シャングリラ・フロンティア〜死にゲーマー、神ゲーに挑まんとす〜   作:マンデラカタログ

21 / 49

誰か自分に文才を……


死体漁りとは、感心しないな…

 

 俺は今、半裸に壺頭のアラジオではない。そっちのアラジオはサードレマのランドマーク更新してラビッツのベッドでセーブ&ログアウトだ。

 そして今の俺は暗殺者のような黒い服を身に包んだ曲剣使いのアラジオだ。

 

「久しぶりだなぁ……この空気」

 

 ナイハン挑戦前に一回ログインしたから本当に数ヶ月前だな。

 

「ええと、待ち合わせはファランクス伯爵の邸宅だったか?」

 

 確か番兵のガードが王城より硬いNPCの邸宅だったはずだ、確かにプレイヤーはそうそう近づかないだろうが……ならば何故奴が待ち合わせ場所にそこを指定できるのかという疑問が……まぁいいや、今更こっちで罠に嵌めるメリットもないだろうしなんとかしたんだろう。

 

「んじゃ、行きますか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁやぁよく来てくれたね3人とも!」

 

 ファランクス伯爵の邸宅に到着した俺は、NPCの番兵に止められることもなく中に入ることができた。いったいどんな手練手管を使ったのやら……まぁいい。

 ポリゴンが雑なアバター「鉛筆戦士」が笑みを浮かべて俺らを出迎える。まるで我が家のようにNPCの屋敷にいるのは流石は鉛筆だ。

 

「この4人が「ユナイト・ラウンズ」に揃うのはいつぶりだろうねぇ。君達馬鹿が80人のプレイヤーで固めた「私の城」に乗り込んで来たとき以来かなぁ」

 

「あぁ、あの革命(笑)ね」

 

「言っとくけどあれサンラクの提案だからね、「面白そうだし王様アサシンキルしようぜ」って」

 

「お前らもノリノリだったろうが」

 

「そりゃな!」

 

「まぁね、あれは痛快だった!」

 

 罠の配置がかなり甘かったからなぁ。そこをめちゃくちゃ煽ってたよ。

 

「最後、部下もろとも城ごと大爆発するとは思わなかったよな!」

 

「おいおい、思い出させるなよw」

 

「アッハハハ…!あの鉛筆王朝事件は「ユナイト・ラウンズ」の運営が終了する日まで語り継がれるだろうね!」

 

「あぁ、だけどその場限りの刹那主義のくせして心の中では今も悔しがってるもんだから、たまに誰も聞いてないのに言い訳始めるし…」

 

ドズッ!!

 

「「「え!?」」」

 

「和気あいあいとしてきたところで、本題に入っていいかな?」

 

「「「はい!」」」

 

「よろしい」

 

 うーん……やっぱり恐怖を感じる迫力があるんだよな……流石魔王……

 

「俺らを集めたってことは、ただ一緒に「シャンフロ」しようぜってことじゃあないんだろ?」

 

「「うんうん」」

 

「……そうだね、時間もあまりないし単刀直入に言うよ」

 

 まるで自宅であるかのような気軽さでサンラクの問いに、鉛筆戦士はいつものように笑みを浮かべてなんでもないかのように爆弾を投下した。

 

 

 

 

 

 

「ユニークモンスター「墓守のウェザエモン」の討伐を4人でやらない?」

 

「「「……………」」」

 

 ……は?

 

「「「はぁ!?ユニークモンスター!?」」」

 

「ユニークモンスターってサンラクが戦ったリュカオーンっていうのと同じカテゴリーのやつだよね?マジ?「ユニーク」めっちゃ興味あるんですけど!!」

 

「そうだよ「シャングリラ・フロンティア」七つの最強種の1つ……「墓守のウェザエモン」」

 

 おいおい、てっきりどっかのクランにカチコミかけようとかだと思ったけど……ここにきて新ユニークモンスター発見かよ!?

 

 俺とカッツォが取り乱しているときにサンラクが口を開く。

 

「……4人でって言ったな」

 

「ああ」

 

「勝算はあるのか?そのウェザエモンっての全く知らないけど……」

 

「数を揃えれば勝てるヤツでもないんだよねぇ…実際、阿修羅会上位15人で討伐隊組んだけどフルボッコだったよ」

 

「それはプレイヤー数が増えたから体力と攻撃力に補正が入ったからじゃないのか?」

 

「それもあるけど……これ以上の情報は承諾してくれたら開示する。チャンスは1回きり、二週間後に実施される夏の大型アップデート直後の新月の夜、それが決行の日。どうする?」

 

 アプデ直後だと?何でシャンフロを始めて間もない俺達を誘う?

 少数精鋭ならレベルの高いプレイヤーで固めたほうが確実だろ。

 

「レベルに関してはそこまで問題じゃないんだよ……必要なのは純正なプレイヤースキル。だからこそ、プロゲーマーのカッツォ君と死にゲーマーのアラジオ君そして、クソゲーマーのサンラク君の力が必要なの」

 

なるほどそれなら納と……ん?

 

「……プロゲーマーと死にゲーマーとクソゲーマーって並べていいのか?」

 

「「ゲーマーの格が落ちそうだから離れてどうぞクソゲーマー」」

 

「何!てめぇら……この!」

 

 事実なんだからしょうがないだろ……おい待て!マスクを剥がそうとするな!!

 

「で、どうかな?追加報酬が欲しいなら聞くけど」

 

「……まぁ、話は分かった」

 

 ここからが本題だ。

 

「まだ何か隠してるんだろ? 俺たちを一枚噛ませるならそこんとこも教えてくれよな」

 

 サンラクのその言葉に、鉛筆戦士はその笑みをますます深くした。

 

「それじゃあ作戦会議を始めましょう」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。