プリキュア∞クロノスクロール!   作:AIka(哀歌)

1 / 1
はじめまして。
よろしくお願いいたします。
ご感想くだされば非常に励みになります。


動き出す今! キュアプレゼント誕生!

 

 

 

 

最近、不思議な夢を見る。

 

「……? あれ、ここって……」

 

 見渡す限り広大な草原。遠くに連なりそびえる緑の山々。

 そして、簡素な服を身に纏った人々と、彼らが暮らす集落。

 

 ――聞いたか? ヒミコ様がまた1つ、滅びかけていたムラを救ったそうだ。

 ――ほぉー! すげぇなぁ。そういや俺も聞いたぞ。確か、隣のムラの抗争も言葉で静めたとか。

 

(え? 『ヒミコ』?)

 

 そんな会話が聞こえたかと思えば、私の体は激しい激しい時空の流れに押し出されて、またもや見知らぬ場所に立たされていたりする。

 

 ――あー、今日の平成時代のテスト、間違えた~。

 ――仕方ないよ。スマートフォンなんて大昔のデバイス、ひいおじいちゃんでも使っていたかわからないし。

 

(スマホが、大昔?)

 

 そうだ、これは夢だ。

 夢で過去や未来を行き来する体験をしているんだ――

 そう自覚した瞬間、私の体はまたもやポーンと時空の大海原に投げ出される。

 

 ――時間とは……。

 

 誰かの声が、聞こえる。

 厳かで、力のある声。

 

 ――時間とは、広大無辺に広がる大洋のようなもの。その大洋の水は、過去、現在を経て、未来へと流れ続けている。

 

 声がそう言った途端、私を乗せた大海原が、ざわざわとさざめき立つ。

 不安に震えているように。ざぶんざぶんと波打ち出す。

 

 ――しかし、平穏だったその流れは今となっては……。

 

 

「……はっ!」

 

 そうして私は、またいつも通りの朝を迎える。

 

 

【プリキュア∞クロノスクロール!】

 

 

「美結~、おっはよ~!」

「おはよー!」

 

 私の名前は日名太 美結(ひなた みゆ)。

 狭間中学校に通う、中学二年生!

 

「何? 複雑そうな顔してんね。またあの夢を見たの?」

 

 友だちに訊かれ、私は頷く。

 

「そうそう。過去とか未来とか移動しちゃってさ」

「えー、それってすごくない? 未来とか見れたらロト6でも当てちゃえばいいのに!」

 と冗談交じりに言う友達に、私は苦笑いする。

 

「えーっ。それができたら私、もう超能力者だよ」

「だねー。美結も私もみんなも普通が1番! 考えすぎだよ。今日の給食、デザートにプリンがつくから頑張ろーよ!」

「えっ、プリン!? やったー!」

 

 私は笑いながら友達と共に駆け出す。まるで夢のことなんか全部忘れたように。

 だけど。だけど、心の奥底では、その夢に何か意味があるのかもしれないと、私は思っている。

 

 

 放課後。

 私は友だちとの談笑を終え、一人で校庭を歩く。

 ふと空を見上げると、澄み切った限りなく広い青空が広がっていた。

 

(まるで、夢の中で見た時間の大海原みたいな綺麗な青……)

 

 ――美結。

「えっ!?」

 

 ぼうっと空を眺めていると、厳かな声がどこかから降ってきた。

 声は話を続ける。

 

 ――日名太 美結、選ばれし者よ。時間を正しく導く力が君にはある。それはあの夢で示されていたことだ。

 

 びっくりして周りを見渡すも、誰もいない。それは私だけに聞こえる声なのだろうか。

 

「時間を導く力? 何それ。私、普通の人間だよ。そんなことできるわけ……」

 ――否、できる。使うためには、その心に従え。そして、君の名前を叫ぶのだ。力が目覚める瞬間だ。

「私の……名前?」

 

 わかりきっている。

 私の名前は日名太 美結。

 だけど、あの謎の声はそれ以外の名前を指し示しているように感じた。

 

 ――さぁ、直感に従え。心から湧き出た君の名は何だ?

「もう、いきなりアレコレ言われてこっちも困るんだけど……。私の名前、私の名前は――っ!?」

 

 瞬間、私の頭の奥底がぴかりと閃いた。

 頭の上、空高くに燦々と輝く太陽が呼応するように煌めき、一条の光が私の元へ降り注ぐ。

 その途端不思議と、本当に不思議と、私の中に確信を持ってある1つの名前が浮かんだ。

 

「……プレ、ゼント。私の名前は、キュアプレゼント!」

 

 そう叫ぶやいなや、降り注いだ光が胸の前で形を成して1つの太陽型のペンダントになる。

 私はそのペンダントを構え、1つのコードを詠唱した!

