いや、本当に放置していてすみませんでした。
完結目指してがんがるぞー!!
大抵の『物事』というモノには理由がある。
風が吹けば桶屋が儲かる。だなんて言葉を解体すればそれは屁理屈では? と突っ込みたくなるだろうが、屁でも理屈は理屈。一応筋は通っている。
この『よう実』ワールドで例をあげるならば主人公の綾小路が高度育成高等学校に入学したのも『ホワイトルームとかいう法律倫理道徳をあらゆる面からぶっ千切っているブラック極まりない施設から一時的にでも脱出する為』という理由がある。
Dクラスの良心にして一見すれば不良品の名に相応しいとは思えない優秀な平田や櫛田が、あのようなキャラクターとして振る舞い、それでもなお不良品の集積所たるDクラスにぶち込まれてしまった事にも勿論理由はある。
平田は友人を見捨てた事で結果的に自殺に追い込んだトラウマ。櫛田は中学時代にクラスメイトの秘密をブログで暴露した事がきっかけによるクラスの崩壊。
茶柱先生が綾小路を脅してまで。そして俺という異物が混じったこの世界線においてはハリソン少年を遠回しとは言えイジメ行為の教唆をやらかしてまでAクラスに執着しているのも、きっと理由がある。
俺の持っている原作知識は一年生編までなので何が起きて何の因果で彼女がそこまでAクラスへ拘っているのかの詳細は知らないが、いい歳こいた大人があれ程までの執心を露わにしているのだ。それ相応の理由があってしかるべきだろう。
全てでは無い。ありとあらゆる物事。とまでは言いきれない。
普通に生活していただけなのにキチガイの通り魔に襲われてしまったりだとか。
ある日深夜に寝ていたら大地震に襲われたりだとか。
荒野で座禅を組んでたら頭に亀が降って来て死んじゃったりだとか。
そう言った、どう理由を探そうにもどんなに弁を尽くそうにも結果的には『運が悪かった』の一言で済まされてしまうような何の因果も理屈も及ばない理不尽というモノは確かに存在する。否定のしようも無い、間違い無い事実だろう。
ただ、まあ。あくまで一般常識的な話をするならば。
大抵の物事。大抵の人間。大抵の事象には『そうなってしかるべき理由』というのが存在する。
これが前世で四十年近く生きてきたオッサンたる俺の持論なのだ。
「あんた、さっきから何様のつもりなの? 喧嘩売ってるならはっきりそう言ってくれない?」
……うん。アレだ。
だから、その、ね?
「何度も言っているようにこれは私達Dクラスの問題よ。他所のクラスの人間は口を出さないでくれないかしら?」
長々と現実逃避していたけど、いい加減に現実に目を向けなければならないのかなーって。いや、まあ。普通に嫌だけど。すっげー嫌だけど、そろそろ目の前の現実に目を向けよう。向けざるを得ないっぽいし。
こう、気分的にはチラッと見てから何度かサッと目を背けるレベルでめちゃくちゃ嫌な現実に、目を向けなければ。
「だから、時と場合を考えろって言ってんの。空気を読む事すら出来ないの?」
「自己中心的で幼稚な言葉ね。貴女のような人間がAクラスに配属されるだなんて、この学校の仕組みはどうなってるのかしら」
「はっ。私自身はAだのDだの興味は無いけど学校の評価は間違っては無いんじゃない? 少なくともあんたみたいな社会不適合者はDクラスがお似合いだと思うけど?」
……はい。
あの、うん。一言で言うね?
修羅場なの。
あの、ね? 俺の目の前で、ね?
