シャングリラ・フロンティア〜死にゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜 作:マンデラカタログ
「自身よりレベルの高いモンスターを「ヴォーパル」武器を装備した状態で倒す」ことを条件に、全ての街に存在する特定のエリアに出現するヴォーパルバニーの案内でバニー型モンスターの国「ラビッツ」に向かう。
この際ヴォーパルバニーは喋る事なく走り続けるので見失わないようにする事。
そこで彼らの国を襲うモンスター「兎食の大蛇」を倒す事で魔法【エンチャント・ヴォーパル】を獲得することができる。
効果としては武器に「自身よりレベルの高い相手に対してクリティカルに補正が入る」と言う効果を付与するものであり、対ボスモンスターなどでは非常に有用であるため本格的にこのゲームをやり込むのならば必ずクリアすべきユニークシナリオである。
初心者へのオススメは跳梁跋扈の森に出現するヴォーパルバニーから手に入る「致命の包丁」または「致命の直剣」で貪食の大蛇を倒す、というもの。
余談であるが大量のヴォーパルバニー達で構成された兎の国は兎好きのプレイヤーならば是非スクリーンショットの準備をしてほしい。
ラビッツ内でセーブすることは可能だがクリアした時点でリスポーンポイントが変更されるため、現状ラビッツを訪れることができるのはこのユニークシナリオただ一度のみであるからだ。
これが俺がネットで調べて出てきたユニークシナリオ「兎の国ツアー」の概要なんだが……
「やっぱり、昨日俺がやってたユニークシナリオとは全くの別物なんだな……」
俺の前に現れたのは兎食の大蛇なんて奴じゃなく極道を彷彿とさせる大兎だったし。
「おめぇさん、あのジークヴルムと殺り合ったんだろ?中々ヴォーパル魂があるじゃねぇか。」
「ヴォーパル魂……ですか?」
何?ヴォーパル魂って……勇気があるとかそういう意味か?
「どうだい?おめぇさんがその気なら
なるほど、要するにこれは修行クエストか。破格の恩恵が得られると言われているユニークシナリオの修行………願ってもねぇ!!
「よろしくお願いします。師匠!!」
俺はどんなゲームだろうと自分を鍛えてくれる者には必ずこの呼び方をしている。
ヴァイスアッシュはポロリと齧っていた人参を口から落として唖然としてたが、暫くすると侍らせていた兎達が引くくらいに笑い始めた。
「うははははははははは! こりゃあ傑作だ! 師匠か!そうか、そりゃそうだよなぁ! 教えを請う以上俺等が上でおめぇさんが弟子か! 気に入ったぜ!」
教えを請う者として師を師と呼んだだけでここまで上機嫌になるとは、しっかしこの笑い方は自分のことを褒め称えるような敬意的なものだからこっちも嬉しくなるな。
「俺等のこたァヴァッシュと呼びな!認めた奴にゃそう呼ばせてんだ」
「はい!ヴァッシュ師匠!!」
「フッ、ダブリュア!「はいであります!」こいつの世話おめぇに任せるぞ。」
「え!いいんでありますか!?やったぁ!我輩、超超超頑張るであります!!」
ヴァイスアッシュ……もといヴァッシュ師匠に俺の世話役を任ぜられてぴょこぴょこ跳ねるダブリュアを尻目に、俺は暫くメタ的な思考にふける。開示するつもりはないとはいえ、どう言う条件でどういう風に進むのかは把握しないと後々、心身ともに辛い思いをするからな。
とりあえず発生条件は自身より強い相手と戦ってある程度の条件をクリアすることではあるだろうけど。この時点で高レベルプレイヤーとプレイヤースキルの低いプレイヤーはこのユニークシナリオを見つける可能性が低くなる辺りここにも運営の悪意を感じるな。
「それではアラジオ殿!さっそく兎御殿を案内するであります!ついてきて欲しいであります!」
「あー、ちょっと待って」
このまま続けてたらマジで止め時が無くなりそうだからな、ユニークシナリオとユニークモンスターについても調べたいし、流石に少し疲れた。
「悪いんだけど今日は休ませてもらっていいか?」
「そうでありますか……それじゃあラビッツの宿に案内するであります!」
「そっか、リスポーン地点更新出来るのかそれじゃあ頼むよ。」
「お任せあれであります!」
よし、これで明日もこのラビッツからログインできるな。
「おっといけねぇ、また忘れるところだった。おい」
「はい?」
突然ヴァッシュ師匠が投げてきた首輪が俺の首に巻きつき、思わず俺は仰け反る。
「うおっ……!コレは、強制装備アイテム……!?」
・
致命兎の王が作り出した戒めの首輪、王の許可なくして外れることはない。
取得経験値が半分になる代わりにレベルアップの際に獲得するポイントが2.5倍(小数点切り捨て)になる。
「何々……取得経験値半分!?」
「弱者が強さを得るためには尋常ならざる苦難が必要ってこった。ヴォーパル魂を忘れるべからず!だ!」
「似合ってるでありますよ!アラジオ殿!」
………………レベル縛りが一番キツイんよ。
この前はサンラク君のエムル枠の名前を間違えてしまって本当に申し訳なかったです……
また間違えることがあると思いますが、その時はまた指摘して頂けると嬉しいです。^_^