シャングリラ・フロンティア〜死にゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜   作:マンデラカタログ

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此岸より愛を込めて花束を
貴方はなんのために死にますか?


 

 最終ダンジョン『港』のボス、上位者の遺児と戦って二日目。

その老人のような見た目からは想像出来ない程の速度で胎盤のような巨大な内臓の巻きついた腕を振るいながらこちらに近づいて来る。

 

『キゥエエエエァァァァァァ!!!!!』

 

「……」

 

 この奇声をもう何回聞いただろうか。正直聞きすぎて夢の中にも出てきたこのボス、何度も死んで何度も挑んだ遺児の体力バーがようやく赤くなる。

 

そして、遂に。

 

「これでラストじゃ!!死ね!この巻グソ野郎がぁぁぁぁぁ!!!」

 

『グゥゥァァァ』

 

YOU HUNTED

 

 思えば長く、苦しい旅だった。様々な思い出が脳裏をよぎる、俺はとびっきりの笑顔を浮かべ、万感の思いを込めて叫ぶ。

 

「ィィイイヨッシャアアアアアアア!ぶっ殺してやったぁぜ!何が上位者の遺児だ!!ガキならもっとゆっくり動けやボケ!!!」

 

 妙に高い攻撃力のせいで通常攻撃が体力を上げても致命傷になりかねないという最高にクソな要素を克服するために習得したパリィによって致命攻撃が決まり、ボスが倒れる。

このパリィ技術を覚えるために半日を使い、回復瓶と銃弾が無くなっときは叫びながら周回したものだ。

しかしながらここで油断しないのが俺クオリティ。何故なら死にゲーを含めたありとあらゆるゲームのラスボスは必ず第二形態が用意されているものだと死んだ回数以上に経験しているからだ。

 

「おら!どうせまだ形態残ってんだろコラ!これまでの苦労を水の泡に変えるような形態があるんだろう!やってやろうじゃねぇか!!かかってこいやぁ!!!」

 

『……ああ、上位者の赤子が、海に還る……呪いと海に底はなく、故にすべてを受け入れる。』

 

「形態変化無いんかい!ならさっさと帰れ!そして二度その顔見せんじゃねぇ!ぶぁーか!!」

 

 倒したボスに容赦なくキレ散らかしているこの姿は本当にゲームを楽しんでいるのか、と問われそうだが安心してほしい、このためにこのゲームから逃げなかったのだ。

 

 

 

 

 『ナイトメアハンター・リメイク〜狩人の悪夢〜』は『ナイトメアハンター〜蒼き血を求めて〜』のリメイク版であり、リメイク前の一般的な評価は神ゲーとなっているがこれの評価は普通になっている。

何故そんな評価になってしまったのか、それは多すぎて言い尽くすことができないが、まず敵MOBの行動AIがリメイク前と比べてはるかに賢くなっている点である。

雑魚敵である大鼠がまさかの回避行動をとって、脇腹に噛みつかれた時はクソビビった。

また、このゲームは鬱ゲーとも言われており、プレイヤーが「敵がクソ強いのはまだ許せるがNPCがみんな碌な死に方をしないのは何故!?」と言うほど碌な死に方をしない。中にはNPCイベントで心が折れたプレイヤーがいるとかいないとか。

そして何より、「天井に張り付いているスライムの多さ」「狂気ゲージを強制的に上昇させる敵」「即死攻撃を普通にしてくる敵MOB」「落下のガバガバ判定」エトセトラエトセトラ……な死亡要素の数々。これらがリメイク前には控えめだったというのがとても不思議なところである。

            

 今なおコアなファンがやっており、遺物ダンジョンというダンジョンに潜り神遺物をゲットするまで潜っている通称「地底人」と言われている存在がいるゲーム、それがこのナイトメアハンター・リメイク通称「ナイハンリメイク」だ。

そして、その全てのルートやイベントをクリアした今の俺ならどんな理不尽が来ようと耐えることができそうだ。

 

だがこれだけは言わせて欲しい。

 

「製作陣は絶対人間じゃねぇ……」

 

壮大な曲と共に流れるエンドロールを見ながら、そんなことを思う俺なのであった。




ナイハンリメイクはフェアクソの後に発売されたゲームで、NPCの女の子がマヴラブのまりもちゃんのような死に様を迎えるゲームです。
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