 

「プリキュア! シンセシス・ザ・タイム!」

 

 途端、私の髪は長く長く伸び、服もキラキラポップでフリフリなドレスに変わる。

 時は令和。

 ここに降り立つは今この瞬間生まれたばかりの、『現在』を司る伝説の戦士!

 

「ぴっかり輝く今この一点!

 キュアプレゼント!」

 

 

 ……って、何これぇ~!?

 

 私ってば何言っちゃってんの!?

 何なの、魔法少女っぽいこの服、この髪の毛!

 

「自信満々に、きゅあぷれぜんと~! とか言っちゃったけど、めちゃくちゃ恥ずかしいよぉ、中二病だよぉ~(泣)」

 

 驚きと戸惑いでいっぱいだけど、私の姿はキラキラなままで、しかも夢ではなさそうだった。

 

「それにしても、ほんと不思議……」

 

 この姿、この髪型、この服は、私が選んだわけではない。

 でも、何故か違和感はなかった。 

 それどころか、これが自分だという感覚が強く心地良い。

 

 思わず見とれてしまう自分の新しい姿。でも、これで何をすればいいのだろう。それに……。

 

「時間を正しく導く力って、一体どういうことなの?」

 

 ふと、思い出す。

 夢の中で見た過去と未来。そして、その厳かな声が言った「時間を正しく導く力」。

 あれと何か関係があるのだろうか。

 

「私に何ができるっていうの? 時間を変えるなんて凄すぎること、そんなの絶対無理だよ!」

 

 だって、私は元々超能力者でも何でもなくて、普通の女の子だ。でも、その声は私に何かを求めている。

 それが何なのか、私にはまだ理解できない。

 

「そもそも時間を守れとか、卑弥呼がどうのこうのとか……私がやることなのかなぁ……」

 

 ――そう、その通りだ。

 

突然、厳かな声が再び響く。

 声はあの夢から聞いた声だ。私は周りを見渡すが、誰もいない。やはり私だけがこの声を聞けるのだ。

 

 ――君が選ばれたのだから。キュアプレゼント、時間を正す戦士。

「でも、私、何もわからないよ……」

 

私の心は不安でいっぱいだ。なぜ私が選ばれたのか、何をすればいいのか、全くわからない。

 

 ――それは君が自ら発見するべきこと。今、君が持つ力を理解することが必要だ。

「理解するって、どういうこと?」

 ――それは……。

 

しかし、その声は途切れてしまった。何か言いかけて止まってしまったようだ。私は焦りを感じつつも、何も言えない。

 

 ――ドンッ!!

 

「……何!?」

 

 突如として、私の周りに異変が起きだした。先ほどまでの静寂が一変、風が吹き荒れ、空が暗くなり、地面が揺れだした。

 

「えっ、地震!?」

 

 私は慌てて地面に伏せる。しかし、これはただの地震ではないことにすぐに気づく。周囲の風景が変わっていく。校舎や校庭が霞み、遠くに見える山々や街並みが消えていく。

 

「何、何これ!?」

 

 私の声が震える。まるで世界が消えていくような感覚だ。そして、その変化は急速に進行し、ついには私の足元まで来てしまった。

 

「きゃっ!」

 

 私は転倒し、目の前の地面が消えていくのを見た。そして、その先に広がるのは、無色透明な空間だ。

 

 ――これは、時間の歪み……。

 

声が再び響く。しかし、その声は以前よりも弱々しく、遠くから聞こえているようだ。

 

「時間の歪み?」

 

「そうだ。君が見ているのは、時間が歪んでしまった結果だ。」

 

「時間が歪むって、どういうこと?」

 

「時間は本来、一直線に流れる。しかし、何らかの原因でその流れが乱れ、歪んでしまった。その結果、君が今見ている現象が起こる。」

 

「でも、どうしてこんなことに……」

 

「それは、君がこれから探り当てるべきことだ。あなたが時間を正す戦士、キュアプレゼントなのだから。」

 

「でも、私一人でどうすればいいの……」

 

「それは君が自ら考え、行動すること。君が持つ力を信じろ。」

 

 その声は、そう言い残すと消えてしまった。私は一人、時間の歪みの中に取り残される。

 

「信じる、たって……」

 

 私は自分の声を聞きながら、途方に暮れる。そんな私の前に、再び変化が起こった。

 

「あれは……」

 

 私の視線の先に、小さな女の子が立っていた。その姿は、私が幼い頃に鏡で見ていた自分とそっくりだった。

 

「あの子、もしかして……」

 

 思わず声を失った私は、その女の子が自分の幼い頃の姿だと確信した。何故自分の過去がこの場所に現れるのだろうか。

 