何でか分かんないけど、修羅場が起きてるの。
「何の根拠も示せない非常に歪んだ価値観から生まれた評価ね。少なくとも私は学力を始めとした大抵の分野では優秀な成績を収めているわ。そもそも私は貴女のような部外者に関わっている時間は無い。と、いい加減に理解をして欲しいわ」
「だからっ! 何でそっちの都合でこっちが引かなきゃいけないか。って聞いてるんでしょ!?」
「一々大声を出さないでくれないかしら。公共の場で喚き散らしている貴女の醜態からして、貴女の方がよっぽど社会に適合する事が出来ない不良品にしか視えないのだけれど」
「あんたっ……本当にっ……!!」
ヤバい。そろそろヤバい。
いや現時点でも十分に修羅場だから割とヤバいのだけれど。
アレだ、神室の顔色がヤバい。真っ赤だもの。激憤って言葉がここまで似合うかって程に真っ赤っ赤だもん。
あのね、今ね。ボク達はカフェにいるの。
それでね、テーブルに座ってね、俺の隣に神室がいてね。
でね? 何故かその向かいには黒髪ロングの孤高(笑)の美少女様と無表情の主人公がいるの。
それでね? なんやかんやあってね? 修羅場なの。
うん。
地獄かな?
『春菊』
遡る事を繰り返し、現状を事細かく紐解いていけば、女二人の口論からなる地獄のような修羅場の切っ掛けは。そう、春菊なのである。
ちなみに今回名前をあげた春菊とはただの春菊である。何かの符合でも無ければ例えでも無い。
学名グレビオニス・コロナリア。キク目キク科シュンギク属。日本の食卓でお馴染みの、あの独特の風味が堪らない美味しいお野菜様である。
二日前の事。
「ボクの好物ですか?」
「そう。私ばっかりリクエスト聞いて貰ってるし、酒以外のあんたの好みってあんまり知らないし」
坂柳と葛城、それから橋本をメインとしたAクラスの生徒達との顔合わせとちょっとした交渉を終えた帰り道。
夜と言うには早いけど夕方というには薄暗い逢魔が時にて。ケヤキモール近くのスーパーで買い出しをしている時にこういう話になった。
要するに今夜の夕飯何食べたいのよ? と俺が神室に聞いたら俺の好きなモノというアンサーが帰って来たのだ。
「まあ、割と好き嫌い無く何でも食べますが。強いて一品あげるなら。もしも最後の晩餐に何を食いたいかと聞かれたらば……」
「いや、そこまで大袈裟な話をして無いんだけど」
「すき焼き。でしょうか」
すき焼き。
オッサンの大好物である。
金に不自由していた若い頃は給料日や麻雀に勝った時なんかに安い肉を買っては自宅で何度も作っていた。
ある程度の金銭的に余裕が出来た頃には老舗のすき焼き屋に月に一度は通い、数枚の諭吉を生贄に絶品の霜降り牛肉を味わっていたものである。
「鍋物は基本的に好物ですが、すき焼きは格別ですね。嗚呼、何だか話をしていたらすき焼きが食べたくなってきましたね」
「じゃあ今夜の夕飯はそれで」
「すき焼き……ビール、日本酒、焼酎にウィスキー。何にでも合うんですよねぇ……あぁ~酒飲みてぇ……」
「化けの皮が剥がれかけてるからもうちょっとは我慢しなさい」
と、まあそんなやり取りをしつつ買い出しを終え。我が屋ならぬ我が部屋へ帰宅した俺達だったのだが、ここでちょっとした事件が発覚したのだ。
「しまった!! 春菊を買い忘れた!!」
春菊。緑の憎いあんちくしょうを買い忘れたのだ。今日の献立はすき焼きだというのに。俺は思わず頭を抱えて叫び声をあげた。
「別に葉物が少なくても良くない? 他にも具材は沢山買ったわけだし」
「何を言っているんだ真澄君!! 春菊が入ってないすき焼きなど、それは最早すき焼きじゃないんだ!!」
「そこまで拘るもの?」
たかが春菊。されど春菊。これが椎茸や白菜や長ネギだったならば俺は溜息を吐きつつも仕方ない。と終わらせていた話だろう。
だが、春菊なのだ。すき焼きに入れる春菊なのだ。
「分かりやすく例えをあげるなら、春菊の入っていないすき焼きは豚汁にコンニャクが入っていないようなものだぞ!?」
「いや、それ別に無くても困らないんだけど」
