばなし 作:PureFighter00
背嚢を担ぐとルル太郎の肩にみしりとベルトが食い込んだ。
「いいかルル太郎。背嚢の中身は皆同じ配置にするんだ。仲間が倒れた時はその背嚢から必要なものを抜く……だからどこに何が入っているか分かりやすくするんだぞ」
「イサミ、ルル分かった!」
「ヘイ、イサミ! ザックの上に隙間がある様だが?」
「ふ……訓練だしな」
「ガガピ?」
「こいつを入れるのさ」
イサミが取り出した漬物石は、一つ5kgはありそうだ。
「ガッ(驚)」
ルル太郎はドン引きした。今でも背嚢凄く重いのに!
「ルル太郎、根性はあるか?」
「ガッ……あります」
「なぁに大丈夫。勇気があれば耐えられる……おまじないを書いてやろう」
イサミは筆をとると二つの石にイサミ・スミスと認めた。
(余計重くなった……涙)
「こうしたら捨てられないだろ?」(ニッコリ)
「ワォ、プリティクールだな! クレイジーだぜイサミ!」
実際訓練時にコンクリートブロックに妻・子と書いて背嚢に詰めた猛者はいるらしい。
100km行軍訓練はただ荷物を背負って歩く訓練では無い。フル装備で行軍……つまり作戦展開する訓練だ。常に周囲を警戒して休憩時は敵からの発見を避け、夜通し歩いて布陣する……
「はぁ……はぁ……」
戦闘用装備を詰め込み、戦う為の準備をして歩くのは辛い。
最新の20式小銃とは言え、重量は3.5kg程はある。更に予備弾倉や各種サバイバルキット、銃剣……全て捨ててしまいたいが、捨ててしまえば戦えない。戦う為に歩くのだ。戦う為の装備は捨てられない。運べるなら更に榴弾発射器や様々なオプションが取り付け可能なのだ。
「ピカティニー・レール…… M-LOKレール……嬉しいけど、ツラい……」
【ピカティニー・レールと M-LOKレール】
どちらも主に小銃向けオプションマウント規格。取り付け部を規格化して、合致するものを比較的容易に取り付け可能。ただ、色々なオプションが取り付けられるという事は小銃の重量が増えるという事で……そりゃあ出来れば榴弾発射器は欲しいが、発射器と榴弾は誰が運ぶかという深淵な問題がね?
「ルル太郎、ペース落ちてるぞ。小休止の後ポイントB-1に移動!」
「れ……れんじゃー……ガピっ……」
大樹に身体を預けて休息する。睡眠も満足にとれない訓練中は、座った瞬間に気絶の様に寝入るどころではなく、立ったまま寝る者、或いは歩きながら寝るものさえいるという。そんなバカなと思ったが、筆者も2徹した後にイベントでマイクパフォーマンスしてたらマイク握って喋りながら意識が途絶えた事があった。疲労困憊すると人間は如何なる状況でも寝る事が出来るのだ。
無論ルル太郎も例外では無い。彼女も身体を大樹に預けて赤い眼を開きながらガガピーと眠りについていた。
♪ルール太郎さん
ルル太郎さん
背中に背負ったパック飯〜♪
一つ〜私にくださいな♪
ルル太郎は一瞬求められるままに背嚢からパック飯を取り出しそうになるが、はっと覚醒して20式を構えた。ア・タ・レのセレクターをタにセット。
「敵襲!」
「何っ!」
助教のスミスの顔にも緊張が走る。いや、ここでは想定されていなかった筈だ!
「わっ……わわわっ!」
近隣の樹木から幼児サイズの何かが落下する。走るスミス、走るルル太郎。
「誰か!」
鋭い
「さ……お猿さん?」
「ブッ……ブレイバーンっ! 私の名はブレイバーンだっ!」(怯え)
ブレイバーンと名乗ったそれは、凄く簡単な造形をしていた。
「実は……山にデスドライヴズが出まして……」
「要救護者か……」
「こんなところにまでデスドライヴズが……」
「スミスー、パック飯あげちゃ、ダメ?」
「官品横流しは処分対象だが、要救護者だしなぁ」
「仕方ない、訓練は中止。これより対デスドライヴズ戦に入る。とりあえず湯を沸かそう。スミス、哨戒と布陣を。ルル太郎は火起こし」
「ありがとうイサミィっ!」
「詳しい話を聞こう。ブレイバーン」
「はむはむ……おいしー!」
簡単ブレイバーンは、相合を崩して飯をハムハムしている。
現在自衛隊が使っているパック飯(戦闘糧食II型)は自衛隊カンボジア派遣中に行われたUNTAC参加国の戦闘糧食コンテストで1位を獲得したことがあり、レーションとしては比較的評判が良い。
ましてこの時代、米食は貴族の特権の様な側面もあった。
3人とブレイバーンはウィンナーカレーを喫食しながら作戦を立てる。
「攻撃対象が1つなら、囮を立てて背後から急襲かな?」
「はいはーい! 僕が囮役しまーっす!」
「はぁ? 大丈夫なのか、ブレイバーン?」
「他の人より僕の方が、一度追い払われてるから油断すると思うよ?」
「一理ある」
「それに……僕のバーンドラゴン使えば偵察もできます!」
「なんだそれ?」
キジ役だよ(素)
「とりあえず全員で周囲を警戒しつつ前進だな。敵が居るって言う山の手前で偵察出そう」
「よし、スミス。火の処分頼む。俺はクレイモア回収して来るわ」
「Ok, Bros、気をつけろよ!」
猿と雉は仲間にできました。