 その時、突如として異変が起こった。時間の歪みがさらに強まり、幼い私の周りが揺れ始めた。

 

「えっ、なに!?」

 

 その瞬間、幼い私が大きくつまづく。その目の前には、巨大な時間の亀裂が広がっていた。

 

「きゃっ!?」

「危ない!」

 

 私はすぐに反応し、駆け寄った。そして、必死に幼い私を抱きしめて遠ざけた。

 

「大丈夫、怖がらないで」

 

 私はそう言いながら、彼女をゆっくりと抱きしめた。

 

「それにしても、どうして昔の私がここに……」

 

 その時、私は理解した。これが時間の改変、そしてその影響だと。

 

「これが、時間の歪みによる改変……」

 

 私はかつての自分自身を見つめながら、その意味を理解した。時間の歪みが、人々の命や日常を奪ってしまうということ。

 そして、それは当然私や、もしかしたらその周囲にすら影響してしまうかもしれないということ。

 

「これが、私が戦わなければならない理由……」

 

 私はそう呟くと、幼い私をそっと下ろした。そして、彼女の目を見つめて、やさしく微笑んだ。

 

「大丈夫、私が守るから」

 

 その言葉は、彼女にだけでなく、私自身にも向けられたものだった。私は、この時間の歪みを正すために戦うと決めた。

 

「これからは、私が時間を守る。だから、怖がらないで」

 

 私はそう言うと、幼い私の頭をなでた。

 彼女のあどけなく潤んだ瞳は、私の顔を映していた。

 

「キュアプレゼント……」

 

私はそっと呟く。その名前は、この時間を守るために選ばれた私の名前。そして、それは私の新たな決意を表していた。

 

「時間の歪みを正す戦士、キュアプレゼント。大丈夫、私はこの時間を守るために戦える!」

 

 そう決した瞬間、空間がバキンと割れておどろおどろしい怪物が現れる。

 

「うわぁっ、なにあれぇ……」

 

 それは私が見たこともない、黒い影のような存在で、その周囲には歪みが広がっていた。

 

「まさか、これが時間を蝕む怪物?」

 

 私はその存在を見つめて言った。その姿はまるで影のようで、その中には時間の歪みが見えた。

 

「きゃー!」

 

 幼い自分が恐怖のあまり叫ぶ。その叫び声を聞いて、私はすぐに反応した。

 

「大丈夫、大丈夫だからね!」

 

 私は幼い自分を抱きしめ、その怪物から遠ざけた。そして、自分自身に向かって力強く宣言した。

 

「私が、ちゃんと守るんだから!」

 

 そして、私は立ち向かった。その怪物に向かって、私は自分の力を試すことにした。

 

「タイム・アーマー!」

 

 私はそう叫び、自分の胸のペンダントを握った。その瞬間、私の手には輝く剣が現れた。

 

「これが、私の武器……」

 

 私はその剣を見つめ、自分の力を信じることを決めた。そして、その怪物に向かって、私は剣を振りかざした。

 

「さっさと終わりにしてあげる! プリキュアッ、ナウ・オア・ネバー!!」

 

 私は剣を振り下ろし、その怪物を斬った。その瞬間、怪物は大きな叫び声を上げ、その姿は消え去った。

 

「うっ……」

 

 私は力を使い果たし、膝をつく。しかし、私は満足していた。自分の力で、時間の歪みを正すことができた。

 

「お姉さん……」

 

 その時、幼い私が近づいてきた。その顔には、感謝の笑顔が浮かんでいた。

 

「ありがとう、お姉さん」

 

 その言葉を聞いて、私は微笑んだ。これが自分が時間を守るために戦う理由だと、私は改めて感じた。

 

「いつでも守るよ、だって私たちの時間だもん」

 

 私はそう言って、幼い私の頭を撫でる。

 そうすると周りの空間がキラキラと輝き、元の風景や時空がみるみるうちに修復されていった。

 

「……うわっ!?」

 

 私の体がかつての私から引き離され、何か激しい流れに乗せられる。

 

「これって、夢で見た――!」

 

 時間の大海原。

 どこまでも悠々と広がり、清く正しく流れていく時間の具現化。

 

「こんなの、現実にもあったんだ……」

 

 私は一人感心する。

 

「というかこれ、ちゃんと私の元いた時間に向かってるの? 私、ちゃんと帰れるの~!?」




【次回予告】
うわ~ん、ここどこ~!?
案の定、元の時代じゃないじゃんか!
なんか知らない女の子いるし!
なんかまた変身しなきゃいけないし!
なんでぇ~~~!!
……って、まさかあなたも!?

次回、第二話!
過去への旅! キュアパスト推参!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。