「ならば春菊の入っていないすき焼きはカレーにカレー粉やルーを入れないようなものだぞ!?」
「それただのポトフ」
「そんな暴挙が赦されていいと言うのか!? いや、そんな事は決して赦され無いのだ!!」
「あんたもしかしてもう酔ってるの?」
一滴も飲んでないというのに白い目で酔っ払い扱いされる塩対応に若干傷付きながらも、すき焼きに煩いオッサンからすれば、やはり春菊無しのすき焼き等は認められ無いわけで。
「と言うわけでひとっ走りして春菊を買ってくる。コンビニ……には売ってなさそうだし、またスーパーだな。取り敢えずなるべく早く帰ってくるつもりだから」
「別に要らないと思うけど、まあ好きにしたら? 他の食材は適当に切っておくから」
「サンキュー真澄くん!! んじゃ、行ってくる!!」
と、まあそんな理由もあって俺は一人スーパーに舞い戻ったはいいモノの。結果的に言うならば結構な時間を浪費してしまったのだ。
まず一軒目のスーパーは店舗の規模が小さいせいなのか、そもそも春菊が売ってなかったのだ。
春の菊。という名前の癖して実は春菊の旬の季節は主に冬の時期である。まあ、温室栽培が浸透している現代では割と何時でも食べられる野菜とは言え、無くては困る必須の野菜と言える程のネームバリューかと聞かれれば首を傾げざるを得ない微妙な青物。取り扱って無い店があっても仕方無い。
で、二軒目のスーパーに行ったのだが、今度は高い。値段が高すぎた。
春菊大好き人間の俺としては俺と神室の二人前計算で三袋は買っておきたいところだったのだが、お値段なんと一袋380円。三袋買えばまさかの千円超えである。昨今の野菜の値上がりは馬鹿に出来ないようだ。
俺の財布。というかポイントで遣り繰りしてる為、実質は携帯端末になるのだが、とにかく所持金としては百万単位のお金持ちである。とは言え、元々こちとら小市民なのだ。いくら好物とは言え「流石に葉っぱに税込みで400円以上はなぁ……」と思わず口から零れてしまうのも無理は無い。
と言うか、俺の感覚からすれば本来春菊は一袋100円ちょいで買えるお手軽なお野菜という考えが根付いているのだ。
買おうと思えばもちろん買える。買えるのだが、何と言うか、幾ら何でもボッタクリじゃね? みたいな気持ちが拭えないのだ。いや、別にこのスーパーが詐欺行為を働いているとは思わないが。
なので、三件目へ。ようやくお目当てのお手軽なお値段の春菊(それでも特売扱いにも関わらず税込み298円だった)を手に入れて小走りで帰路に着いた頃には完璧に夜である。
十分そこらで帰るつもりだったのに気付けば一時間近くは経過している。神室からの帰宅を催促するメッセージに謝罪の返信しながらも、これで漸くすき焼きが食べられる。
「……っぶね!」
そんな事を考えながら寮の近くまで辿り着いた俺の耳に、何だか焦ったような男の声が小さく聞こえた。
神室を待たせている俺からすると、とっとと帰りたい気持ちは山々なのだが、声が聞こえた路地裏の方からは男達が会話する声に纏わりつくようにして、何だか不穏な気配が漂っているように見えた。
事件やら事故なら通報しといた方が良いかもしれない。原作での佐倉のストーカーの存在などから考えると、この学校の防犯意識がガバガバである事は論ずるまでも無い。
サッと確認だけして大した事が無さそうだったら帰ろう。揉め事だったら通報、もしくは教師にチクるだけして逃げよう。
基本的に自己中心的な考えで生きている俺にしては珍しく、らしくも無い多少の正義感と好奇心に駆られ、俺は声の聞こえた薄暗い路地裏に脚を運んだ。
……運んで、しまったのだ。
「いい動きだな。立て続けに避けられるとは思わなかった。それに、俺の手の内も予測出来ているらしい。何か習っていたのか?」
「ピアノと書道」
感心したような台詞と共に眼鏡をクイッと上げるFucking son of a bitchの陰険糞眼鏡先輩。
それに相対するのは相変わらず無表情な我等が主人公、綾小路きよぽん。
そんな二人を信じられないような瞳で見つめる孤高(笑)の美少女。
