シャングリラ・フロンティア〜死にゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜 作:マンデラカタログ
「そういえばダブリュア、流石にその姿で街を彷徨くのはマズいんじゃないか?」
コラコラ「お前が言うか?」みたいなことを思わないの、しょうがねぇだろ軽いってのは強いんだから。
「確かにそうでありますね…ならば久々にコレの出番でありますね!」
「コレ?」
コレが何か分からないから聞いてみると、ダブリュアは何やら腕につけた腕輪に触れてモニョモニョとなにやら唱え始める。
「これこそ我輩達ヴォーパルバニーの秘法! アラジオ殿、他言無用でお願いするであります……【
ぼっふーん! と実にファンシーな……いや正直に言い直そう、実にバカっぽいSEと煙エフェクトにダブリュアが包まれる。とはいえ屋外、風に煙は流され煙に包まれていたダブリュアの姿が、露わ、に…………
「へ?」
「うーむ……やはり身体の感覚が変わるのは何度やってもなれないでありますなぁ……」
あっれれー?おかしいぞー?俺が今プレイしているのは日本が世界に誇るフルダイブVRゲーム、これまで星の数とは言わずとも多数のMMORPGが保有していた記録を全てぶち抜いた神ゲー、「世界を拓き、世界を楽しめ」がキャッチコピーのシャングリラ・フロンティアのはずなんだがなぁ。
「ふふーん、我輩達はこの魔法のおかげで人間の街でも活動できるのであります!」
「女子?」
「アラジオ殿?」
決して擬人化した獣とキャッキャウフフするギャルゲーをやってたじゃないんだけどなぁ……
小さな兎はどこへやら、俺の目の前で兎の頃の態度そのままに宇宙猫状態の俺を何回も呼んでいる。
「アラジオ殿!!」
「はっ!」
「あっ!戻ったであります!ところでどうでありますか?これなら街の中でも大丈夫であります!」
「……なるほど、街に侵入したら物陰で解除する。その魔法があるからこそヴォーパルバニーが街の中にいたのか……だがなダブリュアよ、お前は一つ致命的な……そうだな、
「?」
俺は自信ありげなダブリュアにサムズアップで事実を伝える。
「半裸の壺頭と一緒にいる時点で怪しさはカンストしている」
「あ」
むしろ兎のままの方が「兎連れの壺頭」で被害は俺だけに止まったのでは、と思うのだ。いやでもモンスターを引き連れていたら普通に街の中に入れてくれないだろうし、変人のレッテルで済むこっちの方が結果的には確実か。悪いがダブリュアには外れくじを引いてもらおう。
「これから「なにをトチ狂ったか半裸の壺頭を引き連れた軍服美女」のレッテルを拝領することになるだろうが……まぁ頑張れ!」
頭を抱えて蹲ったダブリュア人間態に俺はそう生暖かい眼差しで告げてやるのだった。
「それじゃあ気を取り直して行くとするか」
「足がどっと重くなった気がするであります……」
ということで到着しました四駆八駆の沼荒野。
「よし、ここなら元に戻っても大丈夫そうだぞダブリュア」
「はぁ……やっとでありますか……」
ぼっふーん! と先程と同じバカっぽいSEと煙エフェクトに包まれたダブリュアが兎に戻った。
「うぅ……我輩、あんな視線を浴びるのはもう懲り懲りであります……」
「悪かったって。次からはマフラーとかマントに擬態するようにしような」
「そうするであります……」
うーんやっぱり落ち込んでるな……まぁ、人間態のダブリュアの見た目は明らかに鞭とか持ってそうなSっ子だったからな……あとでニンジンを沢山買ってあげよう。
「はい、それではこれからのスケジュールを発表します!」
「わーであります……」
「エリアボスまでぶっちぎる、以上!」
「予想外に雑であります!?」
言っただろう、人が増える前に行くって。
「というわけでサードレマまでノンストップだ。敏捷俺より高いんだから遅れないようにな?」
「我輩、戦うのは得意でありますが駆け回るのは少し苦手であります……」
「………なら俺の肩に掴まっておいて」
「ありがとうであります」
ぴょんっとジャンプして俺の肩に掴まったダブリュア。うん、とても軽い。
「そういえば、急いで街から出て来たから次のボスが何なのか分からないんだよなぁ……ダブリュア知ってる?」
「ヌシの名前は「
評価された……ヤミー感謝感謝…