うん。アレだ。
どう考えても原作イベントです。本当にありがとう御座いました。
「お前もDクラスか?中々ユニークな男だ。それにしても今年のDクラスは想像以上に化け物揃いのようだな」
「?……まあ、堀北と違って無能なんでね」
このイベントを知らない『よう実』読者は居ないだろう。
初登場から何となく強キャラ感を出していた生徒会長『堀北 学』と綾小路のファーストコンタクトシーンである。
話の流れはこうだ。
赤点=即退学。という学校のルールを告げられた事により『堀北 鈴音』が赤点にも関わらず平田が主催する勉強会に参加しようともしない三バカを救う為に綾小路に協力を要請(ぶっちゃけほぼ脅迫だったけど)。結果的に綾小路は櫛田を利用する事で堀北を教師役とする勉強会を開催するに至る。
が、そこでトラブル発生。小学生レベルの学力と忍耐能力しか持たない三バカ筆頭のヤンキー『須藤 健』と、幼稚園児レベルの対人能力しか持たない堀北が当然の様に衝突。口論を起こし、すわ暴力沙汰かと思われる程の激しい罵り合いの末、勉強会は呆気なく崩壊。
DクラスのCPは0。今なら退学者を出してもペナルティを踏み倒せると推測した堀北は三バカを見捨てる決断をした。
幾ら何でもそれは酷いと非難する櫛田や傍観する綾小路を置いて、とっとと堀北は退散する。
時は飛んで放課後の夜。理由は忘れたが綾小路が自室から出掛けると、エレベーターに乗り込む堀北を発見。こんな時間に外出か? と疑問に思った綾小路は彼女を追跡。するとそこでは部活動紹介の時に壇上で見掛けた生徒会長と思しき先輩が、堀北に暴力を振るおうとしているでは無いか。
慌てて飛び出した綾小路は生徒会長を止める。が、生徒会長は堀北妹を庇う綾小路に襲い掛かり鋭い連撃を見舞う。しかし、そこは我等が主人公だ。綾小路はホワイトルームの最高傑作の名に相応しい身体能力を見せ、軽々と生徒会長の攻撃を躱して見せたのだ。
んで、まあ。なんやかんやで強キャラの生徒会長に「おもしれー男」扱いされた綾小路。生徒会長は堀北妹に応援に聴こえなくも無い不器用な台詞を送ると共に退散。堀北妹は綾小路の優れた身体能力を垣間見る事によって益々、綾小路がただの凡人では無いという疑いを強める。
それから綾小路が堀北に説教じみた説得を行い、堀北妹はちょっとだけ更生。翌日、再び三バカと勉強会を開き、徐々にではあるが三バカの学力は向上していく。
……みたいなのが原作の流れである。
まあ、このイベントの直前に綾小路と櫛田のパイ揉み事件。つまり櫛田の裏の顔を綾小路が目撃してしまう事件が起きていたりするのだが、今回は関係無いので割愛。
話を戻すと、要するに目の前で起こっている野郎同士のイザコザは、作中における重要なシーン。という訳なのだ。
「鈴音。お前にこんな友人が居たとは知らなかった。正直、驚いたぞ」
「か、彼は……友達なんかじゃありません。ただのクラスメイトです」
「そうか。どうやら孤独と孤高を履き違えている無様は相変わらずのようだな」
ああ、イベントが進行している。
作品のファンとして名シーンを間近で見れる喜びはあれど、俺はそれ以上に迷っていた。
すなわち、とっとと逃げ帰るか。
それともこのイベントに干渉するか。
迷ってしまったのだ。
「それからお前、綾小路と呼ばれていたな、聞き覚えのある名前だ……確か入試において全科目の点数を何故か50点で揃えた生徒だったか? やはりユニークではあるがお前も問題児か」
よくある二次創作のパターンでは生徒会長が堀北妹に暴力を振るうシーンや、綾小路へ襲いかかる瞬間を撮影。後日、その動画をネタにポイントを毟り取ったりだとか、今後の学校生活において味方について便宜を計って欲しいと脅したりだとか。オリ主が今後の展開を見据えて中間テストの過去問を要求するパターンもあったか。
生徒会長である堀北 学は作中でも明確な強キャラとされている。歴代最高の生徒会長と称えられており、学力優秀、空手は五段で合気道は四段と喧嘩も強い。
……と言うか、高校三年生で空手の五段って普通は有り得ないのだが。強さ的な意味合いよりも年齢と取得期間の関係で。
まあ、そんな公式バケモノキャラの唯一の汚点が今回のイベントな訳で。つまり今回を逃せば堀北兄の弱味を握るのは実質的に不可能となる。
別に堀北兄とは敵対する訳でも無いし、中間テストが終わったら生徒会の先輩後輩の関係となる俺からすれば暫定的には味方キャラの堀北兄だが、そもそも何故俺が彼から生徒会に勧誘されたかがハッキリとしていない現状、確定で味方とは言えないのもまた事実。
念には念を入れて弱味の一つや二つ握っておいた方がいいのでは無いか。そんな考えが頭を過ってしまい咄嗟に行動が出来なかった。
「先輩とは言え、何で一生徒がそんな個人情報まで把握してるんですかね?」
「これでも生徒会長を任されている立場だ。それなりの特権というものがある」
とっとと逃げ帰るのが唯一の正解だというのに、俺は間抜けにも『これはチャンスなのでは!?』と迷ってしまったのだ。
いやまあ、後々冷静になって振り返ってみたら俺がこのイベントの現場を目撃した時点で既に、堀北妹への暴行どころか綾小路とのバトルシーンも終了して会話フェイズに移っちゃってる訳だから、仮にこんなシーンを撮影したところで堀北兄の弱味を握る事なんて不可能なのだが。
うん。歳取ると、こう、ね? 色んな意味で鈍くなると言うか……想定外の自体に固まっちゃうと言うか。
いや、これは歳関係無いか。単純に俺の反射神経がクソ雑魚なだけだ。
「ところで……」
だから、まあ立つよね。
フラグが。
「後ろで隠れているそこのお前は出てくる気は無いのか?」
どう見てもバレバレです本当に有りがとう御座いました!!
で、その後よ。
俺は頑張った。もう本当に、何だったら入学してから一番頑張った。
全身全霊でペラを回しては目の前の生徒会長から暴行を受けない為にも必死に自己弁護を徹底したし、前世の演劇スキルをフル活用しては身振り手振りで強キャラ感を演出してみたり。
意味深な台詞回しを繰り返したり態とらしく鉄扇を広げて微笑を浮かべる事で『生徒会長が女子生徒に暴力を振るおうとし、それを止めた男子生徒に襲いかかった証拠はしっかり握ってますけど何か?』みたいなポーズを取る事で全力で目の前の連中の勘違いを煽ったりもした。
言うまでも無いだろうが、俺の内心は汗ダラダラで心臓バックバクである。堀北兄に本気で攻撃されたら即死亡。は言い過ぎにしてもほぼ確実にワンパンで卒倒するだろう。と言うか多分俺は綾小路どころか堀北妹にも勝てないレベルでひ弱なのだ。神室には何度か押し倒されてるし。
で、頑張って、ひたすらに頑張りまくって。ぶっちゃけ頭は真っ白だから後半は何を喋ったか覚えて無いけど、とにもかくにも頑張った結果。
俺は無事に無傷で帰還する事が出来た。
なかなか帰って来なかった俺にハラペコ神室が「遅い!!」と眦を釣り上げて鋭い声を上げるも、その後直ぐに顔色を一変させて「もしかして具合悪いの?」と心配されるレベルでグロッキー状態だったけど。
まあ、その後は大好物のすき焼き食べて英気を養い、神室に酌して貰いながら酒飲んで体力回復したり。食後は膝枕して貰いながら何か頭撫でられて癒されたりしたのだが……
「佐城くんよね。貴方に話があるわ。拒否権は無いからそのつもりで」
「あー……一応自己紹介しとく。俺は綾小路でこっちは堀北。一応同じクラスなんだが……」
二日後。つまり今日この日に。
クッソ面倒くさい孤高のブラコンお口わるわる少女とラスボスサイコパスが、寮の自室までダイレクトアタックしに来ちゃいましたとさ。
めでたしめでたし。
……いや何一つ目出度く無ぇよ。
地獄かよ。
修羅場の続きはまた今度。
今後の展開について
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オッサン視点でストーリー重視
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他者視点重視。イベントの裏側を解説